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第55話:嘘つきの左手と、身体動作学の罠
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王城の審判の間は、異様な熱気に包まれていた。
ヴォルグ伯爵による国家反逆罪の捏造が暴かれた後、その背後関係を洗うために、ある重要参考人がアースガルド領から一時的に呼び戻されていた。
「ひどいですぅ……! 信じてください! 私は何も知りませんでした!」
証言台に立っているのは、リリーナだ。
数日間の農場労働で少しやつれているが、今日は白いドレス(王都の支援者が用意したものらしい)を着て、涙ながらに訴えている。
「ヴォルグ伯爵が勝手にやったことです! 私はただ、ジェラルド様に言われるがままに……。それに、マリアンヌ様には昔からいじめられていて、怖くて何も言えなかったんです!」
彼女は大粒の涙を流し、華奢な肩を震わせている。
その迫真の演技に、一部の貴族たち(特に男性)がざわめき始めた。
「可哀想に……、やはり彼女は巻き込まれただけでは?」
「マリアンヌ嬢の性格がキツイのは有名だしな……」
同情の空気が広がる。
涙は女の武器と言うが、彼女は達人級の使い手だ。
「……やれやれ。大女優ですな」
隣に立つセバスチャンが呆れて呟く。
私は冷静に、リリーナのある動作を観察し続けていた。
「ええ。でも、口は嘘をつくけれど、体は正直よ。……セバス、彼女の左手を見ていて」
「リリーナ嬢。では、貴女はこの捏造計画に一切関与していないと?」
司法大臣の質問に対し、リリーナはハンカチで目元を拭いながら答えた。
「はい。神に誓って」
その瞬間、彼女の左手が無意識に上がり、自分の首元のネックレスに触れた。
「では、マリアンヌ嬢を陥れようと提案したこともない?」
「ありません。私はただ、仲良くしたかっただけなのに……」
まただ。
今度は、人差し指が鼻の下を擦った。
私は一歩前に進み出た。
「裁判長。少しよろしいですか? ……彼女の証言の信憑性について、科学的な視点から指摘したい点がございます」
「科学的視点? ……許可しよう」
私はリリーナの正面に立った。
彼女は涙目のまま、私を睨みつける。
その瞳の奥には、隠しきれない憎悪が渦巻いている。
「リリーナ様。貴女は先ほどから、重要な質問に答えるたびに、奇妙な動きをされていますね」
「な、なによ。泣いているから顔を拭いただけよ! いちゃもんをつけないで!」
「いいえ。それはなだめ行動です」
私は会場の全員に聞こえるように解説を始めた。
「人間は嘘をつくとき、強いストレスを感じます。すると自律神経が反応し、無意識に自分を落ち着かせようとして、特定の部位を触るのです」
私は自分の首元に手を当てて見せた。
「まず、首元の窪みを隠す動作。……これは動物が急所を守ろうとする本能的な防御反応です。貴女は『関与していない』と答えた時、必ずここを触っていましたね。……心にやましいことがある証拠です」
「そ、そんなの癖よ! 偶然だわ!」
「では、鼻を擦るのは?」
私は自分の鼻先をトントンと叩いた。
「嘘をつくと、体内でカテコールアミンという物質が分泌され、鼻の海綿体組織が充血してムズムズするのです。……童話のピノキオの鼻が伸びるように、現実の嘘つきは鼻が痒くなる。これをピノキオ効果と呼びます」
リリーナの顔色がさっと変わった。
彼女は反射的に鼻を隠そうとして手を上げかけ、ハッとして止めた。
その不自然な挙動が、何よりの自白だった。
「さらに、貴女の視線です」
私は一歩踏み込み、彼女の目を覗き込んだ。
「過去の事実を思い出すとき、人の視線は通常左上に動きます。……ですが貴女は、先ほどからずっと右上を見ている」
私は指で右上の空を示した。
「人間が右上を見るのは、見たことのない映像を脳内で組み立てているとき……、つまり、嘘のストーリーを創作しているときです」
「っ……!」
リリーナの視線が激しく泳いだ。
どこを見ても、私の指摘通りの動きをしてしまうことを恐れ、彼女は床の一点を見つめるしかなくなった。
