歪み。歪ませ、元通り。

先々ノアル

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一緒に死んで

【後編】きょーだいあい

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「んん、ぐぐっ、うぅうぅぅ…っいっ、うあぁぁあ!!!いたいよぉ、痛い…うぅ」
  



こいつらは、悪魔です。


こいつらは悪魔です!!

だって、こんな事人間はしません。

こんな風に、体を壊したりしません。
 
こいつらは僕の体を壊します。

僕を拷問して楽しんでいます。  



いつか僕を殺す気です。 


僕は目をつぶって待ちます。


痛みに耐えて待ちます。






4時になるのを願うしか、僕には出来ません。



あれ、扉の音が、聞こえてきました。







「…っ湊!!!」




あ、あの声は!

僕のヒーローです!!

僕の、優しい優しいお兄ちゃんです。

優がくれば安心です。

僕は優がいれば、本当に幸せです。











____












 いつの日だったか分からない。

もう、弟が傷ついているのに耐えられなかった。

いつの日だったか分からない。

俺は両親を殺していた。


それから、逃げて逃げて

逃げて逃げて逃げて逃げて逃げて。


俺は湊を幸せにしてやる事が出来なかった。
普通の子供としての幸せを与えてあげられなかった。

ほんとうになんでこんなに不幸なんだ。



すると、ギュッと、背中に温かさを感じる。


後ろから抱きしめてくる湊にキスをする。



「優。…不安なの?大丈夫。僕幸せ!!…でも、嫌なところがあるとすれば、優が本気で僕のこと好きになってない所!」

また、この台詞。


「…そんな事ない。大好きだって、愛してる。」


親からもらえなかった愛情が、湊の心に足りてないんだ。

それを埋めてやることは、一生できないかもしれない。



「なあ、湊。警察、そろそろ来るかもしれない。サイレンが聞こえてきた。…最後に、なんでもお願い叶えてあげるよ。…何がいい?」







湊はにっこりと笑った。




「優、だーいすき。…これが最後だね。僕と、一緒に死んで。」





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