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第百二十五話 新しい風
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学園では新入生を迎えました。
制服姿のロキとエドワードを見たら胸が温かくなりフィルが壁になってくれ、頬が濡れていることに気づきました。
昔、この頃は国外逃亡していました。私を追ってきたロキにルーンの重圧を背負ったエドワード。
子供として過ごさせてあげられなかった二人が今世こそは充実した学園生活を送れる環境にいることが嬉しくてたまりません。感情を見せてはいけないので涙を拭います。オリエンテーションが終わって私を探しにきた二人に情けない姿は見せられません。
「レティシア?」
「お嬢様?」
無表情のエドワードと心配そうな顔をするロキに精一杯の笑みを浮かべます。
「二人の成長が嬉しくて感動しましたわ。制服姿が素敵ですわ。ロキ、学園では」
「すみません。レティシア様。どうしても」
「学園でたくさんのことを学び楽しんでください。卒業するまで執事はお休みして欲しいんですが」
「レティシア様も学園でビアードのために動いてます。僕はお嬢様のお手伝いするのが楽しいです。勉強を優先しますが、今まで通りさせてください」
「わかりました。頼りにしてます。平等の学園です。不自由があるなら教えてください。同級生になるとは思いませんでした。試験の成績はすばらしかったです。エディも頑張りましたね」
嬉しそうに笑うロキの頭を撫でるとエドワードが羨ましそうに見ている気がするのでそっと撫でると頷きました。昔のような笑顔はありませんが固い表情が柔らかくなっているので多少は距離が近づいたのなら嬉しいです。
エドワードとロキは4年生まで飛び級しました。ロキはエドワードと一緒にいるために勉強を頑張ったのでしょう。お友達とずっと一緒にいたいという子供らしい感情に頬が緩んでしまいます。名簿を見た時は驚き、間違いかと確認したのは内緒です。
あとで盛大にお祝いしましょう。
私も初めての4年生なので教えてあげられることはほとんどありません。成績を落とさないように頑張りましょう。教室に案内するとクラスメイトの令嬢達がエドワードに熱い視線を向けているので明日にはファンクラブができるでしょう。声を掛ける令嬢達に社交の爽やかな笑みで対応する姿はさすがルーン公爵家嫡男。普段の無表情が嘘のようです。貴族として当然ですが。
ロキもクラスメイトにお祝いを言われて笑顔で返しています。ポンコツのエイベルやおかしいリオと違って頼もしいですわ。
今日の授業は終わりました。
新たに迎える二人の歓迎会をしたいですが、放課後は生徒会があるのでフィルとステラに任せます。ロキには学園の案内はいりませんが、初めての学生生活ですしエドワードと過ごしたいでしょう。可愛らしい二人をずっと眺めていたいですがあまり時間に余裕がありません。
生徒会室に入ると私が最後でした。役員が全員集まるのは新学年になり初めてです。
クロード様を真剣な顔で一人一人の顔を見ました。今年はクロード様が生徒会長を務める最後の年になります。
レオ様が生徒会副会長になりました。
「学園を改革したい」
強さを宿す金の瞳、柔らかな声でも意思の強さを感じる言葉。決断する時の風格はまさしく王族。フラン王国の至高一族として魅せ方が滲み出ていますわ。クロード様を称賛している場合ではありませんでした。
緊迫した空気が漂っています。
生徒会役員の中で一番家格が高いのはビアードです。レオ様が口を閉じられているなら私達が答えるべきでしょう。答えは考える必要はありません。クロード様の金の瞳を見つめ、口を開きます。
「殿下のお心のままに。王族の願いを叶えるのは臣下にとって至上のこと。学園であっても想いはかわりません。私達はクロード殿下の御世に仕える心の準備はできております」
「我ら臣下は王族のために」
エイベルの声に合わせて一斉に礼をします。ハリーにもきちんと礼儀は教え込んであります。生徒会に入ってからマナーを身に付けるための厳しい教育をマナにお願いしました。平等の学園ですが両殿下と共にいるなら最低限のマナーは必要です。そして学んだことはハリーにとって貴重な財産になるでしょう。優秀なハリーが望むならいずれ王族に仕える未来もあるでしょう。
