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第1章 降り立つ
ギルドにもあるのだよテンプレが!
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ブレイダー家の外に出ると、そこには立派な馬車がとまっており。
「本日は時間短縮のため馬車にてお送りいたします。」
レイファがセナへそう伝えながら馬車へと促すので、セナは邸宅の門番をしている騎士に挨拶をし馬車へと乗り込んだ。
冒険者ギルドまでは10分程度でつくと動き出した馬車内でレイファから説明を受け。
「冒険者登録の手続きは旦那様から仰せつかっておりますので、私がいたします」
レイファがセナにそう伝える。
「え?そうなんですか?……何から何まですいません、助かりました」
セナは冒険者ギルドというものがどんなところで、登録時の手続きの仕方などわからず内心不安だったので、レイファの申し出をありがたく受け取った。
そんな素直というか素直すぎるセナに微笑ましさと一抹の不安を持ちつつレイファは笑顔で答えていた。
馬車が止まり、扉が開いて馬車から降りると、セナの目の前にはレンガ積で4階建ての立派な建物があり。
「セナ様、こちらが冒険者ギルドでございます、ではこちらへどうぞ」
見惚れて固まっていたセナへレイファがそう促し中へと入ると、建物内は意外と綺麗で広く、入って左側には数名の冒険者が座りこちらをみていて、右側にはいくつもの窓口のようなものがあった。
セナはそれをみて、自身の職場を思いだし自分がいた職場より立派だなと少々ショックを受けていた。
「セナ様?こちらです、いきましょう」
そんなセナの心情を察するわけもなくレイファが先を促し1つの受付へとただり着くと。
「久しぶりねオリファ、今日は後ろの方の冒険者登録に来たのだけれど今大丈夫かしら?」
レイファが受付の女性に声をかける。
「あっ!おねぇちゃん?、う、うん大丈夫ですよ、ではこちらの用紙に必要事項を記入してください。
文字がかけないのであればこちらで代筆しますので」
オリファと呼ばれた受付嬢がそういうと。
「いえ、代筆は大丈夫よ、私が書くから……それと、記入している間に、この書状をギルドマスターに渡してもらえる?」
レイファがどこからか出した封筒のようなものをオリファに渡し、オリファが封筒についているマークのようなものをみて驚きながら。
「はっはい!今すぐ届けてきます!」
オリファが焦りながらそういい、他の男性職員に受付を任せると足早に奥へと消えていった。
それを見送り、レイファが記入を始めると、セナの後ろから。
「おいおい!どこのボンボンだ?てめぇで登録もできねぇなら、うちに帰ってママのおっぱいでも吸ってろ」
そんな声が聞こえセナが振り返ると、身長が2m近くライズを超えるガチムチ筋肉野郎が無精ひげを撫でながらニヤニヤしながらこちらに近づいてきた。
セナはその男をみて。
「レ、レイファさん?盗賊も冒険者登録ってできるんですか?」
セナがレイファの肩を叩き小声で聞くとレイファが、なにいってんだこいつというような顔で振り返ると、セナの後ろの大男に気づき、つい鼻で笑ってしまったのを見て。
「おいおい!ビビッて女に助けてもらうのか?あぁん?……ん?おいおい!いい女じゃねぇか!おいボンボン!そいつを置いてけば今日は無事に返してやるぞ!」
異世界テンプレなんて知らないセナは、その大男の言葉をきき、やはりこの人物は山賊か盗賊なのではないだろうか?と思い、レイファを守るため一歩前にでて刀の柄に手をのせる。
「あぁん?やろうってのか?」
「セナ様ダメですよ?」
セナの動作を見て大男が自身の背中に背負っていた斧を抜きセナへむけ、セナが刀を抜こうとしたところ、レイファに手を抑えられとめられた時。
「おい?なにをやってる?」
低く厳しい印象の声が聞こえセナが声のほうをみると、オリファの後ろに坊主頭で目の前の大男よりもさらにガチムチ筋肉、顔には右目から頬にかけて刀傷のようなものがついている男がこちらを睨みながら歩いてきた。
その男をみると斧を持った大男が冷や汗を額に浮かべ舌打ちをすると。
「おい、ガンボなにをしている?ギルド内での武器の使用は懲罰の対象だぞ?」
オリファと一緒にいる大男が斧の大男、ガンボへと声をかけると。
「あぁ?うっせぇよ!こいつが先に仕掛けてきたんだ!俺は仕方なく獲物を抜いただけだ!正当防衛だろ!な?ボンボン!」
ガンボがセナを睨みつけながらセナに同意を強要するようにいうと。
「いえ、こちらの盗賊もどきがセナ様にあらぬ因縁をかけ、相手にされないとわかるや武器を抜きました。」
レイファが何事もないかのようにそう伝えると。
「嘘言ってんじゃねぇ!」
ガンボが顔を真っ赤にしながら斧をレイファへと振り下ろそうとしたので、斧を受け止めようと力を込めてセナが刀を引き抜きながら斧に刃をあてると。
スパン! ドン!
