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第九十四話 茶会の後
茶会の不正の主犯はイーガン伯爵令嬢でした。
クロード殿下の婚約者になりそうな令嬢の茶会を壊し、自身の茶会にクロード殿下を招待し特別な関係になりたかったみたいです。
精神錯乱作用のあるお茶とお菓子を用意していたみたいですが、毒耐性のある殿下には効かないと思います。どんな理由でも効果がなくても殿下を危険に晒そうとしたことは許されません。
クロード殿下の御身にもお心にも相応しくない茶会に参加した様子を思い浮かべて血の気が引きました。交替して良かったです。
教師の一人がイーガン様に買収され招待状に手を回しました。
詳しい事情は知りませんがどんな理由があっても許されません。
ビアードとしての訴状をまとめないといけません。
私は苦いお茶とお菓子を振舞われただけです。
イーガン様は殿下の代りに私が来たのが許せずあのような行動に。さらにイーガン様は昔はリオのファンでした。
計画が失敗したのでリオの婚約者になりたかったんですかね?
伯爵家が上位貴族に手を出したので爵位剥奪。
クロード殿下への陰謀を知ればアリア様が怒り、斬首もしくは、連座で一族郎党……。
ハンナ!?私の生前の大事なお友達が危険です。
お姉様は自業自得ですが連座は避けたいです。
訴状にイーガン様が伯爵令嬢として相応しくないため正しい教育を受けられるように修道院行きを記載し、私への賠償は慰謝料としてハンナを欲しいと付け足しました。
エイベルは今日は帰らないので、明日の朝に渡しにいきましょう。
生徒会室に書類を提出に行くとクロード殿下が一人でした。
ぼんやりしている見えるのは気の所為ですか…?
書類を置いて、気付かないふりして戻りますか…?
でも……。
「殿下、気分が優れませんか?」
顔色が悪く焦点が合っていません。
本当はいけませんが非常事態です。王族に安易に魔法を使ってはいけないことはわかってます。
殿下の手を握り、魔法で体を探ると異常はないので体力回復の魔法をかけます。
「殿下、大丈夫ですか?」
ぼんやりして反応がありません。
「殿下?クロード殿下、ご気分がすぐれませんか?」
「レティ」
「殿下?」
無表情ではなく、茫然としてるのはどうしてでしょうか。
「殿下、どうされました?ご気分が」
立ち上がった殿下に抱きしめられました。
生前の殿下は挨拶代わりに抱きしめる方でした。覚えのある懐かしい背中にゆっくり手を回す。
「クロード様、少しお休みしましょう。お仕事は手伝います。大事なのはお体です」
「なんでかな。懐かしいんだよ」
「人恋しくなることはよくあります。少し肩の力を抜いてください。作り笑いもいりません。お一人で頑張らず臣下を使ってください。膝をお貸ししますか?少し眠りますか?私も枕にはなれますよ。眠れない時はこれが一番です」
殿下の腕から離れて長椅子に座って膝をたたくと冷たい視線が向けられました。
忘れてました。別人でした。
ゆっくり頭を乗せる姿に笑ってしまいました。殿下の頭をゆっくりと撫でると体が緊張したので、やめました。
「そのままでいい」
目を閉じた殿下の指示に従い頭をゆっくり撫でます。今世の殿下はあまり楽しそうではありません。寝息は聞こえませんが体の緊張は抜けました。
「レティシアは私の味方か?」
「当然です。王族として正しくあろうとする殿下に最後までお伴します」
「忠誠は?」
「ビアード公爵と王家に」
「もし個人に誓えと命じたら?」
「クロード殿下に捧げます」
「レオではなく?」
お互いに気にしているのに素直になれないところはそっくりです。
「この国を統べるのはクロード殿下です。ビアードは最後まで王家と共に。どんな未来でもお伴します。素直に従うかはわかりませんが」
「王家の行事に参加しないのに」
「緊張して具合が悪くなるので」
「私と共に歩んでくれるか?」
「臣下として精一杯励みます」
殿下が目を開けました。
「隔週でいい。手伝ってくれるな」
起き上がった殿下に嵌められたことに気付きました。
「心配しましたのに、騙すなんて酷いです」
「一人で頑張らなくていいんだろう?」
口角の上がった殿下に悔しいですが、仕方ありません。
「わかりました。できれば極秘でお手伝いしたいんですが。変装してもいいですか?」
「侍女服でも用意しようか?」
殿下がふざけているのは初めてです。
「侍女試験に受かりません」
「私付きにすれば問題ない」
「エドワード様かエイベルかリオ様のいる日にお願いします。あらかじめ予定を教えてくだされば調整して伺います」
「助かるよ」
「クロード殿下のお役に立てるなら本望ですわ。休んでくださいませ。私は失礼します」
礼をして退室しました。王宮には行きたくありませんが今のクロード殿下も放っておけません。
今日の殿下はおかしいです。多忙なため頭がおかしくなったなんてことは………。いえ、ありえません。とりあえず、予定調整をしないといけません。
***
「レティシア」
リアナに腕を抱かれました。
「どうされました?」
「魔法を教えて」
「定期的に訓練を開いているので参加してください。甘やかしませんよ」
「わかったわ。お茶会って参加したほうがいいの?」
「当主と相談してください。令嬢のあり方は当主次第です。楽しいお茶会ではありませんが、ベリーに相談すれば詳しく教えてくれますよ」
リアナと話しながら今後の予定を頭に浮かべました。
隔週に王宮に通うとすると訓練と視察を減らさないといけません。強くなりたいので全然時間がありません。でもリアナが問題を起こさなくなっただけ平穏かもしれません。
これからも男爵令嬢らしく成長してくれることを祈りましょう。
クロード殿下の婚約者になりそうな令嬢の茶会を壊し、自身の茶会にクロード殿下を招待し特別な関係になりたかったみたいです。
精神錯乱作用のあるお茶とお菓子を用意していたみたいですが、毒耐性のある殿下には効かないと思います。どんな理由でも効果がなくても殿下を危険に晒そうとしたことは許されません。
クロード殿下の御身にもお心にも相応しくない茶会に参加した様子を思い浮かべて血の気が引きました。交替して良かったです。
教師の一人がイーガン様に買収され招待状に手を回しました。
詳しい事情は知りませんがどんな理由があっても許されません。
ビアードとしての訴状をまとめないといけません。
私は苦いお茶とお菓子を振舞われただけです。
イーガン様は殿下の代りに私が来たのが許せずあのような行動に。さらにイーガン様は昔はリオのファンでした。
計画が失敗したのでリオの婚約者になりたかったんですかね?
