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2-19 一連の発端は
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***
クルム達が宿屋付近に着いた時、宿屋の前に一人の人影が佇んでいることに気が付いた。その人物は、誰かが帰って来るのを待っているようにきょろきょろと顔を動かしていた。
そして、左右に行ったり来たりとしていた顔がクルム達の方に固定されると、確かめるためか、やや空白の時間が流れ、
「無事に宿屋まで戻って来れて良かったよ」
手を上げながら、親しみの籠った声音でクルム達に近づいて来た。
一般人が使わないような鎧を身にまとった人物の声には聴き覚えがあり、クルムとリッカ、そしてシンクもこちらに近づく人物が誰なのかすぐに思い当たることが出来た。
「ソマクさん!」
クルムとリッカは同時にこちらに近づく人物――シエル教団に所属するソマク・ロビットの名前を呼んだ。
ソマクは二人に名前を呼ばれると、笑顔を向けた。
しかし、その笑顔も――、
「無事……って、誰のせいでこんな目にあったと思っているんだ?」
「あー……、はは……」
視線を突き刺すように睨み付けるシンクによって、苦い笑いへと変わる。
先ほどの路地裏の一件に対する、シンクなりの糾弾のつもりなのだろう。
しかし、シエル教団最高指揮官であるペテル・コンヴィクトによって起こった出来事について、ソマクに当たるのはお門違いだ。むしろ、ソマクはリッカやシンクをクルムがいる場所へと案内してくれたり、ペテルが繰り出そうとしていた攻撃を止めたりと、様々に助けになってくれた。
感謝こそすれ、卑下にすることは出来ない。
それに今だってソマクは友好的な態度をもって、クルム達の前に進み出ている。
だからリッカは、
「シンク、何てこと言ってるの!」
「ふぁっ! ふぁひふるんはろ!」
シンクがこれ以上無為な言葉を発することがないように、シンクの背後から口を抑えにかかった。
突然の事態に、シンクはじたばたと抵抗を見せる。シンクが話す度、リッカの手に息が掛かってくるが、それでもリッカは応じることはない。
クルムはやってしまったと言いたいように、頭を抑えていた。
「すみません、ソマクさん。シンクの言うことは気にしないでください」
「い、いやいや。シンク君の言うことももっともだからね……。全てのきっかけは我々シエル教団から始まったと言っても過言ではないよ」
リッカの言葉に対して、ソマクは手を振りながら大人の対応をもって応じる。
その様子を見て、クルムはすぐに前にいるソマクを黄色い双眸に捉え、
「ソマクさんは、シエル教団の人達と一緒に行動しなくても大丈夫なのですか?」
この場でソマクと会ってから抱き続けていた疑問をぶつけた。
再会したソマクの周りには、クルム達以外には誰もいなかった。周りに神経を傾けてみても、誰かが身を潜めている気配は感じられない。きっと月明りが寂しく照らしていた場所でクルム達と別れてから、ソマクはこの場所にい続けたのだろう。
ソマクは一瞬、的外れの質問を受けたと言わんばかりに目を見開かせていたが、すぐに目を細め、口角を上げた。
「ああ、いいんだ。私以外の団員はすでにこの町を出て、グリーネ大国からフラウム王国に向かっているところだ。私はやり残したことを終えた後に、次の休息地で落ち合う約束を交わしたから、問題はないよ」
「……大丈夫なんですか?」
クルムとリッカは同じタイミングでソマクに素っ頓狂な声で質問をぶつけた。先ほどまでリッカの手の中でもがいていたシンクも、動きを止めている。
ソマクと出会うようになった元々の理由は、ビオス平原で倒れているソマクを見つけたからだ。
シエル教団一同で馬を走らせていたにも関わらず、誰一人として平原の真ん中で倒れ込んだソマクを助ける者はいなかった。そこにたまたま居合わせたクルム達が、ソマクのことを介抱し、巡回が行なわれるヴェルルの町に連れて来たのだった。
ソマクが再び道の真ん中で倒れないだろうかと、どうして心配しないことがあろうか。
「だ、大丈夫だよ。あの時みたいに無理して力を使わなければ、倒れることはないから」
