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1.5章 逃走
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息が……、自分の息がうるさい。それに日が登ってきて、ローブのうちに熱がこもる。脱いでしまいたいけれど、そういうわけにもいかないよね。
暑い、苦しい。でも僕は、どうしても止まるわけにはいかない。涙は、ちゃんと止まった。今は忘れるんだ、いつもみたいに。感情はきっと僕の邪魔にしかならない。
なんとかたどりついた町。ほんのりと空が色づいた時間から、人が活動を始めていて視線が気になる。子供の背丈で、というよりもローブを深くかぶっているのがいけないのだろう。
どうしよう、のどが渇いた。脱水症状になったらまずい、水を買うしかないか。後は何か食べられるもの。
周りの人に瞳を見られないようにしながら。その店がいいかをうかがうと、ちょうど日持ちしそうなパンを売っている店があった。店頭に飲み物も出ているから、あそこで一度に買うのがいいだろう。今は食べられれば何でもいい。
人に話しかける。それを意識したとたんに、自然に心臓がばくばくといっているのを感じた。緊張、しているのか。動揺を察されてはだめだ。なんでもないように買わないと。そうだ、どうなるかわからないが、目を閉じて買おう。声も高くして。効果があるかはわからなくても、今は何でもやろう。
「あの、すみません」
「あ?
一体なんの用だ?」
「パンと水を、わけてはいただけませんか?」
「はっ、物乞いか。
あいにくこちとら商売なんだ。
邪魔すんな」
「い、いえ。
お金なら払いますから」
「ほーー。
パンいくつだ?」
「6つ、お願いします」
「じゃあ銅貨50枚だ」
「え!?
それは高すぎでは!?」
さっき確認したとき、パンは2個で銅貨5枚、水は一つ銅貨10枚だったはず。それでは二倍だ。ぼった来る気か?
「おいおい、不満なら買わなくていいんだぜ?
ま、お前に売ってくれる奴がほかにいるか知らないがな」
なっ! こっちが値段見れないからって、そこに付け込んで! どうする、ここでこいつに払いたくはないが、買わなくてはいけないのは事実。どうする……。
「おーい、おじちゃん。
幼い子をいじめるのはよくないぜ?
あ、お前目が見えないのか」
なんでフードなんてかぶっているのかと思ったら、とからから笑うのは男性の声。えっと、誰だろう?
「ぐ、チトセ……」
「な、そういうのよくないって。
坊主、お使いか?
偉いなぁ。
俺はそういうの嫌がって、いっつも逃げていたのに」
「ははは、チトセはやんちゃ坊主だったからな!
毎度毎度何かトラブルを起こしてたくせに、すっかり丸くなって」
「あー、もう!
過去のことはどうでもいいだろ!
……なんかみんながざわついているから何かと思ったら、目見えない坊主見守ってただけか。
安心したぜ」
見守っていた、わけではないだろう。明らかに不審なものを見るような視線だったから。でも、この人がそう発言するだけで一気に周りの空気が変わった。なんだ、って安心するようなものになったのだ。この人、すごい。
「おい、おっちゃん。
こいつに正しい金額教えてやれよ」
「に、銅貨25枚だ」
「ほら、坊主。
25枚、出せるか?」
「あ、はい、大丈夫です。
ありがとうございます」
25枚……。というか普通に考えて最大99枚出すってだいぶ面倒……。おかげで兄上からいただいたこの袋もだいぶじゃらじゃらと重くなっている。えーっと、銅貨、銅貨っと。お金を見始めたときに珍しくて、銅貨も銀貨も金貨もたくさん触ったのが役に立ったらしい。ちゃんと指先の感覚でどれかわかる。
時間がかかってしまったが、なんとか25枚出し切る。その間、特にせかされることもなかったのは今も隣にいてくれるチトセ、という人のおかげだろう。
「お、正解!
すごいな、ちゃんとわかるのか」
嬉しそうな言葉とともに、手が近づいてくる気配。
「ぃやっ!」
「え……?
