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僕の声
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しおりを挟む──そして、今。
僕のほうを見ていた先輩の顔が、突然扉を向く。
そこから、厳しそうな顔つきの男の人と緊張している顔の女の人が入ってきた。
〝父さん、母さん〟と先輩の唇が動く。
テーブル越しに向かい合うように座ったその目は、一直線に僕を見ていた。
〝この子か?お前と付き合っているのは〟
〝そうです〟
〝ふぅん…自己紹介はできるのかね?〟
先輩のお父さんの唇がそう動いて、すぐに持ってきてたスケッチブックを取り出した。
ぱっと広げたページには、僕の自己紹介の文章。
飛んでくる質問をあらかじめ予想して、準備してきた。
ご両親は手話がわからないから、筆談するためにペンも取り出す。
〝準備してたのか……なるほど〟
パッと取られたスケッチブック。
そのページをパラパラと2人がめくる。
しばらく書きてきた文章を読んで、それから返された。
〝これは、お前の言葉を書いてるのか?
それとも息子に言われて書いたか?〟
〝僕の言葉です〟
スケッチブックの白いページへ、すぐに言葉を書く。
〝ふぅん。そうか〟
それから、次は先輩に僕に関しての質問を何個かした。
先輩もそれに素直に答えて。
緊張した空気がしばらく…続いて──
〝おい〟
〝? なに、父さん?〟
〝お前、少し席を外せ〟
〝え?〟
びっくりした顔の先輩と、静かにそれを見つめるお父さん。
〝な、んで…なにか気に触るようなことでも──〟
〝先輩〟
クイっと袖を引く。
〝僕は大丈夫です。だから、少し外してください〟
〝っ、でも……〟
〝ね? 大丈夫ですよ〟
安心させるようにコクンッ!と強く頷くと、はぁっと軽く息を吐いて立ち上がった。
そしてご両親へ綺麗に一礼して、部屋を出ていった。
〝……さて〟
〝っ、〟
向けられる冷ややかな視線。
(なにを、言われるのかな……)
自分の息子は、君とは釣り合わない?
早々に手を引いて欲しい?
なんで君なんかとうちの息子は付き合ってるんだ?
耳が…聞こえないくせに……?
緊張が一気に押し寄せてきて、カタカタ震える手でぎゅうっとズボンを握る。
〝君は、もし耳が聞こえるのならなにが聞きたい?〟
〝…………ぇ?〟
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