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2話 同居生活
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雨のジメジメとした空気と一緒に部屋にもイヤーな空気が漂ったままだ。
俺の部屋着を着た美少女がタオルを肩にかけ、ソファに座っているのである。俺も着替えを済まし、彼女の対面に座る。
「コホン、まずは自己紹介からな。俺は一ノ瀬 成16歳、高校1年生だ」
「私はリナ アリアス、歳は16ね」
名前的に外国人かハーフだろう。シルクのような銀髪も染めてはいないようだ。
そして同い年なのか。あまりにも俺の服がダボダボだったのでもっと小さく見えてしまった。まぁ、それは置いといて、さて軽い自己紹介も済んだし本題に入ろう。
「で、どうして家の前に座り込んでいたんだ?」
「それがよく覚えていないの。覚えいるのはパーティメンバーと一緒にゴブリン狩りをしていて…」
「は?」
いやいやちょっと待て、俺ん家の目の前にいたくせについさっきまでゴブリンを狩っていた?俺ん家の目の前にゴブリンがいたんですかっ。
しかし、リナはまだ何かを言いたそうな顔をしている。とりあえず、一回全部話を聞いてみよう。
「ごめん、続けて」
「で、ゴブリンを狩っていたら、背後に忍び寄っていたボスゴブリンに棍棒で…そうして気がついたらここにいたの」
なんだそのアニメみたいな展開はっ!どこまでの厨二病重症患者ですかっ?
「なら、ゴブリンを狩っていたと証明できるものを見せてくれ」
ふんっ、この一言は強力だろう。たとえ厨二病だとしても実物の証拠を出せと言われたら困るだろう。そうして、嘘を暴いた後にしっかりと事情をきこう。
「いいわよっ!」
うそぉーん!?
彼女は濡れた皮のショルダーバッグから巾着袋を取り出し、中身をテーブルの上に出す。
「これがゴブリンの目玉よ!」
そう言ってひっくり返した巾着袋から勢いよく飛び出した白い球が転がり出る。そのまま俺の目の前に…
「なんだこれっ!?気持ち悪っ」
俺は、思わず立ち上がってしまう。転がってきた球を見ると、緑色の瞳に血走った眼球だった。
「他にも見るでしょ?」
彼女は刀身が50センチを超えた短剣や、見たこともない石などを見せてくる。こんなもの持っていて俺に…変な対応していたら殺されたたかもしれないな。とりあえず、危ないものは回収させてもらった。
これではっきりしたな。
こいつ…マジで異世界転移やったんじゃねぇかぁああああ!
待て待て、この状況はどうすればいいんだ?とりあえず警察に連絡か?いや、そんなことしたってリナの話には誰も聞き耳を持とうともしないだろう。
俺は、今後のことを考える。マジで面倒なことになったな。
「リナ、お前のいた国は?」
「ランサー王国」
「家は?」
「ランサー王国にある」
だめだぁ。リナは自分がまだ転移したとは思っていないだろう。
「リナ、聞いてくれ。少し、言いにくいんだが…ここは日本だ。俺の勝手な推測だとお前はここに転生してきたんだ」
「はっ!?じゃ、ランサー王国は?私の家は?」
「無い」
「はぁーーっ!?」
彼女は机から身を乗り出し、酷く驚いている。
でしょうねっ。そりゃそうなりますよ。俺もそうなりましたから。
「問題はここからだ。お前、これからどうするんだ?」
「どうするも何も私はこの世界のことを全く知らないのよっ!」
だよなぁ、こんな奴をこのまま世に放つなんて危なすぎる。容姿は一級品だからな、変な男に狙われるのもあり得ない話ではないだろうし。
俺は頭をフル回転させる。しかし、いい方法は見つからなかった。
「リナ、こうしよう。数日はここにいてもいい、だが未成年が一つ屋根の下で過ごすんだ。法律的にも危ないし、ある程度日本になれたらおさらばだ」
苦悩の判断だが、リナのためにもこれが今最善の方法だろう。もちろん、やらしい事は全く考えてないよ?
彼女は意外そうな顔をしてこちらを見てくるが、数秒考えて答えを出した。
「分かったわ」
こういうことで、俺とリナの数日間の同居生活が決定したのだった。
「じゃ、お前は空いてる和室を自由に使ってくれ。俺は、いままで通りの部屋を使うから」
キッチンにリビング、プラス2部屋で俺1人だ。特に趣味という趣味がな
い俺の部屋は生活するだけのものしかない。なので、空いていた和室を使ってもらおう。
「なんで危ないって分かってるのに家に置いてくれるの?」
リナの頭上には「はてなマーク」が頭の上に浮かんでいる。
「このままお前を追い払った方がお前が危険だろうが」
「でも、私そこそこ強いよ?」
「そういうことじゃない。俺が言うのもなんだが、帰る場所もお金もないお前にとってこの世界は簡単に生きれる場所じゃない。それに、そんなことを知っていて『出て行けっ』なんて言えないだろ」
リナはきょとんとしている。
あー、なんだか超恥ずかしいこと言った気がするな。体がムズムズするような感覚に襲われる。
「後は布団と着替えだな」
「えっ、私、成の服で大丈夫よっ!それに寝るのはソファで充分よ。成が私と寝たいって言うんだったら一緒に寝てあげてもいいけど」
「外で寝たいか?」
「すいません!ソファで結構です」
「あのなぁ、これから一緒に暮らしていくうちの1人がソファで寝るとか考えられねぇだろっ」
俺から同居の提案をしたのに自分だけがベッドで寝るなんてアホなことできるわけねぇ。それに早くリナにこの世界のことを知って欲しいからな。
「よしっ買い物行くか!」
気がつけば、雨は止んでいた。
俺の部屋着を着た美少女がタオルを肩にかけ、ソファに座っているのである。俺も着替えを済まし、彼女の対面に座る。
「コホン、まずは自己紹介からな。俺は一ノ瀬 成16歳、高校1年生だ」
「私はリナ アリアス、歳は16ね」
名前的に外国人かハーフだろう。シルクのような銀髪も染めてはいないようだ。
そして同い年なのか。あまりにも俺の服がダボダボだったのでもっと小さく見えてしまった。まぁ、それは置いといて、さて軽い自己紹介も済んだし本題に入ろう。
「で、どうして家の前に座り込んでいたんだ?」
「それがよく覚えていないの。覚えいるのはパーティメンバーと一緒にゴブリン狩りをしていて…」
「は?」
いやいやちょっと待て、俺ん家の目の前にいたくせについさっきまでゴブリンを狩っていた?俺ん家の目の前にゴブリンがいたんですかっ。
しかし、リナはまだ何かを言いたそうな顔をしている。とりあえず、一回全部話を聞いてみよう。
「ごめん、続けて」
「で、ゴブリンを狩っていたら、背後に忍び寄っていたボスゴブリンに棍棒で…そうして気がついたらここにいたの」
なんだそのアニメみたいな展開はっ!どこまでの厨二病重症患者ですかっ?
