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第八十九話 ビアード領での休養日
セント様は家の事情で退学されました。
研究にお金をつぎ込みすぎて爵位が維持できなくなり返上して旅立ったそうです。
研究内容がビアードとしては許せないので関わらないようにとビアード公爵夫人から手紙が来ました。研究者だったので意思疎通ができなかったんですね。
納得しました。訳のわからないことを言っていたのも研究のせいです。セリアと同族と思えば全てが納得できます。
今頃は自由に研究の旅を楽しまれてるでしょう。
エイベルにお守りに渡した浄化の魔石を使ったと言われたので新しいものを贈りました。この魔石は魔力を大量に消費するので、1日1個が限界です。
リオにも欲しいと言われたので純度を落とした浄化の魔石を渡しました。本気で作ったものは両親とエイベル以外には見せることは禁止されています。ビアードにも色んな事情があるようです。
ロダ様は王宮魔導士として働いています。
残念ながら学園には通えませんでした。王宮魔導士は永久職であり、近衛騎士と同等の地位の高さです。地位も名誉も保証されますので生活には困りません。爵位がなくても、王宮の侍女達に大人気でしょう。ロダ様とお話したいと言ったらレオ様がビアード領に訪ねる日を教えてくれました。レオ様はロダ様の接待をしたので面識があります。
社交は休みロダ様に時間をいただきました。ビアードの森の泉に着いたので防音の結界で覆います。
「ロダ様、お時間を作っていただきありがとうございます」
「構わないよ。ロキは元気?」
「美少年の執事は大人気です」
「よかったよ」
「ロダ様、2年後にロキを学園に通わせたいんですが髪と瞳の色はどう思いますか?」
「隠したほうがいい。海の皇国の貴族がフラン王国を訪れている。第二派閥の力は失ったがロキの存在は旗印になる。初代の瞳に憧れを抱くものは多いから」
「綺麗な瞳ですものね。ありがとうございます」
「こちらこそ感謝するよ。弟がすまない」
「ビアード領民を保護するのは私の役目ですから。まさか王宮魔導士とは思いませんでした。」
「気楽にやってるよ」
「さすがですわ。ロキの相談をしたかったんです。戻りましょうか。ナギが喜びますわ」
結界を解いてビアード公爵邸に帰るとナギが駆け寄ってきます。攫われた記憶がないことにほっとしてます。ロダ様がナギを抱き上げて優しい顔をしています。
ナギを取られてしまったロキを呼んで抱きしめると嬉しそうに笑います。
ロダ様にはあまり懐いていませんが・・・。かわいい妹をとる素敵なお兄様に嫉妬でしょうか?せっかくなので、ローナを呼んでお茶をしましょう。
「レティシア」
リオの訪問の話は聞いてませんでした。後ろにいるのはメイ伯爵です。
「うちの新しい侍従」
優しい笑みを浮かべるメイ伯爵が無事だったことに感動しました。
「ロキ、ナギ、あの方はおじい様と呼んでいいですよ。ご挨拶を」
「お初にお目にかかります。ロキです。」
「ナギです。よろしくお願いします。おじい様?」
メイ伯爵が優しい笑みを浮かべ頷きました。でもおばあ様には会えないんですよね・・・。
「ロキ、ナギ、ロダ様とおじい様のおもてなしをしながら、お茶の相手をお願いします。お客様の話し相手も大事な務めよ。メイ様は優秀ですから色々教えてもらってください。ローナも呼んで下さい」
「わかりました」
ロキに任せれば大丈夫でしょう。ロダ様に礼をして離れました。
家族の団欒を邪魔するつもりはありません。
「リオ様、勝手にお借りしてすみません。今日のご用件は?」
「婚約者のご機嫌伺い」
笑いながらふざけてますね。
「ほぼ毎日お会いしてます」
