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元夫の苦難32
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休養日に訪ねるとレオ様とカーソンがいた。
レオ様の外出許可は取ったけど、レティシアが遊び相手とは思わなかった。
俺達の邪魔されないために交渉したのに…。
レティシアから晩餐は共にしてくれると言われても、俺が一緒にいられないのに他の男と過ごすのは気に入らないので同行させてもらおう。
カーソンと出かけるなら俺といてほしいけど、嫌われるのが怖くて言えない。
悔しいけどレティシアは俺といるより楽しそうだ。
ビアードの森に着くとカーソンとレティシアが息を合わせて魔物を狩っている。
視線だけで会話する姿は羨ましい。レティシアの魔物の討伐を間近で見たのは初めてだが、レティシアは俺より強いかもしれない。
レティシアが防御でカーソンが攻撃で時々交替するが危ない場面はない。
レオ様の護衛を任され、請け負うと二人は消えて行った。
しばらくすると空から魔物の体が落ちてきた。
レティシア達が討伐したものが風で届けられたらしい。ビアード領ではよくあることと騎士が説明してくれたが事情を知らなければ怖すぎる。
レオ様は喜々として解体している。物凄い量の数が送られきたが騎士達は驚く様子はない。
しばらくすると二人が帰ってきて、無言で昼食の準備を始めた。カーソンはレティシアよりも手際良く調理している。
食事を終えると、レティシアがぼんやりしはじめた。
「レティシア、昼寝するか?」
「俺は素材の整理をするから休憩しようか」
レオ様が気を遣い、カーソンが熊の毛皮を引くとレティシアはその上で丸くなって眠った。
レオ様は楽しそうに素材を並べている。気遣いではなく本気で整理したかったらしい。
眠ったレティシアにカーソンが毛布をかける様子も手慣れている。
「レティシアとは何もないのか?」
レティシア達の前では陽気なのに、カーソンは二人だと静かになる。
「どんな答えが欲しいんですか?」
「それは…」
「俺達は貴方ほど自由に生きられません。だからきっと理解できないと思います」
感情の籠らない声だった。
俺達、レティシアとカーソンには共有するものがあるんだろうか。
「俺の事嫌いだろう?」
「興味はありません。俺達の敵にさえならないなら共闘する許容はあります」
「いつ諦めた?」
「レティシアが婿を取ると知った時です。俺は嫡男なんで嫁にもらえると思い込んでたんです。友人として傍にいるようになって、女として見れなくなりましたが。一緒にいると楽しいですし、いつも突拍子のないことしでかします。一緒にいると強くなれるんです。一心に向けられる信頼が心地よくお互いに深入りせずにバカをやれる関係が楽です。ビアードにいらなくなればうちが引き取ってあげますが」
試しに探りを入れたら肯定されるとは思わなかった。
それは友情なんだろうか
「どうすれば分かり合える?俺はレティシアがわからない」
「俺もわかりません。前しか見ないあいつの後ろを守ろうと思います。歩くのに疲れたら一緒に休んであげます。俺も眠っていいですか?」
「え?ああ」
レティシアの隣に寝転んだカーソンの寝息が聞こえた。
二人の空気に入り込める気がしない。
フィル・カーソン。武術の名門カーソン伯爵家の次男。
無属性で平民の女の家に婿入りするために廃嫡になった兄を持つ。
名門伯爵家の醜態は一時期社交界を騒がせた。それを醜聞扱いしてカーソン伯爵家を蔑む貴族はレティシアが黙らせた。
まだ実力のなかった次男のフィル・カーソンを嫡男に相応しいと堂々と公言し、次第に騎士として実力を見せてからは蔑む者はいなくなった。カーソン伯爵家への侮辱はビアード公爵令嬢が許さないのは武門貴族の中の常識らしい。ビアード兄妹のお気に入りのフィル・カーソン。
