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12 討伐隊に参加
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慧吾はロウとアリィと三人でギルドからほど近い東の森に向かって歩いていた。
――――そう、アリィを振りきるのに失敗したのである。結局アリィも薬草クエストを受けたので、いっしょに行くことになってしまった。
赤いツインテとグレイのピンピンはねた二つのでこぼこの頭が並んでいるのを、慧吾は後ろから眺めた。
変身できない。今日は諦めて真面目に薬草を採るつもりだ。グレイのほうが立ち止まる。
「この辺で」
「わかったぁ」
案外二人は仲が良い。アリィはこの見目よいAランクのファンになったのかもしれない。ロウは愛想はないが、優しくてなかなか面倒見も良い男だ。慧吾にとってはすごく面倒くさいアリィにぴったりだ。
うんうんと頷いている慧吾の裾をロウは怪訝そうに引っ張った。
「薬草」
「そうだった。これ?」
アリィはすでにしゃがんでいる。慧吾も慌てて少し離れたところで採取を始めた。そのあいだ、ロウは切り株に座って武器の手入れをして待っていた。
「もうよさそう」
しばらくたって、意外にももくもくと薬草を採っていたアリィが立ちあがった。ギルドから借りている薬草専用の袋を二つ握ってロウに見せる。ロウはちょっと頷き、道具を片付けた。
その気配を感じつつ、慧吾は手を動かす。もう少しだ。そのとき、何か白いものがピョーンと飛び出してきた。
「うわぁっ!」
慧吾は驚いて思わず尻餅をついた。呆れた顔をしながらも、アリィは慧吾の手を取って立たせた。
「なんだフォレストラビットじゃないの。あんなのが怖いの?」
「飛び出てきたから驚いただけだよ」
騒いでいるとロウがいきなり慧吾の袋を取りあげ、持っていた薬草をぎゅうぎゅうに詰めた。
「帰るぞ」
慧吾はロウの唐突な行いに何もできず、促されるがままにロウについて行った。帰りも二人並んで前を行っていたが、ロウが後ろの慧吾をチラチラ見ている気がする。途中、アリィが立ちどまって振りむいた。
「ケイ、明日もいっしょに行くわよ」
「ごめん、明後日からしばらく留守にするから明日は準備があるんだ」
「もー! いっつもいないっ」
ぷんすか怒っているアリィへ慧吾はそうだねーと適当な返事をする。
「扱いが雑!」
「だってキミめん……ごほっ」
「今面倒くさいって言おうとしたわね」
「はっ、心の声が」
「漏れてる!」
バカなことを言いあっているときに、慧吾がふと動きを止め、何かを睨むように遠くを見た。一瞬遅れてロウが剣を抜き、慧吾の前に出る。
アリィが戸惑っていると、森の奥から黄色い爛々とした光がのっそりと近づいてきた。徐々に全容を見せたそれは大きな銀色の狐の双眸であった。しばらくこちらを無感動な目で眺めたあと、突然かき消えるようにいなくなった。
アリィは蒼白になり、ガタガタ震えていたが、かろうじてしゃんと立っていた。
「大丈夫?」
警戒を解いた慧吾がアリィを気遣う。
「だ……大丈夫よ! あれなんなの?」
「あれは『銀毛』と呼ばれるものだ」
「銀毛?」
「狐の上位種だ。俺ひとりで勝てたかはわからん」
アリィは身体をぶるりと震わせた。
「襲われなくて良かったわ。でもなぜかしら」
ロウはアリィの問いに首を振った。慧吾はそれを聞いて爪を噛みながら考えごとをしている。
(ひょっとして俺を? まさかね……)