「そう聞いて、一安心です。なら、どうしてソマクさんは一人ヴェルルに残っているんですか? やり残したことがあると仰っていましたが……」
クルムの言葉に、ソマクは自分の目的を思い出したように、指で頬に触れる動きを見せる。
「ああ、そうなんだ。個人的にどうしてもやっておかなければいけないことがあって」
そう言うと、ソマクは真っ直ぐにクルムのことを見つめる。先ほどのくだけた雰囲気とは一転、引き締まった緊迫とした雰囲気になる。
「クルム君、ちょっといいかな……?」
「……はい、もちろんです。僕もソマクさんと話したいことがありましたから」
クルムは突然のソマクの指名にも顔色を変えることなく、笑顔を浮かべていた。しかし、そのクルムの余裕の表情とは変わって、リッカとシンクは気が気でないようだ。
巡回の舞台でクルムが取った行動は、シエル教団として――否、英雄を待ち望む人すべてにとって芳しくない行動であろう。それなのに、シエル教団の一員であるソマクと、シエル教団に問題視されるクルムを、一緒にすることが出来るだろうか。
リッカもシンクも、ソマクを信じていない訳ではないが、この問題とはまた話が別だ。
「なら、クルム君。少し私について来て――」
「ちょ、ちょっと待った!」
そして、ついにシンクはリッカの手を上手く潜り抜け、クルムの前を庇うように立ち始めた。驚くソマクの顔を、シンクは力強く睨み付ける。
「ソマクのおっさん、一体クルムに何の用があるんだ? 話があるなら、この場で言えばいいだろ。もしシエル教団としてクルムを――」
「心配しなくても大丈夫ですよ。すぐに戻って来ますから」
クルムはシンクの言葉を遮ると、安心させるようにシンクの頭に触れた。頭に手を乗せられながら、シンクはクルムの表情を盗み見る。
言葉通り、クルムの表情は一切心配の色がなかった。その希望を彷彿とさせる黄色い瞳には、揺れない覚悟が潜めている。
だから、それ以上シンクは口を挟むことは出来ずに、静観することを選択した。リッカもシンクと同様に、何を言っても無駄だと判断したのか、何も言うことはなかった。
「二人とも、すまないね。少しの間だけ、クルム君を借りていくよ」
そう言うと、ソマクは二人に対して頭を下げ、先ほどクルム達が来た道へと歩き始めた。
「リッカさん、シンク。先に宿屋に戻っていても大丈夫ですよ」
ソマクが歩き出してから一拍置き、クルムは二人に言葉を掛けた。しかし、リッカもシンクも答えは同じで、首を横に振った。
同じ場所にいることが出来なくても、せめて姿が見える場所で待っていたかった。そうして、クルムが戻って来た時、一緒に宿屋に入りたかった。
その行動こそが、今日一日ヴェルルを動き回った二人の――否、三人の締めくくりとして、まさに相応しいだろう。
二人の想いを感じたのか、クルムはそっと微笑むと、
「――では、行って来ます」
ソマクの後について行った。
前を歩くソマクは、一度もクルムのことを振り向かなかった。クルムが逃げ出すことなく、絶対について来ると信じていなければ出来ないだろう。
もちろん、クルムには逃げ出すつもりは毛頭ない。
ただソマクが連れて行く場所で、ソマクに伝えたい想いを伝え、ソマクが話したいことをしっかりと聞くだけだ。もし望まない結果になったとしても、誰が文句を言うことが出来るだろうか。
クルムは堂々とした足取りで、ソマクの背中を追っていく。
そして、ソマクの背を見て歩き続けている内に、ソマクは急に足を止めた。
ソマクが立ち止まった場所は、特に突出して説明をすべき場所ではなかった。強いて挙げるのであれば、ヴェルルの出入り口から少しだけ距離が近くなったことくらいだ。後ろを振り返ると、リッカとシンクの人影が見え、大まかな動作くらいなら視認出来るような位置にいる。
どうやら、本当にクルムだけに話したいことがあって、リッカとシンクとの距離を置いただけのようだ。
立ち止まったソマクは暫く考え事をするように、足を止めて前を見続けている。しかし待てども、ソマクから言葉を紡ぐ様子はなかった。
「……、ソマクさん?」
その言葉にようやくソマクはクルムの方に体を向け、
「――こう言うと、偉そうに聞こえるかもしれないけれど、私はクルム君のことを高く評価しているつもりだ」
