メティス・ラヴァルの冒険書

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冒険者編

142話 ルリ2

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142話 ルリ2

翌日、集合時間より少し早く集合場所に着くと、馬車が何台か停まっていた。
声をかけて、護衛の冒険者だと名乗ると代表の所まで案内してくれた。
今回の護衛対象はオリエントの薔薇
代表は座長のカミラさんだ。
案内してくれた人にお礼を言って、カミラさんに声をかける。

「おはようございます。
護衛の依頼を受けた、冒険者のメティス・ラヴァルです。
宜しくお願いします。」

「あ!おはようございます。
オリエントの薔薇の座長のカミラです。
って、、、この前上演後に挨拶に来てくれた方かぁーー!!
凄い凄い!凄い偶然だね!!
わぁー嬉しいなぁ。。。」

「私もカミラさんに再会できて嬉しいです!!
それにまさかルリに行こうと思っていたタイミングで、護衛依頼にありつけるなんて!!」

「いや、本当にそうよねー
兄がいきなり護衛を増やすって言い出した時はちょっと不安だったけど、貴方なら安心だわー。」

「そう言ってもらえてよかったです。
けど、依頼の時の名前違ってませんでした?」

「あーそうだね!
オリエントの薔薇はこの一座の名前だけど、大元は別の名前なのよ。
基本的に大元の名前で依頼を受けて、その内容によってどの一座が行くか決まるの。だから護衛依頼を出す時も大元の名前を使うのよ。」

「そうなんだー。
昨日無駄にドキドキして損しちゃいました!!」

「アハハハっ。
あ!そうだ!他の護衛の人達を紹介するわね」

そう言って馬車の先頭に行くと、竜の原種人の三人組パーティーと、こっちの方ではあまり見かけない防具を着てる五人組パーティーがいた。
みんなそれぞれのパーティー同士集まってくつろいでいた。

「さ!顔合わせをしようか!」
そう言うと集まっていた面々がカミラさんの方に注目した。
「今回はマリオーネト国のルリまでの護衛を宜しく。私はこの一座の座長のカミラだ。
依頼は、通知の通りだが確認の為説明する。
護衛対象は団員十八名、馬車四台。途中の街で二名馬車を降りる予定だ。
食事は夜はこちらで用意するが、それ以外は其々でまかなってくれ。
道中の戦闘で得たモンスターの素材に関しては当一座は一切関与しない、冒険者同士で話し合ってくれ。
ただし、揉めたりそれで関係が悪化して護衛に支障が出ると我々が判断した場合は、人数に関係なく、ここの三パーティーで均等化する。」

皆一様に頷く。
<人数に関係なく、護衛参加パーティーで均等化する。>は、どの護衛依頼にも書かれている条で、それを了承してクエストを受けているから、今更それで反対する人はいない。
っというより、素材の分配はクエスト終了後に冒険者ギルドで行うのが基本だから、道中で揉める事はほとんどない。

皆の頷きを確認してカミラさんが続ける。
「日程は急いでいるわけではないが、マスクドドールが始まるまでにはルリに着いておきたいので、十~十四日程で考えてくれ。
私からは以上だ!質問はあるか?」
皆の顔を見渡して質問がないのを確認する。
「では、後は冒険者同士挨拶をしてくれ。」

そう言われ、全員で顔を見渡す。
すると竜の原種人の人が喋り出した
「デハ、私達から自己紹介をしよう。
パーティー名 竜花
リン 武道家 
ドウ 武道家 
ソウ 槌使い」
全員女性。
だいぶ攻めた構成だよね。パワーって感じ。
けど、竜の原種人は体力も防御力も高くね耐火耐冷に優れているし、力も強いから、攻め攻めの構成でもなんとかなるのかな?

