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第4話:愚者たちの宴
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(※ヘリオス視点)
王城のバルコニーから見下ろす王都の夜景は、今夜が最も美しく輝いて見えた。
手に持ったクリスタルグラスを傾ける。
最高級のヴィンテージ・ワインの芳醇な香りが鼻腔をくすぐる。
僕は夜風に向かって、高らかに宣言した。
「乾杯だ! 僕たちの自由と、輝かしい未来に!」
「ああん、ヘリオス様ぁ。とっても素敵ですぅ」
僕の隣で、愛しいリリィが頬を染めて身体を寄せてくる。
甘い花の香り。
柔らかい肌の感触。
ああ、これだ。
これこそが僕が求めていた安らぎだ。
あの堅苦しい鉄面皮の女――エリーゼ・フォン・ノイマンが去ってから数時間が経過した。
彼女がいないだけで、城の空気はこんなにも美味しい。
彼女は常に僕の行動を監視し、やれ予算だ、やれ公務のスケジュールだと、口を開けば小言ばかりだった。
『殿下、その予算執行は無駄です』
『殿下、明日の視察資料は読みましたか?』
『殿下、背筋が曲がっています』
思い出すだけで虫唾が走る。
彼女はまるで、僕を王太子ではなく、数字を生産する機械か何かだと思っていたに違いない。
「ねえ、ヘリオス様。あの怖いお姉様、本当にもう帰ってこないの?」
リリィが不安そうに上目遣いで尋ねてくる。
なんて可憐なんだろう。
守ってあげたいという衝動が、僕の男としての本能を刺激する。
「ああ、二度と帰ってこないさ。彼女は自分から出て行ったんだ。手切れ金と、北の田舎の土地を持ってね」
「北の土地? 寒くて何もないところですわよね? かわいそう……」
「自業自得さ。彼女には愛よりも金が大事だったんだ。あんな冷たい女、不毛の地がお似合いだよ」
僕はリリィの肩を抱き寄せ、その柔らかい髪にキスを落とした。
「心配しなくていい。これからは僕が君を守る。欲しいものは何でも言ってくれ。君の笑顔のためなら、僕は王国のすべてを捧げても惜しくない」
「嬉しい! ……あ、じゃあね、私、あのドレスが欲しいな。ほら、西の国から輸入された星屑のシルク!」
リリィが無邪気にねだる。
星屑のシルク。
確か、ドレス一着で騎士の年俸ほどの値段がする最高級品だ。
以前、エリーゼに相談した時は『費用対効果が見合いません』と即座に却下された案件だ。
だが、今の僕は自由だ。
「もちろんさ。明日にでも商人を呼ぼう。君には世界一美しいものがふさわしい」
「きゃあ! ヘリオス様、大好き!」
僕たちは抱き合い、愛を確かめ合う。
邪魔者は消えた。
これからは、愛と優しさに満ちた理想の治世が始まるのだ。
翌朝。
素晴らしい気分の目覚めと共に、僕は執務室へと向かった。
今日から僕が名実ともに、この国の政務を取り仕切るのだ。
エリーゼがいなくとも、王太子である僕には造作もないことだと思っていた。
しかし。
「……なんだ、これは?」
執務室のドアを開けた瞬間、僕は立ち尽くした。
部屋の景色が、昨日までと違っていたからだ。
僕の執務机が見えない。
机の上には、書類の塔が――いや、山脈が築かれていた。
床にまで溢れ出し、足の踏み場もない。
「おはようございます、殿下」
書類の山の陰から、顔色の悪い文官が一人、幽霊のように現れた。
「こ、これはどういうことだ! なぜ掃除をしていない!」
「掃除、ではありません。これらは全て、今朝までに決裁が必要な案件です」
文官は淡々と告げた。
「ノイマン侯爵令嬢がおられた時は、彼女が朝の四時には登城し、重要度ごとに仕分け、不要な案件は却下し、殿下がサインするだけの状態に整えておられましたので」
「なっ……」
「彼女がいなくなった今、全ての案件が未処理としてここに積まれております。予算申請、陳情書、外交文書、衛兵のシフト管理、厨房の食材発注……」
文官が読み上げるリストを聞いているだけで、頭が痛くなってきた。
エリーゼのやつ、こんな雑用を毎日やっていたのか?
