43 / 100
第43話:カレンダーを見ない魔女と、貯金された熱
しおりを挟む
王都に、冷たい秋風が吹き始めた頃。
市場は奇妙なパニックに陥っていた。
「おい、もう10月だぞ! 早く収穫しないと霜が降りる!」
「でも、実はまだ青いままだ! こんなの売れないぞ!」
農民たちは焦っていた。
今年は歴史的な冷夏だった。
そのため、作物の成長が例年より大幅に遅れているのだ。
しかし、カレンダーは無情にも収穫の季節を告げている。
これ以上待って霜が降りれば、作物は全滅する。
かといって今収穫すれば、未熟なゴミにしかならない。
「ええい、迷っている暇はない! 全軍、収穫開始だ!」
号令をかけたのは、懲りないジェラルド殿下だった。
彼は王家の直轄地にあるブドウ畑と果樹園に兵を出し、青くて硬い果実を無理やり収穫させ始めた。
「マリアンヌを見ろ! あいつはまだ収穫していない! このまま霜が降りれば、あいつの作物は全滅だ! 今度こそ私の勝ちだ!」
殿下は、隣接する私の畑を指差して高笑いしていた。
私の畑では、ブドウもリンゴもまだ枝に残ったままだ。
「……お嬢様。本当によろしいのですか?」
私の別邸にて。
窓から外の様子を窺うセバスチャンが、不安げに尋ねた。
「周りの農家は皆、収穫を終えました。市場には青い果実が山積みです。……お嬢様の畑だけが、取り残されていますぞ。明日にも初霜が降りるとの予報ですが」
「大丈夫よ、セバス。明日は霜は降りないわ」
私はデスクに向かい、分厚いノートにペンを走らせていた。
そこには、毎日記録した気温のデータがびっしりと書き込まれている。
「カレンダーの日付なんて、植物には関係ないの。彼らが気にしているのは日付じゃなくて温度の貯金よ」
「温度の……、貯金?」
「ええ。それを有効積算温度と呼ぶわ」
私はノートの計算式を指差した。
「植物が成熟するためには、一定の熱量が必要なの。毎日、平均気温マイナス基準温度を足し算していく。……その合計値が特定の数字に達した時、初めて彼らは完熟を迎える」
私は窓の外、青空を見上げた。
「今年は冷夏だったから、毎日の貯金額が少なかった。だから、カレンダー上の収穫日になっても、植物たちの貯金箱はまだ満タンになっていないのよ」
「しかし、冬は待ってくれませんぞ」
「あと少しよ。……私の計算では、あと一週間。来週に来る小春日和の暖かさで、目標値に達するはず」
「もし外れたら?」
「全滅ね。……でも、私は自分の計算を信じるわ」
一週間後。
王都の市場は、悲惨な状況になっていた。
ジェラルド殿下が収穫祭と銘打って売り出したブドウや果物は、酸っぱくて渋く、とても食べられたものではなかったのだ。
「ぺっ! なんだこのブドウ、酢の味がするぞ!」
「リンゴも石みたいに硬ぇ! こんなの金払って食えるか!」
市民たちは激怒し、殿下の作物は二束三文で叩き売られ、最後はジャム用の加工品として買い叩かれた。
「くそっ……! なぜだ! 収穫時期は合っていたはずだ! 例年通り10月頭に採ったのに!」
殿下は売れ残った青いブドウの山を前に、頭を抱えていた。
そこへ、一台の荷馬車が悠然と現れた。
アースガルド商会の紋章が入った馬車だ。
「お待たせしました! マリアンヌ様の農園より、採れたて完熟フルーツの到着です!」
ガストンが高らかに宣言し、荷台の覆いを取った。
そこにあったのは――
芳醇な甘い香りを放つ、紫色に熟したブドウと、真っ赤なリンゴだった。
「な、なんだと……!?」
殿下が目を剥いた。
市場にいた人々も、その香りに吸い寄せられるように集まってくる。
「甘い匂いだ……!」
「嘘だろ? あの寒さの中で、どうやって完熟させたんだ?」
ガストンが試食用のブドウを配る。
口に入れた瞬間、市民たちの顔が綻んだ。
「うめぇぇぇ! 砂糖爆弾だ!」