「俺はもっと一緒にいたい。ビアード領を案内してよ」
執事長にロダ様達を任せてリオと一緒に出掛けましょう。
私達がいないほうが楽しめますよね。
案内して欲しいと言われたのに手を引かれて着いたのはビアードの森でした。抱きしめられたのはどうしてでしょうか。
なぜか結界で覆われました。
「もともと夫婦仲が悪かったんだ。レティシアには申しわけないけど、伯爵はこの件に感謝してた。ロダのために海の皇国にいただけだったから。夫人は市井の生活は物足りなかった。愛人も作ってやりたい放題。だから何も責任を感じなくていい。派閥争いは足の引っ張り合い。もともと目障りな伯爵家は狙われていた」
「ロダ様にとってはおばあ様でローナには」
「自分の愛する人と無理矢理引き離して、妃に差し出した母だよ。伯爵はローナを妃にする気はなかったのに。悲劇を作り上げた者を傍におきたい?それにまた利用したんだよ」
「わかりません。」
「気にしないでいい。ロダ達は幸せそうだろう?レティシアが守りたかったものは守れたんだ。」
心が軽くなってきました。リオは優しいから私が気にしないように言葉をかけてくれます。笑みを浮かべます。
「ありがとうございます。大丈夫です。」
頬に口づけを落とされましたが人目もないのでいいでしょう。
リオの手を引いて結界から出るとマオが魔蝶を倒していました。
「リオ様、少しだけお時間をもらえますか?」
「構わないよ」
リオの手を離してマオと一緒に魔蝶の素材の採集します。解体して必要な素材は無限袋にいれました。あとは店に納めるだけです。
「ありがとうございました。行きましょう」
リオに手を引かれてビアード領を歩きます。
「いつものことなのか?」
「はい。貴重な素材なので」
「何に使うの?」
「ドレスとカーテンの材料です」
驚いた顔で見られてます。
「レティシアのドレスの?」
「はい。公爵令嬢らしく飾らないといけませんので。」
考え込んでいるリオは放っておいて先に進みます。
「お嬢様、寄っていく?」
少女に声を掛けられました。
「そうね。お邪魔しますわ」
少女の後についてパン屋に入りました。
いつの間にかリオがパンを買ってます。リオの行動が早すぎます。
「リオ様、選ばないと硬いパンばかりですよ」
「大丈夫。レティシアの好みは把握しているよ」
自信満々に笑う顔につられて笑ってしまいました。
少女に手を振って別れてリオに手を引かれて着いたのは公園でした。リオのビアード領の詳しさには驚きます。椅子に座ると、リオに白いふわふわのパンを渡されました。
食べると蜂蜜の味がします。上品でこの蜂蜜はルーンのものですわ。
リオも上機嫌でチョコの柔らかいパンを食べてます。あの店のパンは遊び心があって柔らかそうに見えて硬いパンが多いんです。騎士は食べ応えのある硬めのパンを好むんで商品自体も7割が硬いパンなんです。私はすぐにお腹いっぱいになるので柔らかいパンのほうが好きです。
「もう一つ食べれる?」
「いえ、十分です」
少年が駆け寄ってきました。
「お嬢様、出た!!来て!!」
「リオ様、ここでお待ちください」
走る少年の後を追いかけると畑でした。大きい蛙の魔物です。
村まで出て来るのは珍しいです。
「マオ、目くらましと守りの結界を」
教育に悪い物なので見せたくはありません。
大人と同じくらいの大きさの蛙を水の結界で閉じ込めます。集中して蛙の体内の水を奪っていきます。
水魔法は全ての水を操ります。体内にあるものでも。
マオの防音のおかげで蛙の鳴き声が聞こえません。全ての水を奪うと消滅します。この蛙は一気に倒さないと増殖して蛙まみれという恐ろしいことが起きます。この蛙の粘液は異臭が酷く黒いので、体につくと中々落ちません。