この情報を教えてくれたのは俺とレティシアを応援するビアード傘下の伯爵令嬢である。
寝顔を見つめていると騎士達が魔物を抱えてきた。まだレオ様は素材を集めるのか……。
せっかくなので解体を教わるか。
二人の間に入れないけどレティシアの隣にいる権利をもらったのは俺だから。ビアード領のためには魔物の素材や解体についての知識も必要だ。解体が一段落するとカーソンが起き上がった。
「レティシア、帰るよ。起きて」
「もう少し」
「門限過ぎるから」
レティシアがゆっくりと起きたがぼんやりとしている。カーソンが手を引いて立ち上がらせている。
「レオ様、帰りましょう。マオ、帰りの支度を。マール様、レティシアと馬乗ります?」
「は?」
「俺が乗せてもいいですが。ぼんやりしてる時は危ないんで」
「俺が任される」
「わかりました」
ぼんやりしているレティシアを馬に乗せると眠った。
カーソンはわかっていたのか?はしゃいでいたから疲れたんだろうか。
ビアード公爵邸に着いて馬から降りると寝ぼけて手を伸ばすので抱いて降ろした。ニコッと笑って首に手を回して抱きつく仕草が可愛かった。
「え!?すみません」
しばらくして焦点が合い抱き上げられている状況に目を丸くして慌てる姿も可愛かった。
「この後の時間は俺にくれるんだろう?」
「え?うん?」
レオ様達は帰ったのでやっと二人の時間になった。
晩餐の時間まで時間があるのでレティシアの部屋に移動した。
読めない本を手に取り、内容を教えてほしいと頼むと膝の上に座って楽しそうに読んでいる。他国の魔法の本だったのか。
読みながら解釈がわからないと呟くので、俺なりの答えを伝えると目を輝かせる。湾曲な言い回しや深読みは苦手らしい。
それからレティシアは時々本を持って会いにきてくれるようになった。
おかげで名前しか知らない国の本が読めるようになっていた。
レティシアを膝の上に乗せての言葉の勉強は人生で一番有意義だった。
膝の上に躊躇いもなく座るのが嬉しいけど、理由は怖くて聞けない。
ビアードにも同じことしてたら始末したくなる…。
レオ様の外出許可は取ったけど、レティシアが遊び相手とは思わなかった。
俺達の邪魔されないために交渉したのに…。
レティシアから晩餐は共にしてくれると言われても、俺が一緒にいられないのに他の男と過ごすのは気に入らないので同行させてもらおう。
カーソンと出かけるなら俺といてほしいけど、嫌われるのが怖くて言えない。
悔しいけどレティシアは俺といるより楽しそうだ。
ビアードの森に着くとカーソンとレティシアが息を合わせて魔物を狩っている。
視線だけで会話する姿は羨ましい。レティシアの魔物の討伐を間近で見たのは初めてだが、レティシアは俺より強いかもしれない。
レティシアが防御でカーソンが攻撃で時々交替するが危ない場面はない。
レオ様の護衛を任され、請け負うと二人は消えて行った。
しばらくすると空から魔物の体が落ちてきた。
レティシア達が討伐したものが風で届けられたらしい。ビアード領ではよくあることと騎士が説明してくれたが事情を知らなければ怖すぎる。
レオ様は喜々として解体している。物凄い量の数が送られきたが騎士達は驚く様子はない。
しばらくすると二人が帰ってきて、無言で昼食の準備を始めた。カーソンはレティシアよりも手際良く調理している。
食事を終えると、レティシアがぼんやりしはじめた。
「レティシア、昼寝するか?」
「俺は素材の整理をするから休憩しようか」
レオ様が気を遣い、カーソンが熊の毛皮を引くとレティシアはその上で丸くなって眠った。
レオ様は楽しそうに素材を並べている。気遣いではなく本気で整理したかったらしい。
眠ったレティシアにカーソンが毛布をかける様子も手慣れている。
「レティシアとは何もないのか?」
レティシア達の前では陽気なのに、カーソンは二人だと静かになる。
