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第五十七話 後編 他国の留学生
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私の目の前には短期留学生のグルト・ラズ様がいらっしゃいます。
「ビアード公爵令嬢いや、レティシア、俺と婚約しないか?」
差し伸べられる手を取るつもりはありません。魅惑的な微笑みに頬を染める令嬢達の様子に嫌な予感がして、興味はありませんが聞き耳を立ててる令嬢達のために事実確認をしましょう。
「申し訳ありません。私は父の命に従いますのでお答えできません。確認しますが目的はなんでしょうか?」
「君に魅了されたよ。妹を操縦できる令嬢がいるとは。妹が君に嗜められたと反省してたよ。うちの妹を反省させる令嬢がいるなんて」
新しい理由ですわね。よくアリス様とルイーザ様のお茶会に招待されますが、操縦できません。令嬢達に嫉妬の視線を向けられてますが理由聞きましたよね?お世話係ですよ?
「勘違いですわ。ご令嬢達の嫉妬の目が怖いのでお戯れはおやめください」
「俺に全く興味のないところも気に入っている。君との子供なら美人に間違いない」
「お戯れを」
「真剣に考えてくれないか?」
「我が国は令嬢に選択肢はありません。もし本気で望まれるならお父様と相談されてください。私から婚姻について話すことはありません」
人気の殿方は興味を示さない令嬢が珍しいんでしょうか・・。リオだけでも面倒でうんざりしてますのに、これ以上勘弁していただきたいですわ。
「まずは君の兄を説得すればいいか」
「お父様にお願いします。兄は忙しいのでご勘弁ください」
この兄妹、人の話を聞かないところがそっくりですわ。
「レティシア様、迎えに参りました!!」
元気な声でルイーザ・ラズ侯爵令嬢がアリス様と一緒に教室に来ました。私は今日は二人と約束してないんですが・・。
アリス様の申しわけなさそうな顔を見て察しました。
「ルイーザ様、申し訳ありません。私、これから予定がありまして」
「ご一緒させてください」
私はエイベルのファンクラブのお茶会に行きたかったんですが絶対に同行させられません。
「レティシア様、私がロキと一緒に伺いますよ」
愛らしい笑顔のステラは女神かもしれません。
ロキは美少年なのでお茶会に同行させると令嬢達が喜びます。そのうちロキのファンクラブが出来たらどうしましょう。執事のファンクラブは前代未聞ですよね。現実逃避している場合ではありませんでしたわ。
「ステラ、ありがとうございます。」
ルイーザ様をないがしろにはできないので、ステラ達に甘えましょう。
私が用意したエイベルからファンクラブのご令嬢達への贈り物の手配をロキに教えておいて良かったです。
「レティシア、俺もいいか?」
「カーチス様はどちらに?」
「見当たらない」
カーチス様、接待役が何してますの!?
カーチス様がいないなら代役を務めないといけません・・。
「かしこまりました。フィル、カーチス様が戻ったらラズ様は私の部屋にいると伝えてください」
頷いてくれるフィルに任せ私の部屋に移動してお茶の用意をマナにさせました。
「レティシア様、リオ様との出会いを教えてください!!」
ルイーザ様はリオの話が好きなようです。
婚約したいなら情報は大事ですよね。リオについて調べていないので、教えられることは少ないですが。
「兄と一緒に武術の名門伯爵家に行った時にお会いしました。私は別に訓練してましたのでほとんど関わりありません」
「レティシア様は武術の嗜みがあるんですか!?」
「嗜み程度です。お恥ずかしながら弱いです。兄には弓以外では敵いません」
「今度一緒に訓練しましょう!!私、体がなまってしまいまして」
監督生の資格を取ったフィルに付き添ってもらえばいいでしょう。やはり武術を学ばれているようです。令嬢に決闘を申し込む令嬢ですものね・・。放っておいて問題をおこされたらたまりません。
「私で良ければ。ただし手合わせはしません」
「え・・」
驚いた顔をされても困ります。
どうして外交問題になりそうな令嬢をラル王国は送ってきたんでしょうか・・?