蛙の肌は弾力があり水の刃は通りにくいので内部から壊します。
いつの間にか消えました。
ビアードの森に魔物の誘い用の罠の確認に行かないといけません。
マオの結界が解除されました。
罠の仕掛けはリオの前ではできないので一度帰りましょう。準備も必要です。
「これもいつものこと?」
「はい。領民の安全を守るのは領主一族の務めです」
考えてこんでいるリオの手を引いて帰りましょう。
「リオ様、私用があるのでここで。どうされますか?ウォントを呼びますか?」
「せっかくだからビアードの訓練に混ぜてもらうよ。ビアード公爵夫人に挨拶したいから」
「わかりました。ご用の際はマナに声を。お気をつけて」
リオと別れて魔法陣と魔石と剣と弓を持ちました。
マオと数人の騎士を連れて馬に乗ってビアードの森に向かいます。
ビアードの森の中心には祠があり罠を仕掛けてあります。祠の前に置いた魔法陣は輝きが薄くなっているのでそろそろ新しい魔法陣にした方がいいですね。古い魔法陣を破って魔石を取り除きます。新しい魔法陣と魔石を置いて祝詞を唱えて魔力を流していきます。馴染むまで強烈な魔物が好む匂いが漂い大量の魔物が襲ってくるので討伐のために騎士達を連れてきます。この強力な匂いは眠っている魔物を興奮させてしまいます。馴染めば起きてる魔物しか反応しない匂いになります。
森の外にも騎士を巡回させているのでもし魔物が出てもすぐに討伐されます。
魔法陣に魔力が綺麗に馴染み魔法陣が輝いたので魔法が完成しました。騎士の討伐中は連携の邪魔になるので私は手を出しません。終わったので次の罠を仕掛けに行きます。
4か所に各属性の罠を仕掛けます。魔石は火属性だけは騎士達が用意した中で一番純度の高いもの。今回はデール様にもらった魔石があるので使用しました。あとは私とエイベルとレオ様の魔石を毎回使用しています。純度の高い魔石の方が魔法の完成度が高く長く持続しますので。
強力なほど魔物を引き付ける魔法はビアード公爵家直系に伝わる秘術です。強力な魔物を引き付ける魔法は危険なので・・。祠は目くらましと防御結界で覆っているので誰にも見つからないように工夫されています。
騎士達が跪いたので討伐が終わりましたわ。
「頭を上げてください。お疲れ様です。さすがビアードの精鋭です」
「勿体ないお言葉です」
「今日はご馳走ですね。解体班は?」
「すでに捌き始めてます」
「楽しみですね。早く帰って準備しましょう」
大量の魔物や獣が討伐された後は料理人や騎士が捌きます。
半分はその日のうちに料理してビアードの訓練場を開放して無礼講の晩餐会です。
ビアードの鐘が4回鳴った日は民や騎士が集まります。察しがいい領民は早めに来て手伝ってくれます。
罠の仕掛けの日は領民や騎士には喜ぶべき日です。ただ罠の場所は秘密なので領主一族と直属の護衛騎士達しか同行させません。ビアード公爵夫人とエイベルと私には専属の護衛騎士がいます。私にはいつもマオがいますが他の騎士達は潜んでくれたりお使いに行ったりと専属の主の命令を第一に動いてくれます。
ビアード公爵邸に帰ると目を丸くしました。
リオが料理をしてます。ロダ様とメイ伯爵はいいですが、リオは公爵家です。ロダ様が料理する様子は見慣れてるのでもう突っ込みません。
「リオ様、申しわけありません」
「料理も覚えたから任せてよ」
「公爵家の」
「レティシアとレオ様もしてるから同じだよ。さすがにまだ指揮は取れないけど」
「指揮は料理人がします。覚えなくていいです。お茶の用意を」
「中途半端だから終わらすよ。レティシアは気にせず休んでいいよ」
いつの間にか溶け込んでます。もう諦めましょう。私は疲れたので休みましょう。
