いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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726:悪の組織

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「我らが王だよ?で、警護対象だ。
些細なしぐさすら覚えておかなくてはいけない。
ニックさんもそうだ。」
「ダクツと一緒に来たあれが王だったんだろ?
それはガイライから聞いている。
だけど、気付かないほどに、王との接点はないんだよ。」
「それは違う。
あの時は、王だとわからないようにしてくれと、
事前に頼んでいる。かつらも渡してね。
あの時以外の王を思い出して?
平穏無事になにもかもが過ぎたわけじゃない。
きっと、命のやり取りがあったはず。
その時の王は?どうしてた?
話もするし、笑いもするはず。
その記憶がないなんておかしい。
王は高貴なもの、崇拝するべきもの。
それにうといわたしでも、
彼のしぐさは覚えている。
やはり、彼が王なんだ。
それなのに知らないんなんてことはない。
どこかで、薄れている、忘れている。」
「・・・・。」
「あのね、ニックさん。
実際記憶は消えないとは思うよ。
ただ、薄れるんだろうね、優先順位が強制されてるんだろうね。
これね。別にいいのよ、それで世界が廻っているのなら。
マティスとのことが消えないならね。」
「・・・・消えたら?」
「もしもの話はできない。
ただ、回避できるのなら回避したい。
わたしがこっちに来ていなかったら、
誰も疑問に思っていないことだ。
わたしだけが、消えてなくなるかもしれない。」


「愛しい人!!」



黙って聞いているマティスが声を上げる。

わたしより不安なのは実はマティスだからだ。
わたしはそんなことはあり得ないと断言できるから。
元に戻ったり、別の次元、タイムリープなんてこともない。
誰かの意志でそんなことができるのなら、
この世界はもっと完結している。
イレギュラーでわたしに起こったことが、2度も起きるわけがない。
確率の問題だ。

昔、宝くじに当たる確率は、
北海道の広さで、空から500円玉1枚が自分の頭の上に落ちてくる確率だと
言われたことがある。
当たらんな、とおもったが、
逆に、必ず落ちてくるんだったら、
当たるかもしれない!と、毎年買ったものだ。
10億円当たる確率よりも、こっちに来れる確率の方が、
ナノ単位で低い。
なのに来てしまっている。
2回目はない。

ん?宝くじも売れるな。
オート君あたりに話してみよう。
武の大会で賭けよりも儲けが出るかもしれない。
還元するのはわずかでいいんだから。

・・・・・。そうか、そういう仕組みか。
当たるわけないな。


「あー、マティス?
何度も言うけど、それはないから。
ないから、ほかにどんな影響が出るのかが知りたいだけ。
知って、ふーんって終わっておきたいだけ。」
「・・・わかった。」
「ニックさん?ほかには?先生はなんと?」
「緑目のことは隠すなと。
そういう仕組みだとも言っていた。
何かが優先になる人、その目印だ。
廻りに迷惑にならなければいいと。」
「はー。やっぱり、先生だよ。わかった。」
「・・・それと、ガイライを悪徳商人にしないでくれ!」
「ん?あ!パズル買ったの?
あれ、三次元の勉強するときの題材だったのよ。
だから図面も描けるの。
なんでもやっておくもんだね。で?解けた?」
「・・・・。」
「うふふふふふ。マティスは言霊で元に戻しちゃったからね。
丸いのもあって、それの答えは教えてないんだ。
自分で解くって。ああいうの好きなんだね。」
「配って、分解させて、元に戻せって。
出来ないんなら、あたらしいの買いますか?だと!」
「いや、ごめん。わたしもそれで買わされたから。」
「モウちゃんとこは酷いな!」
「それは否定しないよ。」

ニックさんがいろいろ考え込んでしまっている。
20年離れていたことで、ニバーセルの影響は薄れているのか?
マティスもそうだけど、ここまで、考え込むことはない。

「・・・・。ワイプといつ話す?」
「会合前に。
もしかしてニバーセルの財政危機の黒幕はワイプかもしれない!」
「やっぱり!!」

マティスが喜ぶ。


「そして、それを陰で操っているのがリーズナだ!」
「やっぱり!!」

今度はニックさんだ。

手招きをして、
小さな声で話していく。

「彼奴ら2人は反発しあってるようだけど、
実は悪の組織の大幹部なんだ。」
「「大幹部!!!」」
「その組織の頂点!総帥の正体は!!」
「「正体は!?」」

これは大きな声で。

「コットワッツ領主!セサミナだぁぁぁぁぁ!!!!」
「「おおおおおおお!!!!!」」


大喜びだ。

「姉さん?何言ってるんですか?」
「我が弟子、モウ?いい加減にしなさいよ?」





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