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74話

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 「この度はスタークのためご尽力いただき皆様には感謝申し上げます」

 ある日のホルマトロ家にホマス家とグラドス家それとセイジュ達が集まり先日無事に終わらせたスタークの婚儀とその後の披露パーティーを無事終わらせたことの礼をされていた。

 「セイジュ君、この度はご尽力感謝するよ!」

 「セイジュ様、幻想的で美しく素晴らしい演出を色々ご用意いただきありがとうございました!」

 新たに夫婦となったスタークと東の国からきたエミリーが思い出しうっとりしながらも嬉しそうに礼をした。

 「いえ、お気に召していただけてよかったです。こちらこそ大役をお任せいただき光栄でした」

 「はぁ~…あのバルーンというものや会場の天井に広がる星々…素敵でしたわぁ~」

 今回のパーティーはスタークとエミリーが庭に用意された道をとおりホマス邸の会場の中で行うもので庭に二人が通る道の両脇などには大小さまざまなろうそくの熱をつかい熱気球の原理をつかったバルーンが浮かび、会場も最初は各テーブルの上に置かれたろうそくの明かりだけで暗くなっており二人が庭から入場する際、オーケストラの音楽とともに空にプラネタリウムのように星空を演出し思い出したカリンがうっとりいうとその場にいた女性陣も同じようにうっとりとしていた。

 「エミリー様の祖国は学問と魔法の国と呼ばれておりますし、派手な演出よりもあのような形をとらせていただきました」

 「まぁ、私自身もリカルド様やハンスのような華やかで派手な式やエドワードのように力強さよりあのような式がベストだとおもいましたよ」

 「まさかガラスや黒い板で星空をつくるとは思わなかったよ」

 「エミリー様もお綺麗で物語にでてくるお姫様のようでしたわぁ~」

 「アメリア様ありがとうございます」

 セイジュの言葉にスタークが苦笑しながら言い、うっとりするアメリアの言葉にエミリーも嬉しそうにしていた。

 「エミリーお姉さま、祖国は遠いですが寂しくありませんか?」

 「カリンちゃん、こちらにきて寂しく思う暇もないほど驚きの毎日を送らせていただいているから大丈夫よ、心遣いありがとうございます」

 「驚き?そんなに風習の違いなどはないと思うけど」

 「スターク様、風習などの話ではありません。サウナやパック、コンディショナー…など」

 「エミリー様お気持ちお察しいたしますわ…私もそうでした」

 「ええ、ブランカ様のおっしゃる通りですわ、私たち外から来たものは抵抗力がない分おどろきもひとしおでしたわ」

 エミリーの言葉にブランカとアメリアが同意を示し3人はお互いの国の話をしいかにこの国と違うかを言い合いはじめた。

 「私の母や姉たちも驚いておりアヴリルお義理母様にお願いしいくつか国に持って帰る分をご用意して頂きましたもの」

 「私もです!わが祖国でも売ってほしいくらい!」

 「そうですわよね!」

 エミリーの言葉にブランカとアメリアが同意していた。

 「あ、それはいづれ可能になると思いますよ?」

 「え?セイちゃんそうなのですか?」

 「はい、地図をみながら流通ルートを選定してましてグラドス家の採掘量とホルマトロ家の生産量そしてモンド商会の流通網が整備されれば可能だとおもっています」

 「そうなの!わが祖国でも買えるなんて素敵ね!」

 「アメリア様の祖国の気候などは体験したのでどのようなものが需要がありそうかは調査済みなんですが他の国日には行ったことがないので書物での知識をもとに想像するしかないのが難点ですが…」

