いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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731:お悩み相談室

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師匠が体術が不得手と言うのは嘘だ。
単独ではどっちかというと、不得手ということだ。

そりゃそうだ。
棒術が体術なのだから。
腕、棒、脚と全てが武器。
棒がではない。
棒が腕であり、手刀であり、脚だ。
そして、全ての間接に仕込みナイフがあるのか?

流れの中で機械的、本能的に、受け、流し、攻撃する。
かわされてるけどね!

その間の流れてくる思考はこれまでのこと。
ニックさんのは辛かった。
あの歌、マティスが立ち尽くしたその状況。
それが見えるのだ。本人の視点で。
断片的に、一番つらいところだけ。

なぜ自分は目の前の自分と同じものを滅すのか?
己が生きるため?

襲ってくるものは容赦なく返り討ちに出来るだろう。
正統防衛だ。
だが、戦争は違う。
それを仕掛けての戦闘。
誰も望んではいない。
少なくとも最前線に立つものは。

「悲しいけどこれ戦争なのよね。」

その言葉に贖罪をもとめる。
人はおろかとは言わない。

これが生であり、正だ。



師匠は?

いつから?ということだ。
自分自身の心の中に潜っている?


ダードが院長就任後、やらかした不正は月の光を法則を使って、
師匠に後始末をさせていた?

ガイライ達が王の事柄に希薄なのは、
忘れさせているんじゃなくて、優先順位が低いんだ。

王のお傍付き、ダクツさんたちはもちろん王が上位優先だ。
ガイライは軍、国民のこと。
セサミナはコットワッツ領国、領民のこと。
これは領主全てに言えること。
領主だったらね。


王の言葉。
みなが憂いなく過ごせるように。
ニバーセルならニバーセルの為に。
イリアスならイリアスの為に。
国名が違うだけだ。
だから、イリアスで20年過ごしてきたニックさんは、
ここニバーセルの事柄に指摘されれば、疑問に思い考える。

みな、己のことを優先する。
あたりまえだ。
月が沈んだあとなにが光っているのかなんて、
余程の暇人でないと疑問に思わない。
夜の海も興味がなければ、見に行かない。
そもそも興味は起きない。
これは長年そうだと思っているから。

ボルタオネはそれがかなり進んでいた。
香木、糸が使われたのは確実だ。
水にとかして地下に流したか?
それらはコクが修正している。

マトグラーサは?
これも己の領国が一番におもっての行動だ。
マトグラーサ、マトグラーサ領民に不利益が起きないようにしている。
だから、他国の人間を砂漠で奴隷にしている。
奴隷という言葉もおかしいか。
彼らはそうだとは認識していないから。




師匠とマティスと最初の手合わせは、
暗部として師匠が出張っている。
そのことは師匠は覚えているし、おかしいと認識している。
で、暗部解体。
その後、12年ほどたって、セサミナが領主になっている。
で、露骨に税が上がったと。

それまで、御父上が統治していたときにはなかったんだ。
もしくは、別口でお金を渡していたとか?
付け届け?
それもないな。
次期領主として御父上がご存命の時から、
領主の仕事をしていたから。

ニックさんが除隊し、イリアスの戻ったのは20年前。

その頃から?
そのあたりから、変な方向に動いている?
変な方向と言うのはおかしいか。
グラシオル大陸の統治性が狂ってきている。
多方向に向いているんだ。
それはいい。
下剋上、私利私欲。
みながみな、いまのあり方に満足できるわけがない。
それは、ユートピア。
あり得ないからあこがれるのだ。

月の光の法則を知ったダードの行動が遅いのは?
一度に一つだけ?
院長、副院長といなくなり、自分が院長に納まり、
私利私欲に走る?
その不始末を副院長に抜擢した師匠に押し付ける?
最初はわからないように。
ダードも副院長代理を勤めたんだ、数には強いはず。
賄える以上の欲を欲したから?
ルタネは?
コットワッツから離れたのが3年前だと言っていた。
それまで、セサミナが支給する月100リングで生活していたという。
事業もなにも起していない。
ただ、頻繁に実家には戻っていたそうな。
実家はナソニールだ。
ナソニールの領主一族はナルーザ出身が多い。
ルタネたちの実家はナソニールだが、
元をたぐれば、ナルーザか?
ナルーザ、お蚕様のおひざ元。白い粉?
わたしの想像で白い粉とコーと呼ばれるもの、
暫定でコールオリンだとしたが、それと一緒だから、
こちらの望むように動かしていると考えたが、
そうではない。
ただ働きだ。
コールオリンを見せるか何かをして、
後で報酬を与えると約束をしているとすれば?
現に、袋の中にある白い粉に話は後だといって移動してもらった。
わたしの言葉は言霊だ。
だが、万能ではない。
話は後だということを信用してこっちに来てくれた。
そして、わたしの頼みを聞いてくれた。
報酬と好きなものを教えてくれている。


スダウト家のルリチ嬢は、
ダカルナ王が自分を一目見れば必ず妃に選ぶだろうといったのはそれか?
粉を手に入れた?
で、報酬はコールオリン。
持ってないのに?
だれも報酬としてコールオリンを渡していないとか?
あると匂わすだけでいいとか?

だめだ、弁護士を雇え!白い粉よ!
先に契約しろ!
この世界は仕事をすれば報酬を要求する、
至極当然のことが自然界に当然ある。
砂蜘蛛のクーちゃんもトリヘビのビャクものだ。
そして植物はかしこい。動物と同等。
そして彼らは、人間以上に複雑で賢い。
そして単純で、純粋だ。


動植物のお悩み相談室を作ればもうかるかもしれない。

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