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しおりを挟む飛び出した雄の象徴に鼻を寄せ、両手で幹を包み込んで。まるでジュースでも飲むかのように先端から溢れる先走りに青砥の薄い唇が吸い付いた。必死に吸うのに出て来ない。射精させなければ出て来ないのだということを理解できていないようだ。不満げに眉尻を下げるのを見たら和佐は笑うのを堪え切れずに吹き出してしまった。
「青砥さん、もっと舐め回してイイコイイコしてくれないと出ないよ」
「ちゅぷ、ふん、んんッ」
酷く拙い性技だ。だが、それが良い。無知を染める楽しみを思い描いてゾクゾクと背筋が震えた。今の自分はどれだけ凶悪な笑みを浮かべているのだろうか。
欲しい欲しいと。飢えを癒やすことだけ考え、陰毛が顔に触れるのも厭わずに手と舌で竿を撫で回す。その光景に脳が痺れた。
「ん、出そう。ほら、口開けて」
「あー…」
先程より硬さを増した竿の先端を加え込み、吸い付く。逆らわずに出すと勢いが良すぎたらしく、ゲホゲホと青砥は噎せ始めた。口端から白濁を垂らしながらも、悦に浸った瞳で嚥下し、舌で口周りを舐め拭う。
「満足した?」
「…ん、まだ、たりない」
はーはー、と再び荒い吐息を吐いて萎えた陰茎に鼻を寄せてくる。そんな青砥の顎を捕らえて視線を合わせた。合っているけど、合っていない。未だ青砥は熱に浮かされた夢現の中にいるらしい。
「ちゃんとあげるから、おいで」
メス穴と化した後腔に指三本差し入れ、ぐちゅぐちゅと掻き混ぜる。和佐の表情筋は愉悦を隠し切れない。特に中のしこりを撫でる度、面白いほど敏感に青砥の身体がびくんびくんっと跳ねる。
そんな青砥が握り締めて口に含んだり鼻に寄せたりしているのは和佐の衣類だ。和佐の陰茎を離そうとしない青砥に、思いつきで与えたもの。苦肉の策だったが、正解だったらしい。そう言えばΩは発情期にαのフェロモンが染み付いた衣服を集めて自身を囲む習性があると聞いた覚えがある。発情期はとにかくαのフェロモンに満たされていないと気が狂いそうになるのかもしれない。
「や、あ、は、も、そこ、だめ…!」
「だめ?気持ちいいでしょう?」
「ちが、ちがう、きもち、ほしい、たりない…!!も…、やぁ、ひぁんッ」
和佐が想定していた以上に青砥の身体はΩとして急速に適応しているようだ。そうでなければこんなにも短時間で容易に男性の処女穴が広がるはずがない。欲しいのは快楽ではないと訴えて泣きながらも、気持ち良さに逆らえないらしい。膨らんだ陰茎の先からも涙を零すように体液を滲ませ、口ではイヤイヤと言いながらも自ら脚を大きく開いて和佐の前に無防備な秘部を差し出している。
「まだ痛いと思うけど」
「ちょうだい!はやく!はやく…!」
もっとグズグズに溶かしてから一つに溶け合うように合体したかったのに、早く早くと急かす声と、強まる甘い匂いに和佐の思考力は奪われていく。まだ入り口近くしか解せていないが、股間が痛いほど張り詰めてきた。自分の方が追い詰められている、その事実に和佐は舌打ちする。
αは捕食者だと思っていた。だが現実は違ったのかもしれない。捕食者はΩの方で、そのフェロモンに誘われたαは捕食者の夢を見せられているだけの下僕なのではないだろうか。
「あああああっ!!いた、いたい、あっ」
一気に貫く。最早コントロールが出来ない。頭の中が酸欠のようにくらくらする。酸素を求めて喘ぐと甘い甘い青砥のフェロモンが入り込んでくる。侵食されていく。
「はー、はー、はー、」
飢えた獣のような呼吸音を、和佐はどこか他人事の様に聞いていた。
「あ、おっきくすんな、ばか、」
まだ、まだ奥に入りたい。薄い腹を突き破ってやりたい。子宮、子宮はどこだ。そんな思考が這い上がって来て自分を見失いそうになる。和佐の身体を強く抱き締めて身動きを封じて、ねちねちと入り切らない陰茎を更に奥へ進めようと腰を揺らす。濃くなる甘い匂いに、和佐の歯が疼いた。噛みたい、食べたい、噛みたい。目の前の鎖骨に歯を立てた。痛みに青砥が身を捩ることさえ許さないとばかり力を込めて抱き締める。
「ふ、ふ、ふ、」
「やだ、やめ…、いたい、あぁッ」
鎖骨に、喉元に、首筋に。噛み付いても噛み付いても物足りない。噛み付くたびに青砥の胎内がぎゅうぎゅうと締め付けて来る。搾り取られるように和佐は精液を吐き出した。
「ぅあ、でてる…」
呆然と、胎内で出されているという事実を呟く青砥は絶望しているような口調なのに、顔を紅潮させて喜んでいるように見えた。中出ししたお陰なのか少しだけ和佐の頭が冷え始める。顔を上げると青砥の首周りは血だらけになっていた。申し訳ないことをしたと思う反面、自分の獲物なのだから何をしても許されるはずだというαの傲慢さが顔を出す。
「も、ぬいて」
「んー、でも、まだ足りないでしょう?青砥さんのココは足りないって訴えてるよ」
「ひゃ」
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