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先生、俺さ
【中】あくまでも偶然…って感じに
しおりを挟むバイト先から20分くらいの、二階建てアパートにやってきた訳だけど。
…なんでこいつこんな淡々としてんだ!!
佐々木は「ホテル代高いから俺ん家ね~」と抜かして、俺をここまで連れてきたのだ。
冗談じゃねえよ…
「なぁ、俺ぜったい無理だから。まず男興味ないし、勃たねえよ。」
佐々木は顔色一つ変えずにドアをガチャリと開けた。
「ん…?そこら辺は心配すんなよ。大丈夫だから。」
なにが大丈夫だ!!
俺は金が無く、友達とあまり遊んでいなかったので、佐々木の部屋に入るとき少しそわそわした。
くそ、やっぱ帰りたい。
あの時「チクられたくないだろ?」とか「金困ってんだろ。来てくれれば2万払うよ」とかいわれて、まんまと言いくるめられたけど…
やっぱ怖えし。あーもう!!
すると、なんかすごい優しく、後ろから抱きしめられた。
「なに怯えてんだよ。痛い事しないから、ほら。落ち着けよ~先生は怖くないぞ~」
「…っ、お、おい。」
俺は驚いたって言うよりは、心地よい暖かさについ嬉しくなってしまった。
あー、やっぱ俺、親父に捨てられた事…ちょっとは悲しかったんだなぁ。
怒りで忘れてたけど。こうして優しく抱きしめられたくて、愛されたくて。
こんなに必死で働いても、誰からも褒められなくて。
佐々木は、ぼんやりと考える俺を見ながら、頬に優しくキスをした。
「…っお!…やめろよ、つかお前教師の癖に……!?!」
するとこいつは、俺の股間をまさぐって、耳元にふぅっと息を吹きかけてきた。
何故だか分からないけど、体がビクッとはねてしまった。
「……んあっ!うぁ…」
うわぁっ変な声出ちまった!
「おお、お前の声やっぱエロいなぁ…これは案外簡単に…」
くそこいつ!あー恥ずかしい。
俺は手で顔を覆おうとするが、佐々木によって遮られる。
こいつSかよ!
「だーめ、見えなくちゃ意味ないだろ。…ほら、寄りかかって、気持ちよくしてやるからさ」
なんだか落ち着く甘い声に囁かれて、俺は言われる通りに寄りかかった。
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