いや、あいつのことだ。
どうせ暇つぶしにやっていたに過ぎない。
僕に嫌がらせをするために、わざと仕事を溜めてから出て行った可能性もある。
「ええい、うるさい! そんな紙切れ、適当に処理しておけ!」
僕は手近な書類を払いのけた。
「しかし殿下、この東部街道の補修予算には殿下の署名が必要です。署名がなければ工事が止まり、物流が――」
「知るか! たかが道の穴を埋めるのに、なぜ王太子の許可がいる! 勝手に埋めさせろ!」
「予算が出ないのです!」
「金ならあるだろう! 王城の金庫から出せばいい!」
文官が何か言いたげに口を開いたが、僕はそれを手で制した。
今日はリリィと庭園でお茶をする約束があるんだ。
こんなカビ臭い部屋で、数字と睨めっこなんてしていられない。
「いいか、僕は忙しいんだ。重要そうなものだけ、後でまとめて持って来い。それ以外は却下だ、却下!」
僕は逃げるように執務室を飛び出した。
背後で、文官が深い深いため息をついたのが聞こえた気がしたが、無視した。
廊下を歩きながら、僕は苛立ちを鎮める。
大丈夫だ。
たかが事務処理だ。
あんなものは、優秀な部下が勝手にやるものだ。
王である僕は、もっと大局的な――そう、愛とか平和とか、そういう高尚なテーマを語ればいいのだ。
庭園へ出ると、リリィが手を振って待っていた。
その笑顔を見た瞬間、書類の山のことなど脳裏から消え去った。
「お待たせ、リリィ。さあ、最高のティータイムにしよう」
僕は彼女の手を取り、優雅にエスコートする。
そう、これでいい。これが正しい王族の姿だ。
あんな書類の山が、やがて国を揺るがす雪崩となって僕たちに襲いかかってくることなど、この時の僕は想像もしていなかったのだった……。
王城のバルコニーから見下ろす王都の夜景は、今夜が最も美しく輝いて見えた。
手に持ったクリスタルグラスを傾ける。
最高級のヴィンテージ・ワインの芳醇な香りが鼻腔をくすぐる。
僕は夜風に向かって、高らかに宣言した。
「乾杯だ! 僕たちの自由と、輝かしい未来に!」
「ああん、ヘリオス様ぁ。とっても素敵ですぅ」
僕の隣で、愛しいリリィが頬を染めて身体を寄せてくる。
甘い花の香り。
柔らかい肌の感触。
ああ、これだ。
これこそが僕が求めていた安らぎだ。
あの堅苦しい鉄面皮の女――エリーゼ・フォン・ノイマンが去ってから数時間が経過した。
彼女がいないだけで、城の空気はこんなにも美味しい。
彼女は常に僕の行動を監視し、やれ予算だ、やれ公務のスケジュールだと、口を開けば小言ばかりだった。
『殿下、その予算執行は無駄です』
『殿下、明日の視察資料は読みましたか?』
『殿下、背筋が曲がっています』
思い出すだけで虫唾が走る。
彼女はまるで、僕を王太子ではなく、数字を生産する機械か何かだと思っていたに違いない。
「ねえ、ヘリオス様。あの怖いお姉様、本当にもう帰ってこないの?」
リリィが不安そうに上目遣いで尋ねてくる。
なんて可憐なんだろう。
守ってあげたいという衝動が、僕の男としての本能を刺激する。
「ああ、二度と帰ってこないさ。彼女は自分から出て行ったんだ。手切れ金と、北の田舎の土地を持ってね」
「北の土地? 寒くて何もないところですわよね? かわいそう……」
「自業自得さ。彼女には愛よりも金が大事だったんだ。あんな冷たい女、不毛の地がお似合いだよ」
僕はリリィの肩を抱き寄せ、その柔らかい髪にキスを落とした。
「心配しなくていい。これからは僕が君を守る。欲しいものは何でも言ってくれ。君の笑顔のためなら、僕は王国のすべてを捧げても惜しくない」