刀は何の抵抗もなくガンボの斧を切り、その切られた斧が勢いよくギルドの床にドンと突き刺さった。
それの光景を見て、全員が驚きのあまり固まってしまい本来騒がしいはずのギルド内が一瞬静寂に包まれたが。
「ガンボ……俺の目の前でやりやがったな?」
先ほどまでオリファの後ろにいた大男がいつの間にかガンボの後ろに回りこんでいて、一瞬のうちに取り押さえてしまった。
「くっ! 離せこらっ!」
「おとなしくしろ」
「ぐはっ!」
ガンボの抵抗むなしくあっさりと大男が力を籠めると、口から泡を吹き白目をむいてうごかなくなった。
そして、大男が職員らしき男性たちに。
「ガンボを拘束して下にぶちこんでおけ、あとは騎士団に連絡入れて引き取ってもらえ」
ガンとガンボをひと蹴りして職員に引き渡すとパンパンと服の汚れを払いながら笑顔でセナの元へ歩いてきて。
「いい刀と腕だな、ギルスが進めるだけはあるな」
笑顔で大男がセナを褒めると。
「マスター?まずは自己紹介をしたほうがよいのでは?」
後ろからオリファが声をかけるとマスターと呼ばれた大男は。
「おぉ!そうだったな! 俺はここ冒険者ギルド王都支部のギルドマスターのサイスだ!」
サイスと名乗りながらセナの肩をバンバン叩いてきてセナが痛そうにしていると。
「サイス様?あまりセナ様に触れないでいただけますか?セナ様がハゲるとこまるので」
氷のような笑顔を浮かべたレイファがサイスにそういうと。
「おねぇちゃん、さすがにそれは失礼だよ?ハゲはうつる病気じゃないんだからね?」
オリファがレイファをたしなめると。
「てめぇら……俺はハゲてねぇ……これは剃ってんだよ、そのまえにハゲは病気じゃねぇ!世のハゲに土下座してあやまりやがれ!!」
サイスがゆでだこのように叫びおわると、呼吸を整え。
「まぁいい……とりあえず手続きだな」
サイスがオリファに目で合図をするとレイファから用紙をうけとり登録作業へと消えていったところで。
「あの?レイファさん?結局ここは山賊とかが冒険者をやる場所ってわけじゃないんですよね?」
サイスをみながらセナがレイファにいうと、さしものレイファも盛大に吹き出した。
「本日は時間短縮のため馬車にてお送りいたします。」
レイファがセナへそう伝えながら馬車へと促すので、セナは邸宅の門番をしている騎士に挨拶をし馬車へと乗り込んだ。
冒険者ギルドまでは10分程度でつくと動き出した馬車内でレイファから説明を受け。
「冒険者登録の手続きは旦那様から仰せつかっておりますので、私がいたします」
レイファがセナにそう伝える。
「え?そうなんですか?……何から何まですいません、助かりました」
セナは冒険者ギルドというものがどんなところで、登録時の手続きの仕方などわからず内心不安だったので、レイファの申し出をありがたく受け取った。
そんな素直というか素直すぎるセナに微笑ましさと一抹の不安を持ちつつレイファは笑顔で答えていた。
馬車が止まり、扉が開いて馬車から降りると、セナの目の前にはレンガ積で4階建ての立派な建物があり。
「セナ様、こちらが冒険者ギルドでございます、ではこちらへどうぞ」
見惚れて固まっていたセナへレイファがそう促し中へと入ると、建物内は意外と綺麗で広く、入って左側には数名の冒険者が座りこちらをみていて、右側にはいくつもの窓口のようなものがあった。
セナはそれをみて、自身の職場を思いだし自分がいた職場より立派だなと少々ショックを受けていた。
「セナ様?こちらです、いきましょう」
そんなセナの心情を察するわけもなくレイファが先を促し1つの受付へとただり着くと。
「久しぶりねオリファ、今日は後ろの方の冒険者登録に来たのだけれど今大丈夫かしら?」
レイファが受付の女性に声をかける。
「あっ!おねぇちゃん?、う、うん大丈夫ですよ、ではこちらの用紙に必要事項を記入してください。
文字がかけないのであればこちらで代筆しますので」
オリファと呼ばれた受付嬢がそういうと。
「いえ、代筆は大丈夫よ、私が書くから……それと、記入している間に、この書状をギルドマスターに渡してもらえる?」
レイファがどこからか出した封筒のようなものをオリファに渡し、オリファが封筒についているマークのようなものをみて驚きながら。
「はっはい!今すぐ届けてきます!」
オリファが焦りながらそういい、他の男性職員に受付を任せると足早に奥へと消えていった。
それを見送り、レイファが記入を始めると、セナの後ろから。
