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670:警戒
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「ワ、ワイプ!ど、どうしよう!!」
「知りませんよ。
あーあ、モウのことだから二度と資産院に
差し入れはしてくれませんよ?
師匠のわたしには有ると思いますが。」
「そんな!」
オート院長の妻と言っていいのか、
通っている娼婦はモウを睨み続けながら帰っていった。
オート院長に何も言わずに。
「オート院長?ちょっとお聞きしますが、
彼女、タミナ殿と知り合ったのはいつですか?」
「いつ?わたしが院長になる少し前だ。どうして?」
「最近なんですね。それで、今年の雨の日の結婚を承諾してもらえたと?」
「・・・・疑うのか?」
「なんとも言えません。
スダウト家に出入りしていたのは前から?」
「そう聞いている。」
「いつも通っていると?毎日?」
「2日おきだと。・・・ワイプ、言ってくれ。」
「あなたの指示で資産院がここに出入りしていることは
皆知っている。
そして、わたしはここでタミナ嬢にあったことはない。
リガーナ殿がわたしとの接触を避けて帰したわけでもない。
いつも、さっきまでいたのにという。
ま、これは若い娘さんには避けられますから別段不思議でもないんですがね。
そして、今わたしがここを離れていることも大抵のものは知っている。
この日に襲撃、これは襲撃ですよ?強盗ではない。
この時に息子が帰ってきたのはたまたまだ。
それがなければ?
彼女は死んでいる。火の不始末でね。
丸焦げの遺体の確認は誰がする?
リガーナ殿の身近な人物はタミナ殿しかいない。
煙が上がったから心配で見に来たと?
火はすぐに消えています。けむりも一筋だ。
余程近所に住んでいる?違いますよね?
来るのが早すぎる。
彼女がリガーナ殿を見たときの感情の動きはなかった。」
「なかった?」
「無事で喜ぶわけでもなし、死んでいないことに驚くわけでもない。
訓練されたもののようでしたよ。
あなたを見て少しだけ動いた。
火事が起これば資産院が駆けつけるのは当然。
が、自分より先に来ているとは思っていなかったというところでしょうか?
そこからは一切動かなかった。
たまにいる読み取れない人かと思いましたがそうではない。
モウに対する感情は本物だ。よくある女性同士のけん制?あれですね。
ニック殿もおっしゃっていました。
あなたの護衛について、オート殿は気付かないのに、彼女は気付くと。
あなたは疎すぎるから。」
「・・・・それで?結論を。」
「警戒を。
貸付の権利が資産院に渡ったことは想定外だ。
下手をすれば資産院が火をつけたと言われかれない。
前もって托されていたということでいいでしょう。
リガーナ殿が心を許しているのにそれを切り捨てることはできると。
警戒だけ。」
「・・・・。」
「この仕事、なにもかもを疑い、警戒しなければならない。
家族を持つことも難しい。人の心の内はだれも分からないから。
オート院長?」
「・・・・わかっている。わたしは資産院院長だ。」
「ええ。そういう時は甘味ですよ?
これね、特別ですよ?やっとの思いで手に入れたんですから。
こっそりお食べなさい。」
「え?茶色?甘いの?」
「酒が入ってますよ。噛めば中から出てきます。
ほら、早く戻らないといけないんですから。
これのことは極秘ですよ?王のことよりも。」
「え?それよりも?モウ殿?」
「わかっているなら聞いてもいけません。
ツイミたちが報告にやってきます。ルビスとチュラルは鼻が利くから。」
「!!!!!!!!!!」
「うまいですよね?
それで、オート院長?わたし、向こう3年ほど出向扱いにしてもらえます?」
「はぁ?」
─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘
「料理はこれからおぼえるわ。掃除は、難しいわね。
あら?わたし何もできないわ。」
「はははは!ゆっくり一緒にしていこう。
まずは、菓子をつくるか?」
「素敵!!あ!先に産婆殿たちに連絡とれるかしら?
彼女たちには知らせておかないと。あと口止めと。
彼女たちに言っておけば安心ですから。」
「そうか?隣のミラダの奥さんが出産するからな。
言付けてもらおう。それでいいか?」
「ええ。」
「じゃ、その時に持っていく菓子をさっそく作ろうか?
モウさんがいうには、なにかしてもらったりお願いするときに、
ちょっとした菓子を持っていけばいいと教えてもらってな。
この家を改築するときに近所に配ったんだ。
喜ばれたよ。なるほどなって思ったもんだ。」
「素敵なことね。」
「な?その時にリガーナを紹介しよう。」
「うれしいわ!あなたも一緒にね?」
「いや、息子がいるのはいいが、ずっとここに入れるわけじゃないんだ。
仕事で、西に行かないといけない。詮索が入るのはまずい。」
「わかった。
じゃ、行商でこっちに戻ってるってことでどうだ?
