いわゆる異世界転移

夏炉冬扇

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838:味方

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「親父殿、カリクに教えてもらったことは、ひとつだけだ。

商売ではどちらの味方にも敵にもなってはならない

とな。」
「?」
「商売はするさ、モウモウ商会ともリリクとも。
が、今は早い。
いま、モウモウ商会とすればリリクが売り出すナビスは扱えない。
モウがザスと同様に嫌がるからな。
もちろん、ザスは扱わないぞ?

あれは商売人ではない。
己の感情で決める。気に入るか、気に入らないか。
このままモウと取引をし、ナビスの話を知れば、
最初はいいだろうが、
いつの間にか、疎遠になるだろう。
あの化粧法を売るだけで十分か?
違うだろ?
付き合いがあれば、本人が言うように話のなかに儲け話がある。
それを逃すことはできない。
リリクとの商売を優先すれば、モウモウ商会の商品は扱えないだろう。
ナビスだけではないんだ、リリクの商品は。
いままで入ってこなかったものがナビスを扱うことで入ってくる。
今の段階でナビス抜きに他の商品は出してこないだろう。
そうなると、モウは?
同じだ、早い段階で疎遠になる。
その間に懇意になった商売敵が台頭する。
こちらはモウが気に入ったものがたくさんあるのに。
荒野の酒、10番街の宿、砂卵。
そして、カリクとお前だ。」
「わたしですか?」
「お前が気に入ったからこその土産だろ?
異国であろうとなかろうと、どこの世界に、
気に入らない奴の為に、そいつが好きだといったものを持ってくる?」
「だったら!モウモウ商会とだけ商売をすればいい!!」
「今はダメだ。どっちにも肩入れしてはダメなんだ。
いったん引くことで、両方と取引できる。
ナビスを扱わなくてリリクの商品が出回ってくる。
その時でいい。
モウモウ商会の商品もだ。
その時期が必ず来る。
その決断は今ではない。
いつだ?モウが撃たれたことが余計だったが、
すぐにわかるはずだ。
両方と付き合えるか、片方だけか。
モウと取引ができなくなったわけではないんだよ?
いまがダメなだけだ。
それは向こうもわかっているさ。

話したぞ、全て。
さ、今度はお前だ。すべて話せ?
モウになんといわれた?」

「・・・・・。」


─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘

おっさんの圧!

ワイプとカップがモウの前に出た。
え?マティスは?
ツイミが倒れ、それの守りに回る。

マティスはそのままだ。


なんで?



おっさんの圧がきつい。
ガイライって奴も同じように出している。
なんの話をしてるんだ?
守りで手いっぱいになるなんて!
これ以上は無理だ。
どうする?先に動くか?

モウは?
まだ寝てる?

あ、起きた。

圧が消える。

「静かに。」
目覚めたツイミを声をかけた。

マティスはこちらを見て少し笑った。
あれ?なんかうれしい。



モウの話は面白い。
モウだけが話しているのに、
何人も人がいるようだ。

デンチュウはよくわからなかったが、
今回のはよくわかる。


塩の大切さ、におい消しの方法、水分の取り方。
なんだ、みんな知ってることなんだ。
あの木の実のことかな?
草の根はあれか?



自分で決めるということ。
大事だよな?
あれ?
俺は今までどうしていた?

そうだ、過去はどうでもいい。
これからは自分で決めるんだ。
そう、決められるんだ。





─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘─┘


!!


気を失ったか?
モウ様は?無事か?

え?

「静かに。」
オーロラ殿が起してくれた。
何?

モウ様?
芝居?

みなが、モウ様の声、

若い男と、年寄りの男との会話に聞き入っている。
騎士の話のように、廻りの状況も想像できる。

モウ様は、ここでは、感謝することと、
想像することをしないね、とおっしゃる。

そうだろうか?

感謝するものがなかったからだ。
想像する必要がなかったからだ。

日々繰り返す事柄。
己の采配で進む事柄にどうやって感謝する?
より良くなるように想像しようがない、日常。
あたり前の日々。
なのに失敗は許されない日々。
同じように月が昇ることにさえ嫌悪した。
あれが、目覚めなければなにもかも終わるのにと、
それだけ想像はした。
が、実行はできない。
石の契約をしてしまっている。
血殺しの反動が母に行く。
オーロラ殿に施されたものはその類だろう。
無効化はできないものかと調べたが、
できるものではなかった。
リリクか。
なにも出てこないな。
いや、もう一度調べてみよう。

それを難なく行なったモウ様。
モウ様に感謝しよう。
それをすると口にすると、モウ様はもっと別のことに感謝しろと、
お怒りになるから、そっと心の中でだ。



別のことですか?
そうだよ?
例えば?
ん?んー、おいしいものが食べられることとか?
おいしいものに?
違う、違う。
おいしいものにじゃなくて、それをおいしく食べることができる環境に?

もちろん、おいしいもの、おいしい食材、それを作ってくれた人、
感謝するよね?
それに加えて、それをおいしく食べることができるってことが、
すごいでしょ?
病気だったら食べれないし、食べる暇もない時もあるだろうし、
死んだら食べれないんだし。
まずは生きていることに感謝。
それもですか?
へ?当然でしょ?あらゆることに感謝してるよ?
ツイミさんにもね。
出会えたことに感謝してるし、
わたしを支えようとしてくれていることにも感謝してるよ?
わたしの為に生きることがあなたの支えになるのなら、
わたしを悲しませないで。わたしを喜ばせて?
ええ!もちろんです!!
わたしが喜ぶことってわかる?
ええ!マティス様とお過ごしになること、
おいしいものをたべること。
商売がうまくいくことですね?
あはははは!それね。
それは自分ですることだよ?
あなたがすることで、わたしが喜ぶことは?
税金関係ですね?
・・・うん、それはちょっとだけね、うん、ちょっとよ?5%程?
?のこりは?
ふふ。あなたの人生を楽しく生きていることがわたしが喜ぶことだ。
楽しく生きて?そして、それを笑って報告して?
わたしもいっしょに笑わして?
ここ大事。
もちろん悲しいこともあるよね?
1人で悲しまないで?
できるだけそれをなくすようにするし、
やっぱりどうにもならない事なら、
甘いもの食べて、忘れなくていいけど
甘さで薄めていこう?率先してお付き合いするから!
ね?

「ああ、モウ様、はい、モウ様。」
 「ん。」

わたしは未来を生きていける。



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