「頭をあげて。不正行為が続いている。不正を厳しく取り締まるとともに学園のあり方を見直したい。民は宝。平民であっても貴族に引けをとらない者も多い。貴賎なく学び、互いに高め合える場にしたい」
学園での平等を願っていた私の知るクロード様と本質は同じでしょう。
「俺達は環境に恵まれている。それを生かして育ててほしい」
「人を落として優位に立つものは取り締まっていい。入学試験はそのままだが進級と卒業試験の難易度を上げる。レティシア、意見を」
真面目なお顔で両殿下が並ぶとよく似た顔立ちですわ。
両殿下が相談して決められたことに頬が緩みます。刺すような視線に気づくとエイベルでした。慌てて令嬢モードで取り繕い淑やかな顔を作ります。名指しで聞かれているのに感動している場合ではありませんでしたわ。
「教師の意識改革と学べる環境を整えれば平民であっても優秀な成績を維持できます。入学試験の内容さえも理解できずに入学する生徒も多いのでスタート地点を同じにすれば簡単なことだと存じます。貴族は殿下の求めに応えられないなら貴族たる資格はありません。恩情はいらないかと」
王族の手足になれない貴族は不要でしょう。貴族には甘さはいりません。そして両殿下が望むなら平民の生徒をうまく仕上げるのも私達の役目ですわ。
「意見のあるものは?生徒会室内は無礼講だ」
「平民の最優秀生が一番多い実績あるビアードが言うなら異論はありません」
入学試験で好成績のハリーとロキのことでしょう。二人の努力が認められていることが誇らしいですわ。
「優秀な臣下に感謝する。生徒会も施策を取り入れたい。役員選出だが学年の縛りをなくし、優秀な者を迎えたい。生徒会補佐の役職を作る。現生徒会役員は卒業前に後任を選んで育ててほしい。補佐官を1年務め上げ資質があれば翌年に役員に迎えいれよう。生徒会役員として迎えるかは役員会議で決める。補佐官の数は決めない。各々力量に合わせればいい。ただし補佐官が相応しくない行いをするなら任命者に責任を問う。役員に相応しいものを見極める資質を期待している。補佐官については朝礼で話す」
両殿下が率いる生徒会役員を目指す生徒は多いでしょう。優秀さを示せば任命されると知れば励む生徒も出るでしょう。きっと生徒会役員になりたい生徒が押しかけてきますかね。殿下に押しかけられるよりもマシですわ。そして私達の資質も問われます。
後輩を育てないといけません。
「補佐官を決めたら報告を。レオの補佐官にエドワード・ルーンを迎える」
エドワードは生徒会役員に選ばれると思っていました。でもレオ様の補佐につけるなら次代の生徒会長候補ですわ。貴賎のない平等の学園を目指し平民の補佐官が増えるなら自衛手段が必要ですわ。
「殿下、平民の補佐官を迎えるにあたり自衛の魔石を渡すことをお許しいただけますか。結界の解除と結界の構築、救援要請を仕込んだものを。私が用意します」
「危害を与えず防衛魔法だけで組めるなら」
「後日確認に伺います。必要な数を、いえ、もう平民の生徒全員に配布します?」
「その話は後だ。今年はさらに多忙になるが期待している」
一旦解散しましたが私は残されました。エイベルは殿下の後に控えています。用件はわかってます。
「殿下、部屋で魔石を作る使用許可をいただけませんか?」
「本当に全員に配布するつもりか」
純粋な競い合いが始まっても愚かな生徒はいるでしょう。意識改革はすぐにはできません。そして被害者はいつも弱者。私が権力で多くの生徒をねじ伏せられますが根本的な解決をしないと意味はありません。取り締まり、言葉をかけてわかってもらうまでに誰かが傷つけられるなんて許してはいけないことです。
「お許しいただけるなら。救援が間に合わないこともありますわ。結界を作れない生徒の時間稼ぎに必要かと。数が必要なので友人達にも協力を頼みます」
「兄上、俺が手伝います」
「間違っても物騒な物を作らないように。自衛目的と頭に入れるように。魔石の管理に結界が必要か。魔法の使用許可は出すのは部屋のみだ」
「ありがとうございます。失礼します」
私は部屋に戻りレオ様と一緒に魔石について相談をしました。
レオ様は魔力量が多いので二人で合わせればすぐですわ。せっかくなのでロキに教えながら作ろうかしら。ロキは魔法の基礎は身に付いてますが訓練には丁度良いですわ。
レオ様と魔法陣を決めて作業をしているとノックの音がしました。入出許可を出すとベリーとリアナでした。
「お菓子を作ったの!!食べよう。何してるの?」