あ、ごめんな、急に触ろうとして」
怖い、怖い……。何が? 他人の手が? いや、そうじゃない。思い出すのが、怖い。もう戻れない日々を、思い出すのが。今は立ち止まってはだめだから。ぎゅっと自分を抱きしめる。少しそうしていると、少し気持ちが落ち着いた。
「す、すみません。
大丈夫です……」
「そ、そうか?
ごめんな」
申し訳ないことしちゃった。とても優しい人なのに。
「おら、早く受け取れ」
「ありがとう、ございます」
グイ、と突き付けられたものを受け取る。これでやっと飲めるし、食べられる。よかった。もうのどが渇いて仕方なかったこともあり、つい水を一気に飲んでしまう。これはもう一つ買った方がいいか?
「おい、これもやる」
……へ? なんかまた押し付けられたんだけれど。これは? 感覚からして水?
「よかったな、水をもらえて」
「え、あ、あの……?」
「いいからいいから、もらっておけ」
いいのか? まあ、ありがたいことではあるけれど。
「ありがとうございます」
さて、この後はどうしよう。少しでも早くここから逃げたい。なら乗合馬車に乗るのがいいか? ただどこに乗り場があるかわからない。どうせなら、聞ける人がいるうちに聞いてしまおう。
「あの、チトセ、さん?」
「ん?
おう、俺はチトセだ。
どうした?」
「乗合馬車が乗れる場所、教えてくれませんか?」
「乗合馬車?
それはもちろん構わないが」
「ありがとうございます」
手を引かれて歩くこと数分? なんだか獣の匂いがしてくる。それと人が頻繁に行き来しているのを感じる。ついたのかな。
「ほら、ここだ。
ここからどこに行きたい?」
「あのアズサ王国の方に行きたいんです」
「アズサ?
ああ、じゃあこっちだな。
それにしても、どこから来たんだ?
まさかこのまま馬車に乗りたいと言い出すとは思わなかった。
親御さんは?」
う、いきなりの質問攻め。でもこたえられること何もない。まあ、適当にごまかしておけばいいか。
「うーん、僕がわがまま言って怒らせてしまったんです。
王都に行くっていうから、どうしても皇宮に近づいてみたくて」
「皇宮?
それでよく正しい方向に歩いてこれたね」
正しい方向。やっぱり兄上は逃がす方法を考えてくれていたんだ。……、ありがとう兄上。
「そうだ、アズサ王国の方って詳しくは?
それによって乗る馬車が違うから」
「あ、あの、国境に行きたいんです」
「……国境?」
あ、もう声から驚きが伝わってくる。まずかった、かな。でもここで方向を間違えると、かなり厄介なことになる。
「そんな遠くから来たの?
それなのに置いていくって……」
「あはは、気にしないでください。
それでどの馬車ですか?」
「あ、うん。
こっちだよ」
戸惑いながらも手を引いて歩いてくれる。ここには段差があるから気を付けて、人が多いから手をつかんでいて、そんな風に教えてくれる。ごめんなさい、本当は目、見えるんです。
「おじちゃん、まだ人乗れる?」
「お、チトセじゃねぇか。
乗れるが、珍しいな」
「あ、俺じゃないよ。
こっちの坊主が乗りたいって」
ほら、と背を押される。こっちの方かな? と頭を下げると、坊主一人か? と言われてしまった。チトセが親怒らせてちまったみたいで、と言ってくれた。視線を感じて、ずっと下を向くしかできない。するとまあいい、と言われた。
「金は持っているんだろうな?」
「はい。
いくらでしょうか?」
「どこまで乗るんだ?」
「国境の方に家があるみたいでよ。
最後まで乗せてやってくれ」
「わかった。
銀貨2枚だ」
あるか? と言われて、銀貨を取り出す。とりあえずこれで乗っていいらしい。
「いいか、坊主。
この馬車は途中のチャベの町までしか乗れない。
そこからはまた乗り継ぐか、歩くかしてくれ」
「はい。
本当にありがとうございました」