慧吾は手を下ろして「帰りましょう」と二人を促した。
この日、第三騎士団は北の森へ遠征に向かっていた。とは言っても緊急性はなく、視察と新人訓練、魔獣の間引きを兼ねた小規模な遠征である。
この討伐隊は、第三騎士団の騎士団長セザール・モートン、先輩騎士十名にそれぞれ新人がひとりずつついた二十名、魔術師二名という構成だ。それにシスイも参加させてもらったのだ。
北の森には拠点となる砦がある。そこには第四騎士団が常駐していた。ユークリッドは馬車で一日かけて北の森の砦に移動することになっている。その間王宮のほうは有能な宰相のシャールに任せてあった。
シスイは馬車に座るユークリッドの向かいの席で窮屈そうに寝そべっている。また大きくなったので、隣に座れなくなったのだ。そろそろ馬車に入れなくなりそうだ。
ユークリッドは長い尾のほうだけ渡され、ひたすら撫でたりぐるぐる巻いてみたりしている。本当は本体がいいのだが仕方がない。
夕方、討伐隊一行は砦に到着した。
「陛下、ようこそお越しくださいました。ご無沙汰しております」
第四騎士団団長のフランシス・ドーンが迎えに出てきた。四十歳くらいの鍛えられた体躯の強面の男性だ。
「ドーソン騎士団長、ひさかたぶりだな」
「陛下、遠いところをお疲れでございましょう、まずはお部屋にご案内させます。何か不足があればお申しつけください」
旅装を解き身支度を整えると、ユークリッドとシスイは執務室に向かった。そこで改めてシスイの紹介をする。
それから部屋に戻り食事を取って休む。シスイは人化を使い、ユークリッドに冒険ギルドの話などをして楽しく過ごした。寝るときも昔のように毛布に寝そべった。
翌日、セザール率いる第三騎士団と、フランシス率いる第四騎士団をあわせた討伐隊は北の森へ入った。
ユークリッドは討伐隊を見送り、シスイをおともに砦内の視察を行った。夕方にはへとへとの新人を連れた討伐隊が無事に戻ってきた。
「帰りたくない」
そうしょんぼりと言ってユークリッドはおすわりしているシスイにぎゅっと抱きついた。明日の朝早くユークリッドは一足先に帰るのだ。
――すぐ帰るから。もう寝よ? ベッドに入って?
なだめるようにシスイが鼻をならすと、ユークリッドがガバリと身を起こした。
「本当だな!?」
――本当? て、今返事した?
「うむ。したな」
――ええええええ!!!!
シスイはわふわふ叫んでぴょんぴょん飛び跳ねた。
「うっ、かわいいな」
手を口に当て、眉を下げて孫を見るお爺ちゃんのような顔をしても、ユークリッドは麗しい。なんならアメジストのような瞳もちょっと潤んで、奥さん以外には見せられない風情だ。
(ちょっ、それダメなカンジ)
慌ててシスイはユークリッドから距離を取った。
――と、とにかく通じるようになったみたいだね。人化しなくても話せて良かったー。
――こちらからも通じるか?
――聞こえるよ!
「親愛が深まったせいかもしれぬな。どこまで離れても通じるか、帰りの道中で話しかけて試してみよう」
シスイはしっぽを一瞬ピン! と伸ばした。なぜか悪寒がしたのだ。
そもそもユークリッドが視察に来る必要はなかったのに、ついて来ちゃったのである。シスイだっていっしょにはいたかったけれど、日本人男子にはなかなか慣れない距離感だ。
泣く泣く帰るユークリッドを送りだし、シスイは訓練に参加するために討伐隊に合流した。合流場所に着くと第三騎士団長のセザールに「シスイおいでー」と呼ばれたので足下におすわりする。
――シスイ聞こえるか?
