2
件
――2年ぶりにばあちゃんに会いに行ったら、「たっちゃんさん」が居た。
高校を中退し暇を持て余していた、編み物好きの美少年・レオ。
祖母がオープンするニットカフェのスタッフとして、久しぶりに祖母に会いに行くと、
そこには、全身にタトゥーの入った長身朗らか成人男性「たっちゃんさん」が居た。
レオが引くほどに明るく親切なたっちゃんさんは、レオが「ある理由」で諦めていた、
カラフルな編み込みのニット「フェアアイル」を一緒に編もう、と提案する。
レオもまたたっちゃんさんの仕事にコミットし、二人は不思議なバディ関係になっていく。
二人は、フェアアイルを完成させたら、フェアアイル発祥の地「フェア島」に行こう、と約束する。
互いに、フェア島に行きたい本当の理由を隠しながら、ニットは少しずつ編み進められていく―
文字数 38,207
最終更新日 2024.04.18
登録日 2024.04.18
あいこさんと「おれ」は、女子ドルヲタ仲間。
ある日、あいこさんから
・脳に爆弾を抱えていること
・死ぬとしたら突然死
だということを告げられたおれ。
ノリでおれ達は、
「あいこさんの看取り」「あいこさん名義の一軒家の相続と処分」
を条件に同居する。
予告通り、いや想定より早く、あいこさんは同居から1年半後突然死する。
看取りという役目は果たしたが、「相続」というもう一つの役目に着手できない。
それどころか、おれ達が恋人だったのか、ただの肉体関係のある同居人だったのかも、分からない。
分かるのは、何も分からないままあいこさんはいなくなった、ということだけ。
おれは、思い出だらけの家の中で、この家に訪れる人たちとのやり取りを通じて、本当のあいこさんの想いを紐解いていく。
文字数 51,682
最終更新日 2024.04.18
登録日 2024.04.18
2
件