料理だけ手伝ってもらうわけには行かないので、リオはうちに泊まってもらいました。
メイ伯爵とロダ様も泊まり賑やかな晩になりました。
研究にお金をつぎ込みすぎて爵位が維持できなくなり返上して旅立ったそうです。
研究内容がビアードとしては許せないので関わらないようにとビアード公爵夫人から手紙が来ました。研究者だったので意思疎通ができなかったんですね。
納得しました。訳のわからないことを言っていたのも研究のせいです。セリアと同族と思えば全てが納得できます。
今頃は自由に研究の旅を楽しまれてるでしょう。
エイベルにお守りに渡した浄化の魔石を使ったと言われたので新しいものを贈りました。この魔石は魔力を大量に消費するので、1日1個が限界です。
リオにも欲しいと言われたので純度を落とした浄化の魔石を渡しました。本気で作ったものは両親とエイベル以外には見せることは禁止されています。ビアードにも色んな事情があるようです。
ロダ様は王宮魔導士として働いています。
残念ながら学園には通えませんでした。王宮魔導士は永久職であり、近衛騎士と同等の地位の高さです。地位も名誉も保証されますので生活には困りません。爵位がなくても、王宮の侍女達に大人気でしょう。ロダ様とお話したいと言ったらレオ様がビアード領に訪ねる日を教えてくれました。レオ様はロダ様の接待をしたので面識があります。
社交は休みロダ様に時間をいただきました。ビアードの森の泉に着いたので防音の結界で覆います。
「ロダ様、お時間を作っていただきありがとうございます」
「構わないよ。ロキは元気?」
「美少年の執事は大人気です」
「よかったよ」
「ロダ様、2年後にロキを学園に通わせたいんですが髪と瞳の色はどう思いますか?」
「隠したほうがいい。海の皇国の貴族がフラン王国を訪れている。第二派閥の力は失ったがロキの存在は旗印になる。初代の瞳に憧れを抱くものは多いから」
「綺麗な瞳ですものね。ありがとうございます」
「こちらこそ感謝するよ。弟がすまない」
「ビアード領民を保護するのは私の役目ですから。まさか王宮魔導士とは思いませんでした。」
「気楽にやってるよ」
「さすがですわ。ロキの相談をしたかったんです。戻りましょうか。ナギが喜びますわ」
結界を解いてビアード公爵邸に帰るとナギが駆け寄ってきます。攫われた記憶がないことにほっとしてます。ロダ様がナギを抱き上げて優しい顔をしています。
ナギを取られてしまったロキを呼んで抱きしめると嬉しそうに笑います。
ロダ様にはあまり懐いていませんが・・・。かわいい妹をとる素敵なお兄様に嫉妬でしょうか?せっかくなので、ローナを呼んでお茶をしましょう。
「レティシア」
リオの訪問の話は聞いてませんでした。後ろにいるのはメイ伯爵です。
「うちの新しい侍従」
優しい笑みを浮かべるメイ伯爵が無事だったことに感動しました。
「ロキ、ナギ、あの方はおじい様と呼んでいいですよ。ご挨拶を」
「お初にお目にかかります。ロキです。」
「ナギです。よろしくお願いします。おじい様?」
メイ伯爵が優しい笑みを浮かべ頷きました。でもおばあ様には会えないんですよね・・・。
「ロキ、ナギ、ロダ様とおじい様のおもてなしをしながら、お茶の相手をお願いします。お客様の話し相手も大事な務めよ。メイ様は優秀ですから色々教えてもらってください。ローナも呼んで下さい」
「わかりました」
ロキに任せれば大丈夫でしょう。ロダ様に礼をして離れました。
家族の団欒を邪魔するつもりはありません。
「リオ様、勝手にお借りしてすみません。今日のご用件は?」
「婚約者のご機嫌伺い」
笑いながらふざけてますね。
「ほぼ毎日お会いしてます」
「俺はもっと一緒にいたい。ビアード領を案内してよ」