「ほな、次はワシらが自己紹介しよか。
パーティー名 一七二
ヒトテラ 太刀使い 男 鬼人の原種人
クノ 忍者 女 希薄人
イチ 忍者 女 希薄人
オショウ 法力士 男 希薄人
オンミョウ 召喚士 男 狐の混血人」
全員こっちでは見ない防具をつけていて、ずーっとずーっと東の方にある国・ヒノモト出身。
ヒトテラさんは、鬼人族だから身長二メートル超えで反りのある片刃の剣・太刀を軽々と扱えるんだって。
クノさんとイチさんはヒノモト版レンジャーらしくて、密偵・探索が主な仕事で第二職業次第で戦闘系になるのか街に溶け込んで行くかになるらしい。二人は姉妹で忍者一家らしい。
オショウさんはヒノモト版魔術師。
オンミョウさんは召喚士の家系で、契約している魔物の中には祖先から引き継いでいるのもいるらしい。

次は私の番か。
「こんにちは。
メティス・ラヴァルです。
戦闘職は騎士ですが、片手斧・鞭・魔法を使います。
従魔のヴェデルはヴィゾーといいます。
あとは、夜間警鐘もしてくれるスプライトもいます。
パーティーではないですが、宜しくお願いします。」
ヴィゾーちゃんは紹介された時にクァッて鳴いて挨拶したし、スプちゃんもネックレスの中から光って挨拶したよ!えらいえらい。

「ほな、どないします?
普通やったら、パーティー毎に夜間警鐘するけど、ラヴァルはんトコ人数少ないから、それやと全部カバーでけへんやろ?どう別けますの?」
方言が少し強いのは鍛冶職人のトビマルさんと同じ鬼人族だからかな?同じ故郷なのかな?

「ソレなら私らの所にラヴァルさん入れて、二組で回すのはどうかな?」
リンさんは竜人系に多い出だしの言葉が少し硬くなっちゃう感じの話し方をしてる。
あれ?そういえば、騎士団長も竜人だったけど、すらすら喋ってたような、、、

「それなら人数も合うからええと思うけど、ラヴァルはんもそれで問題ないか?」

「私はそれで問題ないですよ。」

「ほな、そんな感じやな。
あとは、素材の分配はルリ着いてからでええか?」

「イヤ、食糧になるやつは食べるのはどうだ?」

「それもええな。」

「私もお肉が増える方がいいなぁ。」

「ソッチのヴェデルは何を食べるんだ?」

「雑食ですよ。肉なら味付けしてなければ生でも焼きでもなんでも大丈夫ですよ。」

「ワカった。それなら多めに肉を取ろうか。」

「ありがとうございますー。」

「せやけど、従魔で騎獣かー!
ええなぁ。
羨ましいわ!」

「ソウだな。ヒトテラさんもそうだけど、私らも体格的に騎乗できる生物が限られてくるからなぁ。乗れても従魔にするには至難の技だし、できたとしても維持費が凄い事になる。」

「せやねん!せやねん!
スレイプニルとかどうかな思うてんけど、無理やったわ。あの子ら話し聞いてくれへんねん。」

「ヨク出会えたな!というか、スレイプニルは話できないだろ?」

「せやねんよなーもしかしたらとか思ったけど、無理やったわ。結局諦めてウチはその都度考えるになったんやわ。五人分の騎獣はきつい。」

「ワタしらの所は一応まだ考えてはいて、スミロウルフだ。他の大型モンスターよりかは単純で、赤ちゃんから育てれば従順しやすくて、一年程で乗れるようになる。
ただ、問題は肉食だからかなり食費が上がる。
毎日モンスターを狩らないとダメなんだ。」

「んーーそれなら四足歩行の竜獣モンスターはどうですか?
四足歩行なら大体は草食系だし、その中でもモンスターなら肉も食べれる子達もいたはずだから。」

「ソウか。四足の竜獣か!確かにそれならありだな!戦えるし。
けど、なかなかそれを騎獣にしてるのなんて見ないぞ!」

「だって、そんな大きいの普通は必要ないもん。」

「タシかに。
ありがとう!参考にしてみるよ。」

「なんやラヴァルはんえらい詳しいな!
テイマーなん?」

「いや、そうじゃないけど、色んな知識を持つのが好きなんで。」

「そかそか。テイマーならなんかコツ教えて貰おう思うてたのに。」

「あれ?テイミング諦めてたんじゃ?」

「諦め、、、きれへんやろーー。」
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