なんの仕事をしているかって聞かれるから。」
「行商もまずい。」
「そうなのか?ではどうする?」
「護衛業は?飛び出そうとしてくれたんですもの。
強いのよね?」
「それなりに。」
「素敵!!あなたと一緒だったガイライは軍部隊長まで行ったのよ?
今は分隊だけど。いい時期に抜けれたわ。」
「どういうことですか?」
「いろいろよ。
あなたがどこに所属してどこのことを探っているか分からないから
言わないわよ?自分でお調べなさい。」
「母さん!」
「行商でも護衛業でもないのはわかるのよ?」
「タンダート!人様に迷惑をかけるようなことではないだろうな!!
いつも言っていただろう!!」
「と、父さん!」
「あなた!素敵!!」
子を叱る父親を見て母親は素敵だというのか?
「リガーナ!あなただなんて!
お前も素敵だぞ?」
「お前!素敵!!」
「・・・・父さん、母さん。
ちょっと、外に出てくるよ。ガイライと話もしたいし。
戻ってこないかもしれないけど、明日の月が昇る前には戻る。」
「そうなの?お友達ですものね。ゆっくりしてらっしゃい。
それと、モウさんたちには会うの?
タミナのこと申し訳ないって謝っておいて。
わたしの立場で謝るのもおかしいんだけどね。
にらまれていたでしょ?あの子は少し真面目過ぎるのよ。
身分のことに対しても厳しいわ。
自分がそれで苦労しているから。
わたしたちのこともある程度は知っているんだけど、
それをよかったって言ってくれるのは、
わたしの方が身分が上だったから。
でも今は違う。その線引きは悲しいほどきっちりしているの。
ここに白馬車に乗りに来ることもないわ。残念だけどね。」
「そうだな。あれはあの場所、オート院長殿がいたからだな。」
「だろうな。あのこむ、モウさんはそんなことは気にしないんだろう。」
「そうね。強くて冷酷ね、彼女は。」
「冷酷?モウさんが?とても親切にしてくれているんだぞ?」
「それはあなただからよ。気に入ったものだけしか興味がない、
ちがうわね、感情が動かない、緑の目のようね。」
緑の目はマティスだ。
モウもなのか?分からないな。
「とにかく出てくる。
!あ、あの時どうしてモウさんが来たのかわかる?」
「モウさんは石使いなんだ。あまり言わないでくれと言われているがな。
困ったことがあればわかるからといつも言われている。
それに対して疑問に思わないでと。
彼女がそういうのだったら、それでいいと思っている。
マティスさんはコットワッツ、セサミナ様の兄上だ。
その関係だろうとも言われている、移動ができると。その奥方だ。
マティスさんがなにかしてるのではないかな?」
「その話は、王都では皆そう思っている?」
「そうだな。コットワッツは変動後いろいろあったから。」
「・・・・先にその話聞かせて?」
「かまわんよ。変動の話からだな。」
─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘
「ルカリ?
これは先ほど届いたものだ、お前の槍だ。
細かい調整はわたしがするから。軽いか?重いか?」
「素晴らしいものですね!重さ?ええ、少し重い?
これにならしていきましょうか?」
「明日だぞ?モウとするのは。
いま、一番良い状態にしないと。」
「そうですね!」
軍部の鍛練場に来ているが、
誰も鍛錬はしていない。
どこかに遠征しているわけでもないのに。
こんな状態で戦争なんぞ仕掛けることもできないし、受けることもできない。
月が沈んで半分までに、第3軍の権利が軍と同等になるように根回しはした。
予算は出ない独立機関だ。
命令系統は第3軍の上は他の2軍ではなく、王のみ。
現場指揮権は先に到着したものに。
中央院事務部からは文句も出ない。
当然他の院からも。
第三軍が先に這いずり回るんだ、手柄だけが上がってくればいい。
こちらは手柄はいらない。ニバーセル国を守れるのなら。
王の名において動かせればいいとでも考えているのだろう。
それは無理なのだ。
わたしの主はモウなのだから。
あとはモウに、主が安心していただければそれでいい。
重さを確かめているルカリに銃のことも聞いてみた。
「どうだ?」
「大量に入っています。
軍部には一人1丁。わたしにも配給はありました。
銃弾は60弾。」
「その予算は?軍?資産院?」
「軍部の資産は2軍に振り分けられました。
あらたに資産院からはでません。当分はマトグラーサが支給すると。」
「そうか。使っておけばよかったな。が、あの資産があったからこそ、
わたしとニックが外に出されたんだがな。
なければ、身動き取れず、中央院の言いなりだ。」
「両家はさっそく軍部とは全く関係ないところで使っているようですよ?
