いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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698:相違

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半分近くになって、やっと、王都の中心、
中央院に向かう。

荷物の搬入、馬の手入れ、
朝食、スキップの披露など時間を取ったが仕方がない。

馬に囲まれながら進んでい行く。
いや、ものすごく歩きにくいけど、
馬たちが寄ってきてどうしようもない。

わたしたち2人が護衛対象のように囲まれていた。
実際、逃げられないようにということだろう。

道中おもしろ建物ばかりだったので、
その都度、ヘーホーハーと立ち止まってしまったからだ。

「モウ殿、少し急ぎましょう。」
「そうですね。申し訳ない。」

そこから馬包囲陣のなかだ。
仕方がない。



(へー、名前はないんだ)
(おい、とか?それもないの?ああ、そうだね、わかるからね)
(衛生部だけ?あれだよ!特命なんだよ!秘密なんだよ!
名前は大事だからね!かっこいいね!)
(なんていうの?ミステリアスな影のある馬?うん!)
(そういうの弱いよね。ギャップがあるとか?)
(えーとね。普段は無口なんだけど、甘いものを前にするとニコニコとか?)
(それそれ!相違?ギャップ萌え!)

いまだ、スキップの仕方に納得ができない練習中のマティスは置いておいて。
馬さんたちとおしゃべりだ。

声を出すとおかしな人だと思われるから、頭の中で。
いや、すでにおかしな人だと思われているか?
迎えに来た時の会話はまだ大丈夫だろうと思いたい。

名前がないことを不満に思っているようなので、
それはそれでいいんじゃないのかと、
ギャップ萌えのわたしの中での定義を話しておく。

もちろん、その代表格のマティスの話をしたのだが、
やはり馬共通の態度で、はいはい、と流されてしまった。

ホー姐はそこからスー兄の話になり、最終的にはとスーと師匠、
わたしも、師匠とマティスの話になる。

この名前のない馬さんたちのこともまたホー姐に聞いてみよう。
そうだ、その時にマティスも同席させないと。
ホー姐の話は楽しいのだ。


「愛しい人?」
「ん?なに?」

マティスが呼んでいる。

「いや、私にとって、あまりよろしくない顔をしているのだが?」
「え?また顔に出てた?くふふふふ。」
「・・・・やはりよからぬことを考えていたのか?」
「違うよ!楽しいことだから!」
「そうなのか?あなたが楽しいことならいいんだが?」
「マティスも楽しいよ。んー?たぶん?」
「たぶんか。」

こういうのは無理強いしたらダメよね。
うん、人と馬の友情物語路線を披露してもらおう。



馬たちと別れて、面布をつけさせてもらう。
これが正式な衣装だからと。



「あなた方は王に呼ばれて来た者です。
それを忘れないでください。」
「もちろん。」

王に呼ばれた、なので、この国、
ニバーセル国内では、誰も何もできないはず。

王が絶対だからだ。





「では、この面談中に我らとロセツ殿に降りかかる、
不利益及び理不尽な命令は全てその命令を唱えしものに降りかかり、
自ら遂行することになりますね。
なぜなら、王との面談を邪魔することになりますから。」

これは言霊だ。


「・・・・。」

ロセツさんは何も言わなかった。
ガイライになにか聞いているのだろうか。

しかし、マトグラーサが入領時に誓うような内容だな。
が、理、物事の筋道が通っているのなら制限はできないはず。

月は南から昇るのを変えることはできないように。




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