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【第3章】いつも彼女のそばで
第2話
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ピンポーン
誰かの来訪を告げるチャイムの音が鳴る。
宅配便かな。
でも部屋からは出たくないし、父さんが何か頼んだとしても、置き配で頼んでるはずだからこのまま放っておいても問題ないか。
ピンポーン
再びチャイムの音。
「誰か来たみたいだけど、出なくていいの?」
「うーん、宅配の人なら出なくてもいいんだけど……」
ピンポーン
結葉の顔が不機嫌になっているように見える。
せっかくの二人きりの時間を邪魔されたことにちょっと怒っているのかも。
正直このチャイムの音は好きじゃないし、誰が来たのかだけでも確認してみるか。
普段はトイレや食べ物の調達など、必要最低限のこと以外では部屋から出ない。
でも、このまま結葉を不機嫌にさせるわけにはいかない。
しかたなく玄関まで静かに移動し、ドアスコープから誰が来たのかを確かめることにした。
そこにいたのは、
「えっ、真中さん?」
ガタン
予想だにしていなかった相手の突然の来訪に驚いてしまい、隣にあった下駄箱に足をぶつけてしまった。
「武田さん? もしかして……そこにいるの?」
まずい。やっぱり気付かれてしまった。
でも何を話せばいいのか分からない……。
「今日は夏休み前からのプリントさんを届けに来ただけなの。でも、もしかしたら武田さんと会えるかなって思って、何回もチャイム鳴らしちゃった。迷惑だったよね」
きっと、真中さんのいつもの柔らかい表情が引きつってしまっているのだろう。
声から痛いほど伝わってくる。
そんな思いをさせてしまっているのはボクのせいなのに。
そんなボクを心配してわざわざ来てくれたんだ。
一向にしゃべりだせないで沈黙を続けるボクに構わず真中さんは続ける。
「私にこんなことを言われても、どうにもならないことは分かってるんだけど、武田さんとまた学校でお話しがしたい。私にできることがあったら何でも言ってほしいな」
ボクって、いつも女の子に心配ばかりかけている。
本当に、本当に情けない。
ボクにとっては、真中さんは数少ない学校で話しができる人だ。
でも真中さんにとっては、ボクはクラスメイトの一人にすぎない。
そんなボクを心配して来てくれているんだ。
せめてなにか、お返ししないと。
お返し……。お返し……。真中さんが喜んでくれそうなこと……。
「ごめんね。いきなり来てお話し聞いてもらって。じゃあ私はこれで帰るね。プリントさんはポストさんに入れておくから。バイバイ」
あっ、行っちゃう。
引き留めようにも言葉が出てこない。
意を決して玄関を開ける。
ガチャ
既にそこには誰もいなかった。
ポストの方に行ってみる。
真中さんが言っていた通り、ボクが休み始めてから今までのプリント類が入っていた。
一番上にはルーズリーフが一枚置いてある。
何かが書かれているため確認してみると、
『武田さんのことをずっと待ってます。 真中沙央梨』
わざわざこんなメッセージまで残してくれていた。
学校、どうしようかな……。
その瞬間、何かが頭の中でフラッシュバックする。
『ごめんね……』
思わず頭がクラクラしてしまい、足元がおぼつかなくなってしまった。
「と、と、と……。あぶない。今のはなんだ……?」
身に覚えのない光景が頭に浮かんできたが、見当がつかない。
不安になっているボクの心が見せたものだろうか。
その不安は真中さんなら受け止めてくれそうな気がする。
ちょっと緊張したけど、久しぶりに結葉以外の人の声を聞いた。
心なしか、心の中のモヤモヤも薄まってる……?
そんなことを思いながら、ボクは自分の部屋に戻ることにした。
誰かの来訪を告げるチャイムの音が鳴る。
宅配便かな。
でも部屋からは出たくないし、父さんが何か頼んだとしても、置き配で頼んでるはずだからこのまま放っておいても問題ないか。
ピンポーン
再びチャイムの音。
「誰か来たみたいだけど、出なくていいの?」
「うーん、宅配の人なら出なくてもいいんだけど……」
ピンポーン
結葉の顔が不機嫌になっているように見える。
せっかくの二人きりの時間を邪魔されたことにちょっと怒っているのかも。
正直このチャイムの音は好きじゃないし、誰が来たのかだけでも確認してみるか。
普段はトイレや食べ物の調達など、必要最低限のこと以外では部屋から出ない。
でも、このまま結葉を不機嫌にさせるわけにはいかない。
しかたなく玄関まで静かに移動し、ドアスコープから誰が来たのかを確かめることにした。
そこにいたのは、
「えっ、真中さん?」
ガタン
予想だにしていなかった相手の突然の来訪に驚いてしまい、隣にあった下駄箱に足をぶつけてしまった。
「武田さん? もしかして……そこにいるの?」
まずい。やっぱり気付かれてしまった。
でも何を話せばいいのか分からない……。
「今日は夏休み前からのプリントさんを届けに来ただけなの。でも、もしかしたら武田さんと会えるかなって思って、何回もチャイム鳴らしちゃった。迷惑だったよね」
きっと、真中さんのいつもの柔らかい表情が引きつってしまっているのだろう。
声から痛いほど伝わってくる。
そんな思いをさせてしまっているのはボクのせいなのに。
そんなボクを心配してわざわざ来てくれたんだ。
一向にしゃべりだせないで沈黙を続けるボクに構わず真中さんは続ける。
「私にこんなことを言われても、どうにもならないことは分かってるんだけど、武田さんとまた学校でお話しがしたい。私にできることがあったら何でも言ってほしいな」
ボクって、いつも女の子に心配ばかりかけている。
本当に、本当に情けない。
ボクにとっては、真中さんは数少ない学校で話しができる人だ。
でも真中さんにとっては、ボクはクラスメイトの一人にすぎない。
そんなボクを心配して来てくれているんだ。
せめてなにか、お返ししないと。
お返し……。お返し……。真中さんが喜んでくれそうなこと……。
「ごめんね。いきなり来てお話し聞いてもらって。じゃあ私はこれで帰るね。プリントさんはポストさんに入れておくから。バイバイ」
あっ、行っちゃう。
引き留めようにも言葉が出てこない。
意を決して玄関を開ける。
ガチャ
既にそこには誰もいなかった。
ポストの方に行ってみる。
真中さんが言っていた通り、ボクが休み始めてから今までのプリント類が入っていた。
一番上にはルーズリーフが一枚置いてある。
何かが書かれているため確認してみると、
『武田さんのことをずっと待ってます。 真中沙央梨』
わざわざこんなメッセージまで残してくれていた。
学校、どうしようかな……。
その瞬間、何かが頭の中でフラッシュバックする。
『ごめんね……』
思わず頭がクラクラしてしまい、足元がおぼつかなくなってしまった。
「と、と、と……。あぶない。今のはなんだ……?」
身に覚えのない光景が頭に浮かんできたが、見当がつかない。
不安になっているボクの心が見せたものだろうか。
その不安は真中さんなら受け止めてくれそうな気がする。
ちょっと緊張したけど、久しぶりに結葉以外の人の声を聞いた。
心なしか、心の中のモヤモヤも薄まってる……?
そんなことを思いながら、ボクは自分の部屋に戻ることにした。
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