執事長にロダ様達を任せてリオと一緒に出掛けましょう。
私達がいないほうが楽しめますよね。
案内して欲しいと言われたのに手を引かれて着いたのはビアードの森でした。抱きしめられたのはどうしてでしょうか。
なぜか結界で覆われました。
「もともと夫婦仲が悪かったんだ。レティシアには申しわけないけど、伯爵はこの件に感謝してた。ロダのために海の皇国にいただけだったから。夫人は市井の生活は物足りなかった。愛人も作ってやりたい放題。だから何も責任を感じなくていい。派閥争いは足の引っ張り合い。もともと目障りな伯爵家は狙われていた」
「ロダ様にとってはおばあ様でローナには」
「自分の愛する人と無理矢理引き離して、妃に差し出した母だよ。伯爵はローナを妃にする気はなかったのに。悲劇を作り上げた者を傍におきたい?それにまた利用したんだよ」
「わかりません。」
「気にしないでいい。ロダ達は幸せそうだろう?レティシアが守りたかったものは守れたんだ。」
心が軽くなってきました。リオは優しいから私が気にしないように言葉をかけてくれます。笑みを浮かべます。
「ありがとうございます。大丈夫です。」
頬に口づけを落とされましたが人目もないのでいいでしょう。
リオの手を引いて結界から出るとマオが魔蝶を倒していました。
「リオ様、少しだけお時間をもらえますか?」
「構わないよ」
リオの手を離してマオと一緒に魔蝶の素材の採集します。解体して必要な素材は無限袋にいれました。あとは店に納めるだけです。
「ありがとうございました。行きましょう」
リオに手を引かれてビアード領を歩きます。
「いつものことなのか?」
「はい。貴重な素材なので」
「何に使うの?」
「ドレスとカーテンの材料です」
驚いた顔で見られてます。
「レティシアのドレスの?」
「はい。公爵令嬢らしく飾らないといけませんので。」
考え込んでいるリオは放っておいて先に進みます。
「お嬢様、寄っていく?」
少女に声を掛けられました。
「そうね。お邪魔しますわ」
少女の後についてパン屋に入りました。
いつの間にかリオがパンを買ってます。リオの行動が早すぎます。
「リオ様、選ばないと硬いパンばかりですよ」
「大丈夫。レティシアの好みは把握しているよ」
自信満々に笑う顔につられて笑ってしまいました。
少女に手を振って別れてリオに手を引かれて着いたのは公園でした。リオのビアード領の詳しさには驚きます。椅子に座ると、リオに白いふわふわのパンを渡されました。
食べると蜂蜜の味がします。上品でこの蜂蜜はルーンのものですわ。
リオも上機嫌でチョコの柔らかいパンを食べてます。あの店のパンは遊び心があって柔らかそうに見えて硬いパンが多いんです。騎士は食べ応えのある硬めのパンを好むんで商品自体も7割が硬いパンなんです。私はすぐにお腹いっぱいになるので柔らかいパンのほうが好きです。
「もう一つ食べれる?」
「いえ、十分です」
少年が駆け寄ってきました。
「お嬢様、出た!!来て!!」
「リオ様、ここでお待ちください」
走る少年の後を追いかけると畑でした。大きい蛙の魔物です。
村まで出て来るのは珍しいです。
「マオ、目くらましと守りの結界を」
教育に悪い物なので見せたくはありません。
大人と同じくらいの大きさの蛙を水の結界で閉じ込めます。集中して蛙の体内の水を奪っていきます。
水魔法は全ての水を操ります。体内にあるものでも。
マオの防音のおかげで蛙の鳴き声が聞こえません。全ての水を奪うと消滅します。この蛙は一気に倒さないと増殖して蛙まみれという恐ろしいことが起きます。この蛙の粘液は異臭が酷く黒いので、体につくと中々落ちません。
蛙の肌は弾力があり水の刃は通りにくいので内部から壊します。