タフト街道で娘のために。」
「ああ、マティスのだろ?」
「それが、マティス殿はもう関係なしで、ダルカナ王の妃を
雨の夜会で決めるとか。」
「その話は例の?」
「ええ。スクレール家の火災の話をこちらに確かめるためにやってきました。
ちょうど米を炊いていたので、そのやり方を話しながら。
リガーナ殿は残念でした。」
「そうだな。それで?」
「スクレール家に金を借りていた貴族たちは喜んでいると。
スクレール家の資産はほぼすべて土地の所有権です。
廃鉱山も少なからずあると。それの権利はご子息に移るのですが、
生死不明で。だが、契約石は健在です。どう使おうがここにいないのならば
文句は言えない。
早い者勝ちのように権利を主張するようですよ。
いま、貴族連中はその各土地に視察に出ています。
臨時会合で決定するとか。
中央院、資産院も、それを運営して税が入るのなら何も言えないでしょう。
「しかし、息子が出てくれば?」
「みな死んではいないが、ニバーセルにはいない、戻って来ないと思っています。
権利を主張しても臨時総会で法を変えるでしょうね。
あと、、、」
「ん?」
「スクレール家の話は禁止に。
生きてらっしゃるうちはよかったのですが、お亡くなりになったとあって。
産婆の方からも触れるなとお達しがあったようです。
それで、火事のことは本当なのかと確認に来たんですよ。」
「わかった。では、演者の紹介はいいんだな?」
「・・・・。」
「言え!」
「悲しい話はいいから、楽しい話をお願いしますと言われました!!」
「はぁーーー。モウに相談だ。」
「はい。」
ダカルナの話は、ニックから聞いた通りだ。
ここにきてなぜだ?マティス狙いから実際はモウ狙いということか?
今日は10番門内で泊まる予定だが、
中央院からの呼び出しは月が昇ればあるはず。
動けないな。
どちらにしろ、ルカリの鍛錬だ。
「では、行くぞ?モウは槍と拳術の動きが合わさる。
槍だけ、拳だけの縛りはないからな。行くぞ?」
「はい!」
「知りませんよ。
あーあ、モウのことだから二度と資産院に
差し入れはしてくれませんよ?
師匠のわたしには有ると思いますが。」
「そんな!」
オート院長の妻と言っていいのか、
通っている娼婦はモウを睨み続けながら帰っていった。
オート院長に何も言わずに。
「オート院長?ちょっとお聞きしますが、
彼女、タミナ殿と知り合ったのはいつですか?」
「いつ?わたしが院長になる少し前だ。どうして?」
「最近なんですね。それで、今年の雨の日の結婚を承諾してもらえたと?」
「・・・・疑うのか?」
「なんとも言えません。
スダウト家に出入りしていたのは前から?」
「そう聞いている。」
「いつも通っていると?毎日?」
「2日おきだと。・・・ワイプ、言ってくれ。」
「あなたの指示で資産院がここに出入りしていることは
皆知っている。
そして、わたしはここでタミナ嬢にあったことはない。
リガーナ殿がわたしとの接触を避けて帰したわけでもない。
いつも、さっきまでいたのにという。
ま、これは若い娘さんには避けられますから別段不思議でもないんですがね。
そして、今わたしがここを離れていることも大抵のものは知っている。
この日に襲撃、これは襲撃ですよ?強盗ではない。
この時に息子が帰ってきたのはたまたまだ。
それがなければ?
彼女は死んでいる。火の不始末でね。
丸焦げの遺体の確認は誰がする?
リガーナ殿の身近な人物はタミナ殿しかいない。
煙が上がったから心配で見に来たと?
火はすぐに消えています。けむりも一筋だ。
余程近所に住んでいる?違いますよね?
来るのが早すぎる。
彼女がリガーナ殿を見たときの感情の動きはなかった。」
「なかった?」
「無事で喜ぶわけでもなし、死んでいないことに驚くわけでもない。
訓練されたもののようでしたよ。
あなたを見て少しだけ動いた。
火事が起これば資産院が駆けつけるのは当然。
が、自分より先に来ているとは思っていなかったというところでしょうか?