――聞こえるよ。今討伐隊に合流したところ。
――怪我のないようにな
早い!まだ離れたばかりである。
「集まったな! では私の友人を紹介しよう」
フランシス・ドーン第四騎士団長が連れた男性を見てシスイは驚いた。
「Aランク冒険者のロウだ」
「わふ!」
思わず吠えてしまったシスイにロウはちょっと頷いた。
そのままシスイはロウのところへ行き、尾をぱたぱたと振った。セザールはショックを受けていたが、ロウについて行ってもいいと言ってくれた。ロウは何を考えているのか良くわからない態度だ。
ロウはたまたま依頼で北の森へ来たので立ちよったらしい。それでそのままいっしょに来ることになったのだ。
ただし、途中から別れてロウだけ奥に進み、『三ツ目角』と呼ばれる巨大な鹿のような魔獣を狩るそうだ。シスイはそれまでにはひき返す予定である。
討伐隊は隊列を組んで出発した。シスイとロウはしんがりを務める。背後に意識を割きつつ、たまにユークリッドに邪魔されながらも魔獣を浄化していく。冒険者となったら魔獣が消えるのがもったいない気もするが、今回は浄化のレベリングなので仕方がない。
順調に分岐地点まで到着した。ロウは黙ってシスイの頭をガシガシしてから奥に進んで行った。シスイは心配げにしばらく佇んでいたが、やがて戻って定位置についた。
討伐隊はもう少し進んでから、大きな怪我もなく帰途についたのだった。
夜遅くなって、ロウも大きな獲物を背負って帰ってきた。
「おお、すげーな。初めて見たわ。さすがロウ」
セザールが感心する。そういえば、ロウは騎士団にいたのだからセザールも知っているのだ。
「お前、第一に行くのが嫌で冒険者になったんだもんなあ。そんなに魔獣退治したかったのか」
(ええっ!? そういうこと!?)
なんとロウは近衛に出世して王宮に勤めるより、外で身体を動かしたくて辞めたらしい。
「近衛は向いていない。魔獣退治も国のためになる」
(な、なるほど)
ぽかんと見ているシスイにロウはひとつ頷いた。
シスイはその日からひとりぼっちで就寝だ。ユークリッドに今日のことを報告してから眠る。距離が開いても問題なく聞こえるようだ。
ロウは翌日王都に戻って行き、シスイはさらに三日ほど砦で過ごしてから討伐隊と王都に戻ってきた。
そしてしばらくユークリッドから離してもらえなかったのだった。
――――そう、アリィを振りきるのに失敗したのである。結局アリィも薬草クエストを受けたので、いっしょに行くことになってしまった。
赤いツインテとグレイのピンピンはねた二つのでこぼこの頭が並んでいるのを、慧吾は後ろから眺めた。
変身できない。今日は諦めて真面目に薬草を採るつもりだ。グレイのほうが立ち止まる。
「この辺で」
「わかったぁ」
案外二人は仲が良い。アリィはこの見目よいAランクのファンになったのかもしれない。ロウは愛想はないが、優しくてなかなか面倒見も良い男だ。慧吾にとってはすごく面倒くさいアリィにぴったりだ。
うんうんと頷いている慧吾の裾をロウは怪訝そうに引っ張った。
「薬草」
「そうだった。これ?」
アリィはすでにしゃがんでいる。慧吾も慌てて少し離れたところで採取を始めた。そのあいだ、ロウは切り株に座って武器の手入れをして待っていた。
「もうよさそう」
しばらくたって、意外にももくもくと薬草を採っていたアリィが立ちあがった。ギルドから借りている薬草専用の袋を二つ握ってロウに見せる。ロウはちょっと頷き、道具を片付けた。
その気配を感じつつ、慧吾は手を動かす。もう少しだ。そのとき、何か白いものがピョーンと飛び出してきた。
「うわぁっ!」
慧吾は驚いて思わず尻餅をついた。呆れた顔をしながらも、アリィは慧吾の手を取って立たせた。
「なんだフォレストラビットじゃないの。あんなのが怖いの?」
「飛び出てきたから驚いただけだよ」