いつの間にか消えました。
ビアードの森に魔物の誘い用の罠の確認に行かないといけません。
マオの結界が解除されました。
罠の仕掛けはリオの前ではできないので一度帰りましょう。準備も必要です。
「これもいつものこと?」
「はい。領民の安全を守るのは領主一族の務めです」
考えてこんでいるリオの手を引いて帰りましょう。
「リオ様、私用があるのでここで。どうされますか?ウォントを呼びますか?」
「せっかくだからビアードの訓練に混ぜてもらうよ。ビアード公爵夫人に挨拶したいから」
「わかりました。ご用の際はマナに声を。お気をつけて」
リオと別れて魔法陣と魔石と剣と弓を持ちました。
マオと数人の騎士を連れて馬に乗ってビアードの森に向かいます。
ビアードの森の中心には祠があり罠を仕掛けてあります。祠の前に置いた魔法陣は輝きが薄くなっているのでそろそろ新しい魔法陣にした方がいいですね。古い魔法陣を破って魔石を取り除きます。新しい魔法陣と魔石を置いて祝詞を唱えて魔力を流していきます。馴染むまで強烈な魔物が好む匂いが漂い大量の魔物が襲ってくるので討伐のために騎士達を連れてきます。この強力な匂いは眠っている魔物を興奮させてしまいます。馴染めば起きてる魔物しか反応しない匂いになります。
森の外にも騎士を巡回させているのでもし魔物が出てもすぐに討伐されます。
魔法陣に魔力が綺麗に馴染み魔法陣が輝いたので魔法が完成しました。騎士の討伐中は連携の邪魔になるので私は手を出しません。終わったので次の罠を仕掛けに行きます。
4か所に各属性の罠を仕掛けます。魔石は火属性だけは騎士達が用意した中で一番純度の高いもの。今回はデール様にもらった魔石があるので使用しました。あとは私とエイベルとレオ様の魔石を毎回使用しています。純度の高い魔石の方が魔法の完成度が高く長く持続しますので。
強力なほど魔物を引き付ける魔法はビアード公爵家直系に伝わる秘術です。強力な魔物を引き付ける魔法は危険なので・・。祠は目くらましと防御結界で覆っているので誰にも見つからないように工夫されています。
騎士達が跪いたので討伐が終わりましたわ。
「頭を上げてください。お疲れ様です。さすがビアードの精鋭です」
「勿体ないお言葉です」
「今日はご馳走ですね。解体班は?」
「すでに捌き始めてます」
「楽しみですね。早く帰って準備しましょう」
大量の魔物や獣が討伐された後は料理人や騎士が捌きます。
半分はその日のうちに料理してビアードの訓練場を開放して無礼講の晩餐会です。
ビアードの鐘が4回鳴った日は民や騎士が集まります。察しがいい領民は早めに来て手伝ってくれます。
罠の仕掛けの日は領民や騎士には喜ぶべき日です。ただ罠の場所は秘密なので領主一族と直属の護衛騎士達しか同行させません。ビアード公爵夫人とエイベルと私には専属の護衛騎士がいます。私にはいつもマオがいますが他の騎士達は潜んでくれたりお使いに行ったりと専属の主の命令を第一に動いてくれます。
ビアード公爵邸に帰ると目を丸くしました。
リオが料理をしてます。ロダ様とメイ伯爵はいいですが、リオは公爵家です。ロダ様が料理する様子は見慣れてるのでもう突っ込みません。
「リオ様、申しわけありません」
「料理も覚えたから任せてよ」
「公爵家の」
「レティシアとレオ様もしてるから同じだよ。さすがにまだ指揮は取れないけど」
「指揮は料理人がします。覚えなくていいです。お茶の用意を」
「中途半端だから終わらすよ。レティシアは気にせず休んでいいよ」
いつの間にか溶け込んでます。もう諦めましょう。私は疲れたので休みましょう。
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