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669:散財
しおりを挟む(ニックさん?ミフィルがいたよ)
(ああ、マティスに聞いた。ザスの話もベリナからな)
(よろしくないの?)
(いいとは言えないな。カリクの所に持って来たエフエとは別口だ。
これも塩袋を使っているらしい)
(あー)
「それで?化粧?なんだ?」
結構時間をくったので、かなり飛ばして18門街に戻っている。
真ん中の車線を使って高スピードだ。
さすがにこの速さは揺れて酔うので、
マティスに抱きかかえてもらっている。
これで安心。
さっきの店でのやり取りを面白おかしく報告した。
ミフィルが出て来た時点で
ニックさんには報告済みだったようだ。
話を聞いていたベリナさんも奥方を連れて行っていいかと、
馬達を操りながら聞いて来た。
「知ってるの?ミフィルさんところのお化粧?」
「知ってるよ!うちのが興奮気味で話していた。
しかし、化粧水を買っても教えてくれない。
まさしく上客だけ施しているそうだ。そこで働いている女たちも口が堅い。
なんせ、1回1万リングだそうだ。」
「高い!!だけど、見たらわかりそうなもんでしょ?」
「そうなのか?俺も見たんだが、わからんかったぞ?
血色がいいよな。」
「あれ、紅だよ。頬に塗ってるから頬紅。」
「え?それだけ?」
「うん。わたしが知ってるのはまたちょっとちがうけど。
それをするのはパーニュさんだよ?
ミフィルさんに教えるための慣らしと実験台だね。
それで、いいなら連れてくれば?
パーニュさんも身内以外の人にしたほうが練習になるしね。」
「え?パーニュの旦那がするの?
話だけにしとこうかな。後で知ったらどやされる。」
「あはははは!でも、内緒にしていたほうがいいよ?
商売の話になるとおもうから。」
「そうだな!」
最初に案内された布屋、服飾屋に戻ってきた。
西馬たちを労い、水を出してやる。
うまい
「急がしたからね、助かったよ。ありがとうね。
でさ、馬車は持って帰るんだけど、なんか注意点ってある?」
?
「いや、わたしが曳くの馬車を。」
!!!!!!!
かなり大うけだったようだ。
「大丈夫だって!かなり力持ちなのよ?
ほら?ね?」
馬車を曳いて見せる。
・・・・
コンダラで鍛えているのだ。問題ない。
軛っていうんだっけ?高さもちょうどいいんでない?
けど繋げてるところ?轅?
それがちょっと長い。ながえがながい。ププ。
「これ短くなんないかな?
調整できるの?おお!ほんとだ。」
が、短くすると、曳きにくい。
なるほど、調整がいるね。
あとは同じ速度で進むということなどを教えてもらった。
「これさ、例えばよ?
人が馬車を曳くとかになったら馬業界は大問題?
仕事的に?」
どうして?
馬の仕事がこれだけだと思っているのか?
人は間抜けだな
「え?じゃ、どのようなお仕事を?」
狩りもするし、険しい山道の荷を運ぶのは
人ではダメだろう?
移動の速さはやはり人より速いだろう?
「そりゃそうか。
狩り?肉食だもんね。
西ではどんなの狩ってたの?」
シシはどこでもいるな
メーウーも
ここにはいない西にはタムスだな
大型だ
・・・・・
「ん?」
なぜ俺たちの言葉がわかる?
「ああ、わかろうと思えばわかるよ。
だって、あなたたちもわかるでしょ?
人は思い込みの生き物だからね、
分かるはずないって最初から思ってたら、
わかるわけないよ。」
なるほど!
「あ!いいこと言った?
それで、タムスっておいしいの?」
うまいな
あの干し肉と同じぐらいだ
「おお!是非とも食べなければ!」
狩るのか?
そのときは俺たちの仲間と一緒にいけばいい
「そうだね!そうするよ!
んじゃ、これ、その情報料の干し肉ね。
日持ちするからね。」
ありがたい!
「何をしてるんだ?」
大量に買った布類を馬車の後ろの荷車に乗っけていたマティスが
前に廻ってきた。
「いや、これは持ってかえるけど、
馬さんたちはここでお別れでしょ?
だから曳き方を教えてもらってたの。」
「なるほど。」
今度はマティスに教えてもらったことを伝える。
「おやめなさい!ここで馬車を人が曳くなんてことはしませんよ。」
服飾屋で領主のいとこだというロリンザーさんは止めに入るが、
もちろん街道を曳くわけではない。
収納して10番には移動のつもりだ。
時間があれば、ここの裏街道も見学したいのだが、
今回は時間がない。
「裏から行きますよ?」
「盗賊に襲ってくれと言ってるようなものだ。」
「腕には自信がありますんで、セセとササは。」
「しかし!」
「問題ないよ?でないと山師なんてやってられんだろ?」
「では護衛も?」
「いらんよ。いろいろあるんだ。」
「それもそうか。これから、飯か?どこにいくんだ?」
「トグラの店に。」
ベリナさんが答える。
「よかったらいっしょにどうだい?」
「それはうれしいね。」
「もちろん、ベリナも一緒だ。」
「さすが、旦那だね!」
先に念押しで虫系は外してもらっている。あと、陸鳥関連も。
それら以外で、今まで見てきた料理のあらゆるものが有ると言っていい。
魚もある。
それの、豪華版。
食器もすごい。
先に言霊で精神、体、あらゆるところに悪影響が出ないようにしている。
毒の種類は分からないから、栄養素以外は
体に吸収されることなく排泄するということだ。
お酒もいろんな種類が出ているようだ。
贅沢だし、まずくはない。
おいしい部類だろう。
だけど、おいくらなんだろうか?