騒いでいるとロウがいきなり慧吾の袋を取りあげ、持っていた薬草をぎゅうぎゅうに詰めた。
「帰るぞ」
慧吾はロウの唐突な行いに何もできず、促されるがままにロウについて行った。帰りも二人並んで前を行っていたが、ロウが後ろの慧吾をチラチラ見ている気がする。途中、アリィが立ちどまって振りむいた。
「ケイ、明日もいっしょに行くわよ」
「ごめん、明後日からしばらく留守にするから明日は準備があるんだ」
「もー! いっつもいないっ」
ぷんすか怒っているアリィへ慧吾はそうだねーと適当な返事をする。
「扱いが雑!」
「だってキミめん……ごほっ」
「今面倒くさいって言おうとしたわね」
「はっ、心の声が」
「漏れてる!」
バカなことを言いあっているときに、慧吾がふと動きを止め、何かを睨むように遠くを見た。一瞬遅れてロウが剣を抜き、慧吾の前に出る。
アリィが戸惑っていると、森の奥から黄色い爛々とした光がのっそりと近づいてきた。徐々に全容を見せたそれは大きな銀色の狐の双眸であった。しばらくこちらを無感動な目で眺めたあと、突然かき消えるようにいなくなった。
アリィは蒼白になり、ガタガタ震えていたが、かろうじてしゃんと立っていた。
「大丈夫?」
警戒を解いた慧吾がアリィを気遣う。
「だ……大丈夫よ! あれなんなの?」
「あれは『銀毛』と呼ばれるものだ」
「銀毛?」
「狐の上位種だ。俺ひとりで勝てたかはわからん」
アリィは身体をぶるりと震わせた。
「襲われなくて良かったわ。でもなぜかしら」
ロウはアリィの問いに首を振った。慧吾はそれを聞いて爪を噛みながら考えごとをしている。
(ひょっとして俺を? まさかね……)
慧吾は手を下ろして「帰りましょう」と二人を促した。
この日、第三騎士団は北の森へ遠征に向かっていた。とは言っても緊急性はなく、視察と新人訓練、魔獣の間引きを兼ねた小規模な遠征である。
この討伐隊は、第三騎士団の騎士団長セザール・モートン、先輩騎士十名にそれぞれ新人がひとりずつついた二十名、魔術師二名という構成だ。それにシスイも参加させてもらったのだ。
北の森には拠点となる砦がある。そこには第四騎士団が常駐していた。ユークリッドは馬車で一日かけて北の森の砦に移動することになっている。その間王宮のほうは有能な宰相のシャールに任せてあった。
シスイは馬車に座るユークリッドの向かいの席で窮屈そうに寝そべっている。また大きくなったので、隣に座れなくなったのだ。そろそろ馬車に入れなくなりそうだ。
ユークリッドは長い尾のほうだけ渡され、ひたすら撫でたりぐるぐる巻いてみたりしている。本当は本体がいいのだが仕方がない。
夕方、討伐隊一行は砦に到着した。
「陛下、ようこそお越しくださいました。ご無沙汰しております」
第四騎士団団長のフランシス・ドーンが迎えに出てきた。四十歳くらいの鍛えられた体躯の強面の男性だ。
「ドーソン騎士団長、ひさかたぶりだな」
「陛下、遠いところをお疲れでございましょう、まずはお部屋にご案内させます。何か不足があればお申しつけください」
旅装を解き身支度を整えると、ユークリッドとシスイは執務室に向かった。そこで改めてシスイの紹介をする。
それから部屋に戻り食事を取って休む。シスイは人化を使い、ユークリッドに冒険ギルドの話などをして楽しく過ごした。寝るときも昔のように毛布に寝そべった。
翌日、セザール率いる第三騎士団と、フランシス率いる第四騎士団をあわせた討伐隊は北の森へ入った。
ユークリッドは討伐隊を見送り、シスイをおともに砦内の視察を行った。夕方にはへとへとの新人を連れた討伐隊が無事に戻ってきた。
「帰りたくない」
そうしょんぼりと言ってユークリッドはおすわりしているシスイにぎゅっと抱きついた。明日の朝早くユークリッドは一足先に帰るのだ。
――すぐ帰るから。もう寝よ? ベッドに入って?