会話の火蓋を切って落とした。
クルム達が宿屋付近に着いた時、宿屋の前に一人の人影が佇んでいることに気が付いた。その人物は、誰かが帰って来るのを待っているようにきょろきょろと顔を動かしていた。
そして、左右に行ったり来たりとしていた顔がクルム達の方に固定されると、確かめるためか、やや空白の時間が流れ、
「無事に宿屋まで戻って来れて良かったよ」
手を上げながら、親しみの籠った声音でクルム達に近づいて来た。
一般人が使わないような鎧を身にまとった人物の声には聴き覚えがあり、クルムとリッカ、そしてシンクもこちらに近づく人物が誰なのかすぐに思い当たることが出来た。
「ソマクさん!」
クルムとリッカは同時にこちらに近づく人物――シエル教団に所属するソマク・ロビットの名前を呼んだ。
ソマクは二人に名前を呼ばれると、笑顔を向けた。
しかし、その笑顔も――、
「無事……って、誰のせいでこんな目にあったと思っているんだ?」
「あー……、はは……」
視線を突き刺すように睨み付けるシンクによって、苦い笑いへと変わる。
先ほどの路地裏の一件に対する、シンクなりの糾弾のつもりなのだろう。
しかし、シエル教団最高指揮官であるペテル・コンヴィクトによって起こった出来事について、ソマクに当たるのはお門違いだ。むしろ、ソマクはリッカやシンクをクルムがいる場所へと案内してくれたり、ペテルが繰り出そうとしていた攻撃を止めたりと、様々に助けになってくれた。
感謝こそすれ、卑下にすることは出来ない。
それに今だってソマクは友好的な態度をもって、クルム達の前に進み出ている。
だからリッカは、
「シンク、何てこと言ってるの!」
「ふぁっ! ふぁひふるんはろ!」
シンクがこれ以上無為な言葉を発することがないように、シンクの背後から口を抑えにかかった。
突然の事態に、シンクはじたばたと抵抗を見せる。シンクが話す度、リッカの手に息が掛かってくるが、それでもリッカは応じることはない。
クルムはやってしまったと言いたいように、頭を抑えていた。
「すみません、ソマクさん。シンクの言うことは気にしないでください」
「い、いやいや。シンク君の言うことももっともだからね……。全てのきっかけは我々シエル教団から始まったと言っても過言ではないよ」
リッカの言葉に対して、ソマクは手を振りながら大人の対応をもって応じる。
その様子を見て、クルムはすぐに前にいるソマクを黄色い双眸に捉え、
「ソマクさんは、シエル教団の人達と一緒に行動しなくても大丈夫なのですか?」
この場でソマクと会ってから抱き続けていた疑問をぶつけた。
再会したソマクの周りには、クルム達以外には誰もいなかった。周りに神経を傾けてみても、誰かが身を潜めている気配は感じられない。きっと月明りが寂しく照らしていた場所でクルム達と別れてから、ソマクはこの場所にい続けたのだろう。
ソマクは一瞬、的外れの質問を受けたと言わんばかりに目を見開かせていたが、すぐに目を細め、口角を上げた。
「ああ、いいんだ。私以外の団員はすでにこの町を出て、グリーネ大国からフラウム王国に向かっているところだ。私はやり残したことを終えた後に、次の休息地で落ち合う約束を交わしたから、問題はないよ」
「……大丈夫なんですか?」
クルムとリッカは同じタイミングでソマクに素っ頓狂な声で質問をぶつけた。先ほどまでリッカの手の中でもがいていたシンクも、動きを止めている。
ソマクと出会うようになった元々の理由は、ビオス平原で倒れているソマクを見つけたからだ。
シエル教団一同で馬を走らせていたにも関わらず、誰一人として平原の真ん中で倒れ込んだソマクを助ける者はいなかった。そこにたまたま居合わせたクルム達が、ソマクのことを介抱し、巡回が行なわれるヴェルルの町に連れて来たのだった。
ソマクが再び道の真ん中で倒れないだろうかと、どうして心配しないことがあろうか。
「だ、大丈夫だよ。あの時みたいに無理して力を使わなければ、倒れることはないから」
「そう聞いて、一安心です。なら、どうしてソマクさんは一人ヴェルルに残っているんですか? やり残したことがあると仰っていましたが……」
