いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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「では、これが日割りで計算した給金です。
あとは、部屋等は、各院で借りていたものなので、
私物等は、ああ、こちらに来てますね。持って帰ってください。」


2人の清算処理を済ませ、2人の私物を仮眠室に放り込む。
わたしが使っている部屋だ。

「ちょっと月が昇るまでわたしも動けないんで、
ここにいてもらっていいですか?なにかあればわかりますから。
便所はそこで、湯はそこでわかせます。
カンターウォーマーもありますから。
小腹がすいたら、それ、食べ方をよく読んで自分でしてください。」
「どうしてここにいないといけないんだ!」
「いや、死にたくないでしょ?
で、勝手に外に出ると、おそらく死にますよ?
それはわたし的にはいいんですが、
2人を死なすと、カップが怒る。
そうなると、モウが嘆く。で、マティス君がわたしを殺しに来る。
それは避けたいんで。
頼みますよ?」
「誰が俺たちを殺しに来るんだ!あの時眠らせたのはお前だろ?
鍛錬のワイプ!不意打ちぐらいはできるんだろ?」

フーサカは結構元気だ。
天文院の仕事はだれにでもできることではないはずなのに、辞めるとは。
もったいないですよね。

「おや?気付きましたか?
では、2択です。また眠らされるか、ここで大人しく今後のことを考えるか。
どちらです?」

「・・・ツイミ殿の意志は変わらないのか?」

大人しかったラートが聞いてくる。

「変わらないでしょうね。」
「みなの前で宣言すれば、それを知っている者はいないんだから、
石の契約も関係ないはずだ!」
「本人にその気があればいいんですが、ダメでしょ?
あれもモウの配下、違うな、信者、んー、それも違うな、
なんだろう?モウの為に生きることを決めていますよ?」
「なんだよ、それ!
カップも、あの人も、モウ、モウ!と。
あんたもだ!なんなんだよ!!」
「モウはわたしのかわいい一番弟子ですよ。
マティス君も弟子で末席です。」
「それは知ってる!だから、モウはなんだと言っているんだ!」
「んー、説明するのは難しいですね。あとで会うんですから
本人に聞いてください。
では。大人しくしていてくださいね?」


一応閉じ込めておきましょうか。

『2人をわたしが許可するまで
この部屋から出さないでください。お願いしますね。』

こんな小さな石で事足りるんですから。
いままでだと、これの何十倍もの大きさの石を使っていましたね。
それで、扉を開かないようにする。
だから、扉を壊されたら終わりだ。


モウの考え方は素晴らしいですよね。

さ、仕事ですよ!
体も万全ですし、チョコもありますし!
ああ!チョコ!
素晴らしい!!



─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘



「くそ!閉じ込められた!」

体当たりしても、振動もしない。石を使っているのか?
しかし、使うのは小さな石だ、
力押しに弱いはず!

「お前!ラート!!お前もこっちにきて、てつ?
何してんだ?」

部屋の隅にうずくまって小さくなっている。


「え?」

泣いてるの?ちょっと!!

