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13 望まぬ客
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レベリングをしようと決めたシスイは、朝は騎士団と鍛錬、午後は東の森まで走り魔獣を浄化しまくっている。
たまに泊りがけで北の森へ行くこともあった。冒険者ギルドの依頼は受けず、情報を得るためにたまに覗くのみに留めた。
その結果がこれである。
【名前】 水原慧吾(聖獣シスイ)
【レベル】 五十三
【スキル】 浄化魔法Ⅳ 時空魔法Ⅲ 氷魔法Ⅱ 結界魔法Ⅱ 言語理解 毒・瘴気・状態異常無効 身体強化 人化
全体的にレベルアップしている。しかし念話は入っていないので、それはユークリッドについた加護の能力かもしれない、とシスイは推察した。
浄化魔法についてはまだ治癒は使えない。結界魔法は少し厚くなったが、自分から離れると徐々に薄くなる。
東の森から歩いて帰る途中、ガサリ、という音に慧吾は我に返った。そのとき、影からのっそりと大きな銀狐が現れた。
(銀毛!)
慧吾はピンと気を張りつめた。じっとしていると銀毛はだんだんと近づいてくる。
――くううん
「えっ」
突然かわいらしい声で鳴いたかと思うとふっさふさの銀色の尾をふりふりし始めたのである。
「あれっ……。もしかして懐かれてる?」
試しにそっと近寄って手で耳の後ろを掻いてやると、ごろんと寝転がった。しばらくモフっているとがぶりと手を甘噛みされた。
「いやなんでだ……」
何ごともなかったように銀毛は立ちあがり、去っていった。
「良くわからない……」
慧吾は呆然とその後ろ姿を見送った。
それより少し前、珍しくシャールが慌てて執務室に飛び込んできた。執務室で仕事をしていたユークリッドは何事かと仕事の手を止めた。
「ユークリッド、アレが来たっ!」
「アレ?」
ユークリッドはいぶかしげに眉を顰めた。
「ハラール伯爵令嬢だ」
「ルイーズが?」
ハラール侯爵領は、ユークリッドの生家があるアングレア辺境伯領の隣にある。ルイーズはハラール侯爵の長男であるハラール伯爵の末娘だ。ハラール侯爵が亡くなれば、この長男が侯爵を継ぐことになる。
そのルイーズはずっとユークリッドと婚姻を結びたいと願っており、先だっても祖父のハラール侯爵が、ルイーズを第二王妃へと推挙してきていたばかりだ。
「婚約者に会いに来たなどと嘯いてるぞ」
「なんだと? ……私は会わぬ。追いかえせ」
「それが……陛下の兄君といっしょでして」
「なに兄が?」
ユークリッドには兄が二人いて、今日やってきたのは次男のエスラである。彼にはシスイと街に出かけたときに馬車から話しかけられたことがある。そのときにもルイーズに会うように言われたのだった。
「ひとまず応接室に待たせてある」
できるだけ嫌なことを引きのばそうとするかのようにユークリッドはのろのろと立ちあがった。その後ろにシャールとシズラーがそっと控えた。
応接室では男女二人がソファに座ってお茶を飲んで談笑していた。女性の後ろには無表情な護衛騎士が立っている。
赤いドレスを着た金髪の小柄な女性が、ユークリッドが入室すると優雅にカーテシーをした。男性のほうは座ったままだ。
「ユークリッド様、ご無沙汰いたしております」
「兄上、ルイーズ、お久しぶりです。今日は遠いところをお二人そろって如何なさいました」
「お前、ハラール侯爵から足を運んで頂いたのに、恐れ多くも追いかえしたそうだな」
エスラは尊大な態度を崩さない。他国の国王になろうと、スペアにもなれなかった三男だという偏見にとらわれたままなのだ。こうなってからそろそろ四十年になるので、もう変わることはできないだろう。
「追いかえしたとは異なことを。私は第二王妃を娶る気はございませんのでお断り申し上げたまで」
「そんな! 酷うございます。婚姻のお約束を違えてほかの方と婚姻なさったばかりか、今まで捨ておかれてこの年になりましたのに」
崩れおちるようにルイーズが嘆けばエスラがおおげさに慰める。
「かわいそうにルイーズ。しかも第二とはなんだ。身分が上なのだから無論第一王妃だ」
「陛下、次の予定が迫っております」
ユークリッドの美しい目が魔獣に向ける光を帯びたのを見て、間髪いれずシャールが遮った。ユークリッドは下を向いて息を細く長く吐き、上を向いたときにはもとの無表情に戻っていた。
「なにぶん忙しい身ゆえ、失礼する」
それでも最初よりぞんざいな言葉により、その場をぶつりと断ちきるようにユークリッドは出ていった。シズラーがすぐに傍らに添う。
残された客人二人を客間に通すようシャールは近衛に言いつけ、ユークリッドのあとを追っていった。
ルイーズとその護衛は、腹を立てながら近衛について廊下を歩いていた。エスラは別の近衛に案内されてすでに姿はない。
そこへ外から戻ったシスイが、向こうからひとりで歩いてきた。すれ違うときになって、シスイは立ちどまって廊下の端に寄った。
――――突如として腹に激しい痛みを感じたシスイは、空中に投げだされていた。
(っ! いってえええっ!!)
