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哀れな計画
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二人が去って数時間後、日が沈み暗くなった頃。郊外に立てられた小さな家の中では乱痴気騒ぎが行われていた。
スピーカーからは重低音が心臓を打つほどの大音量で流れ、甘味のある香りが辺りをただよっており、そこを半裸の男女が酒瓶を片手に入り交じっていた。
ヒビが入ったお世辞にも綺麗とは言えないソファにあの雑貨屋の娘、アリエラは座っていた。
彼女は不機嫌そうにビールの瓶に口をつけ、乱暴に飲み下していた。
機嫌の悪い彼女のとなりに、上半身裸の坊主頭の男がやってくる。
ガタイが良いため、古びたソファのスプリングは悲鳴を上げるように軋む。
彼は、馴れ馴れしくアリエラの肩に手を回すとタトゥーの入った胸板に抱き寄せた。
「どうしたんだよ。何か今日凹んでんのか?」
そんな二人の様子を見て、同じようにビールを飲んでいた小柄なブロンドの女性がニヤつきながら
「アリエラ、またあの『森男』の一人にフラれちまったんだって」
と、ケタケタと笑った。
「はあ!?今度はどいつだよ!あのでかいのか!?それとも肌が白いやつか?あんなののどこが良いんだよ!」
「あの黒髪の方。あんたより良い男だよ。金もありそうだし」
坊主頭が嫉妬したように詰め寄ると、ぶっきらぼうにアリエラは答える。
それを聞くと、坊主頭の男はイラついたようにテーブルの上のグラスに近くの透明なボトルの中身を注ぐ。
度数の高そうなそれを、一気に飲み干すと床で、甘い香りのする葉巻のような物を吸っている痩せている男に声をかけた。
「ベン、俺にも1本寄越せよ」
骨と皮しかないようベンと呼ばれた男は、ギョロリとした目をむけるとソファでふんぞり返っている男に葉巻を放り投げる。
「金もっているって何でわかるんだよ」
火をつけながら尋ねる隣の男に、アリエラは赤く塗った指を頬にあてながら答えた。
「三人とも買い物来ると財布は金でパンパン。
それに、肉屋の親父に聞いたらあいつら定期的に猪やら何やら売りに来るけど、かなりの金額らしいよ」
「....貯めこんでるのか?」
アリエラの言葉に表情を変える坊主頭の男。
「口座に入れてなけりゃ家に貯めてるわよ。剥製も高く売れてるみたいだってさ」
「オリバー、何か考えてるでしょ」
ブロンドの女が、顎に手をあてて何かを考えている坊主頭の男に愉快そうに話しかけた後、ポケットからピンクの錠剤の入った袋を取り出すとかみ砕きながら飲み下す。
トロリとした目をして、残ったビールを飲む女性にベンは近づき腰を抱きながら奥の部屋に連れていく。
「ベン、イブリン。終わったら準備しろ」
「へへへ...やるのか?」
ベンは絡み付いてくるイブリンを相手しながら、なにかにわかっているように笑いながら奥の寝室に消えていく。
「オリバー、あんたまさか」
「金も手に入れて、お前はフラれっぱなしで傷ついてる復讐ができる。なにか問題があるか?」
驚いたようにオリバーの顔をみる彼女に説明をする、荒くれた雰囲気の男にアリエラは少し考えた後、微笑みを浮かべキスをする。
奥からは聞こえる嬌声も二人の良いBGMとなっていた。
もはや、絶望へと向かっている哀れな四人。
地獄に向かう彼らに願えることはただ一つ。
せめて楽に死なせて貰えること。
しかし、それすらも叶うかどうかわからない彼らは本能のままに快楽をむさぼる。
まるでこれが人生最後であるかのように。
破滅まであと数時間。
そしてそれは狩り場へ獲物が現れる時間。
今日の夜、悲鳴と銃声が森に響くだろう。
スピーカーからは重低音が心臓を打つほどの大音量で流れ、甘味のある香りが辺りをただよっており、そこを半裸の男女が酒瓶を片手に入り交じっていた。
ヒビが入ったお世辞にも綺麗とは言えないソファにあの雑貨屋の娘、アリエラは座っていた。
彼女は不機嫌そうにビールの瓶に口をつけ、乱暴に飲み下していた。
機嫌の悪い彼女のとなりに、上半身裸の坊主頭の男がやってくる。
ガタイが良いため、古びたソファのスプリングは悲鳴を上げるように軋む。
彼は、馴れ馴れしくアリエラの肩に手を回すとタトゥーの入った胸板に抱き寄せた。
「どうしたんだよ。何か今日凹んでんのか?」
そんな二人の様子を見て、同じようにビールを飲んでいた小柄なブロンドの女性がニヤつきながら
「アリエラ、またあの『森男』の一人にフラれちまったんだって」
と、ケタケタと笑った。
「はあ!?今度はどいつだよ!あのでかいのか!?それとも肌が白いやつか?あんなののどこが良いんだよ!」
「あの黒髪の方。あんたより良い男だよ。金もありそうだし」
坊主頭が嫉妬したように詰め寄ると、ぶっきらぼうにアリエラは答える。
それを聞くと、坊主頭の男はイラついたようにテーブルの上のグラスに近くの透明なボトルの中身を注ぐ。
度数の高そうなそれを、一気に飲み干すと床で、甘い香りのする葉巻のような物を吸っている痩せている男に声をかけた。
「ベン、俺にも1本寄越せよ」
骨と皮しかないようベンと呼ばれた男は、ギョロリとした目をむけるとソファでふんぞり返っている男に葉巻を放り投げる。
「金もっているって何でわかるんだよ」
火をつけながら尋ねる隣の男に、アリエラは赤く塗った指を頬にあてながら答えた。
「三人とも買い物来ると財布は金でパンパン。
それに、肉屋の親父に聞いたらあいつら定期的に猪やら何やら売りに来るけど、かなりの金額らしいよ」
「....貯めこんでるのか?」
アリエラの言葉に表情を変える坊主頭の男。
「口座に入れてなけりゃ家に貯めてるわよ。剥製も高く売れてるみたいだってさ」
「オリバー、何か考えてるでしょ」
ブロンドの女が、顎に手をあてて何かを考えている坊主頭の男に愉快そうに話しかけた後、ポケットからピンクの錠剤の入った袋を取り出すとかみ砕きながら飲み下す。
トロリとした目をして、残ったビールを飲む女性にベンは近づき腰を抱きながら奥の部屋に連れていく。
「ベン、イブリン。終わったら準備しろ」
「へへへ...やるのか?」
ベンは絡み付いてくるイブリンを相手しながら、なにかにわかっているように笑いながら奥の寝室に消えていく。
「オリバー、あんたまさか」
「金も手に入れて、お前はフラれっぱなしで傷ついてる復讐ができる。なにか問題があるか?」
驚いたようにオリバーの顔をみる彼女に説明をする、荒くれた雰囲気の男にアリエラは少し考えた後、微笑みを浮かべキスをする。
奥からは聞こえる嬌声も二人の良いBGMとなっていた。
もはや、絶望へと向かっている哀れな四人。
地獄に向かう彼らに願えることはただ一つ。
せめて楽に死なせて貰えること。
しかし、それすらも叶うかどうかわからない彼らは本能のままに快楽をむさぼる。
まるでこれが人生最後であるかのように。
破滅まであと数時間。
そしてそれは狩り場へ獲物が現れる時間。
今日の夜、悲鳴と銃声が森に響くだろう。
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