「どうした?泣くなよ!すぐここから出してやるから!
心配するな?な?」

俺の友達はすぐに泣くな!
・・・?そうだ、友達なんだ。

「・・・・。いい。ここで。どこにも行くとこはないんだ。
ツイミを引っ張り出せば、それを手柄に製鉄部門を任せてもらいたかった。
小さなものでもいいんだ。なのに、何もかもが銃製造にいく。」
「?だったら、スパイルかルカリアにいけばいいだろ?
ほとんどの職人はそっちに流れたって言ってたじゃないか?」
「・・・・・。お前はほんと、研究職なんだな?
任されたことを調べて報告するだけだ。」
「?当たり前だろ?それが仕事だ。」
「はー。その予算はどこから来ているんだ?
給与をもらってたから出来てるんだろ?」
「そうだろ?」
「だから、金がないと何もできないんだよ!
わたしがスパイルに行ったところで、
誰がわたしの考えてくれることをしてくれるんだ?
金を出さないと誰も動いてくれないんだぞ?
お前だってこれからどうやって食べていくんだ?」
「!」
「そんなことも考えないで辞めたんだろ?大体なんで辞めたんだ?」
「・・・・・。俺の環視が間違ってたっていうから。間違いじゃないのに!」
「それで、辞めたのか?もったいない!
勝手にリングが湧いて出るもんじゃないんだよ!」
「わかってるよ!お前は解雇?首じゃなか!偉そうにいうな!」
「・・・・。言わないよ。
どこか、金を出してもらえるところを探さないと。
あの人に言われたように、極めたい。」
「俺だって!環視は必要なことなんだ!
天文院でなくても続けたい!」
「だから金が要るんだ!出してくれるところだよ!」
「・・・。」
「・・・。」

「なにを考えた?」
「おまえこそ、なんだ?」

「・・・・コットワッツのことを売って金にしようかと。
カップが話してくれた、これからやろうとしている事業のこと。
赤い塊モウのこと。食べた料理のこと。飲んだ酒のこと。」
「どれも素晴らしい、ってことしかわからんじゃないか!」
「わかってるよ!それに、それはカップを売ることなる。」
「そうだ。」
「「カップは友達だ!」」

「「はーーー。」」


「コットワッツに忠誠を誓うか?」
「そうなるな。カップもそのつもりだって言ってくれてたし、
コットワッツも製鉄技術があるんだ、小規模だけど。」
「赤い塊のモウが天文に興味があるなら、
そこから話を持っていけばいいかな?
月の大きさが違う、色が違うとか知ってたからな。」
「それ、そうなのか?」
「そうだよ?俺はもちろん知ってたよ?
天文院でも知ってるだけだとおもうけど。
天文院以外の人間がそれを知っているということが驚きだ。」
「それで?違ってたらどうなんだ?」
「?どうとは?」
「いや、違ってるからなにかしらあるんだろ?」
「?知らん!」
「なんだよそれ!」
「うるさいな!違うってことを知ってるけど言われて初めて、
今、疑問に思ったんだ!
それを調べたい!」
「だから!金が要るんだよ!」
「そうだな。」

「「はーーー。」」


「コットワッツ、領主セサミナは賢領主だ。
金になるとわかれば出資すると思う。」
「そうだな。うまく説明できるようにまとめておこうかな。」
「さきに、コーヒーでも飲もう。あれはいいな!」
「そうだな!食い物もあると。」
「あ!ちょこと冷蔵庫!あった!
・・・・これを売っても金になるな。」
「売るのか?」
「・・・・いや。これは売れないし、売らない。
お前もだろ?
あのとき、たまたま皆で集まったから手に入れられたんだ。
感謝なんだよ。
日々すべてのことに感謝。
・・・・。
モウと言うのは僧侶なのか?」
「いや。俺もある程度は調べたんだよ?
コットワッツのことを。
最近の話になると必ずモウが出てくる。
金にがめつく、大食いだと。
赤い塊、爺の方もだ。
赤い塊一族の話が出てきたのも最近だ。
砂嵐でコットワッツに飛ばされたらしい。
ここにきている赤い塊一族は3人だ。
爺2人と、モウだな。
もっとこっちに来ているかもしれない。
名前がないのが特徴らしい。
大門前の中央院とのやり取りも知ってるだろ?爺の方の。」
「ああ。あんなことを誰がするんだ?国か?
金にもならんことを!」
「天文院と研究院は国が出してるじゃないか?」
「そうだよ!国がだ!それは金になるからだろ?
天文院の環視は必要なことだから金を出してるんだ!
研究院はなにしてるか知らんがな!
必要だからだろ?」
「そうだな!必要と分かれば、出すんだ。国は、賢領主は!」
「「良し!まとめよう!!」」



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