いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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755:戯言の延長

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「え?」

ルグのまじないで目が覚めるオーロラ。

「少し負荷が重かったか?
少しずつ増やそう。まずは2倍。」
「あ!軽い。」
「軽いか?3倍は?」
「え?」
「さっきは7倍にしたから、これな。」
「うっ!」
「マティス様、まずは3倍で。」
「そうか。ルグは?」
「4倍で。3分の2ですね。」
「なに?」
「こう、廻りの空気が薄い?高原の民や、
イリアス人が強いのは空気が薄い所で鍛錬しているかららしい。
それを、疑似的に作るんだ。」
「?どうやって?」
「鍛錬で。」
「マティス様、それは気の鍛錬です。
わたしでもそれは教えることができるから、先に鍛練を続けましょう。
マティス様の方で調整できますか?」
「では、この部屋を3分の2にしよう。
気分が悪くなったら言えよ?水分はそこに置いておくから吸え。」
「?」
「大丈夫だ。続けよう。」

オーロラは私のいうことを毎回、ルグに確認を取る。
目で。
なぜだ?
まぁ、いい。続けよう。


基礎を済ませ、対戦、複数戦、乱戦。
ルグの成長が素晴らしい。
オーロラも中々の物だ。
私も思いっきりできる。いいな!
しかし、剣の鍛錬が出来ていない。
先にルンバのところにいく方がいいか?
いや、オーロラも剣は使うのか?

「良し!休憩しよう!」
「「はーーーっ。」」
「ありがとうございました。」
「?」
「礼はするもんだぞ?」
「?ありがとうございました?」
「いや、こちらこそ。いい鍛錬ができた。
ありがとう。」
「!」
「水分は取れよ?それで、オーロラは剣を使うのか?」
「オーロラ?だれ?」
「・・・・シクロストのことだ。深く考えないでくれ。」
「?」
「剣は?」
「?一通りは。」
「そうか!では、次は剣で行こう。ルグもいいか?」
「え?剣ですか?ええ、はい。お願いします。」
「荷重は外していいからな。空気も元に戻そう。」
「マティス様は?」
「そうだな。5で半分。これでいいだろう。」
「6でお願いします。」
「いいが、その分重いぞ?受け一方なら軽いほうがいい。
攻撃できるのならかまわないが?」
「5で。」
「そうだろ。」
「良し!始めよう!!」
「え?休憩は?」
「?しただろ?いくぞ!」


いい!体がいつも以上に動く!
愛しい人もなにか、楽しんでいるな?
少し前まで沈んでいたが、大丈夫のようだ。
セサミナに銃のことを話していたのだろう。



─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘

「戦争が始まれば、自分からは動けない。
そんなことはどうでもいいことだからだ。
いまなら、まだ話せる、戯言の延長だから。
楽しく過ごすお遊びとして話ができる。
だけど、話してしまえば、こころの呵責は
数十倍となってセサミンに行く!
セサミンに負担をかけてしまう!でも!でも!
話しておいた方がいいというのは分かるんだ!」
「負担にはならない。
戦争が始まれば動けなくなるのは、私もそうだろう。
まさに、どうでもいいからだ。
あなた以外は。
セサミナに今、全てを話してしまえ。
あれは、私の自慢の弟だ。努力もしてきた。
大丈夫だよ。セサミナは大陸一の賢領主なんだから。」
「うん。マティスの貴重な本当の大丈夫だね。」
「うふふふふふ。そうだよ。」


─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘



ん?
夢中になっている間に、ルグがへばってしまった。
オーロラは寝てる?
眠る癖がついているのか?

2人の手合わせはまたあとだな。


「ルグ!」
「ああ、マティス様。さ、さすがです。」
「これを。お前がそこまでへばってはダメだ。
つき合わせたこちらが悪いんだがな。
ワイプに売った水だ。一滴だけ入れて飲め。
ん?売ってないのか?セサミナは!
仕方がないな。
お前は、オーロラとよく話せ。ここまで素直に鍛錬を付き合うのは
なにかあるんだろう?
手合わせを望んでも、今はするな。私が必ず立ち会うから。
それを条件に私とも手合わせをしよう。
そう言っておけ。
少し、外にでるから。いいな?」
「わかりました。」

─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘


「愛しい人?」
「どうしたの?ん?マティスの匂い!!」


鍛錬の後の匂いだ。好き!
ご褒美だ!

「い、愛しい人、恥ずかしいから!」
「ん?これを嗅がせてくれるためじゃないの?」
「違う!ちょっと、ワイプのところに行ってくる。こっちは?
なにをしている?」
「んー、セサミンの適応性を舐めたドーガーがむっちゃ悔しがっている図?」
「その気配は分かるんだが?」


鍛錬の成果か、それなりに、的中率が良かったドーガーが、
自慢気に、セサミンにレクチャーしたら、
セサミンの上達率が凄かったという話だ。
全てにおいて得意分野を見出すことができると自分で言ってたんだよ?
それに嘘や奢りはない。
屋上でのサバイバルゲームもわたしよりも成績がよかったんだもの。
んー、こういう人きっといっぱいいるよね。
それに、体力と胆力があったら、まずいよね。


「愛しい人?」
「うん。何事も向き不向きがあるけど、はまったら怖いねって。」
「必要なら習得できるだろ?なんでも。」
「おー、それが言えるのはマティスだけだよ。
あの2人は?」
「ルグはオーロラを配下にするつもりだ。2人で話すようにと。
それで、すぐに眠ってしまうぞ?どうして?」
「ん?眠り姫だから?」
「?」
「いや、鍛錬してたんでしょ?負荷と低酸素で。
最初は誰だって気を失うよ?
寝てるんじゃなくて。」
「そうか?ならいいか。」
「師匠の所に行くんだったら、何か持っていってね。
資産院はきっと、臨時会合の調整で修羅場ってるはずだから。」
「・・・なにを?」
「んー、なにがいいかな?カレーとアイスあたりで。お皿は紙皿で。」
「わかった。」



「兄さん!見て!!」
「ん?」

兄に自慢しようとしている弟。
可愛いな。



バッシュ、バッシュと飛んでくる皿を撃ち落としている。
7割か。

「?どうしてそこで、腕を捻るんだ?」
「え?何処で捻ってますか?」
「右、の次に左、左と来た時だ。
右が来ると勝手に思うな。戻るときに捻ってるぞ?
予測するのはいいが、この場合は常に中央で待機だ。」
「「「おおおおおお!」」」


マティスは既に習得済みだ。

「予測するのはいいんだがな。
外れると、それだけ、負荷がかかる。常に中央だ。
そうすればどこでも対応できる。
では行ってくるぞ。お前がもらい損ねた水の代金を回収してくる。
ドーガー、後は頼んだぞ。
ルグはオーロラで手がいっぱいだから。」
「はい、お任せを。」



お風呂に入ってからいくようだ。
残念。

「姉さん?」
「なに?」
「その、兄さんがなんとなく、自由過ぎるんですが。
いままで、余程でないかぎり、姉さんの元を離れなかったのに。」
「ああ。ここにわたしがいるからでしょ?
セサミンも、ドーガーもいるし。
それに、わたしが別のものに対して緑目になることが無くなったから
安心したってのもあるみたい。」
「ああ!」
「じゃ、今のアドバイス、教えを参考にしてものにしちゃおう。
それがおわったら、わたしたちも軽く食べて、
マティス対トラのドキュメンタリーを見るよ!」
「兄さん対トラ?ああ!後で見れるという?」
「そうそう!かっこいんだから!」
「「楽しみです!」」





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