いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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671:交渉

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布類と壊れた小物、酒類は元に戻したが、
馬車はそのままだ。
追ってきた人たちの前できれいにする必要もない。
アイデアだけを紙に書き留めていく。

何人のお客さんだ?
20人?陸鳥に乗ってきている。
人が下りると帰っていった。
帰りはどうするんだろう?呼ばべば来るのかな?


マティスの殺気は重いな。
あれで殺しちゃダメってことだから難しいようだ。
わたしはあれに向き合うことができるんだろうか?
いまは外から眺めているからどうってことはない。
あの気をわたしにだけに鍛錬以外で向けられたら、きっと泣くだろう。
いや、冷静になるだろうな。
なぜ?滅しようとする?
わたしがいらない?邪魔?
それは受け入れられない。
ならばあなたを道ずれにってことになるだろうな。
あなたが望むのならとはならない。

わたしがいなくなっても幸せになってね、なんて言えないな。
正に緑の目だ。
わたしが。



「そこまで!!」

ニックさん止めが入った。
乗ってくるとダメなんだろうな。最初は冷静に処理していたから。
うん、まさしく処理だ。


「一定だ。感情をのせるな。」

ニックさんの指摘もわからんでもない。

「これは?」

ニックさんが早々に1人確保している。


「聞かないとな。誰の指示だ?」

だんまりだ。
そりゃ、言わないよね、普通は。

「わかったところで、どうでもいいよ。
それより、陸鳥帰っちゃったでしょ?どうやって帰るつもりだったの?
そっちの方が知りたいな。」

これもか。


「ここら辺を縄張りにしている陸鳥?卵がおいしんだよね?
交換してるの?餌と?」

あの陸鳥達にもお気に入りの砂山があるのかな。
それはまた今度調べよう。

「時間がないからね。もう、いいや。」
「いいのか?」
「うん。呼ぶんだろうけど、笛かな?
20番門の顔役の指示かな?
これで、布屋や、宿屋だったらお笑いだ。
ミフェルの手か、アガッターか?」
「アガッター?」
「こっちに来てるらしいからね。
ミフェルのところの動きを探ってるのかもしれない。
戻って、逃げられましたって報告して、
この人たちが無事かどうかはわかんないけど、
それは知らない話だ。
陸鳥を呼んで、逃げるが勝ちだとは思うけど、
家族がいたらそうもいかないでしょう。
これが職業じゃないでしょ?強盗が。
頼まれた仕事だ。
サ行組は強くて命からがら逃げてきたって報告するほうがいいかな?
馬車は粉々にしたって言えるしね。
ササ?お願いします。」

バスと肩に手刀を入れ、気絶?昏倒させた。


「なんで、馬車のことはなしたんだ?」
「いい感じに改造できそうだからね、
今度の会合でセサミンに乗ってもらえる。
ここで買った馬車だとサ行組とコットワッツの関係を疑われる。
そんなに頻繁に10万リングもする馬車は売れないよ?
改造してしまえば、わからなし、サ行組が買った馬車は粉々だ。
偽の残材の燃やしてしまおう。
音石君仕込むでしょ?じゃ、もう収納して移動しよう。
パーニュさんに馬車は?
って聞かれれば襲われてバラバラになって捨てたっていえばいい。」

ここから鍛練をしながら10番門へ。
いい感じに薄汚れていくだろう。
わたしはニックさんとマティスに。
マティスはニックさんの攻撃可。
ニックさんはわたしとマティスに圧だけを掛けてくる。

これになれないといけない。
慣れるというか、知らないといけない。
自分より上位の滅せよという気だ。
あがらわなければならない。



裏街道から大きく外れ、
荒野真っただ中だ。
黒の海峡石で方位がわかるからいいのだが、
廻りを見渡しても何もないから迷子になるだろうな。

進む方向を確かめているのはニックさん。
石を見ながら、うまく誘導している。
ちょうど、例の陸鳥たちがいるところに差し掛かると止まれの合図。


「卵採りか?2人いるな。陸鳥も来るな。」
「あのなんとかさん?と子供?」
「クラロだったか?そうみたいだな。横のはクインタだろ。」

驚いた!
子供だよ!変装というか、髭とおなか廻りの肉がない。
年相応に見える。いや、子供だ。
完全に気配を消して様子を見ることに。



あの陸鳥たちか?
馬は区別着くけど、それ以外はわからんな。



「今日こそ交換してもらうぞ!
チャクはこれだけだ。いいから食べてみろ!」



ピーーーーーー!!!

またこいつらだ
いいかげん、違うの持って来いよ
量も少ないし
2人だけだ
喰うか?
それもいいな
だが、このチャクはうまいからな!
とにかく食べよう




あれか?白い粉を混ぜたのか?
混ざっているかどうか判断できないのか?
実験の方も結果を見に行かないと。


量が少ないのかすぐになくなった。


「もっとほしいか?
だったら、卵と交換だ。」


もっと!もっとほしいな!
もっとだ!!


さっきと同じ量を出して卵と交換している。


「やった!この餌で正解でしたね!
クインタ様!」
「そうだな!これで、卵採りの仕事は続けられる。」


いろいろ親子ではなしをしたんだろうか?
それにこの餌というのは、
キャムロンと同じで、3日食べればもっと欲しくなるということか?