「ごきげんよう。レティシア様。お手伝いします」
魔石に魔法陣を組みこんでいましたが二人に頼むなら魔法陣を書いた紙を魔力でコーティングして作りましょう。やり方は変わりますが効果は同じ。魔法陣のお勉強にもなりますし二人にもいい経験になりますわね。ベリー達と作業を再開させると次に入ってきたのはフィルとステラとエドワードとロキ。作業は中断しましょう。休憩にしてお茶にしましょう。
「お茶にしましょうか」
お茶の用意に動くロキに声をかけようとするとフィルにポンと肩を叩かれました。
「やらせてやれ。校内の案内は終わったよ。手伝うか?」
「お願いします。明日から賑やかになりますわ。エディ、補佐官就任おめでとうございます。大変ですがエディなら大丈夫ですわ」
「ご指導お願いします」
「危ないことはしないでください。意地悪されたら教えてください」
「レティシアは自分の心配をしろ。マートンがすごい顔で睨んでたよ」
「相手にするだけ無駄ですわ。マートン様はエディの教育に悪いので必要なら私が静かにしますわ」
最後の穏やかな時間を楽しむことにしました。ロキの淹れたお茶でリアナのお菓子を楽しむ日がくるとは思いませんでしたわ。
翌日の朝礼でクロード様の話を聞いて生徒達はざわついています。平等の学園なので咎めず気にしません。
補佐官の話に両殿下にお近づきになりたい生徒達が生徒会役員に取り引きを持ちかけています。両殿下にきちんと選ぶように言われているので誰も下手な選考はしないでしょう。
「お嬢様、僕を補佐官にしてください」
「生徒会は忙しいですよ。興味があるならエイベルの補佐官をお願いしようと」
「お嬢様の初めての補佐官は僕がいいです。駄目ですか?」
「レティシア、私もやりたい!!」
「リアナは駄目です。礼儀をお勉強してください。わかりました。ロキにお願いしますわ」
目を輝かせるロキのお願いに負けましたわ。リアナは無礼なので駄目です。
どんなことでもロキにやりたいことがあるのはいいことです。ロダ様に教えてあげましょう。嬉しそうに笑うロキの頭を撫でます。私が補佐官にロキを指名すると補佐官になりたいと申し出る生徒はいなくなりました。幼い頃からビアードの有能執事として学園で有名だったロキの隣で学ぶのは大変なことです。卒業まで3年あるので後任の育成はのんびり考えましょう。
制服姿のロキとエドワードを見たら胸が温かくなりフィルが壁になってくれ、頬が濡れていることに気づきました。
昔、この頃は国外逃亡していました。私を追ってきたロキにルーンの重圧を背負ったエドワード。
子供として過ごさせてあげられなかった二人が今世こそは充実した学園生活を送れる環境にいることが嬉しくてたまりません。感情を見せてはいけないので涙を拭います。オリエンテーションが終わって私を探しにきた二人に情けない姿は見せられません。
「レティシア?」
「お嬢様?」
無表情のエドワードと心配そうな顔をするロキに精一杯の笑みを浮かべます。
「二人の成長が嬉しくて感動しましたわ。制服姿が素敵ですわ。ロキ、学園では」
「すみません。レティシア様。どうしても」
「学園でたくさんのことを学び楽しんでください。卒業するまで執事はお休みして欲しいんですが」
「レティシア様も学園でビアードのために動いてます。僕はお嬢様のお手伝いするのが楽しいです。勉強を優先しますが、今まで通りさせてください」
「わかりました。頼りにしてます。平等の学園です。不自由があるなら教えてください。同級生になるとは思いませんでした。試験の成績はすばらしかったです。エディも頑張りましたね」
嬉しそうに笑うロキの頭を撫でるとエドワードが羨ましそうに見ている気がするのでそっと撫でると頷きました。昔のような笑顔はありませんが固い表情が柔らかくなっているので多少は距離が近づいたのなら嬉しいです。
エドワードとロキは4年生まで飛び級しました。ロキはエドワードと一緒にいるために勉強を頑張ったのでしょう。お友達とずっと一緒にいたいという子供らしい感情に頬が緩んでしまいます。名簿を見た時は驚き、間違いかと確認したのは内緒です。
あとで盛大にお祝いしましょう。
私も初めての4年生なので教えてあげられることはほとんどありません。成績を落とさないように頑張りましょう。教室に案内するとクラスメイトの令嬢達がエドワードに熱い視線を向けているので明日にはファンクラブができるでしょう。声を掛ける令嬢達に社交の爽やかな笑みで対応する姿はさすがルーン公爵家嫡男。普段の無表情が嘘のようです。貴族として当然ですが。
