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第2章:謎の町にて
ケンタロー捕まる
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僕は囲まれてた。
前にも後ろにも人、人、人。
カプセルだらけの部屋で僕たちは追いかけっこをしていた。
「くそ! 素早い!」
「偽者め! 諦めて捕まるんだ!」
「嫌だ!」
彼らはカプセルを壊さないように動く。
僕はそれを上手く利用して逃げる。
「どのみち、出口は封鎖してある。逃げ切れはしないさ」
そうなのだ。
問題は出口に人を配して僕が出られないようにしている事だ。
逃げ道は無いと言われてるようなものだ。それでもチャンスはくると信じて逃げる。右へ左へと捕まえようとする手をすり抜ける。
「はあはあ」
「息が切れてるぞ。はあはあ、偽者め」
「はあはあ。そっちこそ」
「ふふ。おい、交代だ」
今まで出口を塞いでいた奴が出てくる。追い掛けてきた方は出口の所へ行き休み始めた。
「…………」
今度の相手は無言で僕を追い始める。
カプセルに手を付きながらも、何とか逃げきろうと踠く。
一人が相手なら何とかなったかもしれないけど、こう何人もが相手じゃ……。
バリン!
カプセルの一つが割れる。
こんな所で追いかけっこしてたら、遅かれ早かれこうなるとは思っていた。
割れた途端に警告ランプが赤く点滅する。続いて大きな音。
ブー! ブー! ブー!
激しい警告音。
この場にいる全員が動揺してた。
いや、これはチャンスかもしれない。
僕は隙を突いてこの部屋を抜け出せるんじゃないかと思った。
出口へと急ぐ。
予想通り、オロオロして出口から離れてしまっている。
僕は急いで出口へと走る。
「しまった!」
後ろで声がした。
僕は残った力を振り絞って走るしかなかった。
「ご苦労だったな。まさか、自ら戻って来るとは……」
僕は自分が来る時に使った道ではなく、反対の道を選んでしまっていたようだ。
待っていたのは出口へと向かうはしごではなく、偽者救世主を捕らえようとする人々だった。
「もう逃げられんよ。偽救世主」
「何だ! 僕をどうするつもりだ!?」
声を荒らげる。
恐怖、不安、そんな感情が僕を叫ばせていた。
「僕は僕だ! 僕を捕まえても何も解決しないぞ! エリーだって僕を探すはずだ。そうなったら全員がひどい目に合うんだからな!」
「捕まえて、本物の救世主様を差し出させるのだ。あの女、絶対に救世主様を出させようとしないからな」
「き、救世主を出させてどうするんだ?」
「救世主様は我らをお救いになるのだ。我らを楽園に……」
「楽園って何だ?」
僕は違和感を覚えた。
「貴様は知らなくて良い」
僕にはもう逃げる体力は無かった。
「さあ、生け贄は捕らえた。今度こそ救世主様をお迎えしよう」
「救世主様を騙る悪魔め! 罰を!」
僕は外へと連れ出される。
「罪人をここへ!」
「罪人を縛れ!」
「神よ! 罪人を捕らえましたぞ!」
人々は勇んで僕を十字架に縛り付ける。
僕には抵抗する力など残っていなかった。
「さあ、教会に立て籠る悪魔よ! 救世主様を出せ! 貴様の仲間と交換だ!」
リーダーらしき男が教会に向かって叫んだ。
教会からは何も反応が無かった。
前にも後ろにも人、人、人。
カプセルだらけの部屋で僕たちは追いかけっこをしていた。
「くそ! 素早い!」
「偽者め! 諦めて捕まるんだ!」
「嫌だ!」
彼らはカプセルを壊さないように動く。
僕はそれを上手く利用して逃げる。
「どのみち、出口は封鎖してある。逃げ切れはしないさ」
そうなのだ。
問題は出口に人を配して僕が出られないようにしている事だ。
逃げ道は無いと言われてるようなものだ。それでもチャンスはくると信じて逃げる。右へ左へと捕まえようとする手をすり抜ける。
「はあはあ」
「息が切れてるぞ。はあはあ、偽者め」
「はあはあ。そっちこそ」
「ふふ。おい、交代だ」
今まで出口を塞いでいた奴が出てくる。追い掛けてきた方は出口の所へ行き休み始めた。
「…………」
今度の相手は無言で僕を追い始める。
カプセルに手を付きながらも、何とか逃げきろうと踠く。
一人が相手なら何とかなったかもしれないけど、こう何人もが相手じゃ……。
バリン!
カプセルの一つが割れる。
こんな所で追いかけっこしてたら、遅かれ早かれこうなるとは思っていた。
割れた途端に警告ランプが赤く点滅する。続いて大きな音。
ブー! ブー! ブー!
激しい警告音。
この場にいる全員が動揺してた。
いや、これはチャンスかもしれない。
僕は隙を突いてこの部屋を抜け出せるんじゃないかと思った。
出口へと急ぐ。
予想通り、オロオロして出口から離れてしまっている。
僕は急いで出口へと走る。
「しまった!」
後ろで声がした。
僕は残った力を振り絞って走るしかなかった。
「ご苦労だったな。まさか、自ら戻って来るとは……」
僕は自分が来る時に使った道ではなく、反対の道を選んでしまっていたようだ。
待っていたのは出口へと向かうはしごではなく、偽者救世主を捕らえようとする人々だった。
「もう逃げられんよ。偽救世主」
「何だ! 僕をどうするつもりだ!?」
声を荒らげる。
恐怖、不安、そんな感情が僕を叫ばせていた。
「僕は僕だ! 僕を捕まえても何も解決しないぞ! エリーだって僕を探すはずだ。そうなったら全員がひどい目に合うんだからな!」
「捕まえて、本物の救世主様を差し出させるのだ。あの女、絶対に救世主様を出させようとしないからな」
「き、救世主を出させてどうするんだ?」
「救世主様は我らをお救いになるのだ。我らを楽園に……」
「楽園って何だ?」
僕は違和感を覚えた。
「貴様は知らなくて良い」
僕にはもう逃げる体力は無かった。
「さあ、生け贄は捕らえた。今度こそ救世主様をお迎えしよう」
「救世主様を騙る悪魔め! 罰を!」
僕は外へと連れ出される。
「罪人をここへ!」
「罪人を縛れ!」
「神よ! 罪人を捕らえましたぞ!」
人々は勇んで僕を十字架に縛り付ける。
僕には抵抗する力など残っていなかった。
「さあ、教会に立て籠る悪魔よ! 救世主様を出せ! 貴様の仲間と交換だ!」
リーダーらしき男が教会に向かって叫んだ。
教会からは何も反応が無かった。
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