そこからは一切動かなかった。
たまにいる読み取れない人かと思いましたがそうではない。
モウに対する感情は本物だ。よくある女性同士のけん制?あれですね。
ニック殿もおっしゃっていました。
あなたの護衛について、オート殿は気付かないのに、彼女は気付くと。
あなたは疎すぎるから。」
「・・・・それで?結論を。」
「警戒を。
貸付の権利が資産院に渡ったことは想定外だ。
下手をすれば資産院が火をつけたと言われかれない。
前もって托されていたということでいいでしょう。
リガーナ殿が心を許しているのにそれを切り捨てることはできると。
警戒だけ。」
「・・・・。」
「この仕事、なにもかもを疑い、警戒しなければならない。
家族を持つことも難しい。人の心の内はだれも分からないから。
オート院長?」
「・・・・わかっている。わたしは資産院院長だ。」
「ええ。そういう時は甘味ですよ?
これね、特別ですよ?やっとの思いで手に入れたんですから。
こっそりお食べなさい。」
「え?茶色?甘いの?」
「酒が入ってますよ。噛めば中から出てきます。
ほら、早く戻らないといけないんですから。
これのことは極秘ですよ?王のことよりも。」
「え?それよりも?モウ殿?」
「わかっているなら聞いてもいけません。
ツイミたちが報告にやってきます。ルビスとチュラルは鼻が利くから。」
「!!!!!!!!!!」
「うまいですよね?
それで、オート院長?わたし、向こう3年ほど出向扱いにしてもらえます?」
「はぁ?」
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「料理はこれからおぼえるわ。掃除は、難しいわね。
あら?わたし何もできないわ。」
「はははは!ゆっくり一緒にしていこう。
まずは、菓子をつくるか?」
「素敵!!あ!先に産婆殿たちに連絡とれるかしら?
彼女たちには知らせておかないと。あと口止めと。
彼女たちに言っておけば安心ですから。」
「そうか?隣のミラダの奥さんが出産するからな。
言付けてもらおう。それでいいか?」
「ええ。」
「じゃ、その時に持っていく菓子をさっそく作ろうか?
モウさんがいうには、なにかしてもらったりお願いするときに、
ちょっとした菓子を持っていけばいいと教えてもらってな。
この家を改築するときに近所に配ったんだ。
喜ばれたよ。なるほどなって思ったもんだ。」
「素敵なことね。」
「な?その時にリガーナを紹介しよう。」
「うれしいわ!あなたも一緒にね?」
「いや、息子がいるのはいいが、ずっとここに入れるわけじゃないんだ。
仕事で、西に行かないといけない。詮索が入るのはまずい。」
「わかった。
じゃ、行商でこっちに戻ってるってことでどうだ?
なんの仕事をしているかって聞かれるから。」
「行商もまずい。」
「そうなのか?ではどうする?」
「護衛業は?飛び出そうとしてくれたんですもの。
強いのよね?」
「それなりに。」
「素敵!!あなたと一緒だったガイライは軍部隊長まで行ったのよ?
今は分隊だけど。いい時期に抜けれたわ。」
「どういうことですか?」
「いろいろよ。
あなたがどこに所属してどこのことを探っているか分からないから
言わないわよ?自分でお調べなさい。」
「母さん!」
「行商でも護衛業でもないのはわかるのよ?」
「タンダート!人様に迷惑をかけるようなことではないだろうな!!
いつも言っていただろう!!」
「と、父さん!」
「あなた!素敵!!」
子を叱る父親を見て母親は素敵だというのか?
「リガーナ!あなただなんて!
お前も素敵だぞ?」
「お前!素敵!!」
「・・・・父さん、母さん。
ちょっと、外に出てくるよ。ガイライと話もしたいし。
戻ってこないかもしれないけど、明日の月が昇る前には戻る。」
「そうなの?お友達ですものね。ゆっくりしてらっしゃい。
それと、モウさんたちには会うの?
タミナのこと申し訳ないって謝っておいて。
わたしの立場で謝るのもおかしいんだけどね。
にらまれていたでしょ?あの子は少し真面目過ぎるのよ。
身分のことに対しても厳しいわ。
自分がそれで苦労しているから。
わたしたちのこともある程度は知っているんだけど、
それをよかったって言ってくれるのは、
わたしの方が身分が上だったから。
でも今は違う。その線引きは悲しいほどきっちりしているの。
ここに白馬車に乗りに来ることもないわ。残念だけどね。」
「そうだな。あれはあの場所、オート院長殿がいたからだな。」
「だろうな。あのこむ、モウさんはそんなことは気にしないんだろう。」
「そうね。強くて冷酷ね、彼女は。」
「冷酷?モウさんが?とても親切にしてくれているんだぞ?」
「それはあなただからよ。気に入ったものだけしか興味がない、
ちがうわね、感情が動かない、緑の目のようね。」
緑の目はマティスだ。
モウもなのか?分からないな。
「とにかく出てくる。
!あ、あの時どうしてモウさんが来たのかわかる?」
「モウさんは石使いなんだ。あまり言わないでくれと言われているがな。
困ったことがあればわかるからといつも言われている。
それに対して疑問に思わないでと。
彼女がそういうのだったら、それでいいと思っている。
マティスさんはコットワッツ、セサミナ様の兄上だ。
その関係だろうとも言われている、移動ができると。その奥方だ。
マティスさんがなにかしてるのではないかな?」
「その話は、王都では皆そう思っている?」
「そうだな。コットワッツは変動後いろいろあったから。」
「・・・・先にその話聞かせて?」
「かまわんよ。変動の話からだな。」
─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘
「ルカリ?