「果汁が溢れてくるぞ!」
瞬く間に人だかりができ、飛ぶように売れていく。
殿下の青いブドウの十倍の値段がついているのに、争奪戦だ。
「ば、馬鹿な……! マリアンヌ! 貴様、どうやった!?」
人混みをかき分けて、殿下が私に詰め寄った。
私は完熟したリンゴを一つ、お手玉のように放り上げた。
「待っただけですわ、殿下」
「待った? 霜が降りるかもしれないのにか!?」
「ええ。貴方はカレンダーを見て収穫し、私は温度計を見て収穫した。その差です」
私はノートを開いて見せた。
「この一週間、奇跡的に暖かい日が続きました。貴方が慌てて収穫した後、植物たちは最後の日差しを浴びて、一気に糖度を上げたのです。……有効積算温度が満ちた瞬間を、私は逃さなかった」
「せ、積算温度だと……? そんな数字遊びで、農業ができるか!」
「数字ではありません。植物との対話です」
私は真っ赤なリンゴを殿下に押し付けた。
「植物は嘘をつきません。必要な熱を与えれば、必ず甘くなる。……貴方は彼らの都合を無視して、自分の都合(暦)を押し付けた。だから彼らは未熟なまま、酸っぱい実で貴方に抗議したのです」
殿下は手の中のリンゴを見つめ、そしてガブリとかじった。
溢れる蜜。
濃厚な甘み。
自分の作った石のようなリンゴとは、別の食べ物だ。
「……負けた」
殿下は小さく呟き、よろめきながら去っていった。
市場には、マリアンヌの完熟果実を求める行列が、いつまでも途切れなかった。
「お嬢様。見事な読みでしたな」
セバスチャンが感心したように言う。
「でも、怖かったですぞ。もし今日、霜が降りていたら……」
「ふふ。その時はその時よ。……でもねセバス。地質学者も農学者も、最後は賭けに出るものよ。データという最強のカードを持ってね」
王都の秋は深まっていく。
私の計算通り、この翌日から急激に冷え込み、本格的な冬が到来した。
ギリギリのタイミングで収穫されたアースガルドの果実は、王都の最後の甘みとして、人々の記憶に刻まれることになった。
市場は奇妙なパニックに陥っていた。
「おい、もう10月だぞ! 早く収穫しないと霜が降りる!」
「でも、実はまだ青いままだ! こんなの売れないぞ!」
農民たちは焦っていた。
今年は歴史的な冷夏だった。
そのため、作物の成長が例年より大幅に遅れているのだ。
しかし、カレンダーは無情にも収穫の季節を告げている。
これ以上待って霜が降りれば、作物は全滅する。
かといって今収穫すれば、未熟なゴミにしかならない。
「ええい、迷っている暇はない! 全軍、収穫開始だ!」
号令をかけたのは、懲りないジェラルド殿下だった。
彼は王家の直轄地にあるブドウ畑と果樹園に兵を出し、青くて硬い果実を無理やり収穫させ始めた。
「マリアンヌを見ろ! あいつはまだ収穫していない! このまま霜が降りれば、あいつの作物は全滅だ! 今度こそ私の勝ちだ!」
殿下は、隣接する私の畑を指差して高笑いしていた。
私の畑では、ブドウもリンゴもまだ枝に残ったままだ。
「……お嬢様。本当によろしいのですか?」
私の別邸にて。
窓から外の様子を窺うセバスチャンが、不安げに尋ねた。
「周りの農家は皆、収穫を終えました。市場には青い果実が山積みです。……お嬢様の畑だけが、取り残されていますぞ。明日にも初霜が降りるとの予報ですが」
「大丈夫よ、セバス。明日は霜は降りないわ」
私はデスクに向かい、分厚いノートにペンを走らせていた。
そこには、毎日記録した気温のデータがびっしりと書き込まれている。
「カレンダーの日付なんて、植物には関係ないの。彼らが気にしているのは日付じゃなくて温度の貯金よ」
「温度の……、貯金?」
「ええ。それを有効積算温度と呼ぶわ」
私はノートの計算式を指差した。
