三角関係が巻き起こす愛のトラジェディーについて

花町 シュガー

文字の大きさ
10 / 11

10

しおりを挟む



「エリスー!」

「ツバメ!!」

ソワソワ待っていた廊下の影に声をかけると、すぐに飛んでくる体。

「ツバメ、大丈夫だった!?」

「問題ない。俺があいつに負けるかよ」

「~~っ、ツバメ!」

「ぅわっ、分かった、分かったから締めんな!」

ちゃんと折り合いがついた話し合い。
もう大丈夫。俺とエリスを邪魔する奴はいない。

(なーんか、これあれだな。エリスの両親に上手く掌で転がされた感)

もしかしたら、向こうの両親はこうなることが分かってたんじゃないだろうか。
だからこいつをここに置いて、俺と会わせたんじゃないか?

(ま、もしそうならラッキーじゃん)

だってもう交際許可の返事は受諾済みってことだろう?

「ね、ツバメ。明日から僕たち部屋一緒?」

「だな」

「もう会いに行かなくてもいい?」

「あぁ。でも働くから一緒に居れる時間は減るだろうな」

「なら僕も一緒に働く!」

「いや、お前には無理だ」

「えぇ? そんなのやってみないとわからないよ!」

「分かるから」

明日から一気に騒がしくなるんだろう。
俺が過ごしていた現実主義的日常は少し…いや、大分崩れ去って、でも自然と笑いが出るような日々へと変わって。


「……なぁ、エリス」


「ん?」


「俺のこと、ちゃんと愛してくれるか?」


次はちゃんと、愛されたい。
ただ真っ直ぐに、自分の愛する人から。


「ふふ、もちろんっ。

いっぱいいっぱい愛してあげるからね!」


あの日パレードで見たような腕への抱擁。
それを解いて、両脇に手を入れ自分より小さな体をグイッと持ち上げた。

「わぁ!」と驚いたように笑う瞳は、鮮やかなピンク色。


(大丈夫、俺は〝ツバメ〟だ)


自分の住みやすい環境を探す鳥。
だが生憎俺は人間。
なら、探すんじゃなく環境そのものを変えられる筈だ。

これまでみたいに。


楽しそうにはしゃぐ声は幸せそうで、眩しくて。

地面へ降ろす前に、その口元へキスを落としたーー




~fin~





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

優秀な婚約者が去った後の世界

月樹《つき》
BL
公爵令嬢パトリシアは婚約者である王太子ラファエル様に会った瞬間、前世の記憶を思い出した。そして、ここが前世の自分が読んでいた小説『光溢れる国であなたと…』の世界で、自分は光の聖女と王太子ラファエルの恋を邪魔する悪役令嬢パトリシアだと…。 パトリシアは前世の知識もフル活用し、幼い頃からいつでも逃げ出せるよう腕を磨き、そして準備が整ったところでこちらから婚約破棄を告げ、母国を捨てた…。 このお話は捨てられた後の王太子ラファエルのお話です。

僕の幸せは

春夏
BL
【完結しました】 【エールいただきました。ありがとうございます】 【たくさんの“いいね”ありがとうございます】 【たくさんの方々に読んでいただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます!】 恋人に捨てられた悠の心情。 話は別れから始まります。全編が悠の視点です。

キサラギムツキ
BL
長い間アプローチし続け恋人同士になれたのはよかったが…………… 攻め視点から最後受け視点。 残酷な描写があります。気になる方はお気をつけください。

執着

紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

貧乏子爵のオメガ令息は、王子妃候補になりたくない

こたま 療養中
BL
山あいの田舎で、子爵とは名ばかりの殆ど農家な仲良し一家で育ったラリー。男オメガで貧乏子爵。このまま実家で生きていくつもりであったが。王から未婚の貴族オメガにはすべからく王子妃候補の選定のため王宮に集うようお達しが出た。行きたくないしお金も無い。辞退するよう手紙を書いたのに、近くに遠征している騎士団が帰る時、迎えに行って一緒に連れていくと連絡があった。断れないの?高貴なお嬢様にイジメられない?不安だらけのラリーを迎えに来たのは美丈夫な騎士のニールだった。

出戻り王子が幸せになるまで

あきたいぬ大好き(深凪雪花)
BL
初恋の相手と政略結婚した主人公セフィラだが、相手には愛人ながら本命がいたことを知る。追及した結果、離縁されることになり、母国に出戻ることに。けれど、バツイチになったせいか父王に厄介払いされ、後宮から追い出されてしまう。王都の下町で暮らし始めるが、ふと訪れた先の母校で幼馴染であるフレンシスと再会。事情を話すと、突然求婚される。 一途な幼馴染×強がり出戻り王子のお話です。 ※他サイトにも掲載しております。

処理中です...