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768:濃縮版
しおりを挟む「じゃ、あとから、これはどうだった?って聞くこともあるけど、
その時は教えてね。」
「みんな話したぞ?」
「うん。でも、後から出てくるかも。
聞くこともあとから出てくるもんなんよ。
オーロラもなんか、思い出したら教えて?」
「ないけどな。ああ!女な、モウよりでかいぞ胸が!」
「オーロラ!胸のでかさとか、男のでかさとか、言わなくていい!」
「いやいや、大事よ?どれぐらいかもっと詳しくわかる?」
「こう?」
両手で表現してくれた。
結構でかいな。
「モウ様!!オーロラも!」
「いや、絶対なんかいれてるんだって!
半円で丸いもの、なんかあるかな?
ツイミさんのは砂漠石の水入りパットだし。
んー?あ!ジュグラムの外殻!
んー、これね、これ、ルグ入れてみ?胸に。」
急遽、ルグに女装を施す。
髪型とかは上からすっぽり被る服だったから知らないと。
仕方がない。金髪にしておこう。
服は、ゆったり目で。首元まで。
女装の鉄則だ。喉仏を見せてはいけない。
ブラはあるからね。それを大きくして、殻をいれればいい。
どうだ?
・・・・。
「似てるよ!うん!そんな感じだった!
モウは、こう、前に出てるだろ?
その女は、それ、丸い。で、もっと下だったよ?」
「・・・・。・・・・。る、ルグ?」
「ダメです!誰も呼んではいけません!!」
「・・・・。・・・・。ん、じゃ、鏡みる?いや、見て?」
腹筋が痙攣しそう。
鏡を移動させて、見てもらう。
「・・・・・。」
ルグの絶望具合が痛々しい。
そしてわたしのおなかも痛い。
いや、平常心だ。マティスが心配する。
「鏡?え?凄いな、こんなにハッキリ?
俺、こんな感じなんだな。
ん?あれ?俺をシクロストって呼んだ奴にそっくりだ。」
おいが父親で、オーロラを売って、
シクロストって呼ぶ奴が、なんか、戦闘員かなんか
作ってる奴じゃないの?
「おいって呼んでたやつは?それは?」
「それとは似てないな。ああだけど、思い出した。
おいじゃなく、オウィかな?伸ばしてたな。
で、泣いてた。そうだ、泣いてたよ。
ルグ、あんたみたいに。抱きしめて。」
「・・・・。」
「シクロストのほうは?顔見たの?いつもフード被ってたって。」
「うん、一度風が吹いて、取れたんだ。
そうだ、そうだ。」
「シクロストは?抱きしめたことあった?」
「ないよ?ここから、向こうまでくらい離れてたから。」
「女も?」
「うん。だから声が聞きにくいんだ。」
『オーロラ?おいで?
もう一度、何度でも抱しめさせてくれ。』
「・・・・。いいよ。」
「固い!!」
「あ!すまない!」
「なんだ!女の胸って固いんだな。」
「いや違うよ!おいで?おばちゃんが抱きしめてやろ?」
「コットワッツは抱きしめるのが好きなのか?」
「うん。おいで?ほれ?」
「ん。あ、やわらかいな。へー。
それにいい匂いだ。」
『何やってる!!!!!!!!!』
それはそれはすさまじい風でございました。
一陣の風というものをそよ風だと考えればいいでしょうか?
同時に移動してきた、アバサとルーは吹き飛び、
壁に激突前に何とか、特大クッションを移動させました。
マティスが。
その中で気絶している。
天井は軽く膨らむだけで持ちこたえたようです。偉いぞ。
が、砂紋は消えただろうな。
ルグも吹き飛ぶオーロラを抱きかかえ、床に伏せてます。
わたし?
マティスに抱きしめられてますよ?
あー、マティスからカレーの匂いがする。
おなかすいたな。
「兄さん?姉さん?
な?へ?ぶひゃひゃははははははははは!!!」
「ル、ルグさん?ぶひゃははははははははははは!!!!」
これは、セサミンとドーガー。
マティスの、いつもわたしがセサミンとじゃれ合っているときに出す気の
濃縮版だったので、慌てて移動してきたセサミンとドーガー。
誰とじゃれ合ってんだ?と。
気はすぐに納まり、痛いというオーロラに気付き立ち上がった、ルグ。
その姿を目の当たりにして、腹がよじれるほど笑うことになってしまった。
すまぬ、ルグ。
「「「ぶひゃははははははははははは!!!!」」」
これは、わたしとマティスとルグ。
セサミンとドーガーは、何度もトラのムービーをみて、
2人でトラごっこ。
赤い耳、肉球手袋、しっぽを付けて降りてきたのだ。
動物映画グッズの定番と言える商品だろう。
フル装備。
ん?髭はオリジナル?さすがだ。
しかも限定商品なので、動く。耳としっぽ。
こういう商品があったから。
リスペクト?オマージュ?参考商品?なんせ、そういうもの。
脳派を察して動くらしい。
が、この商品は正確には本人が動かしている。
驚けば、こう動き、喜べば、こうだと。
すり込みだ。
そうか。
砂漠石と言えど、感情を読み取れない。
できるのなら、トラグッズの段階で気付いてる。
まずはそれありきで作ったから。
エデトの眼鏡は、そう見せているんだ。
発信はできるが受信はできない?
思い込みか?石を吐き出したら、死んでしまうと。
暗示をかけたか?それがシクロストの石か?
それはないとわたしの言霊で上書きしたってこと?
いや、お願いを、指示を聞いて動けるんだから、
受信はできる。
やはり特定の音?
あの契約書全文?
全部ご丁寧に読むこともしないだろ。
特定の言葉?
バルス的な?
なにかほかに持ってる?
なにか別の指示をしている?
考えているうちにそれぞれが我にかえって、
ルグは女装を解除。セサミンたちは鏡で確認後
マティスに写真を撮られ、外してしまった。
「それで?なぜオーロラが胸元に?」
「ちょっといろいろあったんよ?女の胸が固いなんて言われたら、
許せんだろ?大きくても小さくておっぱいはパフパフパイパイなんよ?」
両手でボインボインと持ち上げた。
「愛しい人!!」
「姉さん!」
「モウ様!!」
「・・・・。はいはい。ダメなのね。」
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