「なら、ゴブリンを狩っていたと証明できるものを見せてくれ」
ふんっ、この一言は強力だろう。たとえ厨二病だとしても実物の証拠を出せと言われたら困るだろう。そうして、嘘を暴いた後にしっかりと事情をきこう。
「いいわよっ!」
うそぉーん!?
彼女は濡れた皮のショルダーバッグから巾着袋を取り出し、中身をテーブルの上に出す。
「これがゴブリンの目玉よ!」
そう言ってひっくり返した巾着袋から勢いよく飛び出した白い球が転がり出る。そのまま俺の目の前に…
「なんだこれっ!?気持ち悪っ」
俺は、思わず立ち上がってしまう。転がってきた球を見ると、緑色の瞳に血走った眼球だった。
「他にも見るでしょ?」
彼女は刀身が50センチを超えた短剣や、見たこともない石などを見せてくる。こんなもの持っていて俺に…変な対応していたら殺されたたかもしれないな。とりあえず、危ないものは回収させてもらった。
これではっきりしたな。
こいつ…マジで異世界転移やったんじゃねぇかぁああああ!
待て待て、この状況はどうすればいいんだ?とりあえず警察に連絡か?いや、そんなことしたってリナの話には誰も聞き耳を持とうともしないだろう。
俺は、今後のことを考える。マジで面倒なことになったな。
「リナ、お前のいた国は?」
「ランサー王国」
「家は?」
「ランサー王国にある」
だめだぁ。リナは自分がまだ転移したとは思っていないだろう。
「リナ、聞いてくれ。少し、言いにくいんだが…ここは日本だ。俺の勝手な推測だとお前はここに転生してきたんだ」
「はっ!?じゃ、ランサー王国は?私の家は?」
「無い」
「はぁーーっ!?」
彼女は机から身を乗り出し、酷く驚いている。
でしょうねっ。そりゃそうなりますよ。俺もそうなりましたから。
「問題はここからだ。お前、これからどうするんだ?」
「どうするも何も私はこの世界のことを全く知らないのよっ!」
だよなぁ、こんな奴をこのまま世に放つなんて危なすぎる。容姿は一級品だからな、変な男に狙われるのもあり得ない話ではないだろうし。
俺は頭をフル回転させる。しかし、いい方法は見つからなかった。
「リナ、こうしよう。数日はここにいてもいい、だが未成年が一つ屋根の下で過ごすんだ。法律的にも危ないし、ある程度日本になれたらおさらばだ」
苦悩の判断だが、リナのためにもこれが今最善の方法だろう。もちろん、やらしい事は全く考えてないよ?
彼女は意外そうな顔をしてこちらを見てくるが、数秒考えて答えを出した。
「分かったわ」
こういうことで、俺とリナの数日間の同居生活が決定したのだった。
「じゃ、お前は空いてる和室を自由に使ってくれ。俺は、いままで通りの部屋を使うから」
キッチンにリビング、プラス2部屋で俺1人だ。特に趣味という趣味がな
い俺の部屋は生活するだけのものしかない。なので、空いていた和室を使ってもらおう。
「なんで危ないって分かってるのに家に置いてくれるの?」
リナの頭上には「はてなマーク」が頭の上に浮かんでいる。
「このままお前を追い払った方がお前が危険だろうが」
「でも、私そこそこ強いよ?」
「そういうことじゃない。俺が言うのもなんだが、帰る場所もお金もないお前にとってこの世界は簡単に生きれる場所じゃない。それに、そんなことを知っていて『出て行けっ』なんて言えないだろ」
リナはきょとんとしている。
あー、なんだか超恥ずかしいこと言った気がするな。体がムズムズするような感覚に襲われる。
「後は布団と着替えだな」
「えっ、私、成の服で大丈夫よっ!それに寝るのはソファで充分よ。成が私と寝たいって言うんだったら一緒に寝てあげてもいいけど」
「外で寝たいか?」
「すいません!ソファで結構です」
「あのなぁ、これから一緒に暮らしていくうちの1人がソファで寝るとか考えられねぇだろっ」
俺から同居の提案をしたのに自分だけがベッドで寝るなんてアホなことできるわけねぇ。それに早くリナにこの世界のことを知って欲しいからな。
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