伯爵家が上位貴族に手を出したので爵位剥奪。
クロード殿下への陰謀を知ればアリア様が怒り、斬首もしくは、連座で一族郎党……。
ハンナ!?私の生前の大事なお友達が危険です。
お姉様は自業自得ですが連座は避けたいです。
訴状にイーガン様が伯爵令嬢として相応しくないため正しい教育を受けられるように修道院行きを記載し、私への賠償は慰謝料としてハンナを欲しいと付け足しました。
エイベルは今日は帰らないので、明日の朝に渡しにいきましょう。
生徒会室に書類を提出に行くとクロード殿下が一人でした。
ぼんやりしている見えるのは気の所為ですか…?
書類を置いて、気付かないふりして戻りますか…?
でも……。
「殿下、気分が優れませんか?」
顔色が悪く焦点が合っていません。
本当はいけませんが非常事態です。王族に安易に魔法を使ってはいけないことはわかってます。
殿下の手を握り、魔法で体を探ると異常はないので体力回復の魔法をかけます。
「殿下、大丈夫ですか?」
ぼんやりして反応がありません。
「殿下?クロード殿下、ご気分がすぐれませんか?」
「レティ」
「殿下?」
無表情ではなく、茫然としてるのはどうしてでしょうか。
「殿下、どうされました?ご気分が」
立ち上がった殿下に抱きしめられました。
生前の殿下は挨拶代わりに抱きしめる方でした。覚えのある懐かしい背中にゆっくり手を回す。
「クロード様、少しお休みしましょう。お仕事は手伝います。大事なのはお体です」
「なんでかな。懐かしいんだよ」
「人恋しくなることはよくあります。少し肩の力を抜いてください。作り笑いもいりません。お一人で頑張らず臣下を使ってください。膝をお貸ししますか?少し眠りますか?私も枕にはなれますよ。眠れない時はこれが一番です」
殿下の腕から離れて長椅子に座って膝をたたくと冷たい視線が向けられました。
忘れてました。別人でした。
ゆっくり頭を乗せる姿に笑ってしまいました。殿下の頭をゆっくりと撫でると体が緊張したので、やめました。
「そのままでいい」
目を閉じた殿下の指示に従い頭をゆっくり撫でます。今世の殿下はあまり楽しそうではありません。寝息は聞こえませんが体の緊張は抜けました。
「レティシアは私の味方か?」
「当然です。王族として正しくあろうとする殿下に最後までお伴します」
「忠誠は?」
「ビアード公爵と王家に」
「もし個人に誓えと命じたら?」
「クロード殿下に捧げます」
「レオではなく?」
お互いに気にしているのに素直になれないところはそっくりです。
「この国を統べるのはクロード殿下です。ビアードは最後まで王家と共に。どんな未来でもお伴します。素直に従うかはわかりませんが」
「王家の行事に参加しないのに」
「緊張して具合が悪くなるので」
「私と共に歩んでくれるか?」
「臣下として精一杯励みます」
殿下が目を開けました。
「隔週でいい。手伝ってくれるな」
起き上がった殿下に嵌められたことに気付きました。
「心配しましたのに、騙すなんて酷いです」
「一人で頑張らなくていいんだろう?」
口角の上がった殿下に悔しいですが、仕方ありません。
「わかりました。できれば極秘でお手伝いしたいんですが。変装してもいいですか?」
「侍女服でも用意しようか?」
殿下がふざけているのは初めてです。
「侍女試験に受かりません」
「私付きにすれば問題ない」
「エドワード様かエイベルかリオ様のいる日にお願いします。あらかじめ予定を教えてくだされば調整して伺います」
「助かるよ」
「クロード殿下のお役に立てるなら本望ですわ。休んでくださいませ。私は失礼します」
礼をして退室しました。王宮には行きたくありませんが今のクロード殿下も放っておけません。
今日の殿下はおかしいです。多忙なため頭がおかしくなったなんてことは………。いえ、ありえません。とりあえず、予定調整をしないといけません。
***
「レティシア」
リアナに腕を抱かれました。
「どうされました?」
「魔法を教えて」
「定期的に訓練を開いているので参加してください。甘やかしませんよ」
「わかったわ。お茶会って参加したほうがいいの?」
「当主と相談してください。令嬢のあり方は当主次第です。楽しいお茶会ではありませんが、ベリーに相談すれば詳しく教えてくれますよ」
リアナと話しながら今後の予定を頭に浮かべました。
隔週に王宮に通うとすると訓練と視察を減らさないといけません。強くなりたいので全然時間がありません。でもリアナが問題を起こさなくなっただけ平穏かもしれません。
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