英雄の弾丸

葉泉 大和

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3-24 一時休戦

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 ***

 突然の来訪者――オレオル・ズィーガーの参入に、誰も言葉を紡ぐことが出来なかった。

 クルムも、命を奪われる直前にあったリッカも、この場の主であるティルダも、獲物を仕留め損ねたフランも、そしてティルダの手下達も、誰もが現状を理解出来ずにいる。

 それもそのはずだ。
 オレオル・ズィーガーという青年は、純粋な戦闘狂だ。先ほどまでクルムと死闘を交わしており、クルムに相当の傷を負わせるほどの実力の持ち主だ。そんなオレオルが、わざわざこの場所にまで足を運び、リッカを助ける理由はないはずだ。ティルダ側に関して言えば、全く関係のない人間がいきなり首を突っ込んで来たのと同義だ。

 オレオルの参戦の意図は、本人以外誰も分からない。

 しかし、一つだけ分かることがある――。

「おいおい、随分楽しそうなことしてるじゃねェか……。なァ、俺も混ぜてくれよ」

 ――それは、オレオルの参戦がこの緊縛とした状況をかき乱すということだ。

 建物の中に入ったオレオルは、リッカとアンガスの戦いによって荒れた舞台を一望し、爛々と右目を輝かせている。興奮しているのか、一度唇を舐めたオレオルは、まるで子供が木の棒で遊ぶように槍を軽々しく扱っていた。暴れたくて今にも待ちきれない、といった様子だ。

 突然の状況の変化に、ティルダの手下達はオレオルが目の前を通り過ぎるのを、ただただ見過ごすことしか出来なかった。

 一方、近付くオレオルの姿を見つめ、クルムは思考を張り巡らせていた。
 オレオル・ズィーガーという異分子が、クルム達にとって鬼と出るか蛇と出るかは、まだ分からなかった。

 更にクルムの心をかき乱すのはそれだけではない。一瞬の間ではあったがクルムの見間違いでなければ、悪魔が宿っていたオレオルの左目は、先ほどとは確かに違って見えたのだ。
 しかし、今それを確認する術はない。余裕なのか、オレオルは左目を瞑って歩いているからだ。瞼が閉ざされて、その中身が魔眼なのか空洞なのかはっきりと分からない。加えて、オレオルがクルムに関心を向ける様子はない。

 オレオルがクルムの横を通り過ぎた時も、左目の違和感の正体を掴むことは出来なかった。

 そして、オレオルがクルムよりも前に出た途端、

「……ああ、いいぜ」

 依然オレオル以外の言葉が発せられなかった状況で、ようやくオレオル以外の声が響いた。その声に、この場にいる全ての人の注目が集まる。オレオルも足を止めた。

「オレオル、と言ったか。俺はティルダ・メルコス、この建物の主だ。強い奴は大歓迎だぜ」

 声の主はティルダ・メルコスだった。

 冷静さを取り戻したのか、ティルダはこの建物の主人らしい顔で堂々としている。そのティルダの声にフランは剣を鞘に収めると、目の前にいるリッカを置いて主人の傍へと戻った。

 ここに来て、ようやくリッカは安堵の息を吐いた。フランの剣がオレオルの槍に阻まれたとは言え、フランの威圧はずっと消えなかった。タイミングを見計らって、リッカとクルム、そしてオレオルを仕留めようという思惑が全身から伝わって来ていたからだ。
 しかし、安堵したのも束の間、すぐにリッカは気を引き締め直してオレオルに目を配った。まだ立って動けるほどの気力は、リッカには戻っていなかったのだ。だから、せめてオレオルがどのような動きを見せるのか――、否、戦況がどう変わっていくのか見定めなくてはならなかった。

 歓迎するティルダの言葉に、オレオルはニヤリと口角を上げると、

「そいつはありがてェ。なら、早速パーティーの続きを始めようぜ」

 一歩足を踏み込んだ。

 そして、そのまま野に放たれた獰猛な獣のように戦場を駆け巡る――直前だった。

「……けど、一つだけハッキリさせないといけないことがある」

 勿体ぶったようなティルダの真剣な声に、オレオルは再び足を止め、ティルダを睨みつけた。

「――お前はどっちの味方なんだ?」

 まるで心の内を見通そうとするように、ティルダはその双眸にオレオルを映していた。
 隣に立つフランも、オレオルのことを威圧するように見下ろしている。いつでも戦闘準備が出来ているのか、フランは大剣の柄に手を伸ばしていた。

