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752:話術
しおりを挟むシクロストは何も言わないがうまそうに食べていた。
それから黙って、2人の鍛錬を見る。
やはり凄いな。ニック殿と違った納得感がある。
わたしも参加したいな。
「・・・いつもこんな鍛練を?」
「いや、マティス様が鍛錬してくださることはめったにない。
護衛だからなセサミナ様の。それ以外は行商をしている。
セサミナ様の配下を育てることは仕事ではない。
わたしたちの仕事だ。
鍛錬をしてくださるのは、弟、セサミナ様の為だ。」
「マティスの対象は?」
「モウ様だ。」
「・・・・良かったな。」
「!ああ、良かった。本当に。」
緑目の脅威。
それは、モウ様はもちろん、知らないだろう。
砂漠暮らしが長かったマティス様もだ。
いや、ほとんどのものは知らない。
実際に目の当たりにしたもの、排除に駆り出されたもの。
そのものたちしか詳しいことは知らない。
わたしも話を聞いただけだ。
ただ、問題があれば排除する。
そういう取り決めだ。
ほんとうにそれだけのために生きるそうだ。
害があるものなら排除される。
「公言するのか?緑目だと?」
「噂でそういう話もあったのだろ?
だったら話は早い。セサミナ様がうまく話をもっていくだろう。
わたしがコットワッツ筆頭ルグと比較的早い段階で、
諸国に知れ渡ったようにな。」
「ああ、なるほど。」
「食べたか?少し鍛錬に付き合うか?
というか、わたしも参加したいんだが、いいか?」
「俺もいいのか?」
「かまわんだろ。マティス様!!」
「ん?食べたのか?足りないか?ほかもだすぞ?」
「いえ、ありがとうございます。
わたしたちも鍛錬に参加してもいいですか?」
「かまわんぞ?食べた皿はそこの水桶に付けておいてくれ。
ドーガー?まだ、息は大丈夫だな?観察力はあがっている。
ルグを越えるのも近いぞ?」
「やった!ルグさん!早く!!」
・・・・・これか?モウ様が言うシュウゾウ式というのは?
「いいんよ?こう、頑張ろうっていう気になって、
もしかしてわたしってすごいの?って思っちゃうんだけど、
ふっと、息を吐くときに、ん?ってなるのよ、修三式は!
いや、ちょっと休憩させろよっておもうはずなんだけど、
ちょって瞬間に、
いいぞ!その調子だ!っていわれるから、そうなのって頑張っちゃうんよ。
それの繰り返し。わかるでしょ?
詐欺的話術なのよ!
いいんよ?ただ、後から来る疲労と言うか、体の悲鳴が、
まとめてくるから、へたすれば1日寝てる。
でも、筋肉痛は、んー、少ないかな?今は。」
気を付けよう。
ここでへばってしまっては、なにもできない。
これも鍛錬だ。
「良し!では、ちょっと負荷を増やそう。
お前は、これを着るんだ。」
─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘
そうそうに、オーロラが寝入ってしまった。
いきなり負荷7倍はきつかったのだろうか?
ドーガーは肩で息をしている。
ルグは少し押さえていたか?
「ルグ!いいな!力の制御ができてるではないか!」
「はい。ありがとうございます!」
そこに愛しい人とセサミナがやってきた。
「お!鍛錬してたの?さすがだね。
あれ?起してなかったの?」
「オーロラは負荷に耐えれなかっただけだ。」
「オーロラ!はははは!それで起こされたの?
では、彼はオーロラ姫だ。」
「それで?どうした?あの2人は埋めたのか?」
「・・・それはないよ。きっちり退職の手続きをしてもらっただけ。」
「そうか。」
これから、月が昇るまで遊ぶから、
ベントウを作ってくれと言う。
「どんな?」
「んー、ジャンクで手で食べれるもの?
ポテチとポップコーンは作るから、唐揚げとか?ハンバーガーとか?
もちろんピザと。甘味もね。」
「そこらへんは収納しているぞ?」
「あ!そうだね!セサミンと4階で遊ぼうと思って。
マティス対トラ、マティス対ルンバ、ルカリ対モウの対戦も見れるよ?」
「ワイプとのは?」
「師匠がいいっていったらね。見せると営業妨害になるかもしれんから、
暗部系の。」
「・・・・そうか。では難しいかもしれないな。
あとで聞いておくか。
いや、見る前にわたしもワイプと手合わせをしたい。」
「それは、だれの立ち会いもなく?」
「そうだ。わたしも見られたくはない。」
「んー、それはちょっと不安だな。
ガイライや、ニックさんに見られるのが嫌っていうのは
わかるけど。んー、ルンバのとこ行く?彼もギリギリで止めてくれるでしょ?
砂漠石の膜張って、風を防げばいいから。」
「そうだな。では、今日のものにはならんな。」
「今日はゆっくりしよう。休暇だもん。
ルグとオーロラとするんだよね?立ち会いはマティス?ドーガーは?」
「わー、たー、しは、はー、モウ様の手伝いをさせてもらいますよ?」
「息上がってるね!ふふふ。じゃ、借りるよ?」
私もルグとオーロラの立ち合いが終わればワイプのところに行こう。
「では、ルグ、もう一度起してくれ。」
「え?あれで?」
「おそらく、オーロラだけに効くまじないになっているだろうな。」
「それって気を付けないといけませんね。」
「ん?ああ、そうだな。
しかし、あれを言うのはルグで、オーロラは彼のことだ。限定的だ。」
「?では、彼にだけ?」
「そうだろ?誰もあのまじないは言わないから。」
「・・・・。まずは普通に起してみます。」
「そうか?起きないと思うぞ?」
やはり起きなかった。
私が言ってもだ。
彼はルグだけのオーロラということだ。
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本当に、ありがとうございます。
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