それは、キラキラ光る宝箱

花町 シュガー

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White Christmas.

2022/12/21(水)

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【2022/12/21(水)】


「おつかれー」

「おつかれ、あぁーやっと帰れる……」

 放課後の補講が終了し、ようやく学校時間が終わる。
「宿題なくてラッキー」と近くの席の奴と話しながら、ゆっくり帰る準備をして。


「………」


 先週久しぶりに2人で山の上の公園に行って、スッキリした。
 ずっとドス黒い何かに心の中を占領されて、イライラが止まらなくて焦って悲しい気分になったりして、なんかいろいろ忙しくて。
 けど下山し家へ帰る頃には、夜空を見上げれるくらい清々しい気分だった。

 ──そもそも俺、浬久に「約束守れ」って言われてなかったわ。

『もし10年彼女できなかったら、そんときはお試しで』『できたらできたでいいじゃん』と、そんな軽いノリだった。
 それを律儀に守ってたのは俺だ。浬久もだったけど、俺は自分の意思でそうしてきた。
 なら、別に守らなくていいじゃん。

 (相手に言われてないのに守るとか、なに考えてたんだろ、俺たち)

 青春…だったのだろうか。
 馬鹿みたいな子どもの頃の約束を叶えようとして。なんかよくあるヒーローや友情ものの漫画みたいな。

 これで、よかったかも。
 これが普通だし、このままお互い真っ当な人生歩んだほうが幸せになれそう。
 ほら、俺たちイケメンなんだし? 生産性大事だろ。

 多分神様も言ってんだ、「現実見ろよ」って。
 だから浬久から俺の記憶を抜いたんだ。

 (「叶わなくて正解」ってか……)


「彗眞ー、帰ろうぜ」


「おう」


 マフラーを巻きながら近づいてくる姿に返事し、鞄を持つ。

 思い出の地巡りも、正直もうしないでいいと思う。
 山の上の公園で変化がなかった時点で意味がない。
 でも、どうやって「やめよう」と切り出すか悩んだ結果、24日を過ぎるまではやることにした。

 期待してるんじゃない、けじめだ。
 浬久の記憶が戻ったとき「俺はちゃんとやれることやりました」って言い切れるため。
 自分がちゃんと諦めきれるための、けじめ。

「…なぁ、浬久」

「ん」

「俺さ、別に今のお前との関係嫌じゃないよ」

「まじ? 俺も。なんかすごい自然体でいれるわ、お前の隣。
自分的にはまだ知り合ってちょっとの期間だけどさ、もう何年も友だちやってる感」

「だからそうなんだって。
記憶が戻んなくても、俺らは普通に上手くやっていけると思う。から、あんま焦んなよ」

「だな。まずは受験終わらせっか。
彗眞とは大学も一緒だし時間あるしな。
ゆっくり思い出してく」

 …まぁ、その頃にはすべて終わってるけど。

「とりあえず今日どこ寄って帰る?」と聞かれた声に答えながら、雪の降り積もる地面を歩いた。




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