なだめるようにシスイが鼻をならすと、ユークリッドがガバリと身を起こした。
「本当だな!?」
――本当? て、今返事した?
「うむ。したな」
――ええええええ!!!!
シスイはわふわふ叫んでぴょんぴょん飛び跳ねた。
「うっ、かわいいな」
手を口に当て、眉を下げて孫を見るお爺ちゃんのような顔をしても、ユークリッドは麗しい。なんならアメジストのような瞳もちょっと潤んで、奥さん以外には見せられない風情だ。
(ちょっ、それダメなカンジ)
慌ててシスイはユークリッドから距離を取った。
――と、とにかく通じるようになったみたいだね。人化しなくても話せて良かったー。
――こちらからも通じるか?
――聞こえるよ!
「親愛が深まったせいかもしれぬな。どこまで離れても通じるか、帰りの道中で話しかけて試してみよう」
シスイはしっぽを一瞬ピン! と伸ばした。なぜか悪寒がしたのだ。
そもそもユークリッドが視察に来る必要はなかったのに、ついて来ちゃったのである。シスイだっていっしょにはいたかったけれど、日本人男子にはなかなか慣れない距離感だ。
泣く泣く帰るユークリッドを送りだし、シスイは訓練に参加するために討伐隊に合流した。合流場所に着くと第三騎士団長のセザールに「シスイおいでー」と呼ばれたので足下におすわりする。
――シスイ聞こえるか?
――聞こえるよ。今討伐隊に合流したところ。
――怪我のないようにな
早い!まだ離れたばかりである。
「集まったな! では私の友人を紹介しよう」
フランシス・ドーン第四騎士団長が連れた男性を見てシスイは驚いた。
「Aランク冒険者のロウだ」
「わふ!」
思わず吠えてしまったシスイにロウはちょっと頷いた。
そのままシスイはロウのところへ行き、尾をぱたぱたと振った。セザールはショックを受けていたが、ロウについて行ってもいいと言ってくれた。ロウは何を考えているのか良くわからない態度だ。
ロウはたまたま依頼で北の森へ来たので立ちよったらしい。それでそのままいっしょに来ることになったのだ。
ただし、途中から別れてロウだけ奥に進み、『三ツ目角』と呼ばれる巨大な鹿のような魔獣を狩るそうだ。シスイはそれまでにはひき返す予定である。
討伐隊は隊列を組んで出発した。シスイとロウはしんがりを務める。背後に意識を割きつつ、たまにユークリッドに邪魔されながらも魔獣を浄化していく。冒険者となったら魔獣が消えるのがもったいない気もするが、今回は浄化のレベリングなので仕方がない。
順調に分岐地点まで到着した。ロウは黙ってシスイの頭をガシガシしてから奥に進んで行った。シスイは心配げにしばらく佇んでいたが、やがて戻って定位置についた。
討伐隊はもう少し進んでから、大きな怪我もなく帰途についたのだった。
夜遅くなって、ロウも大きな獲物を背負って帰ってきた。
「おお、すげーな。初めて見たわ。さすがロウ」
セザールが感心する。そういえば、ロウは騎士団にいたのだからセザールも知っているのだ。
「お前、第一に行くのが嫌で冒険者になったんだもんなあ。そんなに魔獣退治したかったのか」
(ええっ!? そういうこと!?)
なんとロウは近衛に出世して王宮に勤めるより、外で身体を動かしたくて辞めたらしい。
「近衛は向いていない。魔獣退治も国のためになる」
(な、なるほど)
ぽかんと見ているシスイにロウはひとつ頷いた。
シスイはその日からひとりぼっちで就寝だ。ユークリッドに今日のことを報告してから眠る。距離が開いても問題なく聞こえるようだ。
ロウは翌日王都に戻って行き、シスイはさらに三日ほど砦で過ごしてから討伐隊と王都に戻ってきた。
そしてしばらくユークリッドから離してもらえなかったのだった。
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