初めて愛をくれたのはあなたでした

紫音

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プロローグ

日常へ。

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罪悪感と恥ずかしさから逃げ帰っている最中 



角を曲がるとそこにはクラスメートの

皆川 咲良がそこに立っていた。



「きゃあ!」




「うわぁ、びっくりした…。
もうやめてよ~、皆川。
こんな所で何してたのさ。」     


先程の如月先生へ向けた冷たさを微塵も勘づかせないようにいつもの親しみやすい態度をとり誤魔化していた。






「…いや、…別に?



それより真乃香ちゃん!早く教室行こ?
私真乃香ちゃんをさっきから探してたんだよ?」


 
「あ、そうだったの?ごめんごめん。

如月先生に呼び出されちゃってさ~。
いや~参ったよ~。」






皆川のいつもと変わらない様子から
話は聞かれていないのかと安心しつつ彼女に手を引かれながら教室へ戻った。












私が通う高校ではクラス毎にコースが別れておりて、普通科と特進科、そしてスポーツに特化したアスリート科の3種類のコースが設定されている。




私は中学時代の部活動での活躍からスポーツ推薦でアスリート科に通える予定だったのだが、自分でそれをキャンセルし、親にじゃあせめて特進科を受けてくれということで入試に強制的に参加させられ、

無事に余裕の高得点で特進科へのチケットを手にしたのだが、
学校側と自ら相談し、普通科として入学した。



もちろん日菜は入試の成績もあって
特進科に所属しており、中々廊下ですれ違うなんてないので、朝の会話以外でコミュニケーションを取れないのだ。












でも。






今日また日菜に会えたなら…





また静かに彼女の心の声を聞こう。








あの子の心を受け止める人間が、



きっと彼女には必要なはずだから。

 
 



と、日菜に酷似した『彼女』に照らし合わせながらそんなことを考えた。






今度こそ…。 



見捨てるようなことはしない…。











ーーーーーーーーーーーーーーーーー


朝、満足に会話もできず、
コースが違う離れた校舎のためすれ違いもせず、そのまま1日が終わった。





今日は生徒会の仕事もないため早々に校舎を出て、すれ違う先生や声をかけてくる生徒に挨拶をしながら帰路に着いた。





「…ただいま、帰りました。」




「あら、おかえりなさい日菜。
今日も学校お疲れ様。」



「はい。
…では、
部屋で今日の復習をしてきますね?」


本当は勉強がしたいのではなくこの人から逃げたいだけなのは口が裂けても言えない。


「まあ、勉強熱心ねぇ。
成績も相変わらず高くキープしているし。
本当に貴女が私の子供で良かったわ…。

  


あ…でも無理はしないでね。」

 


  
「あはは…はい。」



ちなみに叔母の口から出て来る
「無理はしないでね」は信用ならないことを
私は知っている。




過去に不調の予兆を感じ、
「今日は仕方ないかな…」と、
寝床に早くついたら、
彼女は血相を変えて私の部屋に入ってきて

散々な事を言った後、
結局私は具合が悪い中、いつも以上に勉強を
しなければいけなくなったことがある。





そういうこともあって
私は叔母にすらも壁を作って生きている。



その方が自分にとって楽だからだ。





いつもの様に自室に籠りなんの面白みもない文字列を自分の脳に押し込めながら家政婦さんが作った夕食のサンドイッチを頬張る。


時刻は既に午前0時。
何時間勉強机に張り付いていたのだろう、と
考えながら少しウトウトしてしまった。


だめ、また寝てしまったら何を言われるか…。

そんなことが頭に浮かんだがそれよりも


今朝の彼女の…優しくて悲しそうな眼差しが頭の中を埋めつくし、私はそのまま瞼を閉じた。




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