ロキもクラスメイトにお祝いを言われて笑顔で返しています。ポンコツのエイベルやおかしいリオと違って頼もしいですわ。
今日の授業は終わりました。
新たに迎える二人の歓迎会をしたいですが、放課後は生徒会があるのでフィルとステラに任せます。ロキには学園の案内はいりませんが、初めての学生生活ですしエドワードと過ごしたいでしょう。可愛らしい二人をずっと眺めていたいですがあまり時間に余裕がありません。
生徒会室に入ると私が最後でした。役員が全員集まるのは新学年になり初めてです。
クロード様を真剣な顔で一人一人の顔を見ました。今年はクロード様が生徒会長を務める最後の年になります。
レオ様が生徒会副会長になりました。
「学園を改革したい」
強さを宿す金の瞳、柔らかな声でも意思の強さを感じる言葉。決断する時の風格はまさしく王族。フラン王国の至高一族として魅せ方が滲み出ていますわ。クロード様を称賛している場合ではありませんでした。
緊迫した空気が漂っています。
生徒会役員の中で一番家格が高いのはビアードです。レオ様が口を閉じられているなら私達が答えるべきでしょう。答えは考える必要はありません。クロード様の金の瞳を見つめ、口を開きます。
「殿下のお心のままに。王族の願いを叶えるのは臣下にとって至上のこと。学園であっても想いはかわりません。私達はクロード殿下の御世に仕える心の準備はできております」
「我ら臣下は王族のために」
エイベルの声に合わせて一斉に礼をします。ハリーにもきちんと礼儀は教え込んであります。生徒会に入ってからマナーを身に付けるための厳しい教育をマナにお願いしました。平等の学園ですが両殿下と共にいるなら最低限のマナーは必要です。そして学んだことはハリーにとって貴重な財産になるでしょう。優秀なハリーが望むならいずれ王族に仕える未来もあるでしょう。
「頭をあげて。不正行為が続いている。不正を厳しく取り締まるとともに学園のあり方を見直したい。民は宝。平民であっても貴族に引けをとらない者も多い。貴賎なく学び、互いに高め合える場にしたい」
学園での平等を願っていた私の知るクロード様と本質は同じでしょう。
「俺達は環境に恵まれている。それを生かして育ててほしい」
「人を落として優位に立つものは取り締まっていい。入学試験はそのままだが進級と卒業試験の難易度を上げる。レティシア、意見を」
真面目なお顔で両殿下が並ぶとよく似た顔立ちですわ。
両殿下が相談して決められたことに頬が緩みます。刺すような視線に気づくとエイベルでした。慌てて令嬢モードで取り繕い淑やかな顔を作ります。名指しで聞かれているのに感動している場合ではありませんでしたわ。
「教師の意識改革と学べる環境を整えれば平民であっても優秀な成績を維持できます。入学試験の内容さえも理解できずに入学する生徒も多いのでスタート地点を同じにすれば簡単なことだと存じます。貴族は殿下の求めに応えられないなら貴族たる資格はありません。恩情はいらないかと」
王族の手足になれない貴族は不要でしょう。貴族には甘さはいりません。そして両殿下が望むなら平民の生徒をうまく仕上げるのも私達の役目ですわ。
「意見のあるものは?生徒会室内は無礼講だ」
「平民の最優秀生が一番多い実績あるビアードが言うなら異論はありません」
入学試験で好成績のハリーとロキのことでしょう。二人の努力が認められていることが誇らしいですわ。
「優秀な臣下に感謝する。生徒会も施策を取り入れたい。役員選出だが学年の縛りをなくし、優秀な者を迎えたい。生徒会補佐の役職を作る。現生徒会役員は卒業前に後任を選んで育ててほしい。補佐官を1年務め上げ資質があれば翌年に役員に迎えいれよう。生徒会役員として迎えるかは役員会議で決める。補佐官の数は決めない。各々力量に合わせればいい。ただし補佐官が相応しくない行いをするなら任命者に責任を問う。役員に相応しいものを見極める資質を期待している。補佐官については朝礼で話す」
両殿下が率いる生徒会役員を目指す生徒は多いでしょう。優秀さを示せば任命されると知れば励む生徒も出るでしょう。きっと生徒会役員になりたい生徒が押しかけてきますかね。殿下に押しかけられるよりもマシですわ。そして私達の資質も問われます。
後輩を育てないといけません。
「補佐官を決めたら報告を。レオの補佐官にエドワード・ルーンを迎える」
エドワードは生徒会役員に選ばれると思っていました。でもレオ様の補佐につけるなら次代の生徒会長候補ですわ。貴賎のない平等の学園を目指し平民の補佐官が増えるなら自衛手段が必要ですわ。
「殿下、平民の補佐官を迎えるにあたり自衛の魔石を渡すことをお許しいただけますか。結界の解除と結界の構築、救援要請を仕込んだものを。私が用意します」
「危害を与えず防衛魔法だけで組めるなら」
「後日確認に伺います。必要な数を、いえ、もう平民の生徒全員に配布します?」
「その話は後だ。今年はさらに多忙になるが期待している」
一旦解散しましたが私は残されました。エイベルは殿下の後に控えています。用件はわかってます。
「殿下、部屋で魔石を作る使用許可をいただけませんか?」
「本当に全員に配布するつもりか」
純粋な競い合いが始まっても愚かな生徒はいるでしょう。意識改革はすぐにはできません。そして被害者はいつも弱者。私が権力で多くの生徒をねじ伏せられますが根本的な解決をしないと意味はありません。取り締まり、言葉をかけてわかってもらうまでに誰かが傷つけられるなんて許してはいけないことです。
「お許しいただけるなら。救援が間に合わないこともありますわ。結界を作れない生徒の時間稼ぎに必要かと。数が必要なので友人達にも協力を頼みます」
「兄上、俺が手伝います」
「間違っても物騒な物を作らないように。自衛目的と頭に入れるように。魔石の管理に結界が必要か。魔法の使用許可は出すのは部屋のみだ」
「ありがとうございます。失礼します」
私は部屋に戻りレオ様と一緒に魔石について相談をしました。
レオ様は魔力量が多いので二人で合わせればすぐですわ。せっかくなのでロキに教えながら作ろうかしら。ロキは魔法の基礎は身に付いてますが訓練には丁度良いですわ。
レオ様と魔法陣を決めて作業をしているとノックの音がしました。入出許可を出すとベリーとリアナでした。
「お菓子を作ったの!!食べよう。何してるの?」
「ごきげんよう。レティシア様。お手伝いします」
魔石に魔法陣を組みこんでいましたが二人に頼むなら魔法陣を書いた紙を魔力でコーティングして作りましょう。やり方は変わりますが効果は同じ。魔法陣のお勉強にもなりますし二人にもいい経験になりますわね。ベリー達と作業を再開させると次に入ってきたのはフィルとステラとエドワードとロキ。作業は中断しましょう。休憩にしてお茶にしましょう。
「お茶にしましょうか」
お茶の用意に動くロキに声をかけようとするとフィルにポンと肩を叩かれました。
「やらせてやれ。校内の案内は終わったよ。手伝うか?」
「お願いします。明日から賑やかになりますわ。エディ、補佐官就任おめでとうございます。大変ですがエディなら大丈夫ですわ」
「ご指導お願いします」
「危ないことはしないでください。意地悪されたら教えてください」
「レティシアは自分の心配をしろ。マートンがすごい顔で睨んでたよ」
「相手にするだけ無駄ですわ。マートン様はエディの教育に悪いので必要なら私が静かにしますわ」
最後の穏やかな時間を楽しむことにしました。ロキの淹れたお茶でリアナのお菓子を楽しむ日がくるとは思いませんでしたわ。
翌日の朝礼でクロード様の話を聞いて生徒達はざわついています。平等の学園なので咎めず気にしません。
補佐官の話に両殿下にお近づきになりたい生徒達が生徒会役員に取り引きを持ちかけています。両殿下にきちんと選ぶように言われているので誰も下手な選考はしないでしょう。
「お嬢様、僕を補佐官にしてください」
「生徒会は忙しいですよ。興味があるならエイベルの補佐官をお願いしようと」
「お嬢様の初めての補佐官は僕がいいです。駄目ですか?」
「レティシア、私もやりたい!!」
「リアナは駄目です。礼儀をお勉強してください。わかりました。ロキにお願いしますわ」
目を輝かせるロキのお願いに負けましたわ。リアナは無礼なので駄目です。
どんなことでもロキにやりたいことがあるのはいいことです。ロダ様に教えてあげましょう。嬉しそうに笑うロキの頭を撫でます。私が補佐官にロキを指名すると補佐官になりたいと申し出る生徒はいなくなりました。幼い頃からビアードの有能執事として学園で有名だったロキの隣で学ぶのは大変なことです。卒業まで3年あるので後任の育成はのんびり考えましょう。
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