いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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754:射的

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「さてと。
これから話すことをわたしは推奨しているわけではない。
話すかどうかもかなり悩んだ。
だれにも話していなければ話さなかったとはおもう。
が、先にドーガーに面白おかしく話してしまっている。
そして、軍の実質上位のガイライとニックさんにもだ。
利用できる力と頭があれば使える話だと思う。
皆が、赤い塊のモウを利用しようとするのは、
様々なことでその片鱗が見えるからだ。
皆わたしよりはるかに賢い。応用も利くだろう。
言わなければ良かったと後悔するか、
言えばよかったと後悔するか。
結論は、吐き出して、後はその人に任せる。
後は知らないと逃げることにした。
どうする?セサミナ?話を聞くか?」
「はい。あなたの知識を使う使わないは、わたしが判断します。
その時点、それはわたしの知識です。」
「では話そう。ドーガーも一緒に聞いてほしい。」
「はい。」


そこからかなり詳しく銃のことを説明した。
ホワイトボードも持ち出して。
ドーガーを同席させたのは、わたしの話を聞いて、
狙撃手と言うのが重要だと気付いからだ。
ガイライ、ニックさんはあくまで戦争での利用止まりだ。

漫画や映画の話も入る。
温泉街にある射的場のはなしも。
ライフル銃、ショットガン、マシンガン。
ボーガンや弓、ゴム鉄砲。
武器の話。
もちろん。麻薬の話も。

ダイナマイト。
死後の評価を恐れて設立した賞の話。

原爆。
その開発に拍車をかけてしまった科学者の話。

師匠たちに話した話もだ。

防弾チョッキ、ゴムのこと。
隠匿で動植物を傷つけることができないのなら、
利用できるのではないかということ。


「何かのきっかけで何かが発展する。
それで誰かが傷つく。
世界平和の名において文明は進歩しない。
欲だ。それに長けているのが人だ。
わたしもその一人。
が、緑の眼を持ってしまった。
マティス以上の欲は出ない。打ち止めなんだよ。
わたしから、故郷の武器関連の話はこれ以上しないだろう。
断言はできないけどね。
マティスと生きることに必要ないからだ。
話せることは全てはなした。
セサミナ、あなたに負担がかかる。
許してほしい。」

糞尿爆発事件の話はしたが、
陸鳥の硝石の話だけは話さなかった。
これは保険だ。

「わたしの姉さん、わたしの賢者、わたしの主。
後はお任せください。
あなたの憂いはこれで終わりです。」
「わたしの弟、わたしの臣、わたしの主。
ありがとう。
セサミン、ごめんね、ごめんね。」

卑怯者だ、わたしは。
危惧することが起こるとわかっているのに、
話してしまった。
話さなければ良かったとなれば、
ここに来なければよかった、
マティスと出会わなければ良かったとなるからだ。
わたしの贖罪をセサミナに押し付けてしまった。

「姉さん?悲しまないで。
自慢ではないですが、
賢領主と呼ばれているのは、
剣のマティスと呼ばれるまで兄上が努力したように、
わたしも努力しました。
もちろん、過信、うぬぼれはないですよ。
銃、コットワッツも購入することになるでしょう。
それは流れだ。止められない。
その行きつく先は選べるんですよ。
選ぶ先はわたしが決める。
それが統治者です。」
「うん、うん。セサミン、超イケメン!」
「ふふふ。あざーっす!」

セサミンはわたしの、本当にかわいい弟だ。


 「ドーガー?お願いね。セサミナを助けてね。」
「もちろんです。
この場に同席できたことを誇りに思います。」
「ん?いや、そんなこと思わなくてもいんだけど?」
「へ?」
「いや、銃の鍛錬してんでしょ?どれくらい腕が上がったのかなって。
ルグには知られたくないだろうから呼んだだけ。
あとで、ルグにもセサミンから説明するでしょ?」
「ええ、もちろん。」
「えーー、なんだ、ルグさんの上に行ったとおもったのに!!」
「あたりまえだろ?お前では荷が重いだろ?
かまわないぞ?ルグに話さなくても。
お前が動いてくれれば。」
「・・・。いえ、ルグさんにも説明をお願いします。」
「はははは!別にドーガーを下に見てるわけじゃないよ?
ルグとドーガー、2人、スビヤンさんもね、みんなでお願いね。」
「はい!」
「で?銃の方は?」
「見てもらえますか?」
「うん。そういう部屋造ったから。
これねー、話が矛盾するんだけど、銃を使った競技とか、
遊びとかはたくさんあったのよ、故郷にね。
で、ま、的あて?あの慰労会であったような、
その方向に撃つってものでなくて、
的に中てる、んー、実際に見せるね。」

射的やクレー射撃?
そういうことができる部屋を作ってしまった。
もちろん防音。
クレーは砂を固めたもの。ランダムに発射する。
掛け声は、はいで。

買ってもらった銃は限界まで打ったので、
砂漠石がない状態だ。
押し出すことを言霊ですればいいのだが、
それは、競技的にずるっぽいので、砂漠石が交換できるようにした。
んー、これも反則だな。
弾は砂漠から取ってきている。
大きさはある程度ランダムでいいようだったが、
一応弾倉に入れるときには揃えるほうが、
砂漠石の方でブレがなかった。

所詮、おもちゃの世界の銃の知識だ。
本物とは当然違うだろうが、撃ち出すということには違いない。

「見ててね?」


的に15弾命中、弾倉も秒とかからず交換。
既定の60弾を撃ち尽くす。
弾倉を変えた最初の1発目は少しぶれたが、あとはほぼ同じ位置だ。

セサミンはドーガーより銃というものをわかっていないから、
素直に拍手をしてくれた。
練習していたであろうドーガーは顎が落ちそうだ。

「モウ、モウ様!!!なんで?え?ちょっとまって!!
言霊?故郷の銃?」
「違うんよ。これ、わたしの趣味だと言っていい、故郷の。
こういう遊びがあるの。シューティングゲーム。
で、次ね。
声で、砂皿がランダムに飛んでくる。見てて?」


「はい!」

バッシュ!

「はい!」

バッシュ!

「はい!」

バッシュ!

「はい!」

バッシュ!

「はい!」

バッシュ!

「はい!」

バッシュ!


「こんなんね。これは競技であるの。
ランダムだけど、癖は読める。
屋上でやった水鉄砲では対人だったから動きが読めなかった。
だから、これがうまいからって、実際に役立つかってことは別問題ね。
だけど、出来ないより、できるほうがいいでしょ?
ドーガーやってみ?」
「はい!」
「姉さん!わたしも!」
「ふふふふ。お遊びだと楽しいよ?競技としてもだ。
だけど、これは人殺しの練習だってことを必ず頭の片隅においてね? 」
「!はい。」







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