本当に助かった。深く頭を下げる。そして顔を上げたときに少しだけ目を細めてみる。どうしてもこの人の顔を見たかったのだ。ああ、まぶしいな。
そして馬車に乗り込むと、間もなく馬車は出発した。
暑い、苦しい。でも僕は、どうしても止まるわけにはいかない。涙は、ちゃんと止まった。今は忘れるんだ、いつもみたいに。感情はきっと僕の邪魔にしかならない。
なんとかたどりついた町。ほんのりと空が色づいた時間から、人が活動を始めていて視線が気になる。子供の背丈で、というよりもローブを深くかぶっているのがいけないのだろう。
どうしよう、のどが渇いた。脱水症状になったらまずい、水を買うしかないか。後は何か食べられるもの。
周りの人に瞳を見られないようにしながら。その店がいいかをうかがうと、ちょうど日持ちしそうなパンを売っている店があった。店頭に飲み物も出ているから、あそこで一度に買うのがいいだろう。今は食べられれば何でもいい。
人に話しかける。それを意識したとたんに、自然に心臓がばくばくといっているのを感じた。緊張、しているのか。動揺を察されてはだめだ。なんでもないように買わないと。そうだ、どうなるかわからないが、目を閉じて買おう。声も高くして。効果があるかはわからなくても、今は何でもやろう。
「あの、すみません」
「あ?
一体なんの用だ?」
「パンと水を、わけてはいただけませんか?」
「はっ、物乞いか。
あいにくこちとら商売なんだ。
邪魔すんな」
「い、いえ。
お金なら払いますから」
「ほーー。
パンいくつだ?」
「6つ、お願いします」
「じゃあ銅貨50枚だ」
「え!?
それは高すぎでは!?」
さっき確認したとき、パンは2個で銅貨5枚、水は一つ銅貨10枚だったはず。それでは二倍だ。ぼった来る気か?
「おいおい、不満なら買わなくていいんだぜ?
ま、お前に売ってくれる奴がほかにいるか知らないがな」
なっ! こっちが値段見れないからって、そこに付け込んで! どうする、ここでこいつに払いたくはないが、買わなくてはいけないのは事実。どうする……。
「おーい、おじちゃん。
幼い子をいじめるのはよくないぜ?
あ、お前目が見えないのか」
なんでフードなんてかぶっているのかと思ったら、とからから笑うのは男性の声。えっと、誰だろう?
「ぐ、チトセ……」
「な、そういうのよくないって。
坊主、お使いか?
偉いなぁ。
俺はそういうの嫌がって、いっつも逃げていたのに」
「ははは、チトセはやんちゃ坊主だったからな!
毎度毎度何かトラブルを起こしてたくせに、すっかり丸くなって」
「あー、もう!
過去のことはどうでもいいだろ!
……なんかみんながざわついているから何かと思ったら、目見えない坊主見守ってただけか。
安心したぜ」
見守っていた、わけではないだろう。明らかに不審なものを見るような視線だったから。でも、この人がそう発言するだけで一気に周りの空気が変わった。なんだ、って安心するようなものになったのだ。この人、すごい。
「おい、おっちゃん。
こいつに正しい金額教えてやれよ」
「に、銅貨25枚だ」
「ほら、坊主。
25枚、出せるか?」
「あ、はい、大丈夫です。
ありがとうございます」
25枚……。というか普通に考えて最大99枚出すってだいぶ面倒……。おかげで兄上からいただいたこの袋もだいぶじゃらじゃらと重くなっている。えーっと、銅貨、銅貨っと。お金を見始めたときに珍しくて、銅貨も銀貨も金貨もたくさん触ったのが役に立ったらしい。ちゃんと指先の感覚でどれかわかる。
時間がかかってしまったが、なんとか25枚出し切る。その間、特にせかされることもなかったのは今も隣にいてくれるチトセ、という人のおかげだろう。
「お、正解!
すごいな、ちゃんとわかるのか」
嬉しそうな言葉とともに、手が近づいてくる気配。
「ぃやっ!」
「え……?