それは拒絶と逃避のサインだ。
「リリーナ様。体は口よりも雄弁です。……貴女のその手も、目も、鼻も、すべてが『私は嘘をついています』と叫んでいますわ」
会場の空気が一変した。
先ほどまでの同情的なムードは消え失せ、冷ややかな疑いの視線がリリーナに突き刺さる。
「……そ、そんな……、こじつけよ……! 私は……!」
「では、証明しましょうか」
私はとどめの一撃を放った。
ここからは、尋問テクニックだ。
「リリーナ様。貴女は先ほど『ヴォルグ伯爵が勝手にやった』と言いましたね? ……では、なぜヴォルグ伯爵が逮捕された日の夜、貴女の部屋の暖炉から、燃え残った手紙の封筒が見つかったのですか?」
「えっ!?」
リリーナが顔を上げた。
そんな事実は(まだ)ない。
これは私のカマかけだ。
「もし無関係なら、なぜ証拠隠滅のような真似をしたのですか? ……さあ、答えてください」
「ち、違う! あれはヴォルグから届いた手紙じゃなくて、私が書いた指示書の書き損じを燃やしただけで……!」
「――指示書?」
私がその単語を復唱すると、リリーナはハッと口を押さえた。
時すでに遅し。
彼女は自ら、自分がヴォルグ伯爵に指示を出していたことを認めてしまったのだ。
「……あ」
「ありがとうございます。自白が取れましたわ」
私は裁判長に向かって一礼した。
「裁判長。彼女の言葉、そして何よりその身体反応が真実を語っています。……これにて、証明終了です」
リリーナはその場に崩れ落ちた。
涙はもう枯れ果て、あるのは絶望だけ。
彼女の嘘泣きという武器は、科学的な観察眼の前に粉々に砕け散ったのだ。
「……恐ろしい観察眼ですな」
セバスチャンが感心したように言う。
「嘘つきのサインを見逃さない。地質学者は、微細な亀裂から崩壊を予知するものですが、人間相手でも同じですな」
「ええ。嘘という地層は、掘れば掘るほどボロが出るものよ」
私は冷たい目で、再び連行されていくリリーナを見送った。
これで冤罪事件の黒幕も一掃された。
だが、まだ終わりではない。
彼女や殿下をここまで歪ませた根源的な悪意が、まだどこかに潜んでいる気がしてならなかった……。
ヴォルグ伯爵による国家反逆罪の捏造が暴かれた後、その背後関係を洗うために、ある重要参考人がアースガルド領から一時的に呼び戻されていた。
「ひどいですぅ……! 信じてください! 私は何も知りませんでした!」
証言台に立っているのは、リリーナだ。
数日間の農場労働で少しやつれているが、今日は白いドレス(王都の支援者が用意したものらしい)を着て、涙ながらに訴えている。
「ヴォルグ伯爵が勝手にやったことです! 私はただ、ジェラルド様に言われるがままに……。それに、マリアンヌ様には昔からいじめられていて、怖くて何も言えなかったんです!」
彼女は大粒の涙を流し、華奢な肩を震わせている。
その迫真の演技に、一部の貴族たち(特に男性)がざわめき始めた。
「可哀想に……、やはり彼女は巻き込まれただけでは?」
「マリアンヌ嬢の性格がキツイのは有名だしな……」
同情の空気が広がる。
涙は女の武器と言うが、彼女は達人級の使い手だ。
「……やれやれ。大女優ですな」
隣に立つセバスチャンが呆れて呟く。
私は冷静に、リリーナのある動作を観察し続けていた。
「ええ。でも、口は嘘をつくけれど、体は正直よ。……セバス、彼女の左手を見ていて」
「リリーナ嬢。では、貴女はこの捏造計画に一切関与していないと?」
司法大臣の質問に対し、リリーナはハンカチで目元を拭いながら答えた。
「はい。神に誓って」
その瞬間、彼女の左手が無意識に上がり、自分の首元のネックレスに触れた。
「では、マリアンヌ嬢を陥れようと提案したこともない?」
「ありません。私はただ、仲良くしたかっただけなのに……」
まただ。
今度は、人差し指が鼻の下を擦った。
私は一歩前に進み出た。
「裁判長。少しよろしいですか? ……彼女の証言の信憑性について、科学的な視点から指摘したい点がございます」
「科学的視点? ……許可しよう」
私はリリーナの正面に立った。
彼女は涙目のまま、私を睨みつける。
