いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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789:我慢大会

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やっと終わったとみながゾロゾロ解散していく。

馬車だまりからこっちに迎えが来るのだが、
順番があるようで、えらいさんからだ。
王、王族なのであろうあの派手な2人。
それから、他の王族、貴族?この違いがよくわからない。
歴代の王の血筋?が王族。
貴族は?その配偶者の血筋で金持ち?
スダウトとタレンテは?王族で貴族?
なんせ、王都では偉くて金持ち?

「その認識でいいですよ。」

と、言われていたんだが、
軍部3軍、スダウト家とタレンテ家が残っている。
そして領国も。
領国は王都では院関係より扱いが下だ。
実際は王の下なのにね。
ただ、領国領主はみなに礼を取る。王族、貴族、院に対して。
付き合いがあるからだ。
それをお馬鹿たちは往々にして忘れるようだ。

院関係は天秤院以外みな帰った。
リーズナ先生もだ。今日はヤッチさんが一緒だったみたい。
一度ご挨拶せねば。
あとは、中央院で知っている顔、クロモ殿だ。

資産院は忙しい。
生産院は先程の屋台式で、隠匿依頼が数多くあったとか。
緑の食用着色材について探してくれるそうな。



「コットワッツ!赤い塊モウ!!」


護衛が誰にも礼を取らなくていい様に、
護衛に礼を取らなくてもいい。
が、それは雇い主に礼を取っていないということ。

(だれ?)
(スダウト家かな?)
(ねーちゃんは眠いんよ?)
(お任せください)
(ん)


「先の慰労会で、銃弾を素手で止めたとか?
それをここで見せてくれ!」
「何用ですか?
先にいますが、彼女はわたしの護衛だ。
職務以外は何もしない。
返答もだ。それを不敬だということもできない。
最近はそういうことを一々説明しないといけないのでしょうか?
まず、あなたはどこのどちら様で?
スダウト家だというのはわかるのですが、なにせ、田舎領主。
わからないのですよ?」
「田舎!まさにそうだな!!
私はスダウト家次期当主、アリンだ。」
「次期当主?クラビット殿の次?」
「あれはすぐに引退だ。兄弟共々な。エボルタとクラビットの父親が、
わたしの父の兄だ。2人の父親が亡くなった後、
わが父を差し置いて、エボルタが継いだが、
みなが知っている通りの有様だ。
このあとすぐに決まる。」
「そうですか。では、軍隊長もまた別の方?」
「いや?そのままだ。タゼリーが務める。
スダウト家皆で盛り立てていくことに変わりはない。」
「なるほど。」


隊長のことを呼び捨てにする。
親はぎりぎり許せるだろうが、
親戚のおじさんはダメなんじゃないの?
この時点でこの当主もダメだ。
いや、余程賢いブレーンを付けるのかな?
神輿は軽いほうがいいということ?


「では、スダウト家次期当主のアリン殿は、
なぜにわたしの護衛にそのようなことを、
わたし抜きで命令するのですか?理解できないんですが?」
「いちいち面倒なことを言うのだな!田舎領主は!
この臨時会合は、ニバーセル国の国力を確かめているんだぞ?
旧型の銃、これをチョッキで防げることはわかった。
新型では防げない。
が、赤い塊のモウは素手で防いだという。
新型も防げるのでは?と疑問を持つのはあたりまえだろ?
そのときにスホームに呪いをかけたんだろ?
再び故郷の土を踏むこともなく朽ち果てるというもの。
まさしくそうなったな。
恐ろしい話だ。
そんなことができるものが、田舎領主の護衛についている。
管理できるのか?裏切らないという保証はあるのか?」
「なにがいいたいのですか?」
「赤い塊モウをこちらに!
正式にスダウト軍副隊長を任命する!
裏切らないという石の契約もさせてもらうぞ!
そして、剣のマティス!
お前の腕も恐ろしいものだ!管理せねばな!
我が娘、ココエートと婚姻だ。
ダカルナ王の妃にもなり、剣のマティスも夫になる。
これで、ニバーセル国は安泰だ!!」

名前をいわれてもわからんよ。
とにかく、あの中にいたお嬢のとーちゃんだ。


「・・・・。」


誰も何も言わない。

それぞれの立場で、
どう動くか、小声、もしくは目線で指示が飛ぶ。

コットワッツ傍付き組は、
アバサとルーを守る体勢に入る。
セサミンには護衛がいるからだ。
インカムでルグが指示を出す。

アバサとルーはドーガーの目線指示で、
そっと後ろに下がった。

さっきの従者、スダウト家の従者がわちゃーってなってる。
横の人は誰だろ?貫禄があるね。
スダウト家本来の当主か?

その貫禄あるじーちゃんが従者に耳打し、
そのままタゼリー隊長のそばに。横にいるのが、えー、ブックナだっけ?
それに耳打ち。
で、それを隊長に。伝言ゲームやってるよ。
が、ブックナのいう内容に即、首を振った。
じーちゃんはそれを見て、深いため息だ。
何とかしろっていったのかな?で、ムリムリムリーって?

レディの方はもう何も言うなと言われているのか、
両脇の従者が押さえている。
とーちゃんズはいない。



沈黙を最初に破るのは誰だ?
一種の我慢大会のようだ。



「?なぜ黙っているんだ?
コットワッツ領主は耳が聞こえないのか?
もしくは理解できないほど間抜けなのか?
いいか?その2人の護衛を手放せと言っているんだ!
ニバーセル国の為に!!」


笑いごとで済ませなくなるぞ。
さっきのは笑えたんだ。
なんでか?廻りに人がいたとしても、聞こえただけの話の内容だ。
一種の雑談。わたしをさがしてこっそり話を持ってきたんだ。
まだあの2人の方がましだったとは。

ダメ上司が変わって次の上司がさらにダメだったというのは
よくある話。それこそ、笑い話だ。

だけど、ここは違う。
まだ皆がいる。
そして恐ろしいことに天秤院ランサーも。
まだ、閉会と言っていないのだ。
正式な会合中だ。

それをわかっているから、
軍関係は残る。領国もだ。



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