なにか思惑が?今の情勢で友好国ですしありえませんわ。ラル王国よりはフラン王国のほうが大きく財力はもちろん、武力も魔法も上なので、戦を仕掛けるわけはありませんし・・。穏便にすませるように頑張りましょう。
「どちらかが怪我をすれば私がクロード殿下に怒られてしまいますのでご勘弁ください」
「わかりましたわ。レティシア様、リオ様に一度も惹かれたことはありませんか?」
海の皇女様よりは言葉は通じることに安心しました。
今のリオに惹かれたことはありません。
「はい」
「どうしてですか?」
「好みはそれぞれですわ」
「レティシアの好みは?」
グルト・ラズ様に名前で呼ばないで下さいと言うのは友好を深めにきたので失礼にあたりますよね・・。
「婿入りしてくださり、兄夫婦を一緒に支えてくださる方です」
「具体的に」
「ビアード家門に相応しく、父の選んだ方なら誰でも構いません」
「投げやりすぎないか?」
どうして好みに駄目だしをされてるんでしょうか・・。
「フラン王国は当主が婚姻を決めます。定められた相手に誠心誠意お仕えするだけです。恋慕う方と婚姻できる方もいますが、私には恋は不要です」
「試しでいいよ。俺が教えてあげるよ。恋人を作ることは許されているんだろう?」
そっと私の手を握り、耳元で囁くラズ様の手を解きます。ため息を飲み込み笑みを浮かべます。
「そういう遊びは間に合ってます。私は令嬢に人気な殿方は苦手ですのでご勘弁ください」
噴き出す音に視線を向けるとルイーザ様が肩を震わせて笑ってます。
「お兄様がフラれてる!!ラズの貴公子が」
アリス様が困惑した顔をしています。
「レティシア」
囁く声に視線を戻すと見つめられて髪に手を伸ばされたんですが、振り払っていいんですか・・。私はラル王国の作法は知りません。
髪を梳かれて一房手に取られ、甘さをこめた瞳で見つれられてます。髪に口づけられて、色気のある微笑みをむけられましたが振り払っていいものでしょうか…。私はこれでも生前に成人してますので、子供の遊びに動揺しませんわ。
「レティシア!?」
慌てる声が聞こえて振り向くと、リオとカーチス様がいました。
「カーチス様、お疲れさまです。ラズ様のおもてなしを代わってください」
「離れてくれないか」
純真なアリス様は可哀想に赤面して戸惑った顔をしています。
「マール様、振り払ったら外交問題になりますか?」
「ならない。むしろ、訴えるなら喜んで協力するよ」
なら問題ありませんね。リオも純真な後輩が惑わされて怒っているようです。ラズ様を笑顔で睨みつけます。
「アリス様に同じことをしたら沈めますので覚えておいてください」
「は?」
「お兄様、全く相手にされてませんわ」
「マール様、何かご用でしょうか?」
「グルトを迎えにきた。代役悪いな。行くか」
「リオ!?」
リオに腕を引かれてラズ様が立ち去っていきました。楽しそうにしているルイーザ様と困惑しているアリス様に笑いかけます。
「アリス様、遊ばれてるだけですわ。放っておくのが一番です」
「レティシア様、さっき」
「頬や手、髪への口づけは挨拶代わりの国もあります。ラズ様の真意はわかりませんが、」
「まさか、お兄様が全く相手にされないなんて…」
困惑しているアリス様を宥めて、上機嫌なルイーザ様と共に送り出しました。
翌日はフイルとルイーザ様と訓練を共にしました。私は接待役ではないのに、振り回されてます。でもアリス様には手に負えなそうなので仕方ありません。
***
「ルイーザ様、申しわけないんですがお兄様をなんとかしていただけませんか?」
「お兄様は武術もできますし、ビアード公爵家に婿入りしても問題ありませんわ」
「家の利がありません。それに常に兄夫婦をたてての生活はお兄様には向かないと思います。自己顕示欲が強そうですから・・・」
「否定はしません。レティシア様、うちはいつでも歓迎しますわ」
「お気持ちだけで」
ラズ侯爵兄妹に付き纏われながらも無事に留学期間をおえました。
ラル王国への留学の勧めもありましたがお断りさせていただきました。二人の王女様はクロード殿下の御眼鏡に敵わなかったらようです。クロード殿下はまだ婚約者を決める気がないようです。これ以上煩わしいことを増やしたくないと零しておりました。
今世の殿下はお忙しそうです。
殿下のブリザードを受けることなく問題なく留学が終わって良かったですわ。やっと平穏な日が戻ってきますかねぇ・・。
「ビアード公爵令嬢いや、レティシア、俺と婚約しないか?」
差し伸べられる手を取るつもりはありません。魅惑的な微笑みに頬を染める令嬢達の様子に嫌な予感がして、興味はありませんが聞き耳を立ててる令嬢達のために事実確認をしましょう。
「申し訳ありません。私は父の命に従いますのでお答えできません。確認しますが目的はなんでしょうか?」
「君に魅了されたよ。妹を操縦できる令嬢がいるとは。妹が君に嗜められたと反省してたよ。うちの妹を反省させる令嬢がいるなんて」
新しい理由ですわね。よくアリス様とルイーザ様のお茶会に招待されますが、操縦できません。令嬢達に嫉妬の視線を向けられてますが理由聞きましたよね?お世話係ですよ?