その瞳の奥には、隠しきれない憎悪が渦巻いている。
「リリーナ様。貴女は先ほどから、重要な質問に答えるたびに、奇妙な動きをされていますね」
「な、なによ。泣いているから顔を拭いただけよ! いちゃもんをつけないで!」
「いいえ。それはなだめ行動です」
私は会場の全員に聞こえるように解説を始めた。
「人間は嘘をつくとき、強いストレスを感じます。すると自律神経が反応し、無意識に自分を落ち着かせようとして、特定の部位を触るのです」
私は自分の首元に手を当てて見せた。
「まず、首元の窪みを隠す動作。……これは動物が急所を守ろうとする本能的な防御反応です。貴女は『関与していない』と答えた時、必ずここを触っていましたね。……心にやましいことがある証拠です」
「そ、そんなの癖よ! 偶然だわ!」
「では、鼻を擦るのは?」
私は自分の鼻先をトントンと叩いた。
「嘘をつくと、体内でカテコールアミンという物質が分泌され、鼻の海綿体組織が充血してムズムズするのです。……童話のピノキオの鼻が伸びるように、現実の嘘つきは鼻が痒くなる。これをピノキオ効果と呼びます」
リリーナの顔色がさっと変わった。
彼女は反射的に鼻を隠そうとして手を上げかけ、ハッとして止めた。
その不自然な挙動が、何よりの自白だった。
「さらに、貴女の視線です」
私は一歩踏み込み、彼女の目を覗き込んだ。
「過去の事実を思い出すとき、人の視線は通常左上に動きます。……ですが貴女は、先ほどからずっと右上を見ている」
私は指で右上の空を示した。
「人間が右上を見るのは、見たことのない映像を脳内で組み立てているとき……、つまり、嘘のストーリーを創作しているときです」
「っ……!」
リリーナの視線が激しく泳いだ。
どこを見ても、私の指摘通りの動きをしてしまうことを恐れ、彼女は床の一点を見つめるしかなくなった。
それは拒絶と逃避のサインだ。
「リリーナ様。体は口よりも雄弁です。……貴女のその手も、目も、鼻も、すべてが『私は嘘をついています』と叫んでいますわ」
会場の空気が一変した。
先ほどまでの同情的なムードは消え失せ、冷ややかな疑いの視線がリリーナに突き刺さる。
「……そ、そんな……、こじつけよ……! 私は……!」
「では、証明しましょうか」
私はとどめの一撃を放った。
ここからは、尋問テクニックだ。
「リリーナ様。貴女は先ほど『ヴォルグ伯爵が勝手にやった』と言いましたね? ……では、なぜヴォルグ伯爵が逮捕された日の夜、貴女の部屋の暖炉から、燃え残った手紙の封筒が見つかったのですか?」
「えっ!?」
リリーナが顔を上げた。
そんな事実は(まだ)ない。
これは私のカマかけだ。
「もし無関係なら、なぜ証拠隠滅のような真似をしたのですか? ……さあ、答えてください」
「ち、違う! あれはヴォルグから届いた手紙じゃなくて、私が書いた指示書の書き損じを燃やしただけで……!」
「――指示書?」
私がその単語を復唱すると、リリーナはハッと口を押さえた。
時すでに遅し。
彼女は自ら、自分がヴォルグ伯爵に指示を出していたことを認めてしまったのだ。
「……あ」
「ありがとうございます。自白が取れましたわ」
私は裁判長に向かって一礼した。
「裁判長。彼女の言葉、そして何よりその身体反応が真実を語っています。……これにて、証明終了です」
リリーナはその場に崩れ落ちた。
涙はもう枯れ果て、あるのは絶望だけ。
彼女の嘘泣きという武器は、科学的な観察眼の前に粉々に砕け散ったのだ。
「……恐ろしい観察眼ですな」
セバスチャンが感心したように言う。
「嘘つきのサインを見逃さない。地質学者は、微細な亀裂から崩壊を予知するものですが、人間相手でも同じですな」
「ええ。嘘という地層は、掘れば掘るほどボロが出るものよ」
私は冷たい目で、再び連行されていくリリーナを見送った。
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だが、まだ終わりではない。
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