 「まぁ、今のセイちゃんが旅をすることは危険すぎますからね!仕方ありませんわ」

 「そんなことよりセイ…そんなことまで考えていたのかい?」

 「え?ええそうですね。カリン様と婚約をさせていただいたのでそれも可能になるかなぁくらいですが」

 「ん?それはどういうことだい?」

 「ハンス様、スターク様がいらっしゃるんですよ?」

 「ん?用件が見えないね」

 「私もです」

 セイジュの考えをきいて一同が驚く中、ハンスが尋ねるとセイジュが答え、意味が分からずハンスとスタークが頭をかしげた。

 「簡単ですよ、カリン様から聞いた話ではホマス家はこの国だけではなく他国の経済などの情勢にも詳しく常に情報をあつめていると伺いました」

 「ええ、まぁそうですね。関税などの兼ね合いもありますから」

 「ということはホマス家にご協力いただければ各国との交渉ができるということですよね?」

 「なるほど…」

 「色々考えたんです……」

 「なにをだい?」

 「たとえば今まではホルマトロ家が生産をしモンド商会が運んでました」

 「そうだね」

 「そして今は護衛については商業組合からの斡旋をうけておりますが実際襲われた際は守ってはくれなさそうなんですよね」

 「ふむ、基本退役した兵だったり用心棒稼業の人々だからね」

 「はい、なので遠征の訓練がわりにグラドス家から兵をだしていただけないかと」

 「当家からですか?」

 「はい、たとえば数日程度の短い距離なら新兵とか距離などによって訓練代わりに出していただけないかと…もちろん費用はお出しします」

 「なるほど……」

 「国をまたぐようになればなおさらです、ですが当然な考えとしてグラドスの兵がくるとなると他国を刺激しかねません」

 「そうだね」

 「なるほどそこで当家というわけだね?」

 「はい、ホマス家には各国との交渉をお願いしたいのとできれば各国に4家合同で建物を立てていただき税や注文の取りまとめ問題解決をしていただきたくそこに」

 「ホマス家の者を代表でおいてほしいと?」

 「代表とまでは言いませんが」

 「ふむ、面白い案だ。ホマス家としてはかかる経費と報酬も込みで色々話し合わなければならないとは思う」

 「しかし他国に流通の場を設けれるのは今後の我々にもいいのではないか?」

 「まぁそうですね」

 「正直に言いますと、ホルマトロ家には生産と輸出をダイナンには採掘と観光、グラドスには採掘と護衛をそしてホマス家には交渉と輸入をしていただければと思っています」

 セイジュが最後に将来的にこうなってほしいというビジョンを語ると全員が目を見開いて驚いていたが、後日ホルマトロ、グラドス、ホーネットとダイナンそしてホマス家で話し合うことにした。

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 「ふぅ~セイには驚かされていたが今回が一番だな」

 「あっはっは!さっき我々がセイに真意を尋ねに行ったのですが、彼は妻5人の生活と彼女たちの実家が今後何があっても負けないようにしたいからと言っておりましたよ」

 「くっくっく!セイらしいな」

 「規模が規模ですが、まあ一番納得できる彼らしい理由でしたね」

 解散した後、ハンスの言葉にハスクは苦笑しながらも更なるビックビジネスに心躍らせていた。

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 「では誕生祭のパーティーの日程の確認はこれでよろしいですわね?」

 「ええ、カリン様問題ありませんわ」

 「今年は初日が教会、翌日が王家、さらにその翌日がホルマトロでホマスと続きグラドスそしてダイナン最後に学園ですね!」

 「教会での誕生祭には参加したことがありませんがどのような感じなのですか?」

 「皆で祈りをささげた後、祈りにきてくださった皆さんにわずかですが料理を手渡し最後に教会関係者で食事をするという形です」

 「まぁ!素敵ですわね!」

 「ならたくさんの料理をつくらなければなりませんね!」

 「いつもはスープとパンを2つ配らせていただいています」

 「なるほど…僕もなにか考えておきますのでご一緒に配っていただくことはできませんか?」

 「え?逆によろしいのですか?」

 「もちろんです!」

 「ありがとうございます!!」

 その後、各家に打診をし教会への協力を得てマーリンは嬉しそうに各家に御礼をして回った。

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 「セイ?いまお時間は大丈夫ですか?」

 「もちろんですアンジェ様どうなさいました?」

 「ええ、最近随分がんばってらっしゃるから体調を崩していないか気になりましたの」
 
 「ご心配おかけしてすみません。全然大丈夫です」

 「そう、それならばよいのですが」

 「なにか?」

 「いえ、私たちが重荷となっているのではないかと不安になりましたの」

 「え?あっはっはっは!そんなことはありませんよ!逆に僕などで皆さん本当によろしかったのかと未だに思っておりますしアンジェ様とご婚約などまだ夢じゃないかとすら思ってますよ」

 「まぁ!ふふっ、夢などではありませんわ」

 「今後なにがあってもアンジェ様は必ずお守りするつもりですし僕にできるかぎりの幸せにしたいとおもっております、だからそのように悲しい顔をなさらず」

 「!?セイ……」

 「セイ様!明日おじいさまのところへ……ん?お二人は何をなさっていたの?」

 「ふぇ?なんでもありませんわ!ねぇ?セイ!」

 「は、はい!あははははは……」

 「怪しいです……まさかアンジェ……抜け駆けを……」

 「何を人聞きの悪いことをおっしゃってるのかしらオホホホホ……」

 手を取りいってくれたセイジュの言葉に感激し見つめ合うと自然と顔を近づけあとわずかというところで元気よくメリダがやってきて二人は慌てて離れ必死にごまかしていた。

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 「もう!メリダったら!!いいところで!」

 「お嬢様、セイジュ様と寝室を共になさったら邪魔は入らないかとおもいます」

 「ふぇ!?リ、リコー!まだ心の準備ができてませんわ!そんなことをしたら緊張して私しんでしまいますわぁ~」

 自室で憤慨しリコーが入れてくれたお茶を飲んだアンジェリーナにリコーが進言するとアンジェリーナは顔を真っ赤にし身もだえしリコーはアンジェリーナ様くっそ可愛いと心の中でおもった。

 
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