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異世界転移・アルフェナ王国編
5話
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前回に引き続き凛がかなり調子に乗っております。
後の黒歴史となりますので生温かい目で見守ってやってください。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
本来一般常識程度にしかカトラリーを扱えなかった筈なのに、何故だか実に優雅に朝食を食べ終えて見せたこの身体。後ろでメアリーがほぅ、と息を吐いたのを感じ取りながら終えた朝食は、やはりとても気持ちの良いものになった。
その後の着替えは、私が決めていたいくつかの候補の中にあった中の一つ。メアリーの意見を聞いた上で、最もさりげなく、最もこの身体を引き立てる深い色のドレスに決まった。
「ねぇメアリー。この後はどうするのかしら。確か、集まってもう一度説明を、とか言ってたわよね?」
「はい、リン様。本日は国王陛下に聖女様もいらっしゃるとの事です。勇者様も見つかったという事ですし、きっと、悪い様にはなりませんわ」
メアリーの言葉の通り、確かに悪い様にはならない様だった。
御簾越しの国王曰く、勇者だという元青年現少年(どうやら若返ったらしい)は魔王退治の旅に出ることになり、残された私達は、希望者は帰還、そうでないものは最大で3年はこの国が身柄を保証してくれるらしい。もっとも、この城に居れるのは新しい住居を見つけるまでの猶予である半年までとなっているらしいが。…うん、まぁ今急いで帰ることもないだろう。折角だしもっと満喫してからでも遅くはない。
そんなことを考えていると、昨日の老人が前に出て帰還希望者を別の部屋へと集めている様だった。
私はぞろぞろとその部屋に入る列には加わらず、残留希望として早々に部屋へと帰ろうとして、つい老人の横に立つ聖女だという美しい少女に目をやった。
癖のない黄金の髪に青色の目。愛嬌のある整った顔に…少しばかり発育の遅れている胸部。…なるほど、何から何までとはいかなくとも私とは全くもって反対なタイプの美しさだ。ない胸も、こうしてみればそれが完成形だと言われれば納得してしまいそうになる。
…だがまぁ、今の私なら負ける気はしないな、なんてことを考えて。メアリーを連れて部屋を出た。
廊下を歩きながら、後ろを歩くメアリーにむかって声をかける。
「ねぇメアリー。今から今朝の騎士様達の所っていけるかしら」
「勿論です。騎士団見学の許可とお伺いでしたら先程済ませておきましたから」
「本当?…ふふ、メアリーがいてくれて助かったわ。これからもよろしくね」
「っ…!、は、はい…!ご案内致します…!」
少し後ろを見て微笑めば、矢張り思った通りの反応が返ってくる。
さて、騎士団。今朝の謝罪と称して訪問し、やりたいことはそれなりにある。けれど一番は、今の私の身体とスキルで、一体どれほどの人数を、どのくらい骨抜きにできるかという…まぁ、実験のようなものだ。
そのあとは骨抜きになってくれた人の中から、城を出た後の暮らしの為に、いわばパトロンになってくれるひとを探すことにしようと思う。その中でも、私にどれだけ尽くしても見返りを求めないほど惚れ込んでくれる人がいい。
まぁその辺りは城に勤める騎士には貴族出身が多くいるというから大丈夫だろう。骨抜きにするのだって、今朝のことである程度手応えも感じていることだし。
「リン様。あの扉の先が、今朝の騎士達が訓練している訓練所になります。日傘はお使いになりますか?」
「そうね…。使わせてもらうわ、ありがとう」
「い、いえ…どうぞ」
そう言って手渡されたのは黒の日傘。先程厨房に寄って無理を言って冷たい飲み物を沢山用意して貰ったのだが、その時メアリーが先輩メイドらしき人から何かを受け取っていたのはこういうことだったのかと納得をした。いつの間にか騎士団へのアポイントメントをとっていたメアリーのことだから、きっとあらかじめに用意していたのだろう。メアリーが優秀すぎて本当に頭が上がらない。
そんなことを思いながら、日傘を開いて大きな扉の外に出る。
扉の先はかなり広いバルコニーのようになっており、いち、に、と声の響く下の方を覗き見ると、そこには確かに見覚えのあるようなないような騎士達が、汗をかきながら一生懸命に剣を振っているのが見えた。
そんな日本ではまず見ることのない風景に思わず見惚れるようにしていると、話しかけてきたのは赤い髪の騎士の服を着た若い男の子。
「なにかご用ですか」と言いかけて、私が振り向いたら真っ赤になって固まってしまった。私はそれに、気付かれないように日傘の中でにぃっと口元を歪めてから、今度は【演技】も使って綺麗に微笑んで見せた。
「今朝のことで、騎士様達に謝罪をしたくて…。お詫びと言ってはなんですけれど、差し入れを持ってきたんです。その、よろしければ」