シスイは驚きと痛みで一瞬息が詰まった。吐き気がこみ上げ、動くことができない。
「シスイ様!!!!」
近衛たちがいっせいにシスイに駆けよった。
「汚らわしい獣めがっ、ルイーズ様のそばに寄るな!」
「どうしてそんなものがこんなところにいるのかしら?」
ルイーズも護衛も全く悪びれない態度だ。
「聖獣様に何をなさるのですか!」
近衛たちはルイーズと護衛を強く睨んだ。
「だって聖獣様だなんて知らなかったんですもの。……大丈夫なのかしら? ううん、このくらい平気よね」
ルイーズは少し動揺した。しかしすぐに持ちなおした。
近衛たちは歯ぎしりをしたが、シスイの手当が先だ。ひとりがシスイを抱えあげ医務室に向かった。
医務室でシスイは医者に診察され、内臓には問題ないとの診察を受けた。シスイは近衛にわふわふとお礼を言い、近衛を任務に戻した。
それから医務室で少し休んでいると、ドアがバタンと開いてユークリッドが駆けこんできた。
「シスイ!!」
ユークリッドは三つ編みを振りみだし、泣きそうになってシスイを抱きしめた。シスイはユークリッドにそんな顔をさせたことに胸が苦しくなり、明るく振るまう。
――大丈夫だから、もうあんまり痛くない。おおげさだよ。
「おおげさじゃない! ルイーズめ!」
――あはは。
「笑いごとではない!」
ユークリッドのひとりごとに医者と、追いかけてきていたシズラーら近衛が目を白黒させた。
――大丈夫。もう治ったから。
ただでさえユークリッドの兄やハラール家と揉めている。自分のことで拗らせたくなかった。
ユークリッドはシャールが呼びに来るまでシスイから離れなかったのだった。
そんなユークリッドを、シスイは手を舐めたり身体をすり寄せたりして慰めた。
近衛の間で、この話は感動的な話として広まった。
聖獣の心の広さ、ユークリッド王との結びつきの強さが彼らの心を打ったのである。もともとの人気がそれを押しあげていた。
シスイはすぐに復活した。ルイーズは図々しくもしばらく王宮に留まるつもりらしい。
東の森へ行こうとしたシスイは、あちらからルイーズが歩いてきているのに遭遇した。慌てて隠れようとしてすぐに見つかってしまった。
「あらあ、聖獣様! いいところに。これから部屋でお茶にしますの。ごいっしょにいかが?」
シスイが迷っているとルイーズは艶やかに微笑んでやさしく言った。
「この前のお詫びですわ。仲直りしたいんですの。さあさあ」
何か情報を得られるかもしれないと思ったシスイは、追い立てられるようにしてあとに従った。
「いらっしゃいませ」
ルイーズの侍女が迎えてくれてシスイは席に登っておすわりをした。侍女長のサラが斜め後ろに立つ。
ルイーズの侍女は焼き菓子と平たい皿に入れた水を出してくれる。
「シスイ様、この前はごめんなさいね」
ルイーズが謝罪をすると、後ろに控えていた護衛も身体を前に倒し礼をする。
シスイもぺこりと頭を下げた。
「あら、シスイ様は言葉がわかるのね。ね、今度わたくしの邸に遊びに来てくださらなくて?」
ルイーズはうっとりするような笑顔を浮かべてシスイを誘った。シスイはすごく困って首を傾けた。
「シスイ様、その話はまたあとでしましょうね。お召し上がりになって」
シスイは焼き菓子を食べ、水を飲んだ。それを見たルイーズの笑顔が残忍な光を帯びる。
「ふふっ、食べたわね? それにはしびれ薬が入っているのよ」
(えっ! なんともないけど。いちおう倒れとくか)
シスイは下手な演技でバタリと倒れた。頭の中は疑問でいっぱいだ。
(こんなことをしたら王妃になんてなれないのになぜ??)