「勘違いですわ。ご令嬢達の嫉妬の目が怖いのでお戯れはおやめください」
「俺に全く興味のないところも気に入っている。君との子供なら美人に間違いない」
「お戯れを」
「真剣に考えてくれないか?」
「我が国は令嬢に選択肢はありません。もし本気で望まれるならお父様と相談されてください。私から婚姻について話すことはありません」
人気の殿方は興味を示さない令嬢が珍しいんでしょうか・・。リオだけでも面倒でうんざりしてますのに、これ以上勘弁していただきたいですわ。
「まずは君の兄を説得すればいいか」
「お父様にお願いします。兄は忙しいのでご勘弁ください」
この兄妹、人の話を聞かないところがそっくりですわ。
「レティシア様、迎えに参りました!!」
元気な声でルイーザ・ラズ侯爵令嬢がアリス様と一緒に教室に来ました。私は今日は二人と約束してないんですが・・。
アリス様の申しわけなさそうな顔を見て察しました。
「ルイーザ様、申し訳ありません。私、これから予定がありまして」
「ご一緒させてください」
私はエイベルのファンクラブのお茶会に行きたかったんですが絶対に同行させられません。
「レティシア様、私がロキと一緒に伺いますよ」
愛らしい笑顔のステラは女神かもしれません。
ロキは美少年なのでお茶会に同行させると令嬢達が喜びます。そのうちロキのファンクラブが出来たらどうしましょう。執事のファンクラブは前代未聞ですよね。現実逃避している場合ではありませんでしたわ。
「ステラ、ありがとうございます。」
ルイーザ様をないがしろにはできないので、ステラ達に甘えましょう。
私が用意したエイベルからファンクラブのご令嬢達への贈り物の手配をロキに教えておいて良かったです。
「レティシア、俺もいいか?」
「カーチス様はどちらに?」
「見当たらない」
カーチス様、接待役が何してますの!?
カーチス様がいないなら代役を務めないといけません・・。
「かしこまりました。フィル、カーチス様が戻ったらラズ様は私の部屋にいると伝えてください」
頷いてくれるフィルに任せ私の部屋に移動してお茶の用意をマナにさせました。
「レティシア様、リオ様との出会いを教えてください!!」
ルイーザ様はリオの話が好きなようです。
婚約したいなら情報は大事ですよね。リオについて調べていないので、教えられることは少ないですが。
「兄と一緒に武術の名門伯爵家に行った時にお会いしました。私は別に訓練してましたのでほとんど関わりありません」
「レティシア様は武術の嗜みがあるんですか!?」
「嗜み程度です。お恥ずかしながら弱いです。兄には弓以外では敵いません」
「今度一緒に訓練しましょう!!私、体がなまってしまいまして」
監督生の資格を取ったフィルに付き添ってもらえばいいでしょう。やはり武術を学ばれているようです。令嬢に決闘を申し込む令嬢ですものね・・。放っておいて問題をおこされたらたまりません。
「私で良ければ。ただし手合わせはしません」
「え・・」
驚いた顔をされても困ります。
どうして外交問題になりそうな令嬢をラル王国は送ってきたんでしょうか・・?