「どんな答えが欲しいんですか?」
「それは…」
「俺達は貴方ほど自由に生きられません。だからきっと理解できないと思います」
感情の籠らない声だった。
俺達、レティシアとカーソンには共有するものがあるんだろうか。
「俺の事嫌いだろう?」
「興味はありません。俺達の敵にさえならないなら共闘する許容はあります」
「いつ諦めた?」
「レティシアが婿を取ると知った時です。俺は嫡男なんで嫁にもらえると思い込んでたんです。友人として傍にいるようになって、女として見れなくなりましたが。一緒にいると楽しいですし、いつも突拍子のないことしでかします。一緒にいると強くなれるんです。一心に向けられる信頼が心地よくお互いに深入りせずにバカをやれる関係が楽です。ビアードにいらなくなればうちが引き取ってあげますが」
試しに探りを入れたら肯定されるとは思わなかった。
それは友情なんだろうか
「どうすれば分かり合える?俺はレティシアがわからない」
「俺もわかりません。前しか見ないあいつの後ろを守ろうと思います。歩くのに疲れたら一緒に休んであげます。俺も眠っていいですか?」
「え?ああ」
レティシアの隣に寝転んだカーソンの寝息が聞こえた。
二人の空気に入り込める気がしない。
フィル・カーソン。武術の名門カーソン伯爵家の次男。
無属性で平民の女の家に婿入りするために廃嫡になった兄を持つ。
名門伯爵家の醜態は一時期社交界を騒がせた。それを醜聞扱いしてカーソン伯爵家を蔑む貴族はレティシアが黙らせた。
まだ実力のなかった次男のフィル・カーソンを嫡男に相応しいと堂々と公言し、次第に騎士として実力を見せてからは蔑む者はいなくなった。カーソン伯爵家への侮辱はビアード公爵令嬢が許さないのは武門貴族の中の常識らしい。ビアード兄妹のお気に入りのフィル・カーソン。
この情報を教えてくれたのは俺とレティシアを応援するビアード傘下の伯爵令嬢である。
寝顔を見つめていると騎士達が魔物を抱えてきた。まだレオ様は素材を集めるのか……。
せっかくなので解体を教わるか。
二人の間に入れないけどレティシアの隣にいる権利をもらったのは俺だから。ビアード領のためには魔物の素材や解体についての知識も必要だ。解体が一段落するとカーソンが起き上がった。
「レティシア、帰るよ。起きて」
「もう少し」
「門限過ぎるから」
レティシアがゆっくりと起きたがぼんやりとしている。カーソンが手を引いて立ち上がらせている。
「レオ様、帰りましょう。マオ、帰りの支度を。マール様、レティシアと馬乗ります?」
「は?」
「俺が乗せてもいいですが。ぼんやりしてる時は危ないんで」
「俺が任される」
「わかりました」
ぼんやりしているレティシアを馬に乗せると眠った。
カーソンはわかっていたのか?はしゃいでいたから疲れたんだろうか。
ビアード公爵邸に着いて馬から降りると寝ぼけて手を伸ばすので抱いて降ろした。ニコッと笑って首に手を回して抱きつく仕草が可愛かった。
「え!?すみません」
しばらくして焦点が合い抱き上げられている状況に目を丸くして慌てる姿も可愛かった。
「この後の時間は俺にくれるんだろう?」
「え?うん?」
レオ様達は帰ったのでやっと二人の時間になった。
晩餐の時間まで時間があるのでレティシアの部屋に移動した。
読めない本を手に取り、内容を教えてほしいと頼むと膝の上に座って楽しそうに読んでいる。他国の魔法の本だったのか。
読みながら解釈がわからないと呟くので、俺なりの答えを伝えると目を輝かせる。湾曲な言い回しや深読みは苦手らしい。
それからレティシアは時々本を持って会いにきてくれるようになった。
おかげで名前しか知らない国の本が読めるようになっていた。
レティシアを膝の上に乗せての言葉の勉強は人生で一番有意義だった。
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