「部下の報告によると、お前はそいつと敵対しているはずだ。それなのに、なぜ助けるような真似をした? その真意は――」
「――だからだよ」

 ティルダの言葉を遮るオレオルの声は、迷いもなく力強かった。

「こいつだけは、俺の手で倒さないと気が済まない。こいつに勝ってこそ、俺は最強の称号を手に入れることが出来る」

 オレオルは槍の切っ先をクルムに向けた。しかし、その琥珀色の右目はティルダを捉えたまま離さない。

「だから、お前達のような三下に、こいつとその仲間達の首をやる訳にはいかねェのさ」
「……ッ、誰が三下だと?」

 オレオルの言葉に、あからさまにティルダの眉間に皺が寄った。心なしか、ティルダの声も怒りに震えているようだ。

 しかし、そんな怒りに燃え上がるティルダを嘲笑うようにオレオルは息を吐くと、

「へェ、違うのか。なら、教えてくれよ。他人が負わせた致命傷を利用しなければ、戦うことさえも選ばない薄汚い人間はなんて呼べばいいんだ?」
「ハッ、口だけは随分達者じゃねぇか……ッ!」
「口だけじゃねェこと――、今からお前自身の体で確かめてみるか?」

 まさに売り言葉に買い言葉と言える言葉の押収により、オレオルとティルダ一行の間に、並々ならぬ雰囲気が漂った。

 今にも火花が散りそうな、一触即発の雰囲気。

 そんな一層緊迫さを増した状況の中、

「――オレオルさん」

 クルムはオレオルの名前を弱々しく紡いだ。

 その声に、オレオルはようやくクルムに顔を向ける。間近で見るオレオルの左目周りは、痛々しい傷に苛まれていた。オレオルは左目を閉じ続けているためその中がどうなっているかは分からないが、ここまで来れば察することは容易い。

「お前もお前だ、クルム・アーレント。いくら俺様が負わせた傷が深いからって、こんな雑魚どもに仲間を守れないでいるとはな……。あまり俺を失望させないでくれよ」
「――その左目は、一体……」

 クルムはようやく今まで抱き続けた疑問を口にした。

 クルムの問いを受けて、オレオルは口角を上げる。

「これか? 見れば分かるだろ」

 オレオルは軽く飄々とした態度で、悪魔の力が宿った黒眼があったはずの場所を指さした。そして、一瞬だけ左の瞼を開けた。すると、そこには見てるこちらが痛々しくなるようなぽっかりと空いた空洞があるだけだった。その傷は生々しかった。

