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ハロウィンの日に嗤う者
序章
しおりを挟む僕はハロウィンというイベントを知っているようで知らない。
かれこれいろいろな世界を渡り歩いてきたが、10月31日になると大体の世界、国で催されているイベントの一つがハロウィンだ。細かい事は気にしない。旅人が気そんな些細な問題をとやかく言うようであれば旅を楽しむ事なんてできない。
世界によって異なる部分もあるが、概ね「仮想した子供が街を練り歩き、明かりのついた家を訪れてお決まりの文句とともにお菓子をねだる。お菓子をもらえなかった場合はいたずらしても良い」が行われていた。本来は、この日は死者の霊とともに来る悪霊などから魔除けのために火を焚いたりした、そんな行事だったんだとか。
子供に紛れて仮装をして参加したこともあった。集めたお菓子は、子供たちに分けても余るほどで、しばらくの食糧はチョコやクッキーやキャンディーと甘味責めだった。気分的に悪くはないが、健康面ではあまり良くもない気がする・・・。
今回訪れた国も、ハロウィン真っ盛りだった。しかし、この国のハロウィンは僕の知るハロウィンと少し変わった催しだった。来夢にとっては初めて実際に体験するハロウィンだというのに、せめて僕以外の誰かにトリックオアトリートの一言だけでも言わせてあげたいところだったが、残念ながらそのお決まりの言葉でさえここでは「意味不明な言葉」だ。
そして、まさかあんなものにでくわすだなんて思ってもいなかった。いい出会いもあったんだが。しばらくカボチャと、あとあの、りんご飴も見たくない。
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