「植物が成熟するためには、一定の熱量が必要なの。毎日、平均気温マイナス基準温度を足し算していく。……その合計値が特定の数字に達した時、初めて彼らは完熟を迎える」
私は窓の外、青空を見上げた。
「今年は冷夏だったから、毎日の貯金額が少なかった。だから、カレンダー上の収穫日になっても、植物たちの貯金箱はまだ満タンになっていないのよ」
「しかし、冬は待ってくれませんぞ」
「あと少しよ。……私の計算では、あと一週間。来週に来る小春日和の暖かさで、目標値に達するはず」
「もし外れたら?」
「全滅ね。……でも、私は自分の計算を信じるわ」
一週間後。
王都の市場は、悲惨な状況になっていた。
ジェラルド殿下が収穫祭と銘打って売り出したブドウや果物は、酸っぱくて渋く、とても食べられたものではなかったのだ。
「ぺっ! なんだこのブドウ、酢の味がするぞ!」
「リンゴも石みたいに硬ぇ! こんなの金払って食えるか!」
市民たちは激怒し、殿下の作物は二束三文で叩き売られ、最後はジャム用の加工品として買い叩かれた。
「くそっ……! なぜだ! 収穫時期は合っていたはずだ! 例年通り10月頭に採ったのに!」
殿下は売れ残った青いブドウの山を前に、頭を抱えていた。
そこへ、一台の荷馬車が悠然と現れた。
アースガルド商会の紋章が入った馬車だ。
「お待たせしました! マリアンヌ様の農園より、採れたて完熟フルーツの到着です!」
ガストンが高らかに宣言し、荷台の覆いを取った。
そこにあったのは――
芳醇な甘い香りを放つ、紫色に熟したブドウと、真っ赤なリンゴだった。
「な、なんだと……!?」
殿下が目を剥いた。
市場にいた人々も、その香りに吸い寄せられるように集まってくる。
「甘い匂いだ……!」
「嘘だろ? あの寒さの中で、どうやって完熟させたんだ?」
ガストンが試食用のブドウを配る。
口に入れた瞬間、市民たちの顔が綻んだ。
「うめぇぇぇ! 砂糖爆弾だ!」
「果汁が溢れてくるぞ!」
瞬く間に人だかりができ、飛ぶように売れていく。
殿下の青いブドウの十倍の値段がついているのに、争奪戦だ。
「ば、馬鹿な……! マリアンヌ! 貴様、どうやった!?」
人混みをかき分けて、殿下が私に詰め寄った。
私は完熟したリンゴを一つ、お手玉のように放り上げた。
「待っただけですわ、殿下」
「待った? 霜が降りるかもしれないのにか!?」
「ええ。貴方はカレンダーを見て収穫し、私は温度計を見て収穫した。その差です」
私はノートを開いて見せた。
「この一週間、奇跡的に暖かい日が続きました。貴方が慌てて収穫した後、植物たちは最後の日差しを浴びて、一気に糖度を上げたのです。……有効積算温度が満ちた瞬間を、私は逃さなかった」
「せ、積算温度だと……? そんな数字遊びで、農業ができるか!」
「数字ではありません。植物との対話です」
私は真っ赤なリンゴを殿下に押し付けた。
「植物は嘘をつきません。必要な熱を与えれば、必ず甘くなる。……貴方は彼らの都合を無視して、自分の都合(暦)を押し付けた。だから彼らは未熟なまま、酸っぱい実で貴方に抗議したのです」
殿下は手の中のリンゴを見つめ、そしてガブリとかじった。
溢れる蜜。
濃厚な甘み。
自分の作った石のようなリンゴとは、別の食べ物だ。
「……負けた」
殿下は小さく呟き、よろめきながら去っていった。
市場には、マリアンヌの完熟果実を求める行列が、いつまでも途切れなかった。
「お嬢様。見事な読みでしたな」
セバスチャンが感心したように言う。
「でも、怖かったですぞ。もし今日、霜が降りていたら……」
「ふふ。その時はその時よ。……でもねセバス。地質学者も農学者も、最後は賭けに出るものよ。データという最強のカードを持ってね」
王都の秋は深まっていく。
私の計算通り、この翌日から急激に冷え込み、本格的な冬が到来した。