 もう答えは明白だ。

「まさか……っ」

 この数時間にも満たない間でのオレオルの変化を見て、クルムは息を呑んだ。純粋に驚きしかなかったのだ。

 そんな驚きを隠せないクルムを前にして、オレオルは一度琥珀色の右目と左瞼を閉じると、

「俺はもう悪魔なんかの力を使わない」

 誓う様に心臓に手を当てて、はっきりと言った。

 オレオルが頭の中で何を思っているのかは分からないが、その表情は真剣そのものだった。オレオルの言葉が嘘ではないと、伝わって来る。

「……オレオルさん」

 その決意と覚悟を目の当たりにしたから、余計な言葉は必要なかった。

 もうオレオルは自身で悪魔に打ち勝つ力を持っている。

 そして、オレオルは琥珀色の右目を開くと、背後にいるクルムのことは見ずに、これから相対するティルダとフランのことを捉えた。

 オレオルの右目とティルダとフランの双眸が火花を散らして重なり合い――、

「――ハハハッ!」

 ティルダが見下すかのように、声を上げて笑った。ティルダが腹を抱えて笑っている様子を、フランは従者らしく動じないまま見守っている。

「片目が見えないくせに、威勢だけはいいガキだ。そんな状態で、俺たちに盾突いてどうなるかわかってるのか?」

 言いながら、ティルダは手で後方に向けて合図を送り始めた。その手の動きに呼応するように、クルムとオレオルの背後で何かが動く音がする。

 その音に、クルムは振り返った。
 視線の先には、ティルダの手下である三人組がオレオルに向かって襲い掛かる姿があった。

「さぁ、お望み通りパーティーの始まりだ! お前ら、こいつらをもてなしてやれ!」
「うおぉお!」

 ティルダがそう言うと、三人の手下達がそれぞれ武器を取り出し始めた。そして、その武器を大きく振り上げ、オレオルに向けて攻撃を仕掛ける。

 しかし、それでもオレオルは振り返る気配がない。

「オレオルさんっ! 後ろ!」
「オレオル、もう来てるわよ!」

 クルムとリッカは、オレオルに敵が迫っていることを声にして伝えた。

 それでも、オレオルはティルダを睨みつけたまま、立ち続けている。心なしか、その立ち姿は、立つことさえやっとのことのように見えた。

 けれど、それも仕方のないことかもしれなかった。
 オレオルも先ほどまでクルムと死闘を繰り広げており、しかも、見る者を圧倒させるような大技を多く出していた。体力が消耗していないはずがない。加えて、オレオルは自分の過去と向き合い、悪魔が潜む左目を刳り抜いたばかりなのだ。

 オレオルがこの場に仲間として参戦したからと言って、決して楽観出来る状況ではない。

「――っ」

 ティルダの手下達に向けて、クルムは銃を構えた。狙うは、彼らが今振るっている武器だ。武器を壊し、戦闘に参加させなくさせるだけでいい。むしろ、クルムにはそれ以外の選択肢は絶対にない。

 しかし、クルムが手下達の方に銃を構えた途端、

「たかが三人で優位を取ったつもりか……?」

 オレオルは歯を見せて笑った。依然、ティルダに体を向けたままで、手下達には目をくれてもいない。

 それなのに――。

 その瞬間、ティルダの手下達の背に寒気がよだった。手下達は、オレオルの表情を見ていない。オレオルはまだティルダに顔を向けており、背をがら空きにしたままだ。
 なのに、それでもオレオルがどんな表情を浮かべているのか、感覚的に伝わって来た。

 しかし、体の動きを急に止めることは出来ない。それに、オレオル一人に対して、三人で攻めているのだ。一太刀くらいは入れることが出来るだろう――、

「く、くらえぇぇえええぇぇ!」

 そう判断し、三人の攻撃は緩むことなく、むしろ勢いを増した。

 だが、その攻撃も無意味に終わる。

「だァから! お前らは三下なんだよォ!」

 彼らの攻撃がオレオルに届く直前、ようやくオレオルは半身を翻した。それも、あえて視界の潰れている左側から、だ。そして、そのまま流れるように動き、片手一つで軽々しく槍を振るう。

「――」

 轟音だった。オレオルが槍を振ったことにより、雷が地に落ちたような聞く者すべてを震え上がらせる音が響く。もちろん、音だけではなく、その威力は轟音に比例していた。

「――グァッ!」

 空を裂くような槍の風圧に、三人は足を踏ん張らせることさえ出来ずに飛ばされ、そのまま壁に打ち付けられた。
 鈍い声が三つ聞こえると、ティルダの手下達は力なく倒れ、気を失ってしまった。

「……」

 時間にして数秒にも満たない一方的な攻撃を見て、クルムとリッカは言葉を失っていた。その攻撃には、疲労の色が全くと言っていいほど見えなかったのだ。
 そして、言葉を失っているのは、二人だけではない。ティルダとフランも信じられない現象を目にしてしまったかのように、法然と立ち尽くしていた。

 そんな中、ただ一人オレオルだけは、物足りなさそうに槍の柄で肩を叩いていた。その表情も、どこか不満気だった。

「ったく、何だよ。わざわざ足を運んだ客を思い切り楽しませることが出来ないんじゃ、パーティーとは言えねェな。だから――」

 オレオルは槍の切っ先をティルダに向けると、

「もう、こんなくだらない時間は終わらせてやるよ。俺の手でなァ!」
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