なにか思惑が?今の情勢で友好国ですしありえませんわ。ラル王国よりはフラン王国のほうが大きく財力はもちろん、武力も魔法も上なので、戦を仕掛けるわけはありませんし・・。穏便にすませるように頑張りましょう。
「どちらかが怪我をすれば私がクロード殿下に怒られてしまいますのでご勘弁ください」
「わかりましたわ。レティシア様、リオ様に一度も惹かれたことはありませんか?」
海の皇女様よりは言葉は通じることに安心しました。
今のリオに惹かれたことはありません。
「はい」
「どうしてですか?」
「好みはそれぞれですわ」
「レティシアの好みは?」
グルト・ラズ様に名前で呼ばないで下さいと言うのは友好を深めにきたので失礼にあたりますよね・・。
「婿入りしてくださり、兄夫婦を一緒に支えてくださる方です」
「具体的に」
「ビアード家門に相応しく、父の選んだ方なら誰でも構いません」
「投げやりすぎないか?」
どうして好みに駄目だしをされてるんでしょうか・・。
「フラン王国は当主が婚姻を決めます。定められた相手に誠心誠意お仕えするだけです。恋慕う方と婚姻できる方もいますが、私には恋は不要です」
「試しでいいよ。俺が教えてあげるよ。恋人を作ることは許されているんだろう?」
そっと私の手を握り、耳元で囁くラズ様の手を解きます。ため息を飲み込み笑みを浮かべます。
「そういう遊びは間に合ってます。私は令嬢に人気な殿方は苦手ですのでご勘弁ください」
噴き出す音に視線を向けるとルイーザ様が肩を震わせて笑ってます。
「お兄様がフラれてる!!ラズの貴公子が」
アリス様が困惑した顔をしています。
「レティシア」
囁く声に視線を戻すと見つめられて髪に手を伸ばされたんですが、振り払っていいんですか・・。私はラル王国の作法は知りません。
髪を梳かれて一房手に取られ、甘さをこめた瞳で見つれられてます。髪に口づけられて、色気のある微笑みをむけられましたが振り払っていいものでしょうか…。私はこれでも生前に成人してますので、子供の遊びに動揺しませんわ。
「レティシア!?」
慌てる声が聞こえて振り向くと、リオとカーチス様がいました。
「カーチス様、お疲れさまです。ラズ様のおもてなしを代わってください」
「離れてくれないか」
純真なアリス様は可哀想に赤面して戸惑った顔をしています。
「マール様、振り払ったら外交問題になりますか?」
「ならない。むしろ、訴えるなら喜んで協力するよ」
なら問題ありませんね。リオも純真な後輩が惑わされて怒っているようです。ラズ様を笑顔で睨みつけます。
「アリス様に同じことをしたら沈めますので覚えておいてください」
「は?」
「お兄様、全く相手にされてませんわ」
「マール様、何かご用でしょうか?」
「グルトを迎えにきた。代役悪いな。行くか」
「リオ!?」
リオに腕を引かれてラズ様が立ち去っていきました。楽しそうにしているルイーザ様と困惑しているアリス様に笑いかけます。
「アリス様、遊ばれてるだけですわ。放っておくのが一番です」
「レティシア様、さっき」
「頬や手、髪への口づけは挨拶代わりの国もあります。ラズ様の真意はわかりませんが、」
「まさか、お兄様が全く相手にされないなんて…」
困惑しているアリス様を宥めて、上機嫌なルイーザ様と共に送り出しました。
翌日はフイルとルイーザ様と訓練を共にしました。私は接待役ではないのに、振り回されてます。でもアリス様には手に負えなそうなので仕方ありません。
***
「ルイーザ様、申しわけないんですがお兄様をなんとかしていただけませんか?」
「お兄様は武術もできますし、ビアード公爵家に婿入りしても問題ありませんわ」
「家の利がありません。それに常に兄夫婦をたてての生活はお兄様には向かないと思います。自己顕示欲が強そうですから・・・」
「否定はしません。レティシア様、うちはいつでも歓迎しますわ」
「お気持ちだけで」
ラズ侯爵兄妹に付き纏われながらも無事に留学期間をおえました。
ラル王国への留学の勧めもありましたがお断りさせていただきました。二人の王女様はクロード殿下の御眼鏡に敵わなかったらようです。クロード殿下はまだ婚約者を決める気がないようです。これ以上煩わしいことを増やしたくないと零しておりました。
今世の殿下はお忙しそうです。
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