「嬉しい! ……あ、じゃあね、私、あのドレスが欲しいな。ほら、西の国から輸入された星屑のシルク!」
リリィが無邪気にねだる。
星屑のシルク。
確か、ドレス一着で騎士の年俸ほどの値段がする最高級品だ。
以前、エリーゼに相談した時は『費用対効果が見合いません』と即座に却下された案件だ。
だが、今の僕は自由だ。
「もちろんさ。明日にでも商人を呼ぼう。君には世界一美しいものがふさわしい」
「きゃあ! ヘリオス様、大好き!」
僕たちは抱き合い、愛を確かめ合う。
邪魔者は消えた。
これからは、愛と優しさに満ちた理想の治世が始まるのだ。
翌朝。
素晴らしい気分の目覚めと共に、僕は執務室へと向かった。
今日から僕が名実ともに、この国の政務を取り仕切るのだ。
エリーゼがいなくとも、王太子である僕には造作もないことだと思っていた。
しかし。
「……なんだ、これは?」
執務室のドアを開けた瞬間、僕は立ち尽くした。
部屋の景色が、昨日までと違っていたからだ。
僕の執務机が見えない。
机の上には、書類の塔が――いや、山脈が築かれていた。
床にまで溢れ出し、足の踏み場もない。
「おはようございます、殿下」
書類の山の陰から、顔色の悪い文官が一人、幽霊のように現れた。
「こ、これはどういうことだ! なぜ掃除をしていない!」
「掃除、ではありません。これらは全て、今朝までに決裁が必要な案件です」
文官は淡々と告げた。
「ノイマン侯爵令嬢がおられた時は、彼女が朝の四時には登城し、重要度ごとに仕分け、不要な案件は却下し、殿下がサインするだけの状態に整えておられましたので」
「なっ……」
「彼女がいなくなった今、全ての案件が未処理としてここに積まれております。予算申請、陳情書、外交文書、衛兵のシフト管理、厨房の食材発注……」
文官が読み上げるリストを聞いているだけで、頭が痛くなってきた。
エリーゼのやつ、こんな雑用を毎日やっていたのか?
いや、あいつのことだ。
どうせ暇つぶしにやっていたに過ぎない。
僕に嫌がらせをするために、わざと仕事を溜めてから出て行った可能性もある。
「ええい、うるさい! そんな紙切れ、適当に処理しておけ!」
僕は手近な書類を払いのけた。
「しかし殿下、この東部街道の補修予算には殿下の署名が必要です。署名がなければ工事が止まり、物流が――」
「知るか! たかが道の穴を埋めるのに、なぜ王太子の許可がいる! 勝手に埋めさせろ!」
「予算が出ないのです!」
「金ならあるだろう! 王城の金庫から出せばいい!」
文官が何か言いたげに口を開いたが、僕はそれを手で制した。
今日はリリィと庭園でお茶をする約束があるんだ。
こんなカビ臭い部屋で、数字と睨めっこなんてしていられない。
「いいか、僕は忙しいんだ。重要そうなものだけ、後でまとめて持って来い。それ以外は却下だ、却下!」
僕は逃げるように執務室を飛び出した。
背後で、文官が深い深いため息をついたのが聞こえた気がしたが、無視した。
廊下を歩きながら、僕は苛立ちを鎮める。
大丈夫だ。
たかが事務処理だ。
あんなものは、優秀な部下が勝手にやるものだ。
王である僕は、もっと大局的な――そう、愛とか平和とか、そういう高尚なテーマを語ればいいのだ。
庭園へ出ると、リリィが手を振って待っていた。
その笑顔を見た瞬間、書類の山のことなど脳裏から消え去った。
「お待たせ、リリィ。さあ、最高のティータイムにしよう」
僕は彼女の手を取り、優雅にエスコートする。
そう、これでいい。これが正しい王族の姿だ。
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