「ルイーズ様、素晴らしいお手並です!」
「どうやらユークリッドさまは手に入らないみたいなんですもの。一度も会いに来てくださらない。だったらあなたを手みやげにするわ」
たまに泊りがけで北の森へ行くこともあった。冒険者ギルドの依頼は受けず、情報を得るためにたまに覗くのみに留めた。
その結果がこれである。
【名前】 水原慧吾(聖獣シスイ)
【レベル】 五十三
【スキル】 浄化魔法Ⅳ 時空魔法Ⅲ 氷魔法Ⅱ 結界魔法Ⅱ 言語理解 毒・瘴気・状態異常無効 身体強化 人化
全体的にレベルアップしている。しかし念話は入っていないので、それはユークリッドについた加護の能力かもしれない、とシスイは推察した。
浄化魔法についてはまだ治癒は使えない。結界魔法は少し厚くなったが、自分から離れると徐々に薄くなる。
東の森から歩いて帰る途中、ガサリ、という音に慧吾は我に返った。そのとき、影からのっそりと大きな銀狐が現れた。
(銀毛!)
慧吾はピンと気を張りつめた。じっとしていると銀毛はだんだんと近づいてくる。
――くううん
「えっ」
突然かわいらしい声で鳴いたかと思うとふっさふさの銀色の尾をふりふりし始めたのである。
「あれっ……。もしかして懐かれてる?」
試しにそっと近寄って手で耳の後ろを掻いてやると、ごろんと寝転がった。しばらくモフっているとがぶりと手を甘噛みされた。
「いやなんでだ……」
何ごともなかったように銀毛は立ちあがり、去っていった。
「良くわからない……」
慧吾は呆然とその後ろ姿を見送った。
それより少し前、珍しくシャールが慌てて執務室に飛び込んできた。執務室で仕事をしていたユークリッドは何事かと仕事の手を止めた。
「ユークリッド、アレが来たっ!」
「アレ?」
ユークリッドはいぶかしげに眉を顰めた。
「ハラール伯爵令嬢だ」
「ルイーズが?」
ハラール侯爵領は、ユークリッドの生家があるアングレア辺境伯領の隣にある。ルイーズはハラール侯爵の長男であるハラール伯爵の末娘だ。ハラール侯爵が亡くなれば、この長男が侯爵を継ぐことになる。
そのルイーズはずっとユークリッドと婚姻を結びたいと願っており、先だっても祖父のハラール侯爵が、ルイーズを第二王妃へと推挙してきていたばかりだ。
「婚約者に会いに来たなどと嘯いてるぞ」
「なんだと? ……私は会わぬ。追いかえせ」
「それが……陛下の兄君といっしょでして」
「なに兄が?」
ユークリッドには兄が二人いて、今日やってきたのは次男のエスラである。彼にはシスイと街に出かけたときに馬車から話しかけられたことがある。そのときにもルイーズに会うように言われたのだった。
「ひとまず応接室に待たせてある」
できるだけ嫌なことを引きのばそうとするかのようにユークリッドはのろのろと立ちあがった。その後ろにシャールとシズラーがそっと控えた。
応接室では男女二人がソファに座ってお茶を飲んで談笑していた。女性の後ろには無表情な護衛騎士が立っている。
赤いドレスを着た金髪の小柄な女性が、ユークリッドが入室すると優雅にカーテシーをした。男性のほうは座ったままだ。
「ユークリッド様、ご無沙汰いたしております」
「兄上、ルイーズ、お久しぶりです。今日は遠いところをお二人そろって如何なさいました」
「お前、ハラール侯爵から足を運んで頂いたのに、恐れ多くも追いかえしたそうだな」
エスラは尊大な態度を崩さない。他国の国王になろうと、スペアにもなれなかった三男だという偏見にとらわれたままなのだ。こうなってからそろそろ四十年になるので、もう変わることはできないだろう。
「追いかえしたとは異なことを。私は第二王妃を娶る気はございませんのでお断り申し上げたまで」
「そんな! 酷うございます。婚姻のお約束を違えてほかの方と婚姻なさったばかりか、今まで捨ておかれてこの年になりましたのに」
崩れおちるようにルイーズが嘆けばエスラがおおげさに慰める。
「かわいそうにルイーズ。しかも第二とはなんだ。身分が上なのだから無論第一王妃だ」
「陛下、次の予定が迫っております」
ユークリッドの美しい目が魔獣に向ける光を帯びたのを見て、間髪いれずシャールが遮った。ユークリッドは下を向いて息を細く長く吐き、上を向いたときにはもとの無表情に戻っていた。
「なにぶん忙しい身ゆえ、失礼する」
それでも最初よりぞんざいな言葉により、その場をぶつりと断ちきるようにユークリッドは出ていった。シズラーがすぐに傍らに添う。
残された客人二人を客間に通すようシャールは近衛に言いつけ、ユークリッドのあとを追っていった。
ルイーズとその護衛は、腹を立てながら近衛について廊下を歩いていた。エスラは別の近衛に案内されてすでに姿はない。
そこへ外から戻ったシスイが、向こうからひとりで歩いてきた。すれ違うときになって、シスイは立ちどまって廊下の端に寄った。
――――突如として腹に激しい痛みを感じたシスイは、空中に投げだされていた。
(っ! いってえええっ!!)
