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2人だけの誓い
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ある日、春の陽気に誘われて、二人は庭へと足を運んだ。
リリアーナが初めて育てた白い花と、真っ赤に実った野いちごを籠いっぱいに摘み取る。
いちごは甘い香りを漂わせ、やがて鍋で煮込まれてジャムとなり、白い花は机や寝室を飾るだろう。
ふと、リリアーナは思いついたようにカーテンのレースを頭にかぶり、摘んだ花を胸に抱いた。
透きとおる布の下から、柔らかな笑みがこぼれる。
「……こうすると、まるで花嫁みたいでしょう?」
その姿に、セリーヌは一瞬言葉を失った。
やがて、静かに唇が綻ぶ。
「ええ……とてもお似合いです」
リリアーナはレースを被ったまま、いたずらっぽく手招きをする。
近づいてきたセリーヌの肩にそっと同じレースを掛け、整えられた髪に庭で摘んだ白い花を差し込んだ。
花弁が揺れたとき、セリーヌの頬に淡い朱が広がる。
「お嬢様……?」
揺れる瞳には、隠しきれない期待が滲んでいた。
リリアーナは深呼吸をして、そのまま真っ直ぐに告げた。
「セリーヌ。私、あなたのことが好き。ずっと……ずっと前から、心の奥で思っていたの」
セリーヌの瞳が潤み、大粒の涙が光を受けて震える。
「……私も、お嬢様が好きです」
「……愛しています。私と、結婚してください」
その声は小さく、けれど庭に吹く春風さえ耳を澄ませるように響いた。
二人はそっと指を絡め合う。
――まるで時が止まったように。
花の香りに包まれながら、二人は誓った。
この先も、ずっと、共にあることを。
リリアーナが初めて育てた白い花と、真っ赤に実った野いちごを籠いっぱいに摘み取る。
いちごは甘い香りを漂わせ、やがて鍋で煮込まれてジャムとなり、白い花は机や寝室を飾るだろう。
ふと、リリアーナは思いついたようにカーテンのレースを頭にかぶり、摘んだ花を胸に抱いた。
透きとおる布の下から、柔らかな笑みがこぼれる。
「……こうすると、まるで花嫁みたいでしょう?」
その姿に、セリーヌは一瞬言葉を失った。
やがて、静かに唇が綻ぶ。
「ええ……とてもお似合いです」
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二人はそっと指を絡め合う。
――まるで時が止まったように。
花の香りに包まれながら、二人は誓った。
この先も、ずっと、共にあることを。
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