「おいおい!どこのボンボンだ?てめぇで登録もできねぇなら、うちに帰ってママのおっぱいでも吸ってろ」
そんな声が聞こえセナが振り返ると、身長が2m近くライズを超えるガチムチ筋肉野郎が無精ひげを撫でながらニヤニヤしながらこちらに近づいてきた。
セナはその男をみて。
「レ、レイファさん?盗賊も冒険者登録ってできるんですか?」
セナがレイファの肩を叩き小声で聞くとレイファが、なにいってんだこいつというような顔で振り返ると、セナの後ろの大男に気づき、つい鼻で笑ってしまったのを見て。
「おいおい!ビビッて女に助けてもらうのか?あぁん?……ん?おいおい!いい女じゃねぇか!おいボンボン!そいつを置いてけば今日は無事に返してやるぞ!」
異世界テンプレなんて知らないセナは、その大男の言葉をきき、やはりこの人物は山賊か盗賊なのではないだろうか?と思い、レイファを守るため一歩前にでて刀の柄に手をのせる。
「あぁん?やろうってのか?」
「セナ様ダメですよ?」
セナの動作を見て大男が自身の背中に背負っていた斧を抜きセナへむけ、セナが刀を抜こうとしたところ、レイファに手を抑えられとめられた時。
「おい?なにをやってる?」
低く厳しい印象の声が聞こえセナが声のほうをみると、オリファの後ろに坊主頭で目の前の大男よりもさらにガチムチ筋肉、顔には右目から頬にかけて刀傷のようなものがついている男がこちらを睨みながら歩いてきた。
その男をみると斧を持った大男が冷や汗を額に浮かべ舌打ちをすると。
「おい、ガンボなにをしている?ギルド内での武器の使用は懲罰の対象だぞ?」
オリファと一緒にいる大男が斧の大男、ガンボへと声をかけると。
「あぁ?うっせぇよ!こいつが先に仕掛けてきたんだ!俺は仕方なく獲物を抜いただけだ!正当防衛だろ!な?ボンボン!」
ガンボがセナを睨みつけながらセナに同意を強要するようにいうと。
「いえ、こちらの盗賊もどきがセナ様にあらぬ因縁をかけ、相手にされないとわかるや武器を抜きました。」
レイファが何事もないかのようにそう伝えると。
「嘘言ってんじゃねぇ!」
ガンボが顔を真っ赤にしながら斧をレイファへと振り下ろそうとしたので、斧を受け止めようと力を込めてセナが刀を引き抜きながら斧に刃をあてると。
スパン! ドン!
刀は何の抵抗もなくガンボの斧を切り、その切られた斧が勢いよくギルドの床にドンと突き刺さった。
それの光景を見て、全員が驚きのあまり固まってしまい本来騒がしいはずのギルド内が一瞬静寂に包まれたが。
「ガンボ……俺の目の前でやりやがったな?」
先ほどまでオリファの後ろにいた大男がいつの間にかガンボの後ろに回りこんでいて、一瞬のうちに取り押さえてしまった。
「くっ! 離せこらっ!」
「おとなしくしろ」
「ぐはっ!」
ガンボの抵抗むなしくあっさりと大男が力を籠めると、口から泡を吹き白目をむいてうごかなくなった。
そして、大男が職員らしき男性たちに。
「ガンボを拘束して下にぶちこんでおけ、あとは騎士団に連絡入れて引き取ってもらえ」
ガンとガンボをひと蹴りして職員に引き渡すとパンパンと服の汚れを払いながら笑顔でセナの元へ歩いてきて。
「いい刀と腕だな、ギルスが進めるだけはあるな」
笑顔で大男がセナを褒めると。
「マスター?まずは自己紹介をしたほうがよいのでは?」
後ろからオリファが声をかけるとマスターと呼ばれた大男は。
「おぉ!そうだったな! 俺はここ冒険者ギルド王都支部のギルドマスターのサイスだ!」
サイスと名乗りながらセナの肩をバンバン叩いてきてセナが痛そうにしていると。
「サイス様?あまりセナ様に触れないでいただけますか?セナ様がハゲるとこまるので」
氷のような笑顔を浮かべたレイファがサイスにそういうと。
「おねぇちゃん、さすがにそれは失礼だよ?ハゲはうつる病気じゃないんだからね?」
オリファがレイファをたしなめると。
「てめぇら……俺はハゲてねぇ……これは剃ってんだよ、そのまえにハゲは病気じゃねぇ!世のハゲに土下座してあやまりやがれ!!」
サイスがゆでだこのように叫びおわると、呼吸を整え。
「まぁいい……とりあえず手続きだな」
サイスがオリファに目で合図をするとレイファから用紙をうけとり登録作業へと消えていったところで。
「あの?レイファさん?結局ここは山賊とかが冒険者をやる場所ってわけじゃないんですよね?」
サイスをみながらセナがレイファにいうと、さしものレイファも盛大に吹き出した。
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