_____さて、まずはここからだ。
後の黒歴史となりますので生温かい目で見守ってやってください。
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本来一般常識程度にしかカトラリーを扱えなかった筈なのに、何故だか実に優雅に朝食を食べ終えて見せたこの身体。後ろでメアリーがほぅ、と息を吐いたのを感じ取りながら終えた朝食は、やはりとても気持ちの良いものになった。
その後の着替えは、私が決めていたいくつかの候補の中にあった中の一つ。メアリーの意見を聞いた上で、最もさりげなく、最もこの身体を引き立てる深い色のドレスに決まった。
「ねぇメアリー。この後はどうするのかしら。確か、集まってもう一度説明を、とか言ってたわよね?」
「はい、リン様。本日は国王陛下に聖女様もいらっしゃるとの事です。勇者様も見つかったという事ですし、きっと、悪い様にはなりませんわ」
メアリーの言葉の通り、確かに悪い様にはならない様だった。
御簾越しの国王曰く、勇者だという元青年現少年(どうやら若返ったらしい)は魔王退治の旅に出ることになり、残された私達は、希望者は帰還、そうでないものは最大で3年はこの国が身柄を保証してくれるらしい。もっとも、この城に居れるのは新しい住居を見つけるまでの猶予である半年までとなっているらしいが。…うん、まぁ今急いで帰ることもないだろう。折角だしもっと満喫してからでも遅くはない。
そんなことを考えていると、昨日の老人が前に出て帰還希望者を別の部屋へと集めている様だった。
私はぞろぞろとその部屋に入る列には加わらず、残留希望として早々に部屋へと帰ろうとして、つい老人の横に立つ聖女だという美しい少女に目をやった。
癖のない黄金の髪に青色の目。愛嬌のある整った顔に…少しばかり発育の遅れている胸部。…なるほど、何から何までとはいかなくとも私とは全くもって反対なタイプの美しさだ。ない胸も、こうしてみればそれが完成形だと言われれば納得してしまいそうになる。
…だがまぁ、今の私なら負ける気はしないな、なんてことを考えて。メアリーを連れて部屋を出た。
廊下を歩きながら、後ろを歩くメアリーにむかって声をかける。
「ねぇメアリー。今から今朝の騎士様達の所っていけるかしら」
「勿論です。騎士団見学の許可とお伺いでしたら先程済ませておきましたから」
「本当?…ふふ、メアリーがいてくれて助かったわ。これからもよろしくね」
「っ…!、は、はい…!ご案内致します…!」
少し後ろを見て微笑めば、矢張り思った通りの反応が返ってくる。
さて、騎士団。今朝の謝罪と称して訪問し、やりたいことはそれなりにある。けれど一番は、今の私の身体とスキルで、一体どれほどの人数を、どのくらい骨抜きにできるかという…まぁ、実験のようなものだ。
そのあとは骨抜きになってくれた人の中から、城を出た後の暮らしの為に、いわばパトロンになってくれるひとを探すことにしようと思う。その中でも、私にどれだけ尽くしても見返りを求めないほど惚れ込んでくれる人がいい。
まぁその辺りは城に勤める騎士には貴族出身が多くいるというから大丈夫だろう。骨抜きにするのだって、今朝のことである程度手応えも感じていることだし。
「リン様。あの扉の先が、今朝の騎士達が訓練している訓練所になります。日傘はお使いになりますか?」
「そうね…。使わせてもらうわ、ありがとう」
「い、いえ…どうぞ」
そう言って手渡されたのは黒の日傘。先程厨房に寄って無理を言って冷たい飲み物を沢山用意して貰ったのだが、その時メアリーが先輩メイドらしき人から何かを受け取っていたのはこういうことだったのかと納得をした。いつの間にか騎士団へのアポイントメントをとっていたメアリーのことだから、きっとあらかじめに用意していたのだろう。メアリーが優秀すぎて本当に頭が上がらない。
そんなことを思いながら、日傘を開いて大きな扉の外に出る。
扉の先はかなり広いバルコニーのようになっており、いち、に、と声の響く下の方を覗き見ると、そこには確かに見覚えのあるようなないような騎士達が、汗をかきながら一生懸命に剣を振っているのが見えた。
そんな日本ではまず見ることのない風景に思わず見惚れるようにしていると、話しかけてきたのは赤い髪の騎士の服を着た若い男の子。
「なにかご用ですか」と言いかけて、私が振り向いたら真っ赤になって固まってしまった。私はそれに、気付かれないように日傘の中でにぃっと口元を歪めてから、今度は【演技】も使って綺麗に微笑んで見せた。
「今朝のことで、騎士様達に謝罪をしたくて…。お詫びと言ってはなんですけれど、差し入れを持ってきたんです。その、よろしければ」
_____さて、まずはここからだ。
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