これは先ほど届いたものだ、お前の槍だ。
細かい調整はわたしがするから。軽いか?重いか?」
「素晴らしいものですね!重さ?ええ、少し重い?
これにならしていきましょうか?」
「明日だぞ?モウとするのは。
いま、一番良い状態にしないと。」
「そうですね!」
軍部の鍛練場に来ているが、
誰も鍛錬はしていない。
どこかに遠征しているわけでもないのに。
こんな状態で戦争なんぞ仕掛けることもできないし、受けることもできない。
月が沈んで半分までに、第3軍の権利が軍と同等になるように根回しはした。
予算は出ない独立機関だ。
命令系統は第3軍の上は他の2軍ではなく、王のみ。
現場指揮権は先に到着したものに。
中央院事務部からは文句も出ない。
当然他の院からも。
第三軍が先に這いずり回るんだ、手柄だけが上がってくればいい。
こちらは手柄はいらない。ニバーセル国を守れるのなら。
王の名において動かせればいいとでも考えているのだろう。
それは無理なのだ。
わたしの主はモウなのだから。
あとはモウに、主が安心していただければそれでいい。
重さを確かめているルカリに銃のことも聞いてみた。
「どうだ?」
「大量に入っています。
軍部には一人1丁。わたしにも配給はありました。
銃弾は60弾。」
「その予算は?軍?資産院?」
「軍部の資産は2軍に振り分けられました。
あらたに資産院からはでません。当分はマトグラーサが支給すると。」
「そうか。使っておけばよかったな。が、あの資産があったからこそ、
わたしとニックが外に出されたんだがな。
なければ、身動き取れず、中央院の言いなりだ。」
「両家はさっそく軍部とは全く関係ないところで使っているようですよ?
タフト街道で娘のために。」
「ああ、マティスのだろ?」
「それが、マティス殿はもう関係なしで、ダルカナ王の妃を
雨の夜会で決めるとか。」
「その話は例の?」
「ええ。スクレール家の火災の話をこちらに確かめるためにやってきました。
ちょうど米を炊いていたので、そのやり方を話しながら。
リガーナ殿は残念でした。」
「そうだな。それで?」
「スクレール家に金を借りていた貴族たちは喜んでいると。
スクレール家の資産はほぼすべて土地の所有権です。
廃鉱山も少なからずあると。それの権利はご子息に移るのですが、
生死不明で。だが、契約石は健在です。どう使おうがここにいないのならば
文句は言えない。
早い者勝ちのように権利を主張するようですよ。
いま、貴族連中はその各土地に視察に出ています。
臨時会合で決定するとか。
中央院、資産院も、それを運営して税が入るのなら何も言えないでしょう。
「しかし、息子が出てくれば?」
「みな死んではいないが、ニバーセルにはいない、戻って来ないと思っています。
権利を主張しても臨時総会で法を変えるでしょうね。
あと、、、」
「ん?」
「スクレール家の話は禁止に。
生きてらっしゃるうちはよかったのですが、お亡くなりになったとあって。
産婆の方からも触れるなとお達しがあったようです。
それで、火事のことは本当なのかと確認に来たんですよ。」
「わかった。では、演者の紹介はいいんだな?」
「・・・・。」
「言え!」
「悲しい話はいいから、楽しい話をお願いしますと言われました!!」
「はぁーーー。モウに相談だ。」
「はい。」
ダカルナの話は、ニックから聞いた通りだ。
ここにきてなぜだ?マティス狙いから実際はモウ狙いということか?
今日は10番門内で泊まる予定だが、
中央院からの呼び出しは月が昇ればあるはず。
動けないな。
どちらにしろ、ルカリの鍛錬だ。
「では、行くぞ?モウは槍と拳術の動きが合わさる。
槍だけ、拳だけの縛りはないからな。行くぞ?」
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