数十万リングの食事と言われれば、その価値はない。
ニックさんは少しだけ食べて、後はお酒のみ。
紫の海峡石でニックさんが一番おいしかったとおもう
お酒を出してもらいたい。
マティスも同じように飲んでいる。
ロリンザーさんとベリナさんもそんなには食べていない。
ロリンザーさんは昼の時間に結構食べたし、
ベリナさんも馬車の中でかなり飲み食いしている。
馬車の中がコリコリを炙った匂い、するめの匂いが染みつく勢いだった。
「どうですか?」
ロリンザーさんが申し訳なさそうに聞いて来た。
「おいしいですよ?
臭みも、苦み、えぐみもない。
素材そのもののお味ってわけでもない。
手が込んでいる。丁寧なお味です。
あれですよ、上品なお味。」
「わたしはあなた方が出してくれたもの方がはるかにうまかった。」
「俺も馬車で食べたものの方がいい。」
「うふふふ。ありがとうございます。
でも、おなかがいっぱいのときに食べたときと、
おなかがペコペコの時に食べるのって同じものでちがいますよ?
わたしは皆さんと御一緒出来てたのしいし、
とてもおいしい。さすが、タフト街道だ。」
「ああ、そうですね、ありがとうございます。」
「では、わたしたちはそろそろ帰りますね。
泊まりは10番門内のつもりなので。」
「え?では、あれを曳いて?」
「山師ですからね、力もあるし、足も速いんですよ。」
「聞いた話ですが、
砂漠の民というのは一日に赤馬と同じだけ移動できるそうですよ。」
「それはすごい。砂漠の民?どこの砂漠なんでしょうか?
砂漠に住んでいる?ここだとマトグラーサ?」
「いま、マトグラーサの砂漠には入れませんし、
もともと砂漠石以外の資源はない。
コットワッツの砂漠は変動で資源が無くなった。
間の砂漠でのはなしらしいですよ?」
「へー。」
間の砂漠の話なら、あの第4王子たちからの話か。
会合のあとに寄ったか?
土地代が入ると見越して散財したとか?
前金で渡したとか?
それで土地が手に入らないんならマトグラーサは文句をいうだろう。
あの場所に関してはイリアスは一切関与しないってことで逃げたのかも。
ありえるな。
「明日は例のお嬢様方が来るんですか?」
「らしいね。」
「浮かない顔ですね。」
「良い客人とは言わないからだよ。」
「お金は払ってくれるでしょ?」
「当たり前だ。が、あんたの旦那のように、
似合う似合わないを考えない。
とにかく高いものを着ようとする。
それはいいんだが、似合っていなければその価値も落ちる。
勧めてもだめだ。あんたの旦那のようにな。」
「あははははは!セセは金額を考えないから。
そうなるとわたしたちも良き客人ではないですね。申し訳ない。」
「いいや!使い様がない布を大量に買ってくれたんだ、良き客人だ。」
トックスさんを呼びたかったが、
トラの仕上げで忙しいので、写真を送ったようだ、番号をつけて。
その番号を買ったみたい。
さきに届けないとね。
そんな話をしながらのお食事は終了した。
最後に出てきたのはパウンドケーキだった。
あの領主、さっそく作ったんだな。
うん、パサパサです。
なんでだろ?バターが足りない?
混ぜすぎ?
現物を見て再現するのって難しいんだね。
食事代を払って、
持ってきた砂金をほぼ使い果たした。
まさに散財だな。
「一生の思い出ができたな。
また一山当てたらよせてもらうわ。いいぞ!ソソ、セセ!」
18番門外から一気に10番門に走り抜ける。
ニックさんは馬車の屋根の上に。
中は買ったものが満載だ。
気にいた酒も買ったし、肉も塊で買った。
有り金全部使った。
すっからかんだ。
宵越しの銭は持たねえって奴だ。
見送りに来ているロリンザーさんに挨拶をしていざ出発。
ドドドドドドドド!!!
ニックさんは早々に不安定な屋根から降りて一緒に走る。
「止れ!!」
急に馬車は止まれない!!
「ぎゃーーー!!」
大惨事だ。馬車が!!
止まると同時に、馬車のお尻が浮き上がる。
そのまま軛を軸に回転してしまった。轅も折れる!
わたしの身の安全はマティスが抱えて移動。
グワシャと地面にたたきつけてしまった。
ガラスも当然割れる。
「「「ひどい!!」」」
わたしは馬車が壊れたことを嘆き、
マティスはこぼれた酒でシミができた布類に、
ニックさんはもちろんこぼれた酒にだ。
「すまん、客が来るから止めたんだが。」
「ううん、馬車の止まり方も教わったのに
それができなかったこっちが悪い。」
「あなたに怪我がなくてよかった。」
「ありがとうね。ニックさん、これ元に戻すから。
そんに落ち込まないで?マティスも。
こぼれたお酒は、移動になるから早くしないと!
客の相手はお二人で。」
「そうか!じゃ、マティスやってこい。
見ててやるから、最大でな。で、殺すな。練習だ。」
「応!」
撮影したいがお酒の方が大事だ。
布も。
『申し訳ない
稚拙な運び方だった
次からこのようなことがないように努力するから
もとに戻っておくれ』
ついでにガラスはカットガラスにしようか。
お客は結構な人数だし。
すっからかんなのは知ってるはずなのにな。
とにかくわたしは馬車の改造だ。
冷蔵庫と冷凍庫もつけよう。
内部は革張りで。
座席はミンクのマンザス洗いの方がいいかな?
ロールスロイスみたいに!
乗ったことないけどな!
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