いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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月が昇る。
休憩は終わりだ。

ドーガーは目が覚めたアバサとルーにお傍付き見習いとしての作法を。
ある程度教育は受けているが、あまり真面目ではなかったようだ。

セサミンはやはり事務仕事。
することはいろいろある。

マティスはわたしの傍に。

「じゃ、文字ね。読めるようにね。
数字も。
でも読めるだけね。かけない。
わたしも勉強したから。」
「さっきみたいなの?」
「あれは内容がわかるように。読めたわけじゃないの。」
「?」
「うちっとこの契約書って面倒なのよ。
わたしも中途半端な知識しかないから。
あの場合は読めるより内容を理解したほうがいいからね。」
「?」
「さっきの話と一緒よ。
女性の胸ね?これの内容を理解するってことになると、
わたしの場合オッパイパイになる。それより、胸って読めるほうがいいでしょ?
が、本質はパイパイだ。」
「愛しい人!!わかったから!!!」
「へいへい。」
「ムキムキ?パイパイ?」
「そそ。」
「オーロラ!!モウ様!!!」
「ほら!叱られた。だめなんよ、わたしの言葉は。
難しいね。ムキムキはいいと思うよ?ね?」
「むきむき?なにが?」
「筋肉。」
「ああ!!」

これはマティスも納得してくれた。

「オーロラ?愛しい人が繰り返し言う言葉は、
人にいう前に、まず、ルグに確認するんだ。
私でもいい。」
「何でよ!!もう!!」

そんな言葉遊びで遊んでいる時間はない。

『言の葉を示す意志ある形
それらが与える文明は人類のすばらしき英知
感謝の言葉も感謝の文字もまずはそれらに感謝をしよう
言の葉を理解し、その恩恵を授かろう
形を理解し、織りなす意味をしれ!!』


「病が出たな!」
「うん!張り切ったよ!」
「・・・病なんだ。」
「そうなの。治んないよね。
あ、これは内緒でも何でもないから。
赤い塊モウは厨二病という病を患ってるってね。
あ、やっぱりはずかしいから内緒で。
でだ、オーロラ?まずは実験してみよう。
ここにね、ちょっとした文章がある。
それを、ルグとマティスが読む。
で、それをオーロラが読めたらいいってことだよね?」


「はい!読んで!!」




いなかざむらいめが
いま、いまなんと
ん?きこえたか?いなかざむらいといったのよ
せっしゃをぐろうするのか

でんちゅうでございます
でんちゅうでございます



「おお!3人とも読めたね!
よかった!故郷の言葉で話して、それを音石君に
訳してもらって、その音を書いたの。
すごい?音石君もすごいよね。
でも、もっと感情込めないと!!」
「読めるが、意味がわからん。」
「え?そうなの?ルグは?オーロラは?」
「「まったく。」」
「そうか、音文字だものね。」

ひらがなのようなもの。
漢字はないから。

ざっとあらすじを説明して前半のクライマックス、
松の廊下での話を。

これは接待をきちんとしないといけないよってことなのか、
後先考えて行動しようねってことなのか。


パシリ!



田舎侍めが!
いま、いまなんと?
ん?聞こえたか?田舎侍とゆうたのよ?
拙者を愚弄するのか!
ああ、そうではない。すまぬな。
・・・・・。
芋侍であったわ!!

ほう?それに手をかけるか?ここは松の廊下ぞ?
ぐぅ!
ふははははは!!
・・・失礼いたす。
ふっ!芋侍が!
一度ならずも2度までも!!でや!!
うわーーーー!!
殿中でござるぞ!お控えなさりませ!!!
ええい!武士の情け!お離しくだされ!!
殿中でございます!
殿中でございます!!!





パシリ!

扇子で机を叩く。
これはすでに製作済である。



「と、こんな風にね。」



「その主君は余り仕事ができないのでは?
それを把握していなかった、従者が問題なだけでは?」
「どこ狙ったんだ?間抜けすぎる。最初のひと手で声もなくだ。」
「この場合、止めに入った奴が、羽交締めしたものを操り、
両方始末するんだろ?事故に見せかけて?
そうだろ?愛しい人?」
「・・・・・。うん。そうだね。
立場が違えば考え方も違うから。うん!みんな正解だよ!!
賞品はこの扇子だ!!」
「「「おおお!!」」」
「こういう風に使う。」


パタパタと使って見せた。
ジュリアナ風。世代はもちろん違うんだが。

そして、鉄扇なので、武器になる。
要の軸と扇面が砂漠石。中骨が自由に抜ける。
それをスット、とね。

「「「いい!!」」」


「じゃ、契約書の話の前に、
これ、契約のことをなんのかんのと言われたら、
なんかするようにっていわれてない?
次の契約書があるとか、先にこっちを読んでもらうとか?」
「いや?ないぞ?」
「そう?これね、この内容をあなたに教えたら、
教えたものが死ぬよって書いてあるの。
石の契約だって。あなたも死ぬって。」
 「!」
「それは解除した。問題はない。
だけど、仕組みが知りたい。
あなたに暗示がかかっていて、襲い掛かるとか?
その後、あなたのおなかの中にあった石が破裂するとかね。
あなたはちょっと素直すぎる。
疑うことを知らない。
契約すれば騙されないって言われてる?
その契約自体が問題なのよ。
文字は誰でも勉強すれば読める。
時間がもったいないから読めるようにしただけだ。
あー、文字と認識できない場合もあるか。
それでも、さっきの言霊で読める。
貴族だからとか関係ないのよ。」
「・・・・その契約書はおかしいんだな?」
「うん。これ、見せたときの今までの相手、どんな態度になった?
どんな顔した?」
「・・・・。笑ってから、急に下手に出た。
それは、そうなるって教えてくれた。
だから、・・・ルグと、モウが驚いて、怒って、
その前に報酬の金額を言ったら、ルグは泣いた。
よっぽど、コットワッツは酷いのかなって。
でも!」
「うん。なに?」
「フーサカが調べていたコットワッツはそんなことはない。
こっちに来てからおかしいって思うことはいっぱいあった。
いや、外に出てからだ。」


街でのこと、雇い主のこと、
そして、隠密行動としてついていた対象人物のこと。

違和感だらけだろうな。
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