真実の愛の為に

ひづき

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後日談

【R18】まだ成長の余地がある

※攻めによるフェラ行為のみ
※20歳 × 24歳


 両親の死後、叔父(当時は祖国の公爵だった)に引き取られてからというもの、一人になった覚えがないことに気づいた。

 肉親を失った子供への配慮からなのか、屋敷の人達は誰かしら常に俺の傍にいたし、使用人の浴室は共同使用だったし、部屋も4人部屋だった。

 16歳で、当時12歳のリロンドに出会ってからは、常にリロンドと一緒だ。リロンドが復学後は従者として学校に付き添い、立ち上げた商会では秘書として離れず、プライベートでは恋人として一緒にいる。買い物すら一人で行ったことがない。

 それを当たり前のものとして受け入れてきたが、よく考えればおかしいのでは?と気づいた。俺は24歳になっていた。

 一人になろうと思った時、障害になるのは俺の恋人だ。同じ屋根の下では納得せず、基本的に同じ室内に、目の届く場所にいることを要求してくる俺の支配者。被支配者が特に苦痛に感じていないため、それほど深刻な問題ではない。

「リロ、すまない。一時間でいいから一人の時間をくれないか?」

「浮気か!?」

 向かい側のソファから血走った眼差しが俺を刺す。彼が手に持っていた明日の会議資料は悲しい音を立てた。恐らく破れたのだろう。30枚綴りの分厚い紙をどれだけ一度に破いたのかまでは追求しないことにする。

 予想通りの反応に、俺は嘆息した。

「家からは出ないし、何ならドアの前で見張ってて構わないけど?」

「ドアを開けて見張りたいんだが」

「最早同じ空間にいるよね?一人じゃないよね?」

 むぅ、と口先を尖らせる様は、彼の女装時代を彷彿とさせる幼さがある。可愛かったので、俺は諦めることにした。

「やっぱりいいや。変なこと言ってごめん」

「待て!どうしてそういう考えに至ったか説明しろ!」

 不安で仕方ないと、ローテーブルを叩き割る勢いで前のめりになり、俺の両肩を掴む。迫力は凄いが、特に怖いとは思わない。どんなに機嫌が悪くても、例え言い争いになっても、基本的に俺を害することはないという確信があるからかもしれない。

「いやさ、最初の頃に比べれば俺たちの性交の回数減っただろ?」

 最初に交わったのは彼が18歳の時だ。

「─────、それで?」

 納得しないまでも、取り敢えず続きを聞くことを選択した彼に、小さく頷き返す。

「俺がマグロすぎたかなとか、尻穴が緩んできたかなとか、ちょっと真剣に原因を検討したくて。お前が目の前にいるとムラムラしてきそうだから一人で考える時間が欲しい」

「やめろ、やめてくれ!今の俺を、当時の性行為覚えたての猿と一緒にしないでくれ!!あの頃の一日2~4ラウンドを毎日っていう回数の方がおかしいんだ!気にするな!!」

 顔面を両手で覆い、リロンドは俯きつつ叫び出してしまった。耳まで赤いので、恐らく恥じているのだろう。

 適切な回数や一般的な頻度というものが全くわからないし、聞ける相手もいないため、俺はよくわからないと首を傾げる。

「そうなのか?」

「そうだよ!!」

 半ばヤケクソで叫ぶリロンドが可愛くて、愛しくて、俺は立ち上がり、彼の隣に移動する。彼の手から無粋な仕事を奪い去って、伸し掛る。

「なぁ、リロ。お前の、咥えてみたい」

 指先でつーッと、スラックス越しに雄の象徴をなぞる。俺の躯を抱きとめつつ、リロンドは激しく首を左右に振った。

「だめだ!オレのアーヴィンが穢れる!!」

 天使が!とか、わけのわからない単語が聞こえたのはスルーする。

「積極的な俺は嫌?」

「背徳的過ぎてオレの精神が死ぬからあと数年は遠慮してくれ」

「数年…」

 強気で生意気なリロンドが、珍しく半泣きになって俺の両肩を揺さぶる。───彼の脳内と現実の乖離が心配だ。

「あと、許されるなら俺がアーヴィンのを咥えたい」

 やけに緊張した面持ちで、一体何を言っているのか。

 そもそも許可をとるという発想があったことに驚く。今まで許可をとられた覚えがない。あったとしても笑顔でイエス以外認めないと脅迫付きだった。

「リロを、俺が拒むわけ、ない、だろ」

 急激に口の中が渇いて、顔が熱い。行動よりも言葉にする方が恥ずかしいなんて、知らないし、困る。





 自分の仕えるべき主が、床に膝をついてこちらを仰いでいる。しかも、下半身裸になった俺の脚の間に座り、股間を凝視している。正直居た堪れないので、あまり見ないで欲しい。見られているというだけで、陰茎は熱を帯び、硬度を増して、ふるふると切なげに震えていた。

「ひン!」

 熱い手が、まるで容易く死んでしまう小動物を保護するかのような手つきで俺の陰系を両手で支える。彼の目が、明らかに意図を持ってそれをじろじろと視姦する。

「きれいだな」

 などと揶揄されると、我慢できずリロンドを蹴り飛ばした。

「そりゃ一度もまともに使ったことないからな!」

 主にリロンドのせいである。

 かわいい、と先端にバードキスが降ると、もどかしさに躯が震えた。それを合図にして、リロンドの舌が亀甲をチロチロと舐め回す。グルッと、先端と刀身の境目を舌で抉られると、ピリッとした痛みに、「ひッ」と変な声が出た。

 生温かな空間に包まれたことで、自分が目を瞑っているのだということに気づく。目を開けてはいけないと思った。俺のアレをアーヴィンが咥えている様なんて、見たら心臓が破裂して死にそうだ。

 全体を無理に口に入れるつもりはないらしく、触れるか触れないか、絶妙なバランスで彼の上の歯が俺の陰茎を緩やかに撫でる。もちろん彼のことは信頼している。信頼しているのに、噛まれるのではないかという恐れと、くすぐったいような痛いような感触に、全身に力が入って息苦しい。

 彼の舌は、陰茎の裏筋を右往左往するように舐め回す。じゅぽ、じゅりゅ、と、湿った音を立てている。耳を塞ぎたいのに、俺の両手はリロンドの頭を抱えるように縋り付くので精一杯だ。

「!」

 不意に強く、喉元まで一気に包まれて、ずずっと吸われると、俺は声さえ出せないまま呆気なく吐精した。

 ゴホッゴホッ!と噎せるリロンドの声で正気に戻る。まさかこんなに早くイってしまうとは…!!

「ご、ごめん!」

「大丈夫。めっちゃ興奮した。次はもっと上手くやる」

 ───次、あるんだ?

 俺たちの関係にはまだ成長の余地があるらしい。



 …取り敢えず、イくのを我慢する練習したい。



[完]

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