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番外編 元妻とストーカーの馴れ初め。
契約破棄と書いて、死刑と読む
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我が母、エイブル・クイーンは王妃とそれはそれは仲の良い関係でした。
幼き頃より二人は、共に育ち学び、友情を育んできました。
王妃がやれジュースが飲みたいと言えばそれを買いに行き、やれ足が疲れたと言えば足を揉み、犯罪がバレた時には王妃の罪も喜んで被りました。
それほどまでに、私の母は王妃の事を大切に思っていました。
そんなある日、当時まだシュバイン伯爵令嬢だった王妃が人攫いにあった。
だが、身代金目当てだったそこら辺のコソ泥は貴族の御令嬢の顔なんてわかっていなかった。
それに気づいた母は、自らを犠牲に王妃を守ったのだ。
その後、運良く帝国を出る前に保護された母。
しかし、新しい命のおまけ付きだった。
これが私の、出生秘話である。
多少罪悪感を覚えたのか、王妃は男爵家の嫡男の元に母を嫁がせた。
表向きは、子爵家の母の実家への援助を理由での嫁入りだったが、実際は王妃が男爵、子爵へ金を渡していた。
お分かりいただけただろうか?
要するに、私はどこぞの馬の骨ともわからぬ人間との間に生まれた、皇太子妃なんてこれっぽいも相応しくない、ただのモブなのである。
まあ、そんな奴を皇太子妃にするのが、王妃の狙いなのだが。
さて、今はどう言う状況かと言うと、絶賛王子様と二人っきりである。
十四になったばかりの私と、若干十八歳の王子。
そんな子供でも、結婚すればなさなければならないことがあった。
初夜である。
「はじめまして、改めましてモモラと申します。」
教えつけられた礼儀のお辞儀をすると、王子が興味なさげに私から目を逸らした。
私が反応に困って、眉尻を少し下げると王子はさっさと布団の中に入ってしまった。
愛想のない事……。
まあ、それもそうなのかと内心溜息を吐く。
王子にとって私は、王妃から差し向けられた言わばスパイだ。
長年、特に戦地から帰ってきてからは、王妃の王子への仕打ちは酷いものだと聞いている。
もちろんただ黙ってやられているのではないのだろう、王子の顔を見る限り。
流石は戦場帰りとあって、面構えが違う。
貴族出身の王宮の騎士やただの貴族とは比べ物にならない。
きっと、私が少しでも変な動きをすれば、あっと言う間に殺されてしまう。
それは困る、大変困る。
前世でも、三十年しか生きていないのだ。
今世は是非とも、大往生を果たしたい。
よし、今決めた。
私は、彼から慰謝料をたんまりもらって離婚する。
王妃のためには、決して動かない。
幼き頃より二人は、共に育ち学び、友情を育んできました。
王妃がやれジュースが飲みたいと言えばそれを買いに行き、やれ足が疲れたと言えば足を揉み、犯罪がバレた時には王妃の罪も喜んで被りました。
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お分かりいただけただろうか?
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まあ、そんな奴を皇太子妃にするのが、王妃の狙いなのだが。
さて、今はどう言う状況かと言うと、絶賛王子様と二人っきりである。
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初夜である。
「はじめまして、改めましてモモラと申します。」
教えつけられた礼儀のお辞儀をすると、王子が興味なさげに私から目を逸らした。
私が反応に困って、眉尻を少し下げると王子はさっさと布団の中に入ってしまった。
愛想のない事……。
まあ、それもそうなのかと内心溜息を吐く。
王子にとって私は、王妃から差し向けられた言わばスパイだ。
長年、特に戦地から帰ってきてからは、王妃の王子への仕打ちは酷いものだと聞いている。
もちろんただ黙ってやられているのではないのだろう、王子の顔を見る限り。
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