追憶令嬢のやり直し

夕鈴

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第八十三話 真実

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ロキの魔力測定の手配は執事長に任せました。ロダ様は最近は忙しいのかお会いできていません。ロキの色はどこまで隠せばいいか相談したいんですが・・・。

「レティシア、そろそろ戻らないと授業に遅れるよ。俺達はこれで」

リオに手を引かれて立ち上がりました。3年1組での昼食にリオも混ざりました。ラウルともいつの間にか仲良くなりレオ様がクラスに溶け込むように協力してくれています。
リオが共に過ごすようになってからはラウルとの噂は消えました。ラウルと私が恋人と言われているとは知らなかったのでリオに聞いて驚きました。ラウルのファンクラブのお茶会に参加したのに全く耳に入りませんでした。ラウルに迷惑がかからなくて良かったですわ。

***

レオ様が生徒会に所属して、生徒と関わるならエイミー様に正体を話したほうがいいでしょうか。
レオ様とエイミー様は親しげに一緒に演奏されてます。エイミー様はレオ様を好いてるのはわかるんですが、レオ様はよくわかりません。エイミー様ならお話しても大丈夫だと思うんですが。
レオ様の淹れてくれたお茶は美味しいです。

「レティシア?」

レオ様の顔が有名になれば、変装してもいずれ第二王子と見つかるかもしれません。私が提案したんですよね…。

「レオ様の言葉を無視するな。人の顔を凝視して考えこむな」

頭に衝撃が走り思いっきり叩いたエイベルを睨みます。

「人の頭を叩くのやめてください。レオ様、すみません。ぼんやりしてましたわ」
「いや、構わないけど、どうした?」
「レオ様、エイミー様に本当のことをお話しませんか?」
「え?」
「今後、生徒会を通してレオ様のお顔は広まります。変装していたのが、第二王子殿下と気づく者もでますわ。エイミー様には私が提案したことをお話してもいいですか?」
「必要か?」
「勝手ですが、私はエイミー様なら話してほしいと思います」
「任せるよ」

レオ様の無表情は何を考えているかわかりません。ただエイミー様はレオ様を嫌ったりしないと思います。エイミー様はクロード殿下に興味はないので比べることもありません。
笑みを浮かべてレオ様を誘って料理を始めました。料理を始めたらレオ様の無表情も直りましたが、いずれエイミー様にも披露する日がくるでしょうか・・・。

****

ステラの付添いを断り、久々にレオ様とエイミー様の逢瀬にお邪魔しました。

「エイミー様、申し訳ありません。私が全て悪いんですが、話を聞いていただけませんか」

レオ様と待ち合わせしているエイミー様に頭を下げました。
不思議そうな顔で見られます。

「レティシア、頭をあげて。どうしたの?」
「実はエイミー様に、紹介した方は」

エイミー様が愛らしい笑顔で微笑まれました。今更ですが、こんなに純真な方を騙したのは、罪悪感を覚えました。

「そんな顔しないで。気付いてたわ」
「はい?」
「レティシアとマール様が敬意を払う方は限られてるわ。事情も理解できるわ」

エイミー様は女神様かも知れません。エイミー様の手を握ります。

「エイミー様、ありがとうございます。私は応援します。お望みならうちの派閥を説得します」
「え?」
「せっかくですから、お忍びデートから始めますか?私が外出許可を取ってみせますわ」
「レティシア、私は今のままで十分よ」
「エイミー様はレオ様にとって必要な方です。レオ様、呼んできます。お待ちください」

ディーネに、頼んでレオ様を探してもらいました。畑仕事をしているレオ様を見つけました。エイミー様との待ち合わせを忘れてたんでしょうか・・。

「レオ様、何してるんですか!?エイミー様がお待ちですよ。私が話さなくても知ってましたわ。これからも変わらずお付き合いください。進展しても構いませんが」

無表情のレオ様の手を引いて、エイミー様のもとに戻ります。綺麗なピアノの音色が響いていました。演奏をおえると、エイミー様が愛らしい笑顔を向けてくれました。

「私は廊下にいますので、お二人でお話してください。人が来たら中に入りますわ。聞き耳をたてたりしません。ノックするのでご安心を」

レオ様とエイミー様を二人っきりにしました。私は廊下の壁に背を預け佇みながら笑みが零れるのを我慢します。エイミー様ならレオ様とうまくお話してくれるでしょう。邪魔はしてはいけません。
ありがたいことに今のところ人が通りません。人の気配に警戒するとリオでした。

「なにしてるの?」
「内緒です。気にしないでください」
「お茶を淹れるから部屋に来ないか?」
「今日は予定がありますので」
「そうか。リボン気に入らなかった?」
「いえ、リボンはたくさんあるので」
「使ってほしいんだけど」

髪に触れられ、リボンが飾られていますが・・。

「毎朝、結びに行ってもいい?」
「必要ありません」
「使ってくれる?」

毎朝、教室に訪ねられるのは目立つので避けたいです。リボンにこだわりはないので、使うことで穏便におさまるなら構いません。

「わかりました。明日は使わせていただきます。リオ様がリボンを持ち歩いているとは思いませんでした」

「レティシアの髪に飾った様子が見たくて。可愛い。このリボンもあげるから」

断っても無駄ですね。嬉しそうに笑うリオは強引です。

「ありがとうございます。リオ様、私は放っておいてください。」

「気にしないでいいよ。暇なんだよ。俺達が二人でいれば、人は寄ってこないよ。」

抱きよせられて離していただけないのでもう好きにさせましょう。リオの腕の中でぼんやりしていると確かに人は全然寄ってきませんね。
近づいてくる顔に口づけされそうになり手を当てて拒みます。

「公共の場でやめてください」

不機嫌そうな顔で見られてますが当然ですよ。

「誰もいない」
「部屋の中にはエイミー様達がいます」

扉が開いてレオ様が出てきました。

「レティシア、終わったよ。中に」
「お邪魔ではありませんか?」
「まさか。久しぶりに一緒に演奏しようよ」

上機嫌なレオ様の声に固まりました。

「フルートがありません」
「予備のバイオリン貸すよ。弾けるだろう?」

恐怖の指導は遠慮したいですが、レオ様が楽しそうなので諦めました。ほんのり頬を染めるエイミー様にバイオリンの指導を受けました。
バイオリンは久々過ぎて、全然うまく弾けませんでした。リオが上手なので羨ましいです。
二人が進展したかはわかりませんがエイミー様が怒らなくてよかったです。
レオ様達が幸せになれればいいと思います。
レオ様きちんと育ってくださいね。
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