シスイは驚きと痛みで一瞬息が詰まった。吐き気がこみ上げ、動くことができない。
「シスイ様!!!!」
近衛たちがいっせいにシスイに駆けよった。
「汚らわしい獣めがっ、ルイーズ様のそばに寄るな!」
「どうしてそんなものがこんなところにいるのかしら?」
ルイーズも護衛も全く悪びれない態度だ。
「聖獣様に何をなさるのですか!」
近衛たちはルイーズと護衛を強く睨んだ。
「だって聖獣様だなんて知らなかったんですもの。……大丈夫なのかしら? ううん、このくらい平気よね」
ルイーズは少し動揺した。しかしすぐに持ちなおした。
近衛たちは歯ぎしりをしたが、シスイの手当が先だ。ひとりがシスイを抱えあげ医務室に向かった。
医務室でシスイは医者に診察され、内臓には問題ないとの診察を受けた。シスイは近衛にわふわふとお礼を言い、近衛を任務に戻した。
それから医務室で少し休んでいると、ドアがバタンと開いてユークリッドが駆けこんできた。
「シスイ!!」
ユークリッドは三つ編みを振りみだし、泣きそうになってシスイを抱きしめた。シスイはユークリッドにそんな顔をさせたことに胸が苦しくなり、明るく振るまう。
――大丈夫だから、もうあんまり痛くない。おおげさだよ。
「おおげさじゃない! ルイーズめ!」
――あはは。
「笑いごとではない!」
ユークリッドのひとりごとに医者と、追いかけてきていたシズラーら近衛が目を白黒させた。
――大丈夫。もう治ったから。
ただでさえユークリッドの兄やハラール家と揉めている。自分のことで拗らせたくなかった。
ユークリッドはシャールが呼びに来るまでシスイから離れなかったのだった。
そんなユークリッドを、シスイは手を舐めたり身体をすり寄せたりして慰めた。
近衛の間で、この話は感動的な話として広まった。
聖獣の心の広さ、ユークリッド王との結びつきの強さが彼らの心を打ったのである。もともとの人気がそれを押しあげていた。
シスイはすぐに復活した。ルイーズは図々しくもしばらく王宮に留まるつもりらしい。
東の森へ行こうとしたシスイは、あちらからルイーズが歩いてきているのに遭遇した。慌てて隠れようとしてすぐに見つかってしまった。
「あらあ、聖獣様! いいところに。これから部屋でお茶にしますの。ごいっしょにいかが?」
シスイが迷っているとルイーズは艶やかに微笑んでやさしく言った。
「この前のお詫びですわ。仲直りしたいんですの。さあさあ」
何か情報を得られるかもしれないと思ったシスイは、追い立てられるようにしてあとに従った。
「いらっしゃいませ」
ルイーズの侍女が迎えてくれてシスイは席に登っておすわりをした。侍女長のサラが斜め後ろに立つ。
ルイーズの侍女は焼き菓子と平たい皿に入れた水を出してくれる。
「シスイ様、この前はごめんなさいね」
ルイーズが謝罪をすると、後ろに控えていた護衛も身体を前に倒し礼をする。
シスイもぺこりと頭を下げた。
「あら、シスイ様は言葉がわかるのね。ね、今度わたくしの邸に遊びに来てくださらなくて?」
ルイーズはうっとりするような笑顔を浮かべてシスイを誘った。シスイはすごく困って首を傾けた。
「シスイ様、その話はまたあとでしましょうね。お召し上がりになって」
シスイは焼き菓子を食べ、水を飲んだ。それを見たルイーズの笑顔が残忍な光を帯びる。
「ふふっ、食べたわね? それにはしびれ薬が入っているのよ」
(えっ! なんともないけど。いちおう倒れとくか)
シスイは下手な演技でバタリと倒れた。頭の中は疑問でいっぱいだ。
(こんなことをしたら王妃になんてなれないのになぜ??)
「ルイーズ様、素晴らしいお手並です!」
「どうやらユークリッドさまは手に入らないみたいなんですもの。一度も会いに来てくださらない。だったらあなたを手みやげにするわ」
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