タフトでキャムロンを食べる人は毎日食べていると聞いた。
安い食材でうまい。
だけど、毎日食べないと落ち着かないらしい。
食事の時にロリンザーさんとベリナさんが話してくれた。

言霊で体と精神に悪影響のあるものは排出するはずだ。
出された食事の中ではなく、あの食事でとしたから、
2人の体内に残っているものも輩出したはず。

見送ってもらう時に、
今日はたくさん食べたから、さすがに要らない、
キャムロンを食べない日があるなんて驚いたとはなしていた。

ひとだから、毎日食べるとしても、
安い食材だ、いつでも手に入る。
もっと欲しいとおもっても、
理性があるから、また食べればいいとなるだろう。

狂暴性のある生き物だったらどうだ?
身近にあるから、いつでも食べられると安心感があるだろう。
好物が沢山あれば、安心だが、
これを食べてしまったらもうないとなったら、無性にもっと欲しくなる。


ピーーーーーーー!!!!
もっと寄こせ!!!!



2人に襲い掛かる。

「クインタ様!!逃げて!!」
「お前ではダメだ!誰か呼んで来い!」


へー、ちゃんと信頼関係はあるんだ。
が、クインタの腕ではダメだな。
クラロも足が遅い。
廻り込まれた。


『動くな!!』


ドンと気合をいれれば、陸鳥が固まる。
その間に、2人をニックさんたちが抱えて離脱だ。

「ムムロズの倅だな?
俺はニックだ。
どうする?俺たちは護衛業をやってるんだが、雇うか?
マティスとモウは知ってるだろ?
今助けたのは、ムムロズの倅だからまけとくよ?
どうする?」

すかさず交渉。これだね。

「あ!あ!」
「陸鳥20頭、1頭10リング、殺さずだ。
いま、モウが押さえているだけだ。俺たちが離れればまた来るぞ?
走って逃げられないな。
ムムロズに鍛えてもらってないのか?
もったいないな。」
「!」
「で?」
「・・・お願いします。」
「良し!モウ!殺すな!一定だ。拳でいけ!」
「応!」


感情を上げず、一定の気持ちで制する。
向こうはこの前の奴だと気付いたようだ。賢いな。
が、そんなことはどうでもいい。
一定に、気持ちを高ぶらせない。




あっという間だ。
陸鳥の悪態の内容はあいかわらずだった。

「ニックさん、おわったよ?」
「いいな。今度は人相手もその平常心でな。」
「はい。」

「じゃ、200リングな。これはリングでくれればいい。
明日には行くとカリク殿に言っといてくれるか?」
「・・・はい。」
「ははは!素直じゃないか!ムムロズと話はできたんだな?」
「知っているのですか?」
「昔の知り合いだ。あった時に話すが、
あれの卵はもう止めておいたほうがいいな。
代わりに、あの卵出してくれ。」


ニックさんに言われギーの卵を出す。
こっちのほうがおいしいんだけど、採取しようとはならなかった。
大変だからだ。臭いとかが。


「これが、タフト街道で買えるほうがいいだろ?」
「そうだね!」
臭いを何とかすれば採取できるか。

「これな、ギーの卵だ。
陸鳥が持ってくるのはギーの偽卵だ。にせの卵な。
ムムロズに頼んで、陸鳥の後をつけてみろ。
今から戻って連れてこい。
それまで、陸鳥は眠ってるだろうさ。
ほら、行け!必ずムムロズを連れて来いよ。
出ないとお前たちではついていくこともできないだろうからな。
ニックは余裕で後をつけれたと言っとけ。
負けず嫌いのムムロズは必ずやってくるから。
ほら!走れ!!」


ギーの本卵を荷車に詰め込み、戻っていった。

「ギーの本卵が食べれるようになるのならいいよね。
じゃ、かち合う前に、10番に行こう。
あ、砂のとこ行きたい。砂が欲しい。」
「食べないぞ?」
「もう!わかってるって!!」

フェイスパウダーの研究をしたいのだ。




月が昇るかなり前に10番門に。
入る前にまた変装をする。ここに最初に来た時と同じだ。

外から門に入ると、また、お金を取られた。

「パーニュの旦那が来たら
サギョウグミは一番端の宿にいるって伝えてくれるか?」
「パーニュって19番門の?こっちに来るのか?」
「いや、わからんが。来たらの話だ。
これ、駄賃な。」

駄賃は出せるけど、
泊まる宿屋は10番門内で一番お安いお宿だ。
それぐらいの懐状態が一番怪しまれない。


あのお酒を交換した一番端の宿屋に。

「ご主人、泊まりに来た。」
「ご主人殿!先日はとんだ失態を!」
「おお!来たかい!いや、びっくりしたよ?問題なかたんだな?
いや、あんたの旦那には礼を言われたんだよ?」
「へ?なぜゆえに?」
「あんたを抱きかかえて介抱できるからだとさ!あははははは!!」
「もう!セセ!!」
「事実だろう?可愛らしかったぞ?」
「そこ、じゃれつくのはあとにしてくれ。
3人だ。もしかしたら、後で客人が来るかもしれない。
俺たちはサギョウグミって名乗ってる。」
「客?ああ、わかった。飯は9番で?」
「いや、こっちにくるまでに使い果たしたよ。
ああ、宿代はあるから。先に払っとくよ。
いくらだ?」
「3人?大部屋でいいのか?」
「出来たら、庭の近くがいいな。
飯は自分たちで用意するから。火を使いたい。」
「ここでか?俺の宿だからいいけど、ほかの宿だったら追い返されるぞ?
タフト街道の宿屋なのに。」
「すまんな。そんかわり、ソソがだした酒に合うもんをだすぞ?
あんたも相当な酒好きってきいたからな。どうだい?」
「いいな!じゃ、中庭の部屋に案内するよ。」


ほんとニックさんは酒好きだ。
そして、酒好きに好かれる。
マティスは料理好き。
だから料理人好きに好かれる。
いいね。

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