ギリギリのタイミングで収穫されたアースガルドの果実は、王都の最後の甘みとして、人々の記憶に刻まれることになった。
217
あなたにおすすめの小説
「『お前に書く手紙などない』と言った婚約者へ、私は7年間手紙を書き続けた——ただし、届け先は別の人でした」
歩人
ファンタジー
辺境伯令嬢リゼットは、婚約者に7年間手紙を書き続けた。返事は一度もなかった。
「お前に書く手紙などない。顔も覚えていない」——婚約破棄。しかしリゼットは
泣かなかった。手紙の本当の届け先は、最初から別にあったから。前世の情報分析
能力で辺境の異変を読み解き、暗号として織り込んだ7年分の手紙。それを受け取り
続けていたのは第一王子。リゼットは誰にも知られず、王国を守っていた。
婚約破棄の翌朝、王子からの手紙が届く。「7年間、ありがとう。迎えに行く」
婚約を奪った義妹は王太子妃になりましたが、王子が廃嫡され“廃嫡王子の妻”になりました
鷹 綾
恋愛
「お姉様には、こちらの方がお似合いですわ」
そう言って私の婚約者を奪ったのは、可憐で愛らしい義妹でした。
王子に見初められ、王太子妃となり、誰もが彼女の勝利を疑わなかった――あの日までは。
私は“代わり”の婚約者を押し付けられ、笑いものにされ、社交界の端に追いやられました。
けれど、選ばれなかったことは、終わりではありませんでした。
華やかな王宮。
厳しい王妃許育。
揺らぐ王家の威信。
そして――王子の重大な過ち。
王太子の座は失われ、運命は静かに反転していく。
離縁を望んでも叶わない義妹。
肩書きを失ってなお歩き直す王子。
そして、奪われたはずの私が最後に選び取った人生。
ざまあは、怒鳴り声ではなく、選択の積み重ねで訪れる。
婚約を奪われた姉が、静かに価値を積み上げていく王宮逆転劇。
婚約破棄された公爵令嬢ですが、戻らなかっただけです
鷹 綾
恋愛
王太子カイル殿下から、社交界の場で婚約破棄を言い渡された公爵令嬢リュシエンヌ。
理由は――
「王太子妃には華が必要だから」。
新たに選ばれたのは、愛らしく無邪気な義妹セシリア。
誰もが思った。
傷ついた令嬢は泣き、縋り、やがて戻るのだと。
けれどリュシエンヌは、ただ一言だけ告げる。
「戻りません」
彼女は怒らない。
争わない。
復讐もしない。
ただ――王家を支えるのをやめただけ。
流通は滞り、商会は様子を見始め、焦った王太子は失点を重ねる。
さらに義妹の軽率な一言が決定打となり、王太子妃候補の座は静かに消えた。
強いざまあとは、叫ぶことではない。
自らの選択で、自らの立場を削らせること。
そして彼女は最後まで戻らない。
支えない。
奪わない。
――選ばれなかったのではない。
彼女が、選ばなかったのだ。
これは、沈黙で勝つ公爵令嬢の物語。
婚約破棄はあなたの意思でしたわね? ~王太子を廃嫡に追い込み、義妹を平民に落とした公爵令嬢は新時代の王妃になります~
鷹 綾
恋愛
王立学園の卒業舞踏会――
公爵令嬢ヴェルミリアは、王太子アルヴァリオから突然の婚約破棄を言い渡された。
「俺は、君の義妹セシルを愛している」
涙を浮かべる“可哀想な妹”。
それを守ると宣言する王太子。
社交界はヴェルミリアを冷酷な姉と断じた。
けれど彼女は、ただ微笑んだ。
なぜなら――
王家が回っていたのは、彼女の裏調整と資金管理のおかげだったから。
婚約破棄の翌日、王家の事業は次々と停止。
王太子の無責任な契約、義妹の盗用、不正資金の流れが暴かれていく。
守ると誓ったはずの義妹を、王太子は切り捨てる。
だがもう遅い。
王太子は廃嫡。
義妹は爵位剥奪のうえ平民落ち。
二人はすべてを失う。
そして――
「責任を共有できるなら、共に歩みましょう」
冷静沈着な第二王子との正式婚約。
王国再建の中心に立つのは、かつて捨てられたはずの公爵令嬢だった。
婚約破棄はあなたの意思でしたわね?