あ、ごめんな、急に触ろうとして」
怖い、怖い……。何が? 他人の手が? いや、そうじゃない。思い出すのが、怖い。もう戻れない日々を、思い出すのが。今は立ち止まってはだめだから。ぎゅっと自分を抱きしめる。少しそうしていると、少し気持ちが落ち着いた。
「す、すみません。
大丈夫です……」
「そ、そうか?
ごめんな」
申し訳ないことしちゃった。とても優しい人なのに。
「おら、早く受け取れ」
「ありがとう、ございます」
グイ、と突き付けられたものを受け取る。これでやっと飲めるし、食べられる。よかった。もうのどが渇いて仕方なかったこともあり、つい水を一気に飲んでしまう。これはもう一つ買った方がいいか?
「おい、これもやる」
……へ? なんかまた押し付けられたんだけれど。これは? 感覚からして水?
「よかったな、水をもらえて」
「え、あ、あの……?」
「いいからいいから、もらっておけ」
いいのか? まあ、ありがたいことではあるけれど。
「ありがとうございます」
さて、この後はどうしよう。少しでも早くここから逃げたい。なら乗合馬車に乗るのがいいか? ただどこに乗り場があるかわからない。どうせなら、聞ける人がいるうちに聞いてしまおう。
「あの、チトセ、さん?」
「ん?
おう、俺はチトセだ。
どうした?」
「乗合馬車が乗れる場所、教えてくれませんか?」
「乗合馬車?
それはもちろん構わないが」
「ありがとうございます」
手を引かれて歩くこと数分? なんだか獣の匂いがしてくる。それと人が頻繁に行き来しているのを感じる。ついたのかな。
「ほら、ここだ。
ここからどこに行きたい?」
「あのアズサ王国の方に行きたいんです」
「アズサ?
ああ、じゃあこっちだな。
それにしても、どこから来たんだ?
まさかこのまま馬車に乗りたいと言い出すとは思わなかった。
親御さんは?」
う、いきなりの質問攻め。でもこたえられること何もない。まあ、適当にごまかしておけばいいか。
「うーん、僕がわがまま言って怒らせてしまったんです。
王都に行くっていうから、どうしても皇宮に近づいてみたくて」
「皇宮?
それでよく正しい方向に歩いてこれたね」
正しい方向。やっぱり兄上は逃がす方法を考えてくれていたんだ。……、ありがとう兄上。
「そうだ、アズサ王国の方って詳しくは?
それによって乗る馬車が違うから」
「あ、あの、国境に行きたいんです」
「……国境?」
あ、もう声から驚きが伝わってくる。まずかった、かな。でもここで方向を間違えると、かなり厄介なことになる。
「そんな遠くから来たの?
それなのに置いていくって……」
「あはは、気にしないでください。
それでどの馬車ですか?」
「あ、うん。
こっちだよ」
戸惑いながらも手を引いて歩いてくれる。ここには段差があるから気を付けて、人が多いから手をつかんでいて、そんな風に教えてくれる。ごめんなさい、本当は目、見えるんです。
「おじちゃん、まだ人乗れる?」
「お、チトセじゃねぇか。
乗れるが、珍しいな」
「あ、俺じゃないよ。
こっちの坊主が乗りたいって」
ほら、と背を押される。こっちの方かな? と頭を下げると、坊主一人か? と言われてしまった。チトセが親怒らせてちまったみたいで、と言ってくれた。視線を感じて、ずっと下を向くしかできない。するとまあいい、と言われた。
「金は持っているんだろうな?」
「はい。
いくらでしょうか?」
「どこまで乗るんだ?」
「国境の方に家があるみたいでよ。
最後まで乗せてやってくれ」
「わかった。
銀貨2枚だ」
あるか? と言われて、銀貨を取り出す。とりあえずこれで乗っていいらしい。
「いいか、坊主。
この馬車は途中のチャベの町までしか乗れない。
そこからはまた乗り継ぐか、歩くかしてくれ」
「はい。
本当にありがとうございました」
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