恋は意図せず落ちるモノ

ひづき

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 いくら頭で否定しても現実は無情。最近良い雰囲気になった男爵令嬢のラーナを必死に思い浮かべようとカレアドは苦心する。ラーナの華奢な割に豊満な乳房。柔らかな曲線を描くお尻。大きな垂れ目で上目遣いに見つめてくる姿。どれを並べても同性リーセルの蕩けた表情に勝てず、すぐにかき消されてしまう。

 だったらいっそルーティアで想像すればいいのだと思い至る。名案だとカレアドは自身の発想力を褒め称えたい気分だった。リーセルの双子なだけあってルーティアは似ているのだから想像を差し替えるのは容易なはず…

 ───ゃ、あッ

 耳に残る喘ぎがカレアドの思考を掻き乱す。沸騰する頭を抱えてカレアドは渦巻く苦悩を絶叫しようと大きく息を吸った。



 ところで、背後から殴打され、カレアドは芝生の上に倒れ込んだ。



 □ □ □ □ □



 ひたすら乳首を嬲られ、高ぶる身体で身悶えるばかりで。リーセルは結局乳首だけで果てることができず、繰り返し絶頂の寸前まで追い詰められた。疲れ果て、脱力してゼリュート様の胸元に寄り掛かる。シャツの前面は開けたまま。外気に曝されたままの乳首はつんと尖って更なる刺激を求めているかのよう。そんな己の痴態に羞恥心を抱えて混乱していたが、不意に違和感を覚えて瞬いた。

「ゼリュートさま…?」

 ゼリュートはやや遠くを見ていたが、すぐに視線をリーセルへと戻す。

「そろそろ中に入ろうか」

「…隠し事ですか?」

 少しだけムッとして拗ねる。これじゃ子供だと自覚しつつも呑み込めなかった。

「カレアドが護衛に捕まったらしい」

「はい?」

 かれあどって誰だっけ。ゼリュート様の手に腰を撫でられるだけで身体の芯が揺さぶられる。頭が回らない。脳が答えに辿り着いても、意味を理解するのは難しかった。何で奴がここにいるのか意味が分からない。

「他の男のことなんて考えないで」

「んっ、は、」

 ゼリュートの指がリーセルの唇を撫で、そのまま口腔内に差し入れられる。驚きつつも口の中を撫で回す指に翻弄される。接吻の際に口の中でも快感を得られるのだと覚えてしまったせいで、心地良さに逆らえない。

「あぁ、良い子だね、堪らない」

 リーセルはゼリュートに抱え上げられ、屋敷内に入っていく。

 その時になり、自分が屋外にいたことを改めて自覚し、その屋外でなんてコトをされてしまったのだろうと培ってきた社会通念に批判され、顔が真っ赤になる。考えないようにしようと思うほど、何をされたかが蘇ってきた。吸われたり舐められたり、抓られたり撫で回されたりと色々されたが、中でも乳頭を転がされるのが一番気持ち良かった。思い出すだけで胸が疼く。

「なんてえっちな顔してるの」

「だって…、胸だけじゃイケなかったんですもん」

「そのうち雄っぱいだけでイケるように躾けてあげるから楽しみにしてて」

 不穏な予告と共に寝台に下ろされた。されるがままリーセルは脱力して寝転がり、覆い被さってくるゼリュート様を仰ぎ見る。強い雄に支配される感覚の心地良さを知ってしまったリーセルは夢見心地で目を細めた。

 彼のゴツゴツとした手がリーセルの下半身から衣服を抜き去っていくのを、腰を浮かして手伝い、露わになった臀部を見せつけるよう、うつ伏せになる。リーセルのアナルを埋めるのは、今朝ゼリュート様に挿入された張型だ。ゼリュート様の陰茎よりも細い。少しずつ張型を太くしていき、アナルを拡張させるつもりだとゼリュート様から聞かされている。身体を作り変えられていく恐怖すら性感として認識してしまう自身の異常さ。異常だと思うのに、覚えたのは歓喜だ。

「痛みはないか?」

「んぅ、だいじょぶ、です」

 張型を引っ張られると、正直、渇き始めていた縁の粘膜が引き攣れて痛い。しかし耐えられない程ではない。それどころか痛みにさえ感じてしまう。

「無理はダメ、力抜いて」

「ふあっ!」

 唾液を纏った舌が、張型を咥え込むアナルの縁をなぞる。予想外の刺激にリーセルは驚き、身悶えた。言葉より雄弁なゼリュートの熱い両手に腰を掴まれ逃げられない。ぴちゃぴちゃという音に耳を犯されていく。

 ようやく舌が離れたと安堵したのも束の間、穴を埋める張型を引っ張られる感覚に、リーセルは背中をしならせた。

「あ、あ、あ、んんッ」

 抜き去る直前で止まったかと思えば勢い良く差し込まれる。リーセルの息も整わないうちに、またゆっくりと抜かれ始め、勢い良く差し込まれる。ずちゅずちゅっと張型に胎内を掻き回され、先程までの戯れで熱を溜め込んでいた身体は呆気なく追い上げられる。

 今すぐ射精したいという欲求に我慢できず、リーセルは自身の股間に手を伸ばした。そこは情けなく汁を零している。

「いいよ、お尻をイジメられながら扱いて放つところ見せて」

 うつ伏せから横向きに転がされ、股間を注視される。その事実を認識しただけでリーセルの脳はカッと熱くなる。目の奥がちかちかして、口端から零れる涎を止められない。

「は、恥ずかし…、ひぁっ」

 身を捩ってシーツを足先で蹴るように動かし、股間を隠そうとする。合わせてお尻を貫く張型が出口側に少しだけ動いた。予想外に内部を抉られ、意図しない嬌声が溢れ出す。

 くすり、と笑ったゼリュートにより、胎内を貫く張型が完全に抜き去られて。それすら気持ち良くてビクビクと身体が跳ねた。
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