選んだ未来の責任を――
きちんとお取りいただきます。
「10歳の頃の想いなど熱病と同じ」と婚約者は言いました──さようなら【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王太子フリードリヒの婚約者として、幼い頃から王妃教育を受けてきたアメリア・エレファウント公爵令嬢。
誰もが羨む未来を約束された彼女の世界は、ある日突然1人の少女の登場によって揺らぎ始める。
無邪気な笑顔で距離を(意図的に)間違える編入生ベルティーユは、男爵の庶子で平民出身。
ベルティーユに出会ってから、悪い方へ変わっていくフリードリヒ。
「ベルが可哀想だろ」「たかがダンスくらい」と話が通じない。
アメリアの積み上げてきた7年の努力と誇りが崩れていく。
そしてフリードリヒを見限り、婚約解消を口にするが話は進まず、学園の卒業パーティーで断罪されてしまう……?!
⚠️ 本作は AI の生成した文章を一部に使っています
追放された悪役令嬢、規格外魔力でもふもふ聖獣を手懐け隣国の王子に溺愛される
黒崎隼人
ファンタジー
「ようやく、この息苦しい生活から解放される!」
無実の罪で婚約破棄され、国外追放を言い渡された公爵令嬢エレオノーラ。しかし彼女は、悲しむどころか心の中で歓喜の声をあげていた。完璧な淑女の仮面の下に隠していたのは、国一番と謳われた祖母譲りの規格外な魔力。追放先の「魔の森」で力を解放した彼女の周りには、伝説の聖獣グリフォンをはじめ、可愛いもふもふ達が次々と集まってきて……!?
自由気ままなスローライフを満喫する元悪役令嬢と、彼女のありのままの姿に惹かれた「氷の王子」。二人の出会いが、やがて二つの国の運命を大きく動かすことになる。
窮屈な世界から解き放たれた少女が、本当の自分と最高の幸せを見つける、溺愛と逆転の異世界ファンタジー、ここに開幕!
お好きになさって下さい、私は一切気にしませんわ
Kouei
恋愛
婚約者のクレマンド様は、いつも私との約束を破ってばかり。
理由は決まって『従妹ライラ様との用事』
誕生日会にすら来なかった彼に、私はついに告げた。
「どうぞ、私以外のご令嬢をエスコートするなり、お出かけするなり、関係を持つなり、お好きになさって下さい。私は一切気にしませんわ」
二人の想いは、重なり合えるのだろうか ……
※他のサイトにも公開しています。
『「君は飾りだ」と言われた公爵令嬢、契約通りに王太子を廃嫡へ導きました』
ふわふわ
恋愛
「君は優秀だが、王妃としては冷たい。正直に言えば――飾りとしては十分だった」
そう言って婚約者である王太子に公然と切り捨てられた、公爵令嬢アデルフィーナ。
さらに王太子は宣言する。
「王家は外部信用に頼らない」「王家が条文だ」と。
履行履歴も整えず、契約も軽視し、
新たな婚約者と共に“強い王家”を演出する王太子。
――ですが。
契約は宣言では動きません。
信用は履歴の上にしか立ちません。
王命が止まり、出荷が止まり、資材が止まり、
やがて止まったのは王太子の未来でした。
自ら押した承認印が、
自らの継承権を奪うことになるとも知らずに。
公然侮辱から始まる、徹底的な強ザマァ。
救済なし。
やり直しなし。
契約通りに処理しただけですのに――
なぜか王太子が廃嫡されました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる