傷心令嬢の鬼ごっこ

夕鈴

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第24話後編 野外訓練

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森は暗闇に覆われ、肉食獣達の狩りの時間がはじまった。
イリアナは怪我をしている女性騎士を背に庇い、獣の気配を感じる方向に弓矢を放つ。

「賢い貴方達に適当に射撃しても致命傷を狙えないなんてわかってるわ。当たって、速さが落ちれば儲けもの程度の期待はあるけど。獲物は弱者じゃないって気付いて、引き上げてもらえるのは、ファンタジーの世界よね」

負傷しても勢いよく飛び掛かるオオカミを挑発しながら、イリアナは剣を抜き、切り捨てる。
オオカミの数が多いため、隙が出る魔法は使わずに首や手足を落としていく。

「10匹目、もう数えるのやめようかな」

イリアナは流れる汗を拭い、剣を振り下ろすと馴染みの気配を感じて口角を上げた。
向かってくる5匹のオオカミのうち2匹を剣で仕留めた。
イリアナに向かう3匹のオオカミは弓矢や短剣が刺さり倒れる。最後の一匹はイリアナに爪が届く直前に首を落とされた。

「腕は衰えてないようね」

アドニスとリックとイワンが仕留めたのを確認しイリアナは満足げな顔を作った。
イリアナの前にアドニスが立ち、あえてオオカミを見逃した主人を物言いたげに見つめる。

「わざとでしょ?」
「私のアドなら余裕でしょ?」

首を傾げるイリアナが剣を向ける前に、向かってくるオオカミをアドニスが切り捨てる。

「相変わらずいい性格ですね」
「イリア様、僕もいますよ」

アドニスより離れた場所のオオカミを処理していたリックが不満そうに声を上げる。
アドニスと仲の悪いリックが対抗心を燃やしている姿と黙々と処理をしているイワンにイリアナは試すような表情を作り、不敵な笑みを浮かべる。

「リック、イワンも久しぶりね。楽しませてくれる?」
「もちろんです。姫様の手は不要です。俺にお任せを」
「イリア様の望む成果をお待ちください」

威勢のいいリックとイワンの返事を受けたイリアナはアドニスに挑戦的な笑みを浮かべて見つめる。

「アド?」
「俺達だけで十分です」
「楽しみにしているわ」

イリアナと和やかに会話をしながらも、アドニス達は危なげもなく、オオカミを仕留めていた。
イリアナは誇らしげな笑顔を作って三人の様子に頷き、女性騎士の隣に座った。
「主の手を煩わせることは騎士の手落ち」と使命感の強い元護衛騎士達はイリアナが手を出すことを好まなかった。
茫然と見つめる女性騎士の視線は気にせず、イリアナは3人の様子を見守った。
アドニス達は仲が悪いのに連携は抜群であり、イリアナにとって久しぶりに見応えのあるものを観戦した。
オオカミの狩りが終わったので、イリアナは立ち上がった。
イリアナの前にアドニス達が立ち、跪く。

「流石ね。来てくれてありがとう。それはやめて。立って」
「イリア様、どうして一人で行ったんですか!?」
「もう侯爵家じゃないし、貴方達を養えないわ」
「給金なんていりません。僕はイリア様の騎士です」
「姫様」

イリアナを拗ねた顔で見つめるリックと悲しそうに見つめるイワン、楽しそうなアドニスそれぞれと目を合わせた。

「その顔やめて。大の大人が情けない。私なんかのどこがいいのよ。セイン兄様の方が優秀よ。顔ならアルと変わらないでしょ?」
「イリアナ様のかわりはいません」
「アドニスは諦めたけど、貴方達はちゃんと考えた?」
「イリア様は二度も僕を置いていきました。もう次はありません」

リックの拗ねた顔にイリアナはため息をついた。

「一度目ってあれよね?状況的に難しかったのがわかるでしょ?」
「いくらでも方法はありました」

アベルトとしてセインと戦場に行った時、イリアナは護衛騎士を連れていかなかった。
公的にはイリアナは療養中であり、イリアナの護衛騎士として有名だったアドニスやリック、イワンを同行させる選択肢はなく、アベルトの警護を命じていた。
リックだけでなく、悲しい顔のイワンも楽しそうな顔で観察しているアドニスも、誰一人イリアナの選択に納得していないことが、ひしひしと伝わってくる。

「姫様」
「我が主」

没落した主を自分の意思で追いかけ、ラーナ家門の当主にもきちんと送り出された騎士達を拒むことはできないと追い詰められたイリアナは小さなため息をついた。

「アドのその笑顔が腹が立つわ。好きにして。ただ面倒事はごめんよ。ちゃんとラーナ家門として恥じない行動をするのよ。バカの相手は時間の無駄よ。騒ぎになる前に帰るわ」

イリアナの言葉にリックとイワンが笑い、アドニスだけは苦笑した。
面白がっているアドニスの足をイリアナは踏もうか迷ったが、近づいてくる気配にイリアナの眉がピクリと動いた。向かってくる面倒事に嫌そうなイリアナの様子に気づいたアドニスが動いた。

「イリアナ様、俺が対応しますよ」
「任せるわ。私は、できるだけ関わりたくない」

近づいてきたジオラルドの前にアドニスが立って、足を止めさせた。

「これは小隊長、どうしましたか?」
「夜になっても戻らないから探しに来た。これは」
「襲われたので、撃退したまでです」

ジオラルドはオオカミの死骸の山に眉を顰めた。

「獣が寄ってくる前に燃やすか」
「それは承りますので、怪我人をお願いできますか?」
「怪我!?」

ジオラルドに心配そうな視線を向けられたのはイリアナだった。

「ジオラルド様、お手を煩わせて申しわけありません。私達は死骸の処理を終えたら戻れますので、先に彼女を連れて、お戻りください」
「リアは大丈夫なのか?」

「先に自分の部下の安否を確認しなさいよ」という言葉をイリアナは抑えた。

「戻りましたら、隊長に報告に伺います。私達よりジオラルド様の方が、彼女も安心すると思いますのでお願いできますか?」
「リアは戻らないのか?」
「ここの処理を終えてから向かいます。怪我人が最優先ですのでお願いします」

ジオラルドの言いたいことがありそうな視線は無視してイリアナは死骸を集めていく。
黙々と作業をするイリアナを見て、女性騎士を背負ったジオラルドが去っていった。

「あれで小隊長……。人材の質が悪すぎて、レオ様がセイン兄様を欲しがる理由がよくわかるわ」

死骸に火を放ち、燃える炎の揺らぎをイリアナはぼんやりと眺めていた。
木々に囲まれた場所で、常に近くに控えていた騎士達と炎を囲む光景は過去の情景とよく似ていた。
叶わなかったことの後悔の思考に溺れそうになったイリアナは戻る準備を始めた。


処理を終えたのでイリアナ達は騎士団長の天幕を訪ねた。
騎士達用の簡易テントと違い、両騎士団長の天幕は広く、大人が複数入っても窮屈さは感じない。
天幕で待っていたのは、両騎士団長と小隊長達である。
第二騎士団の小隊長は一人だが、第一騎士団は二人小隊長が任命されている。
天幕に入った途端に第一騎士団のジオラルドではない、第一騎士団小隊長による糾弾の演説が始まった。

『この男も女性騎士に心を奪われているバカの一人だった。弱きを守るは間違っていない。騎士だから女性騎士も守るべきってなに?バカにしすぎ。性別だけで庇護したいなら、女性騎士なんて認めなければいい。女は男に従順なんて、時代錯誤な夢よねぇ。このバカが伯爵家の令息で小隊長とか失笑しかない。弱いのに』

イリアナは真剣な顔を崩さないように努力をして、心の中で反論しながら聞き流していた。
第一騎士団小隊長の演説が終わり、第一騎士団長がイリアナを見つめた。

「ラーナ、話は聞いた。お前が勝手に飛び出し、戻ってこなかったのは本当か?あと騎士失格と彼女達の矜持を傷つけた話も事実かい?」
「事実です。いかように処分も受けましょう」

イリアナは戻ってきたので、多少事実が異なるが、ほぼ間違っていないので第一騎士団長の言葉に頷いた。
弁解する意思がない静かに頷いたまま口を閉ざしたイリアナの肩が、ずっと無言で見守っていた第二騎士団小隊長にポンと軽く叩かれた。

「ラーナ、報告を」

第二騎士団小隊長の命令に、イリアナは静かに答えた。

「かしこまりました。テントに戻ると一人で狩りに行った騎士が戻らないと聞き、日が落ち始めていたので急を要すると追いかけました。報告をせずに、救援に向かい申しわけありませんでした」
「謝罪は受け入れよう。同じテントの先輩騎士の言葉を聞かなかったのは、どうしてか答えてくれるかい?」
「後輩の力量も考えずに一人で狩りに行かせ、その後の安否も気にしない。そんな騎士に払う敬意はありません。騎士に向いてないという言葉を向けたことは事実です。年長という理由だけで敬い、膝を折らなければならないなら、自刃を選びます」

イリアナの淡々とした言葉に場の空気が冷たくなる。
第二騎士団小隊長は先輩の助言を無視して、単独行動をしたと報告の事実確認をしたところがイリアナの返答は的外れで脱線していた。

「ラーナ、お前は救援に向かって、自分で対処できる自信があったのか?」
「はい。無理な場合は救援を呼ぶ備えもしてありましたので、対処できる自信がありました」

女性騎士が怪我せず、安全な場所に避難できれば、オオカミの群れに襲われてもイリアナは対処できる自信があった。
不測の事態に襲われても、アドニス達を呼べば問題ないと判断していた。
第二騎士団小隊長はイリアナの言葉を聞き、状況を整理し終えたので、ゆっくりと頷いた。

「そうか。私はラーナより後輩に全てを押し付け、高みの見物をしている者こそ罰を受けるべきだと思います。ラーナは後輩だからとテントに入れてもらうことも許されなかったそうです。これはラーナからの報告ではありません」

第二騎士団小隊長の言葉にジオラルドがイリアナに驚愕した視線を向けた。

「ラーナ、どこで寝ていた?」
「野宿は慣れてますのでご心配なく。荷物だけは好意に甘えて先輩方に預かっていただきました」

運命を共にする所属の団員を信頼し、守るのが上官の役目である。
第二騎士団小隊長が、所属している騎士の一人であるイリアナを庇うように動いてくれたことに、イリアナの中で評価がまた上がった。
見当違いな質問をするジオラルドにイリアナの評価はまた下がった。
イリアナに有利な方向に場の空気が変わったため、第一騎士団小隊長がイリアナを睨んだ。

「ラーナが調和を乱したと聞いている。何を言っても聞く耳を持たないと」
「事実です。私は頭を下げてお願いをする必要性を感じませんでした」
「質問してもいいですか!?」

不毛なやりとりにイリアナが嫌気がさす直前に、突然アドニスが挙手した。

「どうぞ」

第二騎士団小隊長が了承した。

「仲間を救援に行き、連れて戻った者に罵声をあびせるのがこの国の流儀なんですか?仲間を守って一人でオオカミと戦っていたイリアナ様が、どうして責められるんでしょう。自分にできると判断して、成果を上げた騎士が一方的に責められる理由を教えてください。救援を呼んで動くのを待っていたら、死人が出ていましたよ。報告もできない緊急事態なんて、この国には存在しないんですか?」
「お前、新入りのくせに」
「小隊長なのにご存じないんですか?俺は新入りだからこの国の流儀がわからないから聞いてるんです」

アドニスは第一騎士団小隊長を挑発しながら、脱線していた本題に戻した。

「もう遅いからアドニスの質問への答えは後日にしようか。隊長、両者の申し開きも聞きましたし、両隊長が処罰を決めませんか。あと今夜、ラーナは俺達のテントで預かってもいいでしょうか。今日はきちんと休ませてあげるべきでしょう」
「構わない。連れて行け。ラーナ、よくやった」

不満そうな第一騎士団小隊長に第二騎士団小隊長が笑みで制す。

「うちの隊長の言葉に部外者が口を挟むことはないですよね。ラーナ行くよ」

第二騎士団小隊長に肩を抱かれて、イリアナはテントを後にした。

「お騒がせしました」
「お疲れ様。今日は何もしなくていいから、食事をして、休みなさい。あぁ、食事は」
「食べ物はあるんで、用意はいりません」


イリアナは食事の用意をしようとする第二騎士団小隊長の言葉を遮った。

「ラーナ、大丈夫だったか?」
「ラーナはここで休ませるよ。疲れているから、話は明日にしようか」

第二騎士団小隊長に連れられ、テントに入ると心配そうな顔をしているヒューゴ達に迎えられた。
イリアナは食欲がなく、眠たい気持ちに襲われたが、ヒューゴ達が食事をすることへのこだわりが強いことをよく知っているため、荷物と一緒に置いていた昼間に焼いた肉を食べた。

「味は保証しませんが、お腹空いてるなら食べます?」

ヒューゴ達に羨ましそうに見られたので、イリアナは葉巻の肉を渡した。
嬉しそうに食べる男達を「よく食べるなぁ」と感心しながら、休む準備を始めた。
テントの隅っこに寝袋を広げ、すぐに寝落ちしたイリアナは朝日という目覚ましがないため、一人で起きることができなかった。



*****

ヒューゴに起こされ、訓練に参加したイリアナは女性騎士達への罰則を聞き、絶句した。

「昼食の用意は罰則ではなく、訓練の一環では?罰にしないと、できないほど食事の用意は難易度の高いことなの?」
「自由時間に作業しろってことだろう」

最終日の昼食は罰則として第一騎士団の女性騎士達が用意していた。
罰の意味がわからず、イリアナが上官なら騎士資格の剥奪を選んだ。
訓練で先輩が鍛え導くべき後輩を、見捨てるという騎士道に反する行動をした者と同じ騎士と名乗ることへの不快さに襲われた。
食欲のないイリアナは渡された食事の七割を隣に座るヒューゴの皿に移した。
いつもなら半分は食べるように言うヒューゴは死んだ魚のような目をしているイリアナを見て、首を横に振って静かに受け取った。
イリアナは相変わらず味のしない食事をしていると、隣で食べているヒューゴがうめき声をあげた。

「ラーナ、食べるな」

イリアナがヒューゴを見ると、真っ赤な顔で震えていた。

「え?」

イリアナが水筒を渡すとヒューゴが一気に水を飲んだ。
なぜかイリアナは寒気に襲われ、周囲を見渡すと隣に座っていた第二騎士団小隊長が微笑んでいた。

「ラーナ、それ俺の皿と交換してくれる?残ったら俺が食べるから」
「小隊長?」

第二騎士団小隊長がイリアナの皿を取り上げ、手をつけていない自分の皿を渡し、立ち上がった。
第二騎士団小隊長はジオラルドのもとに向かって歩き、イリアナの食べかけの皿をジオラルドに渡した。

「マナ、これ食べてみてくれない?」
「は?」
「とりあえず一口」

ジオラルドは笑顔で圧をかける第二騎士団小隊長に戸惑いながらも頷いた。
「ジオラルド、駄目!!」

女性騎士の制止の声が響き渡った時には、一口食べ終えたジオラルドは震えていた。
イリアナは水を一気に飲み、咳き込むヒューゴの背中を撫でていたが、状況が全くわからなかった。

「お昼の調理番は反省の印ですよね。なんでラーナの分だけ違うんですか?うちのラーナは食料を無駄にしてはいけないと食べてましたけど、これは抗議してもいいですか?」

「悪かった。帰ったら隊長と話し合う」
「よろしくお願いします。それ、そちらで処理してください。追加も後で持ってきますので」

呼吸を落ち着けたヒューゴがイリアナから受け取った分を渡し立ち上がる。
イリアナは第二騎士団員から心配そうに見られてたが、毒の耐性があり、味もわからないため無害なのに向けられる視線にいたたまれない気持ちに襲われた。
イリアナには無害だがヒューゴが被害を受けたので、隣に戻ってきた二人に頭を下げた。

「申しわけありませんでした」

謝罪をして皿を第二騎士団小隊長に返した。

「ラーナ、食べなよ」
「食欲がありません。どうか許してください」
「もう少し食べないと大きくなれないよ」
「家に帰ったらちゃんと食べます。小隊長、辺境地あたりへの異動願いを書いたら受理されますか?」
「ラーナは殿下のお気に入りだから無理だろうね。願いを出す権利があるから、受け取るだけはできるけど、配属先の変更は絶望的じゃないかなぁ」
「無理ですか」
「そろそろ目に余るよな。先輩に任せてラーナは仕事をこなしてればいいよ」
「あと1回でトイレ掃除です」
「俺は罰はいらないと思ったけど」
「団体行動をしなかったので仕方ないです」

第二騎士団長から罰則としてペナルティが1回追加された。
イリアナは団体行動せずに、軍の規律も乱したからである。
イリアナはうちも罰則が甘いから第一騎士団の罰則の甘さを責められないことに気付いた。

「もしトイレ掃除になったら手伝ってあげるよ」
「小隊長!私は小隊長が爵位がないことが非常に残念です」
「ラーナ?」

爵位があれば、イリアナは彼を必死に口説いただろう。
地位があるのに、トイレ掃除を手伝ってくれる人柄ならアマルも受け入れてくれそうな気がした。
家で待ってる可愛いアマルを思い出してイリアナは疲れた心を励まし、体を動かすことにした。
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