クルムの言葉に、ソマクは自分の目的を思い出したように、指で頬に触れる動きを見せる。
「ああ、そうなんだ。個人的にどうしてもやっておかなければいけないことがあって」
そう言うと、ソマクは真っ直ぐにクルムのことを見つめる。先ほどのくだけた雰囲気とは一転、引き締まった緊迫とした雰囲気になる。
「クルム君、ちょっといいかな……?」
「……はい、もちろんです。僕もソマクさんと話したいことがありましたから」
クルムは突然のソマクの指名にも顔色を変えることなく、笑顔を浮かべていた。しかし、そのクルムの余裕の表情とは変わって、リッカとシンクは気が気でないようだ。
巡回の舞台でクルムが取った行動は、シエル教団として――否、英雄を待ち望む人すべてにとって芳しくない行動であろう。それなのに、シエル教団の一員であるソマクと、シエル教団に問題視されるクルムを、一緒にすることが出来るだろうか。
リッカもシンクも、ソマクを信じていない訳ではないが、この問題とはまた話が別だ。
「なら、クルム君。少し私について来て――」
「ちょ、ちょっと待った!」
そして、ついにシンクはリッカの手を上手く潜り抜け、クルムの前を庇うように立ち始めた。驚くソマクの顔を、シンクは力強く睨み付ける。
「ソマクのおっさん、一体クルムに何の用があるんだ? 話があるなら、この場で言えばいいだろ。もしシエル教団としてクルムを――」
「心配しなくても大丈夫ですよ。すぐに戻って来ますから」
クルムはシンクの言葉を遮ると、安心させるようにシンクの頭に触れた。頭に手を乗せられながら、シンクはクルムの表情を盗み見る。
言葉通り、クルムの表情は一切心配の色がなかった。その希望を彷彿とさせる黄色い瞳には、揺れない覚悟が潜めている。
だから、それ以上シンクは口を挟むことは出来ずに、静観することを選択した。リッカもシンクと同様に、何を言っても無駄だと判断したのか、何も言うことはなかった。
「二人とも、すまないね。少しの間だけ、クルム君を借りていくよ」
そう言うと、ソマクは二人に対して頭を下げ、先ほどクルム達が来た道へと歩き始めた。
「リッカさん、シンク。先に宿屋に戻っていても大丈夫ですよ」
ソマクが歩き出してから一拍置き、クルムは二人に言葉を掛けた。しかし、リッカもシンクも答えは同じで、首を横に振った。
同じ場所にいることが出来なくても、せめて姿が見える場所で待っていたかった。そうして、クルムが戻って来た時、一緒に宿屋に入りたかった。
その行動こそが、今日一日ヴェルルを動き回った二人の――否、三人の締めくくりとして、まさに相応しいだろう。
二人の想いを感じたのか、クルムはそっと微笑むと、
「――では、行って来ます」
ソマクの後について行った。
前を歩くソマクは、一度もクルムのことを振り向かなかった。クルムが逃げ出すことなく、絶対について来ると信じていなければ出来ないだろう。
もちろん、クルムには逃げ出すつもりは毛頭ない。
ただソマクが連れて行く場所で、ソマクに伝えたい想いを伝え、ソマクが話したいことをしっかりと聞くだけだ。もし望まない結果になったとしても、誰が文句を言うことが出来るだろうか。
クルムは堂々とした足取りで、ソマクの背中を追っていく。
そして、ソマクの背を見て歩き続けている内に、ソマクは急に足を止めた。
ソマクが立ち止まった場所は、特に突出して説明をすべき場所ではなかった。強いて挙げるのであれば、ヴェルルの出入り口から少しだけ距離が近くなったことくらいだ。後ろを振り返ると、リッカとシンクの人影が見え、大まかな動作くらいなら視認出来るような位置にいる。
どうやら、本当にクルムだけに話したいことがあって、リッカとシンクとの距離を置いただけのようだ。
立ち止まったソマクは暫く考え事をするように、足を止めて前を見続けている。しかし待てども、ソマクから言葉を紡ぐ様子はなかった。
「……、ソマクさん?」
その言葉にようやくソマクはクルムの方に体を向け、
「――こう言うと、偉そうに聞こえるかもしれないけれど、私はクルム君のことを高く評価しているつもりだ」
会話の火蓋を切って落とした。
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